チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (97/342)
阪神・淡路大震災からの再生を描いた、村上春樹の短編小説集が今夏、舞台『神の子どもたちはみな踊る after the quake』として上演される。舞台版では原作より『かえるくん、東京を救う』『蜂蜜パイ』の2編を取り上げ、ひとつの物語として編み直す。主演の古川雄輝は出演が決まり、初めて村上春樹の小説に触れたと話す。「シンプルで読みやすい反面、かえるくんて何?と、正直分からないことも多くて。じつは何かの比喩で、別に意味があるんじゃないかとか。読み手に考えさせる解釈の多さがハマる部分なのかなと思います」。「神の子どもたちはみな踊る after the quake」チケット情報信用金庫に勤める片桐(川口覚)は、見ず知らずの巨大な“かえるくん(木場勝己)”から突然、「一緒に闘ってほしい」と頼まれる。神戸の震災で眠りを妨げられたみみずくんが怒って東京に大地震を起こそうとしている、というのだ。しかし、片桐はその後病院のベッドで目覚めることになる。一方、小説家の淳平(古川雄輝)は大学時代の友人、小夜子(松井玲奈)に恋をしていた。小夜子とは彼女が共通の友人、高槻(川口覚・二役を演じる)と結婚、離婚を経て母となった今も友人関係が続いていた。原作では別々の短編だが、舞台版では“かえるくんの物語”は淳平が描いた小説という設定だ。「例えば小夜子を演じる松井玲奈さんが、片桐が目覚めた病院のナースとして登場したり、僕も淳平として物語を語りながら、気づけば小説の中の登場人物として存在している。出演者が出ずっぱりで色々な役を演じていく印象です」。淳平との共通点を尋ねると、「自分の思いを伝えるのが苦手。好意がある女性には何となくのニュアンスは伝えられても、ガツガツとはいけないですね」。一方、(古川が)理系という意味では淳平とは真逆とも。「理系は答えを求めるので、今回も演出の倉持さんにお会いするなり『この台詞はどういう意味ですか?』と正解を求めました(笑)」。舞台は役者として成長できる場と捉える。「今回も大変な現場になると思っています。でも苦手意識ばかりでは辛くなるので、“楽しむこと”をテーマに頑張りたい」。観客にも一期一会の舞台を見届けてほしいと話す。「テーマにある震災については、人によって感じ方もさまざまだと思っています。僕が何かを伝えるというよりは、それぞれに思いを持ち帰っていただければいいのかなと。淳平の告白できない様とかは、身近な物語としても楽しめると思います。原作とはひと味違う世界観を、ぜひ観に来ていただきたいなと思います」。公演は7月31日(水)から8月16日(金)まで東京・よみうり大手町ホール、8月21日(水)・22日(木)愛知・東海市芸術劇場 大ホール、8月31日(土)・9月1日(日)兵庫・神戸文化ホール大ホールにて。チケットは発売中。取材・文:石橋法子
2019年05月17日旗揚げ39周年を記念し、ファンへの感謝の気持ちをいつも以上に込めた“39 サンキュー興行”を敢行している劇団☆新感線。その夏秋公演として上演されるのが、「いのうえ歌舞伎《亜》alternative『けむりの軍団』」だ。そこで主演を務める劇団の看板俳優、古田新太に話を聞いた。脚本を手がけるのは、2016年の『乱鶯』以来、2度目の新感線参加となる倉持裕。今回倉持が古田に当てて書いたのは、真中十兵衛という切れ者の策士で、池田成志演じる美山輝親とバディを組むことになるという役どころだ。「江戸っ子の、悪党の棟梁みたいな感じの人ですね。どちらかというと狂言回しというか、ストーリーテラー。それが手下を使ってどうのこうのとしているうちに、いつの間にか成志さんもついて来るという。新感線で成志さんってもうみんな飽きてるんじゃないの?とは思ったんですけど(笑)、そういえばオイラとのバディものは意外にもなかったなと。まぁ成志さんはすでに逃げ腰ですけどね(笑)」池田が新感線に参加するのは今回でなんと13度目。さらに本作で6作目となる早乙女太一、ともに2作目となる清野菜名、須賀健太と、客演とはいえおなじみの顔ぶれがそろう。「成志さんは何だかんだやりやすいですからね。バディものが初とはいえ不安はないですけど、嫌なのは早乙女太一(笑)。だって絶対オイラと戦うことになるでしょ?あいつのスピードについていくのしんどいんですもん。真ちゃん(堤真一)くらいがちょうどいい(笑)。あと菜名にしろ健太にしろ、体動かすのが好きな奴らばっかり。オイラと成志さんはもう、下ネタコントだけでいいんですよ(笑)」今回も新感線らしく、アクションあり、笑いありの壮大な物語になることはほぼ間違いなさそう。だがそれに対し顔を曇らせる古田は…。「脚本の段階で明らかに倉持が張り切り過ぎなんですよ。いくら面白くたって、いらないせりふはない方がいいんだから。成志さんとふたり、“ここカットでいいんじゃないですか?”って言い続ける、地道な作業が待っているなと。まぁそれでも (演出の)いのうえ(ひでのり)さんは絶対切らないんですけどね。あれ、もったいないおばけでも飼ってるんじゃないかな?(笑)」とはいえサービス精神たっぷりの新感線のこと。その看板俳優として、今回も古田は極上の演劇体験を観客に提供してくれるはずだ。「オイラは面白くない芝居はつくらないですからね。そこは安心して、ぜひ劇場に足を運んでいただければと思います」東京公演は7月15日(月・祝)から8月24日(土)まで。福岡公演は9月6日(金)から博多座で、大阪公演は10月8日(火)からフェスティバルホールで行われる。チケットは5月19日(日)午前10時より発売。ぴあでは東京公演の先着先行を5月18日(火)午前9時59分まで受付中。取材・文:野上瑠美子
2019年05月17日原作は手塚治虫、上演台本・演出を中屋敷法仁、主演を五関晃一(A.B.C-Z)が務める舞台『奇子(あやこ)』が7月に上演される。手塚治虫の“黒い”作品群の代表作を初めて舞台化する本作について、中屋敷に話を聞いた。【チケット情報はこちら】中屋敷がかねてから舞台化したかったという本作。初めて読んだのは小学生のときで「父がファンで、家には手塚治虫の作品がたくさんあったのですが、そのなかでも子供心に『これは読んではいけない作品だ』と理解していました」と振り返る。それもそのはず。そこに描かれているのは、東北の大地主一族の不貞によって産まれた“奇子”の物語。一族の体面のために地下室に幽閉され育った美しい奇子が、ある日世に放たれる――という、少女監禁や近親相姦などセンセーショナルな描写が多い作品で、大人が読んでも衝撃は大きい。手塚治虫にはさまざまな名作があるが、なぜこの『奇子』なのかを尋ねると、中屋敷は「演劇のよろこびは、生身の俳優と生身の人間を観て、普段僕らが出会えない人間の本性と向き合えることだと思う」と語り、そのうえで「僕にはこの『奇子』が手塚治虫作品の最高傑作…最高怪作」だと明かす。それを“今”やるのは、昭和が終わり平成を経て令和へと移りゆく時代の空気が作品とマッチしているから。「時代に取り残されていく人々がいたり、時代の流れが人の悲しみや怒りのようなものをないがしろにしたり、そういう“時の流れの残酷性”をまざまざと感じられるのが今なんじゃないかと思いました」「“観たくないけど、観なきゃいけない”というような…目を背けられない、目を背くことを許さない作品にするのがテーマです」という本作で、五関をはじめ出演者に求めるのは、本性。「俳優の皆さんの本性に触れなければ進めないんじゃないかというシーンがいくつかありますし、自分の過去の体験や、自分が持っているある意味みにくい本性みたいなものを手掛かりにしていかないと、役を手繰れないんじゃないかと感じています。稽古中、すごく恥ずかしくなるんじゃないかな」「今ってさまざまな技術やメディアがあって、“人間のふりをしてる人間”をたくさん見ると思うのですが、“本当に生身の人間を見るってこういうことだ”“これこそ生身の人間なんだ”というものを、手塚治虫と、この俳優たちと、『奇子』という世界で表現したいです。人間を見るのにうんざりしている人にこそ観てほしい。人間ってこんなに醜くて美しくて愛おしいものなんだということを感じてほしい」と中屋敷が語る、手塚治虫生誕90周年記念事業PARCOプロデュース2019『奇子』は、7月19日(金)から28日(日)まで東京・紀伊國屋ホールにて上演。その後、水戸、大阪を巡演。取材・文:中川實穗
2019年05月17日舞台を中心に活動するジャニーズのふぉ~ゆ~が、6月7日(金)22:24~23:24放送の音楽番組『My Anniversary SONG』(BS朝日)に出演。テレビ初披露となるふぉ~ゆ~オリジナル曲『Everything 4 You』をお披露目。懸命な歌とキレのあるダンスでお届けする。【チケット情報はこちら】『Everything 4 You』はKinKi Kidsはじめ多くの作品を手がける堂島孝平の作詞作曲。「どうしても堂島さんにオリジナル曲を作って欲しい」というメンバー全員の妄想から夢が叶った。また、メンバーそれぞれがJr.の頃にバックで踊っていた思い出の楽曲をスペシャルメドレーで披露する。トークでは、さまざまな楽曲にまつわるエピソードを振り返っていく。MC高嶋政宏からのきわどい質問にもガチで答えるふぉ~ゆ~の4人。メンバーの福田悠太、辰巳雄大、越岡裕貴、松崎祐介それぞれの個性が炸裂!そして番組のレギュラーの座を狙うふぉ~ゆ~にミュージシャンのKがビビる!?歌もトークも盛りだくさんのエンターテイメントぶり。4人の仲の良さや関係性も存分に伝わる、ふぉ~ゆ~丸わかりの贅沢な1時間だ。番組出演にあたってメンバーの4人は「楽曲のリリースをしていないのに音楽番組に出演だ!」と大はしゃぎ。ふだんは舞台出演が多く、ジャニーズの中でもダンスと演劇で活躍する唯一無二のグループとして着実に技術を磨いている彼ら。各メンバーが単独舞台主演などをつとめながら、年に1度は4人そろって演劇に挑む。2019年は7月に『SHOW BOY』を上演予定だ。『SHOW BOW』は大型カジノ豪華客船を舞台にした、セクシーでショッキング、マジックあり、歌ありのオリジナルダンス劇。4人の役は、ケガで引退した実力派ダンサー(福田悠太)、失敗ばかりのマジシャン見習い(辰巳雄大)、全財産を失ったギャンブラー(越岡裕貴)、中国人マフィア(松崎祐介)。ゴージャスな船上で、4人の男たちの4つの物語がはじまる。ほか、キャバレーの支配人役に神田沙也加、主演ダンサーに秋山大河(MADE/ジャニーズJr.)、ショーのマドンナに樋口日奈(乃木坂46)らが出演。ゴージャスなショータイムと、ハートウオーミングな物語をお届けする。脚本は登米裕一、演出はウォーリー木下。上演は7月10日(水)から28日(日)まで、東京・シアタークリエ、8月3日(土)名古屋市公会堂にて。チケット発売は5月19日(日)午前10時より。テレビに音楽に舞台にダンスと、さまざまなエンターテイメントを存分に楽しむふぉ~ゆ~。今後の活動から目が離せない!文:河野桃子
2019年05月17日デュッセルドルフとデュースブルグの2か所に本拠地を置くライン・ドイツ・オペラのバレエカンパニー、バレエ・アム・ラインの初来日公演が決定!演目は作曲家・チャイコフスキーの中でも特に有名なバレエ作品である『白鳥の湖』で、9月20日(金)・21日(土)東京・オーチャードホール、9月28日(土)兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホールにて上演される。バレエ・アム・ライン「白鳥の湖」チケット情報バレエ・アム・ラインでは、スイス出身の振付家であるマーティン・シュレップァーがチャイコフスキーの原典版音楽(通常バレエに使用されているのは変更、削除、他曲が挿入され、ほぼ30%が原典版と異なる)を使用し、台本は世界中で上演されている“プティパ・イワーノフ改訂版”ではなく改変前のオリジナルを使用。『白鳥の湖』おなじみの白タイツやチュチュを衣装に取り入れず、陰影を際立たせる演劇的要素の強い照明や多国籍なダンサーたちの個性を生かした振付で、これまでにないスタイリッシュで力強くスピード感のある新しい『白鳥の湖』を創り出した。このシュレップァー版『白鳥の湖』は2018年6月、ドイツで世界初演を迎え、その個性的なダンスをはじめ、衣装や照明、美術、そして“古典”と“モダン”を融合させた斬新な演出が話題を呼び、チケットは即日完売、連日観客を熱狂させ大成功を収めた。ヨーロッパで強烈なインパクトを与え続け、いま最も注目されているバレエの革命集団のが創り出す“究極のアート”の世界をぜひ体感してほしい。チケットは5月25日(土)10:00より一般発売開始。一般発売に先駆け、東京公演は5月24日(金)23:59まで、兵庫公演は5月23日(木)23:59まで先行先着プリセール実施中。
2019年05月17日鉄道の沿線を“擬人化”した人気コミックの舞台シリーズ、ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』最新作が5月9日より東京・品川プリンスホテル クラブeXで開幕した。副題は「すべての路は所沢へ通ず」。“西武鉄道”に焦点をあて、西武グループの沿線達が一堂に介するスピンオフ作品だ。【チケット情報はこちら】西武グループは全員金髪、全員青制服。似たビジュアルだからこそ出演者らは「よりキャラを出していきたい」(KIMERU)、「個性がたくさん。みんな違ってみんないい」(木村敦)と意気込む。その言葉どおり舞台上ではそれぞれが個性を暑苦しいほど主張し、とても勢いあるミュージカルとなっている。公演は、原作漫画と同じく日常的なエピソードが折り重なっていく構成。「30個以上のシーンでできています。何を見させられているんだろうという新しい感情が湧くのでは……普通の舞台とは違う作り」(滝口幸広)。ひとつひとつは、鉄道グッズの開発、ホワイトデーの出来事など、彼らの賑やかな日々を描いている。本人達は非常に真剣だが、どれもくだらなく笑えるものばかり。エピソードすべての根底に流れるのは、揺るぎない“会長愛”。全員が西武グループ創業者を『会長』と呼び神のごとく崇拝する“会長愛”を持っている。ことあるごとに「会長万歳!」と叫び、観客にも叫ばせる。「前作までは、西武鉄道3名で万歳をしていました。今回は全員が西武。会場に万歳を巻き起こせたら」(橋本汰斗)。「参加型の舞台です。「万歳!」「会長!」と一緒に叫んでほしい」(森山栄治)。「西武グループに浸っていただければ」(馬場良馬)。12名の金髪青服の鉄道達に盛り上げられ、劇場は「万歳!」の嵐に包まれていく。しかも場所は西武グループが運営する品川プリンスホテル内。熱気に揉まれ、一体になって西武グループを崇め称える異様な空間となる。「万歳!」と叫ぶ間も、30個のエピソードが怒濤のように繰り広げられていく。するといつの間にか、それぞれの関係の変化や悩みが見えてくる。「おのおのの関係性が面白い。個性的なんだけれど、統一されている」(渡辺コウジ)。そんな彼らを観ていると、最後には、ちょっと感動してしまったりする。「個性の強い西武グループを見て、西武愛に目覚めていただければ」(岩城直弥)。擬人化され、感情豊かな沿線達を見ているうち、いつの間にか西武鉄道が好きになってしまう舞台だ。上演は5月19日(日)まで。文:河野桃子
2019年05月17日シェイクスピアの「テンペスト」を“K.(串田版)”として串田和美が再構築する「K.テンペスト2019」が5月16日より開幕。演出・潤色・美術を手掛ける串田に話を聞いた。【チケット情報はこちら】2014年、2017年に続く三度目の上演となる本作は、串田が「この芝居は最初から決まっていることはなくて、ワイワイ話すなかでつくってきました。今回もそうやって話したい」と語るように、キャストと共に約6週間のワークショップ・創作期間を経てつくりあげる作品。話す内容は毎公演違うそうで、「今回は“許すってなんだろう”という話をしようかなと思っています。この作品でプロスペローは実の兄弟であるアントーニオに裏切られた復讐をしようとしているけれども、最後には許さなきゃいけない。じゃあ“許す”とか“謝る”ってなんだろうという話がしたい」と構想を語る。ベーシックなものとは違う、「出演者がお客さんと喋ったり、シェイクスピアの本を読んだりしているうちにだんだんお芝居になっていって、ときどきまたフッと喋っている状態に戻ったりするようなスタイル」(串田)で上演される本作は、広場で自由に演劇を観るようなカタチの場がつくられ、座る席も自由。これまでの手ごたえとしては、観客の「“こんなん“で”いいんだ” “これ“で”演劇なんだ”という反応」が印象的だったと串田は振り返る。「演劇が苦手な人って“理解できなかったらどうしよう”とか“あれ?みんな笑ってるけど…”とか、そういうのがあるでしょう。だけどそれは自由だし、なによりそこに“居合わせた”という感覚“で”いいんだってことを感じ取った人がたくさんいた。前回、僕の隣にいる人がそわそわしているから“どうしたの?”って聞いたら“なんだか嬉しい気持ちになって。なんでしょう、この気持ち!”って子供みたいになってて。嬉しかったな」と明かす。「演劇って、このごろは“商品をつくっているんだから”という意識が強い人も多いけど、すべて“作品”だし、僕は“作品”というより“事件”…小さなね、だといいなと思いながらつくっています」初めて観る人にとってはもちろん、新キャストが参加することで前作、前々作を観た人にとっても新しい体験となる。そんな本作は、5月19日(日)まで長野・まつもと市民芸術館 特設会場、5月22日(水)から26日(日)まで東京・東京芸術劇場 シアターイーストにて上演後、ルーマニアとセルビアを巡演。写真・文:中川實穗(なかがわみほ)
2019年05月17日2007年から東京での4年間のロングランで述べ1,388公演、80万人を動員した、異次元のアート・パフォーマンス・エンターテインメント「BLUE MAN GROUP」。惜しまれながらも、2012年3月31日に東京での千秋楽を迎えたが、これまで、世界38都市をツアーしてきた「BLUE MAN GROUP WORLD TOUR」が待望の初上陸。東京、名古屋、大阪を巡演するJAPANツアー初日を、東京・EX THEATER ROPPONGIにて、新元号令和元年の初日5月1日にスタートした。【チケット情報はこちら】ショウの冒頭で魅せるブルーマンの象徴として長く愛されている「ペイントドラム」で、音楽とともに作られる“前衛アート”。この5月1日の公演限定で、キャンバスには「令和」の文字が浮きだされ、気づいた客席から歓声が上がる場面も。新元号のお祝いムードに華を添えた演出となった。過去の東京の公演でも観られた人気の演目も観ることができるが、それぞれがバージョンアップされ、初めてブルーマンを体験する人はもちろん、過去にブルーマンを体験した来場者も、興奮を抑えられない様子。初日は、オフィシャルサポーターであるブルゾンちえみ、withBこと、ブリリアンのダイキ、コージも観劇。昨年末にラスベガスで観劇をしたブルゾンちえみも「ベガスとはまた違う、これが日本バージョンになっているんだ!と、観たこともないのもたくさんあったし、東京初日、すっごく楽しめました!」と語った。ツアーは6月2日(日)まで東京・EXシアター六本木、6月6日(木)から9日(日)まで名古屋・愛知県芸術劇場、6月12日(水)から16日(日)まで大阪・オリックス劇場で上演。なお、5月30日(木)に追加公演が決定している。 いずれもチケットは現在発売中。
2019年05月17日“伝説の絵本”とも言われる大海赫(おおうみあかし)の同名作品を原作にした舞台『ビビを見た!』が7月4日(木)に開幕する。主演を務める岡山天音に話を聞いた。【チケット情報はこちら】「舞台はずっとやりたかったので、“いよいよ来たか”という感じです」と岡山。「今までに1度だけ経験があるのですが、そのときは10代で芝居の経験も浅くて。その時とは違う感覚でやりたいという気持ちがずっとありました。舞台って、稽古期間があるし、開演したらぶっ通しですし、役に没入する時間が長い。僕にはそのこと自体がキラキラしてみえる。それを味わってみたいし、体感してみたい。自分がどうなっちゃうんだろうっていう楽しみがあります」上演台本・演出を手掛ける松井周が長年あたためていたという本作だが、岡山は原作絵本を読んで「まさかこんな世界が広がっているとは」と驚いたそう。物語は、岡山演じる盲目の少年ホタルが突然「7時間だけ見えるようにしてやろう」という声を聞き、見えるようになることから始まる。しかし同時にホタル以外の人々の目は見えなくなり、さらにホタルの住む町は正体不明の敵に襲われるのだった。逃げるために乗り込んだ電車で、ホタルは緑色の少女ビビ(石橋)と出会うのだが――。「“これをやるんだ”という楽しみに満たされました。せっかくやるんだったらこのくらいヤバい世界に没頭したいから」「この物語はすごく速い速度で進んでいくので、僕がホタルという役をちゃんとかみ砕いて表現に至らせないと、お客さんを置いていってしまいかねない」と語る自身の役だが、「稽古場で松井さんにもらうものが多いかな、と思います。まだ僕が持っていないものや、まだ僕が知らないことで、僕の中のホタルが埋まっていく気がします」。自身との共通点を「僕は超現実的な部分もありながら、“(子供のように)美しく生きたい”という思いもすごく強くて。人は年を取ると現実のほうに寄っていく気がしますが、僕はそれでも脱却できないところがあります。だからいろんなことにすごくショックを受けたりもしますし。そういうところはホタルに通じるんじゃないかな」と語る。絵本には原作者によるネタバレチックなあとがきも書かれているが、「まだ読みません」と岡山。「それを読むと自分の知らないことを演じようとしちゃいそうで怖いんですよ。きっとこれからどんどん解釈も変わっていくし、いろんなことが育っていくと思うから。役が自分のものになってから読みます」。岡山がそうやってつくりあげるホタルを楽しみに待ちたい。公演は7月4日(木)から15日(月・祝)まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場<大スタジオ>にて。チケット発売中。取材・文:中川實穗
2019年05月17日1498年創立。500年以上の歴史を誇るウィーン少年合唱団が今年も、4月から6月の約1か月半にわたって東北から九州まで日本全国をめぐる。ツアー初日を前に、4月26日東京・赤坂のサントリーホールブルーローズにて来日会見が開かれた。今年は日本オーストリア国交樹立150年の記念年であり、日本をよく知る彼らにとっては元号が令和に変わった節目のタイミングであることも大きな意味を持つ。プログラムには、おなじみのクラシックの名曲やウィーンの歌、ミュージカル・ナンバーなどとともに、合唱団芸術監督のゲラルト・ヴィルト作曲による両国友好150年の記念曲《内なる平和》や、皇室にちなんだ《歌声の響》《ねむの木の子守歌》も含まれている。会見後、メンバーの3人、ヤコブ君(12歳)、ネイサン君(13歳)、ティモ君(13歳)に、プログラムの中で1番好きな曲を尋ねると、ヤコブ君はバンキエーリの《カプリッチアータ》。ネイサン君は「全部。すべての曲が生き生きしている」と優等生の答え。ティモ君は、ネタバレになるので控えるがアンコール曲の名を挙げた。逆に難しい曲はあるかと聞いたところ、全員が口を揃えて「日本の曲!」と答えた。やはり日本語の発音は難題のようだ。10歳から14歳まで約100人のウィーン少年合唱団の団員たちはふだん、ウィーン市内のアウガルテン宮殿で、「ハイドン」「モーツァルト」「シューベルト」「ブルックナー」の4つのグループに分かれて全寮制で生活・活動しており、今回来日したのは「ブルックナー組」の26人。彼らを率いるイタリア人カペルマイスター(楽長)のマノロ・カニンは会見で、グループの特徴を問われ、「サッカーが上手いこと」と軽くはぐらかしたが、ヴィルト芸術監督によれば、「各組のカペルマイスターの個性によって、音楽の解釈も練習の仕方も異なる。当然グループごとに特徴が出てくるが、それは『ウィーン少年合唱団』という統一された特徴の中のニュアンスのようなもの」ということだそう。ちなみに芸術監督は、目をつぶって聴いても各組の名前を言い当てられるというが、私たちにもそれが可能かと聞くと、「理想的には、不可能であってほしいですね」と笑った。あくまでも「全体でひとつ」なのだ。「500年の伝統」と聞くと、私たちはつい、脈々と伝わる門外不出の演奏の秘法みたいなものの存在を求めてしまう。音楽の解釈、発声、発音……。でも、ヴィルト監督は「大切なのはそんなことではない」と少しだけ語気を強めた。「国籍や宗教、各自の家庭環境などを超えて子供たちが集まり、500年の間にその輪が世界規模になった。これこそが供たちの人生にとって大事なこと。生活をともにして音楽を作り上げ、生涯続く友情を培うのです」なるほど。その多様性こそが伝統というわけ。まさにダイバーシティ。彼らは、音楽をも超えた、理想の地球の縮図なのかもしれない。取材・文:宮本明
2019年05月17日作・作詞・楽曲プロデュースを森雪之丞、演出を白井晃が手掛ける新作ミュージカル『怪人と探偵』が、今年9月に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場にて上演される。本作は、江戸川乱歩作品を原案にしたオリジナルストーリーで、大怪盗・怪人二十面相を中川晃教、名探偵・明智小五郎を加藤和樹、ヒロイン・北小路リリカを大原櫻子が演じる。大原に話を聞いた。【チケット情報はこちら】脚本を読んだ感想を「怪盗と探偵の駆け引き、男女の関係、どちらもハラハラする作品です」と楽しそうに話した大原。自身が演じるリリカについて「ある背景があって、ただの品のいい令嬢ではない。清純でありながら泥沼の世界も知っているような女性です」と語る。怪人二十面相を演じる中川と明智小五郎を演じる加藤の印象を聞いてみると、「実は小学生の頃にテレビで中川さんが歌っていらっしゃるのを観て、本当に素敵な歌声で“うわ、この人といつか歌いたい”と思ったんです。だから中川さんと共演できるのが夢のように嬉しくて!」と待望の共演なのだそう。一方、加藤は「以前イベントでご一緒させていただいたのですが、そのときに先輩方に“和樹~!”ってかわいがられている加藤さんの印象が強いんですよ。だから今回、ビジュアル撮影の写真を観て“あれ!カッコいい!”って(笑)。フランクな加藤さんしか知らなかったので、素敵って思いました」と、怪人と探偵同様どこか正反対ともいえる存在のよう。演出を務める白井とはミュージカル「わたしは真悟」(2016)以来のタッグ。「『わたしは真悟』で白井さんのことを大好きになりました。心を委ねられるし、本音をぶつけることができる方です」と全幅の信頼を寄せる。作・作詞・楽曲プロデュースを務める森とは、大原が出演した新感線☆RS『メタルマクベス』disc2(2018)の公演中に話をしたといい「公演を観て“櫻子ちゃん、俺ちょっと書き直すわ”と言ってくださって。だからこそ脚本が楽しみでしたし、実際に読んで、嬉しいなとも感じました」と明かす。音楽は本作ならではの布陣。テーマ音楽を「東京スカパラダイスオーケストラ」が書き下ろし、劇中の楽曲の作曲は「WEAVER」の杉本雄治が手掛ける。「テーマ音楽を少しだけ聴かせていただいたのですが“きたきたきたきた!”って感じるような音楽で、ハラハラドキドキしました!」。KAAT2019年度のラインアップ発表会で森も「“この作品から日本のオリジナルミュージカルの歴史が始まった”と言われるような作品にしたい」と話した本作。果たしてどんな作品が誕生するのか楽しみに待ちたい。公演は9月14日(土)から29日(日)まで、神奈川・KAAT神奈川芸術劇場にて。ぴあでは5月26日(日)23:59まで二次抽選受付中。取材・文:中川實穗
2019年05月17日5月14日、読売日本交響楽団の第588回定期演奏会(サントリーホール)は、今年4月に第10代常任指揮者に就任したセバスティアン・ヴァイグレの披露演奏会として行なわれた。【チケット情報はこちら】令和とともに始まるオーケストラの新しい時代の幕開けを見届けようと集まった聴衆たちがかたずを飲んで見守るなか、ヴァイグレが登場すると、歓迎の意を示すように、ひときわ大きな拍手が湧き起こる。曲目は現代作曲家ハンス・ヴェルナー・ヘンツェの《7つのボレロ》とブルックナーの交響曲第9番という、がっつりドイツ音楽プログラム。そして音楽の振り幅の大きさを示す2曲だ。前半のヘンツェはいきなり、打楽器を含むオーケストラの全奏が咆哮する。オーケストラを気持ちよく鳴らしきって、まずは挨拶代わりの切れ味を印象づけるヴァイグレ。一転、後半のブルックナーでは深い息づかいの歌を丁寧に引き出した。消え入るように全曲が終わったあともホール全体が動けない。長い静寂の持続は、客席が指揮者と緊張感を共有していた証しだろう。その「魔法」が解けた瞬間に大きな喝采がホールを包んだ。感動的な船出だ。ヴァイグレは1961年ベルリン生まれ。ベルリン国立歌劇場の首席ホルン奏者を経て指揮者に転身。2008年からフランクフルト歌劇場音楽総監督を務めるなど、これまでのキャリアでは劇場での活躍が目立つ、現代を代表する名匠のひとり。終演後、ホール・ホワイエで報道陣を招いて行なわれた懇親会で、ヴァイグレは次のように語った。「素晴らしいオーケストラ・聴衆とともに、新しいスタートを切ることができた。常任指揮者として最初のコンサートはもちろん特別なものだけれども、私にとっては、これまで(客演した)読響とのすべての共演が素晴らしい特別な公演だった。だからこそ、読響からの常任指揮者のオファーを即答で快諾した。(ゲストから常任指揮者へ肩書きが変わっても)自分の仕事は変わらない。これまでオペラをたくさん振ってきて、そろそろシンフォニーも充実させたいと願っていたところ。さまざまなアイディアをオーケストラとともにひろげたい。それを実現するためのこのうえないパートナーを得ることができた」読響とはこのあと、5月中に2プログラム(4公演)を指揮。6月には二期会のR.シュトラウス《サロメ》で、ともにオーケストラ・ピットに入る(演出:ウィリー・デッカー、サロメ役:森谷真里/田崎尚美)。昨年の《ばらの騎士》に続いて、シュトラウスの濃厚なオーケストラ・サウンドが公演を支える。オペラ指揮者としての本領発揮だ。そのあとは9月、そして来年3月に読響に帰ってくる。就任初シーズンは、いずれもモーツァルト、ベートーヴェンから、R.シュトラウスに至るドイツ音楽を徹底的に聴かせる、「ドイツの名匠の自己紹介」といった趣きのプログラムを組んだ。新たなチャプターに突入した読響に大きな注目が集まる。取材・文:宮本明
2019年05月17日シリーズ累計350万部、きむらゆういちの人気絵本「あらしのよるに」の音楽劇が8月に上演される。アニメ映画化や、舞台でも歌舞伎などで上演されてきた本作を、立山ひろみ(脚本・演出)、鈴木光介(音楽・時々自動)、山田うん(振付)で新たに制作する。オオカミのガブ役・渡部豪太に話を聞いた。【チケット情報はこちら】オオカミとヤギが「食う」「食われる」の関係をこえて友情を育てる物語を描く本作。「僕は映画化(2005年)された頃に絵本を読みました。物語を人間に置き換え、なんで人間同士は仲良くなれないんだろうということを考えました。戦争とか私欲とか差別とかいろんなわだかまりがあるけれど、それについてガブとメイみたいに自分の頭で考えることができれば、もっとおもしろい世の中になるんじゃないかって」と初めて読んだときの感想を語る。それから10年以上経った現在は「言葉がきれいな作品だと感じています。やさしいだけじゃないところもいい。原作のきむらゆういち先生はいろんな経験をしてこられた方なんだろうなと感じます」。そんな深みのある物語を演じるうえで渡部が思うのは「届けたいものが生まれてくると思うけど、そこを狙わないようにしたい」ということ。「だって我々が“誰とでも仲良くしなさい”と言ったって、そんなの親や先生から教わっていると思うから。そういうことじゃなくて、“こんな友情もある”という姿だったり、5歳の子が大人になった頃に“あ!”と気付くような、そういうものを届けたいです」ガブという役柄は「やさしいって思います。そうじゃなかったらあんなふうに悩まないですから。どんなガブになるかは稽古で見つけていきたいですが、やさしいガブでいることは大切にしたいです」と語る。ヤギのメイ役・福本莉子とは初共演だが「あどけなさがあって、まっすぐな感じが本当にメイみたい。楽しくやれたらいいですね」。ストレートプレイのイメージが強い渡部だが「歌は好きです」と明かし、「立山さんの脚本・演出と、鈴木さんの音楽、山田さんの振付に対応できる柔軟な身体、柔和でまっさらな心を用意して、稽古に臨みたい」と意気込む。渡部をはじめ個性豊かなキャストが揃い子供から大人まで楽しめそうな日生劇場ファミリーフェスティヴァル2019 音楽劇「あらしのよるに」は、8月3日(土)から5日(月)まで東京・日生劇場にて上演。チケット本日より発売開始。取材・文:中川實穗ジャケット 45000円ボーダーTシャツ 13000円パンツ 27000円KURO クロ / KURO△GINZAクロ△ギンザ03-6274-6257
2019年05月17日8月25日(日)に長崎市稲佐山公園野外ステージで開催される野外ロックフェス、Sky Jamboree 2019。今年で21回目を迎える同フェスの全出演者が発表された。【チケット情報はこちら】既に発表済みのストレイテナー、ORANGE RANGE、THE ORAL CIGARETTES、GLIM SPANKY、tetoの5組に加え、東京スカパラダイスオーケストラ、10-FEET、MAN WITH A MISSION、SUPER BEAVER、HEY-SMITH、LAMP IN TERRENの6組の出演が決定。チケットの一般発売は6月22日(土)10時より開始。また一般発売に先駆けて、エフエム長崎にて先行を実施。5月17日(金)16時放送のエフエム長崎『Fly-Day Wonder3』及び5月18日(土)10時から5月23日(木)23時59分までSkyJamboreeオフィシャルwebサイトにて受付。■Sky Jamboree 2019 ~one pray in nagasaki~日時:8月25日(日) 開場10:00 / 開演 11:00会場:長崎市稲佐山公園野外ステージ ※雨天決行(荒天の場合は中止)出演:東京スカパラダイスオーケストラ / 10-FEET / ストレイテナー / ORANGE RANGE / MAN WITH A MISSION / SUPER BEAVER / HEY-SMITH / THE ORAL CIGARETTES / GLIM SPANKY / teto / LAMP IN TERREN
2019年05月16日7月に東京・品川クラブeXにて舞台化される大人気乙女ゲームシリーズ「Starry☆Sky」。同公演のティザービジュアルが解禁された。【チケット情報はこちら】「Starry☆Sky」はhoneybeeが贈るドラマCD、乙女ゲームなどからなる女性向けメディアミックス作品シリーズ。天文に関する知識を教える『星月学園』(せいげつがくえん)を舞台に、唯一の女子生徒が主人公となり、十三星座の性格特徴を持つ男性キャラクター達との恋愛を描く作品。 「Starry☆Sky」の舞台化となる『Starry☆Sky on STAGE』の脚本は、様々なドラマCDやゲームシナリオも手掛け、劇作家でもあり脚本家でもある錦織伊代。演出は、『A3!』シリーズや『機動戦士ガンダム00-破壊による再生-』など、数多くの舞台を手掛ける松崎史也が務める。公演は7月10日(水)から15日(月)まで、東京・品川クラブeXにて。 チケットの一般発売に先駆けて、ぴあ・いち早プレリザーブ(有料カード会員先行)とオフィシャルHP先行を実施中。受付は5月21日(火)午後11時59分まで。(C)Arithmetic / (C)『Starry☆Sky on STAGE』製作委員会
2019年05月16日8月23日(金)・24日(土)・25日(日)の3日間、山口・山口きらら博記念公園にて開催される西日本最大級の野外フェスティバル『WILD BUNCH FEST. 2019』の第2弾出演アーティストが発表された。出演が決まったのは、THE ORAL CIGARETTES、マキシマム ザ ホルモン、宮本浩次、MONGOL800、カネコアヤノ、ザ・クロマニヨンズ、ゴールデンボンバー、Dragon Ash、MOSHIMO、氣志團、キュウソネコカミ、go!go!vanillas、SHE’S、UNISON SQUARE GARDEN、yonige、WANIMAの16組。出演日などは公式サイトでご確認を。例年2日間の開催だったが、今年は3日間に規模を拡大して行われる同フェス。現在、セブン-イレブン先行を実施中。受付は5月22日(水)午後11時59分まで。■WILD BUNCH FEST. 20198月23日(金) 開場10:30 / 開演 12:008月24日(土)・25日(日) 開場9:30 / 開演11:00会場:山口きらら博記念公園(山口県)
2019年05月16日毎年おとなもこどもも本気で楽しめる高品質な舞台を KAAT キッズ・プログラムとして上演しているKAAT神奈川芸術劇場。今夏の新作は、30年にわたってこどもたちに読みつがれてきた日本屈指のファンタジー小説『二分間の冒険』を舞台化する。【チケット情報はこちら】台本・演出をてがけるのは、劇団「範宙遊泳」主宰の山本卓卓(やまもとすぐる)。演出に取り入れられるアニメーションは、人気イラストレーターのひらのりょう、音楽には世界を舞台に活躍する打楽器奏者の加藤訓子が書き下ろす。また、今作ではエキストラ(群衆役)を募集。主人公・悟のクラスメイトや竜の館で悟と一緒に戦う「みんな」役として出演するエキストラを公募。 さらに、バックステージツアーも開催。舞台の裏側をみたり、仕掛けを体験したりする解説付きのツアー。撮影ポイントも設置し、夏休みの思い出つくりや絵日記にもぴったり。エキストラ・バックステージツアーの詳細は公式でご確認を。以下は山本卓卓によるコメント。原作を読み進めていくなかで重要なテーマが奥底にあることに気づきました。『二分間の冒険』は「あなた」に出会い「みんな」と力を合わせることで「私」を発見する物語なのだと。だからこそ「私」と「あなた」だけでなく「みんな」という存在が不可欠なのだと考えました。今回、エキストラを募ったのはそのためです。そうした「みんな」を演出すること自体僕自身初めての試みですが、冒険とは勇気と挑戦のことであると信じて取り組みます。また、今作は映像と俳優のインタラクティブを駆使して、ファンタジー世界を演劇的に表現します。演劇は想像力に依拠する芸術ですが、想像力の先にある”経験”を目指し子供から大人まで明日をよりよく生きるための種を蒔きたいと考えています。目の前の人間が勇気を持って困難に立ち向かっていく姿勢を、その瞬間を、想像力に頼らず、しっかり僕はみせたい。『二分間の冒険』力強い演劇にします。公演は、8月17日(土)から25日(日)まで、神奈川・KAAT神奈川芸術劇場大スタジオにて。5月25日(土)からの一般発売に先駆け、チケットぴあでは5月19日(日)10時から先着先行販売開始。
2019年05月16日ナンセンス・コメディをベースに、多様な作品を世に送り出してきた劇作家・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)。近年は『グッドバイ』『百年の秘密』など、現代文学ともいうべき厚みのある作品群も続々と発表、高い評価を得ている。そんなKERAが、1998年に主宰する劇団ナイロン100℃で上演し、第43回岸田國士戯曲賞を受賞した作品が『フローズン・ビーチ』だ。今回の再演は、シアタークリエ連続上演シリーズ「KERA CROSS」の第1弾。KERAと、演出を担当する鈴木裕美、そして出演者の鈴木杏、ブルゾンちえみ、朝倉あき、シルビア・グラブがそろった制作発表に足を運んだ。【チケット情報はこちら】物語は海外のリゾート地で展開。バカンスにやってきた千津(鈴木)と友人の市子(ブルゾン)は、島を開発している資産家の娘・愛(朝倉)の別荘を訪ねる。そこへ愛の父と、後妻の咲恵(グラブ)が旅行から帰宅。咲恵を憎む愛は、父の愛を独占する病弱な妹・萌(朝倉の2役)のことも気に入らない。そんななか、市子がはずみで愛をベランダから突き落としてしまう……。8年後、再び同じ別荘に集まった4人は、ある衝撃の事実を目の当たりにする。人物像を丁寧に描くことに定評のある鈴木裕美は、「(女優陣は)剛の者がそろっていて、絶妙な取り合わせ。一緒にKERAさんの世界に冒険できれば」と期待する。一方、映画・舞台ともに多くの賞を受賞している鈴木杏にとっても、ナイロン100℃の手練の女優陣が演じ、伝説となった本作は大きな挑戦のようだ。「読めば読むほど途方に暮れています(笑)。稽古場でとことん苦しんで、楽しんで、私たちの新しい『フローズン・ビーチ』をお届けしたい」と語った。これが初舞台で、鈴木裕美から「かなりの演劇少女で驚いた」と明かされたブルゾンは、「KERAさんの作品で、裕美さんの演出でと、本当に私でよかったんだろうかと思ってしまうのですが、今はもう100%の力でぶつかるしかないという気持ち。再演を楽しみにしている方たちの期待に応えたいです」と高揚した表情を見せた。また朝倉は、「私も作品に、共演の皆さんに立ち向かわなければと緊張していましたが、本読みを経て、自分に何が出来るのか見つけていきたいという気持ちに。今はとてもワクワクしています」と頼もしい発言。そして意外にもKERA作品初参加となるグラブは、「今回は(得意の)歌……ない、と(笑)。焦りしかないのですが、この年でこういう機会を与えていただくのは幸せなこと。なにより女性だけの4人芝居は最近では珍しいので、世の女性たち、ぜひ楽しみにしていてください!」と力強く語った。サブカルチャーの出自をもつKERAの作品が、日比谷の真ん中に位置するシアタークリエで上演されるのも今回が初めて。KERA は「信頼できる方とだったら、いつでもやります(笑)。今回は初演から21年経って、当時の“未来”が今ではどう映るのか、僕自身楽しみにしています」と言う。動き出した「KERA CROSS」に、今後も注目だ。7月12日(金)神奈川公演を皮切りに全国を巡演。取材・文/佐藤さくら
2019年05月15日9月8日(日)に東京・STUDIO COASTにて開催されるパンクロック・フェスティバル「PUNK LIVES! 2019~10th ANNIVERSARY~」。同フェスの第1弾アーティストが発表された。【チケット情報はこちら】2009年に初開催され、今年で10周年を迎える同フェス。今回出演が決まったのは、本場パンクの聖地UKよりGBH、COCKNEY REJECTSに加えLAUGHIN’ NOSE、THE STAR CLUB、SA、THE RYDERS、ニューロティカなどの日本が誇るパンクバンド総勢30バンド。チケットの一般発売に先駆けて、主催者先行を実施。受付は5月21日(火)午前10時から29日(水)午後11時59分まで。■「PUNK LIVES! 2019~10th ANNIVERSARY~」日時:9月8日(日)開場11:00 / 開演12:00会場:STUDIO COAST(東京都)料金:前売5,800円(スタンディング・税込み・ドリンク代別途)<第1弾出演発表>GBH (UK) / COCKNEY REJECTS (UK) / LAUGHIN’ NOSE / THE STAR CLUB / SA / THE RYDERS / ニューロティカ / RADIOTS / ロリータ18号 / the原爆オナニーズ / JUNIOR / FUNGUS / THE PRISONER / HAT TRICKERS / ANGER FLARES
2019年05月14日昨年、兵庫で大好評を博したリーディングシアター『レイモンド・カーヴァーの世界』が今年は兵庫と東京で上演される。昨年から続投の手塚とおる、新たに仲村トオル、矢崎広、平田満を迎え、公演日ごとに組み合わせを変えながら各回2名が出演。村上春樹が翻訳した、レイモンド・カーヴァーのシュールでミステリアスな短編を朗読する。「大先輩と同じ座組で大変光栄に思います」と恐縮する唯一の30代、矢崎広。どうしようもない男女のすれ違いや破綻を描いた作品群の中から、当日は『収集』『菓子袋』の2編を物語る。リーディング・シアター「レイモンド・カーヴァーの世界」チケット情報カーヴァーは80年代のアメリカ文学界にカルト的影響を与え、ピューリッツァー賞の候補にもなった作家であり詩人。『収集』は失業中の男と不在の妻を訪ねてきた見知らぬ男との何気ない会話を描写する。一方の『菓子袋』は離婚した父を成人した息子が訪ねたときの回想録だ。矢崎はレイモンド・カーヴァーの世界に初めて触れ、その“分からなさ”に早くも虜になったという。「これは原作者と訳された村上春樹さんおふたりのすごさだと思います。例えば『菓子袋』なら話している父親や聞いている息子の顔、菓子袋を持つ手の表情までが浮かんでくる。描写力のすごさが想像力を掻き立て、なぜ父はこのタイミングで息子にこの話をしたのか、とか。謎解きの要領で読んでいくと最後は迷路に迷いこむ。その感覚が面白いですね」。出演作は「血が騒ぐか否か」で見極めるという、デビュー15周年の矢崎広。近年はミュージカル『ジャージー・ボーイズ』、『ライムライト』など注目作への出演が続き、存在感を増している。「年々演じる役の大きさに追い付け追い越せという思い。同時に役が付くこと自体有り難いことなので。今の自分はどんな役でも“やってやるぞ!”という気持ちです」。今回も気合十分に挑むつもりだ。「本作への出演が決まると、知人から『やるんだってね。がんばってね。いや、社交辞令じゃなく本当にがんばってね!』と、少し怖くなるぐらいのテンションで激励を受けました(笑)。レイモンド・カーヴァーに思い入れの強い方が他にもたくさんいることを実感したので、その方たちの思いにも応えたいと思います」。カーヴァーは中高年の悲哀に敏感で、行間からその年代特有の悲しみや寂しさの余韻が溢れだす。演出の谷賢一いわく「人生に疲れたことのある聴き手の心にそっと寄り添う」リーディング公演となりそうだ。「読者に答えが委ねられるような作風でもあり、見終わった後に自問自答したり、隣席の方と語り合いたくなる。演劇が好きな方はもちろん、普段は興味がないという方も構えずにお越しいただければ、この楽しくも頭がむず痒くなるような世界から抜け出せなくなると思います」。公演は5月25日(土)・26日(日)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、5 月30日(木)から6月2日(日)まで東京・六本木トリコロールシアターにて上演。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2019年05月14日5月25日(土)・26日(日)に東京・東京国際フォーラム ホールAで開催される「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」 in コンサート。同公演にゲストヴァイオリニストとして出演するサンディ・キャメロンがインタビューに答えた。日本での映画公開25周年を記念し、映画の歌部分もオーケストラ部分も全て生で披露される同公演。彼女は公演について「私は、音楽こそが映画のストーリーを伝えるものだと感じています。すべての素晴らしい音楽は物語を伝え、聴く人々の想像力を刺激すると信じていますが、特に『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の音楽はとても独特な方法で表現されていると思います。ダニー・エルフマンが曲、歌詞、オーケストラのアレンジを映画の始まりから終わりまで書いていて、すべてがダイナミックにかつシームレスに流れます。歌詞と曲が影響し合い成り立っていて、映画を見ずに音楽だけを聴いても物語を理解できるのではと思います」と魅力を語った。シネオケ(R)は2部形式になっており、休憩終わり2部が始まる前にサンディが登場。映画のキャラクターの魂が乗り移ったような超絶技巧ヴァイオリン・プレイで「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」を披露するが、このメドレーについて彼女は「プロデューサーのひとりであるリチャード・クラフトから、このコンサートの企画について話を聞きました。彼は公演をより盛り上げるため、何か新しくユニークな演出ができないかと考えていたのです。私はそのために曲を書くことを提案し、ダニー・エルフマンのスコアの中からどのメロディーを引用すべきかリチャードと話し合いました。そしてヴァイオリンのソロ曲を書き始めたのですが、ダニーはその曲を聴き、もっと”ダイナミック”にとアドバイスをくれました。それが私の書いた曲に、映画に登場するハロウィンタウンの”スケルトン・バンド”が加わった理由です」とこの演出が生まれた経緯を説明した。このコンサートで彼女は特別な衣装に身を包むが、その衣装について「この衣装を着ているとき、自分がジャックとサリーの娘になったように想像するのが好きです。ジャックのスーツのようにストライプが入っていて、サリーのドレスのようにパッチワークも付いているからです。でもこの衣装は私が”ハロウィンタウン”からやって来たかのように見えるよう作られていて、私がどのキャラクターに見えるかは観客の皆さん次第なのです」と説明。「アーティストとして素晴らしい音楽を、日本の皆さんと一緒に楽しめることにとても感謝しています」と意気込みを語る彼女。歌も演奏も全てライブの『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』を堪能してみては。チケットは発売中。
2019年05月14日今年旗揚げ39周年を迎える劇団☆新感線。感謝の気持ちを込めた“39(サンキュー)興行”の夏秋公演として、舞台『けむりの軍団』が2019年7月からTBS赤坂ACTシアターで上演される。13日、東京都内で製作発表会見が行われ、主演の古田新太や早乙女太一をはじめとする出演者、脚本の倉持裕、演出のいのうえひでのりが出席した。【チケット情報はこちら】物語の舞台は戦国時代。頭が切れる軍配士(古田新太)とずる賢い謎の浪人(池田成志)がひょんなことから嫁ぎ先から逃げ出した姫(清野菜名)を実家に送り届ける羽目になり、巻き起こる珍道中を描く。脚本を担当した倉持は、演出のいのうえから提案された当初のお題が、「黒澤明監督の『隠し砦の三悪人』と太宰治の『走れメロス』を合わせたような話」だったことを明かす。その分、黒澤明監督の映画を彷彿とさせるオマージュを盛り込んだといい、倉持は「前回(※2016年『乱鶯』)はシリアスな話だったが、今回はもう少し軽めで笑えるものにしようと心がけた」。「電話帳ぐらいの厚さがある」(池田成志談)というが、倉持作品らしい会話の妙が織り込まれていることだろう。また、演出のいのうえは「劇団員の“高齢化”が進んでいるので、年相応のものを作ろうと。最近のテレビでも映像でもなかなか見ることのできない、ちゃんとした時代劇をやりたい。骨太な人間ドラマが僕らなりに描けたら」と語った。これまでのケレン味溢れた“いのうえ歌舞伎”とはまたひと味違う、王道路線の娯楽時代劇になりそうだ。主演の古田は会見で「劇団員なので出ざるを得なかった」と話して会場の笑いを取りつつも、「これが自分の代表作になればいいと思う。ほぼ劇団員フルメンバーで出演をするので、劇団ファンの皆様にはぜひ見にきてほしい」と気合い十分なコメントをした。一方、新感線には6度目の出演となる早乙女だが、古田との共演は今回が初めて。「17歳の頃に初めて立たせてもらって10年。やっと古田さんと共演できるということが何よりもうれしい」と素直に共演を喜ぶ。「子どもの頃からの憧れ。古田さんと新感線からいろいろなことを学んだ。勝手に師匠だと思っている」と話していた。出演者は古田と早乙女のほか、清野菜名、須賀健太、高田聖子、粟根まこと、池田成志ほか。東京公演は7月15日(月・祝)から8月24日(土)まで。福岡公演は9月6日(金)から博多座で、大阪公演は10月8日(火)からフェスティバルホールで行われる。チケットは5月19日(日)午前10時より発売。ぴあでは東京公演の先着先行を5月14日(火)10時より受付予定。文・写真:五月女菜穂
2019年05月13日『かもめ』(2016年)のトレープレフ役で初舞台を踏み、鮮烈な印象を残した坂口健太郎。その坂口が、前作に引き続き熊林弘高の演出で、シェイクスピアの傑作喜劇『お気に召すまま』でオーランド役に挑む。【チケット情報はこちら】近年連続ドラマの主演を務めるなど、俳優としてノリに乗っている坂口。そんな彼にとっても3年前の『かもめ』は、特別な1作になっているようだ。「初舞台ということもありましたし、すごく幸せな、宝物のような時間だったと思います。歴史のある作品でもあり、トレープレフという役をつくり上げていく上で悩むこともありましたが、演出の熊林さんが“坂口さんを通したトレープレフが、今回の舞台での1番のトレープレフになるから”と言ってくださって。それは自分にとって大きな糧になったと思いますし、あのタイミングで、あの作品に携われたことは、とてもいいめぐり逢いだったと思います」アーデンの森を舞台に、青年オーランドと男装した娘ロザリンドとの恋の駆け引きを描く本作。演出の熊林が本作を選んだ理由は、ひと言「勘」だと言うが、続けて「実は非常に人間の内面を見せている、イコール“私とはいったい何なのか”を突き詰めている作品」と語っているように、“喜劇”と位置づけられてはいるが、それは単に笑える、面白い話というわけではない。坂口も「無茶苦茶一生懸命やっている姿に笑ってしまったり、笑わせようとしているシーンで逆に冷めてしまったり。“悲劇”とか“喜劇”って言い方はしますが、そこにどういう感情が芽生えるかは人それぞれ。つまりこの作品も、そこはお客さんに委ねちゃっていいのかなと思っているんです」と微笑む。熊林と一部のキャスト、スタッフは、本番5か月前の段階からすでに、この何層にも入り組んだ戯曲を読み解く作業を進めているという。「僕はまだ参加出来ていませんが、『かもめ』の時も実感したんですよね。すべての角度から解釈を進めていくことで、どんな変更にも違和感なく対応出来るということを。本番に向けて少しずつ固めていく作業ももちろん大切ですが、熊林さんの場合、1度つくったものでもどんどん変えていって、全部がまるで液体のように混ざっていく。それって上澄みだけじゃなく、作品の理解度がすごく深かったからこそ出来たことだなと。だから今回も、オーランドという人物の内面にどれだけ迫っていけるかが非常に大事になると思いますし、その作業が今からとても楽しみです」公演は7月30日(火)から8月18日(日)まで、東京・ 東京芸術劇場プレイハウスにて。その後新潟でも上演。取材・文:野上瑠美子
2019年05月13日俳優、声優として活躍する三ツ矢雄二が、新たに“LGBT THEATER”を立ち上げ。第1弾として『MOTHERS AND SONS―母と息子―』を、7月26日(金)から、東京・サンシャイン劇場で上演する。そこで演出も手がける三ツ矢と、主演の原田美枝子に話を聞いた。【チケット情報はこちら】自らゲイであることを公言し、LGBTの活動にも協力している三ツ矢。その中で自分は何が出来るかを考えた結果、行き着いたのがLGBT THEATERだったと言う。「自分が出来ることって、やっぱり芝居しかないんですよね。ブロードウェイにはいいゲイの戯曲がいっぱいあるし、じゃあそれをやろうと。1本目をこれにしたのは、ゲイが笑いに走るものではなく、ちゃんとしたドラマをやりたいと思ったから。僕自身、とても感動した作品であり、LGBTの現状を知ってもらうためにもいい題材だと思ったんです」物語は、年の離れたキャル(大塚明夫)とウィル(小野健斗)という同性婚カップルのもと、キャルの元恋人アンドレの母親キャサリン(原田美枝子)が訪ねて来るところから始まる。キャルたちの間にはバド(阿部カノン・中村琉葦Wキャスト)という子供もおり、理想的な家庭を築いている一方、キャサリンは夫に先立たれ、息子のアンドレもエイズで亡くしている。原田が演じるのは、そんな複雑な感情を秘めたキャサリンだ。「親にとって1番の不幸って、子供が先に死ぬことだと思うんです。それこそキャサリンも身を切られるほどの想いだったろうと。そういう悲しみが怒りになり、孤独になり、さらにはエイズや同性愛に責任転嫁していってしまう。ただキャルもウィルも子供を育てるということにおいては、キャサリンと同じく、母性を理解し始めているんですよね。そのあたりの構成が、非常によくできた戯曲だと思います」原田のキャスティングについて三ツ矢は、「見た目はとてもたおやかで儚げですが、1本体幹に根性が座っている(笑)。それがキャサリンという女性にぴったりだと思ったんです」と全幅の信頼を寄せる。また原田も「“いいお母さん”というのが日本の母親役では主流ですが、これまで生きてきて思うのは、女の人ってもっといろんな面があって面白いということ。だから今、こういう母親役をやれるのはとても楽しみです」と期待に胸を膨らませる。最後に三ツ矢はこう言う。「LGBT THEATERをライフワークにしたい」と。さらに「回を重ねていくことで、LGBTだってなにも変わりはない。普通だよと。で、LGBTって言葉自体がなくなってしまうのが1番の理想だと思います」と展望を語る。そのための大きな一歩、ぜひ劇場で見届けたい。取材・文:野上瑠美子
2019年05月10日7月26(金)・27日(土)・28日(日)に新潟・湯沢町苗場スキー場にて開催される「FUJI ROCK FESTIVAL’19」の第4弾出演アーティストが発表された。出演が決まったのはVINCE STAPLES、NST & THE SOUL SAUCE MEETS KIM YULHEE、Night Tempo、OAU(OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND)、ドミコの5組。詳細は下記特設ページでご確認を。 チケットは現在2次先行を実施中。■FUJI ROCK FESTIVAL’19日程:7月26日(金)27日(土)28日(日)会場:新潟県 湯沢町 苗場スキー場★★以下のリンクより「FUJI ROCK FESTIVAL」をお気に入り登録して、情報をゲットしよう!
2019年05月10日7月13日(土)・14日(日)に北海道・いわみざわ公園(野外音楽堂キタオン&北海道グリーンランド遊園地)で開催される野外フェス「JOIN ALIVE」。同フェスの第2弾出演アーティストが発表された。出演が決まったのは、初日の7月13日(土)に出演のADAM at、iki orchestra、GAKU-MC、KANA-BOON、go!go!vanillas、ザ50回転ズ、Survive Said The Prophet、THE TOMBOYS、Drop’s、NOISEMAKER、福原美穂、フラワーカンパニーズ、THE BAWDIES。2日目の14日(日)にACE COLLECTION、OKAMOTO’S、きゃりーぱみゅぱみゅ、ザ・クロマニヨンズ、C&K、G-FREAK FACTORY、集団行動、そこから奏でまSHOW!、DA PUMP、teto、ナオト・インティライミ、夏川りみ、BuZZ、04 Limited Sazabys、星屑スキャット、マキシマム ザ ホルモン、Ms.OOJA、yonigeの31組。iki orchestraはRei(Vo,Gt)、前田サラ(Sax)、日向秀和(Ba)、中村達也(Dr)、そこから奏でまSHOW!は奥田民生、ナオト・インティライミ、山崎まさよしによる編成。チケットの一般発売に先駆けて、通し券が一般発売価格より2,000円お得なオフィシャル先行2次(先着)を実施。通し券が2,000円お得に買えるラストチャンス!受付は5月11日(土)午前10時から21日(火)午後11時59分まで。■JOIN ALIVE日程:7月13日(土)・14日(日)会場:いわみざわ公園(野外音楽堂キタオン&北海道グリーンランド遊園地)(北海道)
2019年05月10日大型連休の最終日となった5月6日、ついに大千秋楽を迎えた『だいすけお兄さんの世界迷作劇場 2018-19』。その2日前、千葉・習志野文化ホールでの2回目の公演後、あるお祝いのために特別なアンコールが用意されていた。その模様をレポートする。「横山だいすけ」チケット情報『だいすけお兄さんの世界迷作劇場』とは、NHK『おかあさんといっしょ』の歌のお兄さんを歴代最長の9年間務めた横山だいすけが、「子供たちに生の歌を、踊りを、ドキドキを、ワクワクを届けたい!」という思いから、2017年7月に始動させたステージ。この日の迷作劇場は、ゴールデンウィーク真っ只中ということもあり、最後まで多くの家族連れで大盛り上がりを見せた。割れんばかりの拍手が鳴り響き、そのまま幕が下りるかと思いきや…。横山の「あれ?」という声とともに再び幕が上がると、そこに聞こえてきたのは「だいすけお兄さーん」というちょっと聞き慣れない声。と同時に舞台上に現れたのは、昨年開催された『横山だいすけFamily Live 2018 in 大阪城ホール』にもゲスト出演した鈴木福だ。横山が「福くん!声変わりしているから誰かと思ったよ(笑)」と声をかけると、「今日はお祝いにやって来ました」と鈴木。「えっ、令和記念?」と横山が返すと、鈴木は「いやいや」と笑いつつ、「『だいすけお兄さんの世界迷作劇場 パート2』、10万人突破おめでとうございます!」と声を張り上げる。舞台上には演出の岸本功喜なども登場し、客席からも大きな拍手が。実は迷作劇場の来場者数が2年連続で10万人を突破し、そのお祝いのために鈴木が駆けつけたのだ。横山は「わー、ありがとうございます!これも来てくださる皆さんのおかげであり、今この場にいる皆さんも10万人の中のおひとりです。本当にありがとうございます!」と満面の笑みを浮かべつつ、目には光るものも見られた。さらに歴代最長コンビで臨む、『Family Live 2019@舞浜アンフィシアター 横山だいすけ×小林よしひさ』に鈴木がゲスト出演することも発表。鈴木は「バリバリ世代なので、おふたりとの共演に今からワクワクしています」と目を輝かせる。横山は「『世代です』って言われるとプレッシャーだけど…」と苦笑いしつつ、「いやいや、本当に嬉しいです!」と声を弾ませる。さらにすでに発表されている迷作劇場パート3にも触れ、「どちらも大いに盛り上がっていきたいと思います!また遊びに来てくださいねー!」と呼びかけ、この日一番の笑顔とともに閉幕となった。取材・文:野上瑠美子
2019年05月10日福岡ソフトバンクホークスの福岡移転30周年を記念して、福岡 ヤフオク!ドームで初開催となる音楽フェス「FUKUOKA MUSIC FES」。同フェスの第2弾出演アーティストが発表された。【チケット情報はこちら】出演が決定したのは、毎年恒例7月10日に「ナオトの日」を今年は福岡で開催するナオト・インティライミ、マリンメッセ福岡や、海の中道海浜公園でのライブを大成功させるなど福岡にもゆかりの深いC&Kの2組。チケットの一般発売は5月17日(金)10時より。なお現在、一般発売に先駆けて、セブン-イレブンにてWEB先行を5月12日(日)まで受付中。■FUKUOKA MUSIC FES日時:6月30日(日) 開場10:00 / 開演12:00(予定)会場:福岡 ヤフオク!ドーム(福岡県)出演者:アンジュルム/きゃりーぱみゅぱみゅ/THE RAMPAGE from EXILE TRIBE/C&K / DOBERMAN INFINITY/ナオト・インティライミ/BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE/RYUCHELL(50音順)※アンジュルム和田彩花さんの出演はございません
2019年05月10日谷崎潤一郎の小説を原作にした舞台「細雪」が5月4日に開幕し、現在上演中だ。初日の公演に潜入した。【チケット情報はこちら】1940年代に書かれた本作は、第二次世界大戦が今にも始まろうかという昭和十年代の大阪・船場を舞台に、徳川の時代から続く木綿問屋・蒔岡(まきおか)商店の蒔岡四姉妹を中心に人々が織りなす日常が綴られた物語。舞台版は1966年の初演以来1500回以上、上演されている。脚本は初演で菊田一夫が書いたものを堀越真が潤色。堀越と演出の水谷幹夫は35年に渡り本作を手掛けている。今作で四姉妹を演じるのは、浅野ゆう子、一路真輝、瀬奈じゅん、水夏希。全員「細雪」初参加のキャストだ。父から譲り受けた家業の暖簾を夫と守り、“本家”の誇りと格式にこだわるがゆえ妹たちにも厳しい長女・鶴子を浅野が、神戸・芦屋に分家を構え、本家のしきたりや格式に囚われず妹たちのよき相談相手を務める次女・幸子を一路が、 全ての面で控えめな性格なうえ縁談は長女の口出しもあってうまくいかない三女・雪子を瀬奈が、ハイカラで活発、時代を見極め手に職をつけて自立の道を切り開こうとする四女・妙子を水が演じる。それぞれが違う鮮やかな“色”を放つ四姉妹だが、誰が演じるかによって大きく変わるのが、その“色”におさまらない人間味だ。浅野が演じる長女は厳しいけれどチャーミングで、一路が演じる次女はおおらかさを支えるしなやかさが印象的、瀬奈の三女の“おっとり”には真っ直ぐな強さがあり、水演じる四女の奔放さには必死さも感じられる。そんな彼女たちの、姉妹ならではの絶妙な間合いで繰り広げられるやり取りから、これまで歩んできた家族の歴史、互いへの愛情や信頼が自然と感じられる。また、その夫や女中たちのひとりひとりが四人を支える姿も印象的。側で見つめているが何も語らない、そんな彼らにもぜひ注目してほしい。船場で五本の指に入る名家で起きるさまざまな出来事を描いていく本作。戦争に向けて時代が大きく変わっていく中で、姉妹は自分たちがいる世界がすでに過去になりつつあることを感じ始める。男女の立場の違いや家制度、上流階級の世界など、現代とは違う設定も多いが、そこで描かれる人々の姿は、時代が変わろうとしている今だからこそ響くものでもある。言葉にはならないものが多く描かれた舞台。ぜひ劇場で感じてほしい。船場言葉(柔らかな関西弁)や華やかな舞台セットや四姉妹の豪華で美しい着物にも注目の明治座五月公演「細雪」は5月27日(月)まで東京・明治座にて上演中。チケット発売中。取材・文:中川實穗
2019年05月10日ケラリーノ・サンドロヴィッチが2016年に書き下ろし、3年ぶりに再演される『キネマと恋人』。チケット販売の好調を受け、世田谷パブリックシアターでの追加公演が急きょ決定した。【チケット情報はこちら】本作は、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)が敬愛するウディ・アレンが監督した映画『カイロの紫のバラ』(1985年製作)をモチーフとし、舞台を昭和11年の日本のとある港町に置き換え、銀幕のスターとそこで暮らす女性との淡い恋心を巡る騒動を描いたもの。初演はさまざまな演劇賞を受賞するなど話題となり、再演への熱い要望が高く、今回、初演と同じキャスト・スタッフがそのまま顔を揃えての待望の再演となる。出演は、スクリーンの中の登場人物と映画俳優の2役を妻夫木聡、映画が生き甲斐の女性ハルコを緒川たまき、その妹をともさかりえが演じる。現在稽古に取り組んでいる作・演出のKERAから次のようなコメントが寄せられた。「2019年版『キネマと恋人』の稽古は、まだ始まったばかりだが順調に進んでいる。同一キャスト、スタッフで臨めるのだから、どんなやり方をしてもそれなりに良い結果を生むのは初演の経験で実感している。この度はより丁寧に、深く、作品に切り込めるはず。私の作品歴で『グッドバイ』と並んで最も間口の広い芝居です。老若男女、誰が観ても楽しめる。とくに演劇や映画を愛する方には。劇場でお待ちしています」追加公演は6月12日(水)13時、6月15日(土)18時の2ステージ。チケットは5月12日(日)午前10時よりチケットぴあにて発売。なお、チケットぴあでは5月11日(土)18時よりWeb先着先行《プリセール》を実施する。
2019年05月10日