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キーパーのゴールキックが奪われ、得点を決められてしまう。ゴールキック=相手チームのチャンスになってしまっている。ビルドアップを理解させる練習法を教えて。とのご相談をいただきました。ゴールキックが相手のチャンスに、というのは小学生年代でよくあることですよね。ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上のあらゆる年代の子どもたちを指導してきた池上正さんが、低学年から理解させたほうがいいビルドアップの指導法を教えます。(取材・文島沢優子)サッカー少年少女が自ら伸びる親のかかわりかたLINEで配信中>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<ギャップを作ってそこに入る、使うができない。どう教えたらギャップを作る動きを習得させられるか教えて<お父さんコーチからの質問>はじめまして。スポ少で指導をしている者です。担当はU-10です。元々高校までサッカー部で、社会人になっても趣味程度にサッカーをしていました。子どもの少年団入団後、周囲のお父さんに誘われ指導に携わっています。担当はU-10です。指導者ライセンスはまだ保有していません。プレー経験があるのと子どもたちに教えるのでは随分勝手が違うので、悩みます。相談内容は、ビルドアップについてです。まだ強いボールが蹴れないのもあり、ゴールキックが=相手のチャンスになってしまうことが多いです。GKがキック→ボールを奪われ相手にゴールされる、という場面が結構あります。ポジションの修正や、どこにパスを出すか、ちゃんと味方が見えているかなどが課題だと思うのですが、この辺りをどのように教えるのがいいでしょうか?いい練習メニューがあれば教えてください。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。ゴールキックがそのまま失点につながってしまう。少年サッカーにおいて、日本中どこに行っても耳にする話です。そうなる理由のひとつは、ルール上の問題もありそうです。■ドイツでは10歳前後はゴールキックではなく、手で投げてOKなケースが多い例えばドイツでは、10歳前後はゴールキック自体やらせません。ボールがゴールラインを割ると、キーパーが手で持って投げてOKというルールにしているケースが多いです。さらに地域ごとでルールを工夫しています。ゴールキックになると、相手チームの選手たちはハーフラインまで下がらなくてはいけない。そんなルールにしている地域があると聞いたことがあります。育成年代でビルドアップを経験させるために、そのようなローカルルールを設けているわけです。サッカー少年少女が自ら伸びる親のかかわりかたLINEで配信中>>■DFにボールを預けた後の展開、周りをどう見るか、状況判断を学ぶ必要があるそういったルールを設けてビルドアップできるようにするには、キーパーがディフェンダーにボールを預けた後どう展開するかといった原理原則を学んでもらう必要があります。しっかり周りを見て、状況判断してボールを運ぶには、まわりをどう見るか。ボールが自分のところに来ることで何が起きるか。そういった状況をちゃんと見る。見たら、どこにパスをしたほうがいいかを判断する。それらができるようになるトレーニングをするといいでしょう。■3対2のビルドアップ練習法私がよくやるのは、キーパーと選手2人を合わせた3人に守備2人がつく3対2のビルドアップの練習です。小学4年生くらいであれば、サイズは縦30メートル、横20メートくらいのコートを作ります。そして、3人が攻めるほうの30メートル先の両サイドにそれぞれゴールを設けます。キーパーを含む3人はボールを運んでゴールにパスできれば1点にします。例えば右から左にパスして揺さぶるとうまく相手を外せます。相手にはキーパーはいないので結構簡単に点が入るでしょう。相手の外し方がわかってきたら、今度はそこをドリブル通過できると1点にします。そうすると、あまり低い位置でボールをもらってしまうと、ドリブルを長くしなければいけなくなります。当然相手は取りに来ますし、追いつかれる可能性が高くなります。そうなったところで子どもたちに「どうしますか?」と尋ねます。無理に前に行こうとせず、キーパーを使って逆サイドにボールをふるのか、あるいはもう1人が味方に近づいたり、裏を突くといったことをします。そのような練習をしておけば、試合でゴールキックのときに、どうやってボールを運ぶか理解できるはずです。■高校生も実践している練習メニューこれは今私が教えている高校生たちもやっている練習です。高校生はもう少し人数を多くしますが、狙いは同じビルドアップのトレーニングです。簡単に言えば、両サイドにボールが出て、前のゴールにパスしたり、ベースラインをドリブルやパスで越えれば1点にします。そんなことがだんだんと理解できてきたら、ゴールを三つにします。サイドだけでなく、真ん中に行ってもいいよということです。そうすると、横へのパスだけでなく縦のパスも理解できるようになってきます。■一瞬手詰まりに見えるけど、ダイレクトで返せば有効に展開できるそんな経験をさせてそもそも、すぐ取られるのであれば何が問題なのか。そこを考えなくてはいけません。例えばキーパーがパスしたときに、キーパーが選んだ場所が悪いかもしれません。ほかに、日本の子どもは駆け引きをするという感覚が足らないようです。自分のところにうまく相手を呼び寄せて、他の選手がフリーになるように動くとかそういったことが理解されていないようです。例えば仲間が受けに来てくれた。ところが相手もついてきている。そういうときにわざとその選手に出して、その選手がダイレクトでキーパーに返すと、キーパーがフリーで持って上がれるようになる。そのように、一瞬手詰まりに見えるけれどダイレクトで返すことで有効に展開できる。そんなことを経験させてください。■どうすればフリーになれるか、を理解させる動きを低学年から取り入れよう上述した3対2のビルドアップ練習で、両サイドにゴールがある場合、ダイレクトパスを返されたキーパーはシュートができます。これは「前のサイドの仲間にパスができるんだ」という理解になります。いつも近い人ばかりにパスをするのではなく、少し遠くを見たらここにもパスできるよねという気づきです。すると今度はキーパーに渡ったときにシュートを打たれたくないので、相手がシュートをコース防ぎに行きます。その子にマークされていた子がフリーになってくる。ここでフィールドプレーヤーの2人は相手と2対1の状況になります。この2対1を低学年のうちからやっておけば、どうすればフリーになるかという理解を深めることが容易くなります。その際、指導者が「こう来たら、こうだろ」といったふうに見ている側の枠にはめたくなりますが、そこを我慢しましょう。できるようになるのが狙いではなく、まずは成り立ちを理解すること、そして楽しく習得することに軸足を置いてください。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■足元の技術が足りてないだけなのか、理解していないゆえのミスかはきちんと見極めて(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)子どもは周りをよく見て蹴ったんだけど、技術がなくて正確にパスできないことがあります。そこをきちんと見極めることが指導者の仕事です。足元の技術が足りなくてできなかったとしたら「いいよ、いいよ。すごくいいところ見たよね」と言って「あとはしっかり蹴られるようになるといいね」と言ってあげてください。池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2024年10月25日最近は学校でもスポーツの現場でも、子どもを理不尽に怒る場面は減っています。子どもが尊重されて、良い時代になったと実感する一方で、「甘やかしすぎでは?と感じる」、「ぬるい環境で育って将来社会で生きる耐性がつくの?」という不安もある、という親の声も聞きます。褒めるだけでなく、時にきちんと叱ることも大事なのでは。と感じている親御さんは多いと思いますが、「叱る」と「怒る」の違いがわからなかったり、感情的に怒ってしまっていませんか?そこで今回、サカイクアンバサダーにご参加いただき、サカイクキャンプやスクールで何千人もの子どもたちに接していて自身もサッカー少年の父親である菊池健太コーチに「怒る」と「叱る」の違いや、「褒める」との使い分けなどを伺いました。今回は、小5の我が子についつい感情的になってしまうお母さんの相談。100%の正解があるテーマではありませんが、ぜひ参考にしてみてください。サッカー少年少女が自ら伸びる親のかかわりかたLINEで配信中>>サカイクキャンプやシンキングサッカースクールで7,000人以上の子どもたちに接してきた菊池健太コーチ<<「褒める」も「叱る」も大事サッカーで子どもを伸ばすために必要な「叱る」の定義や適切な声掛けは?■自分が疲れていたりすると、叱るときに感情を乗せてしまうこともカジさん(仮名)は、もともと「褒める」も「叱る」も大事にしたい方針で、今回のテーマに興味を持ってご参加いただきました。前編で菊池コーチが伝えた、「叱る、は未来に向けての言葉」に大いに共感したと言いつつも、サッカーをしている小5のお子さんに対して「普段は意識しているんですが、疲れていたりすると、自分の感情を乗せて言葉を発してしまったりするんですよね」と、褒めると叱るのバランスを大事にした子育ての難しさを明かしました。気持ちと体力に余裕があれば、冷静に対応できることも、疲れているとできないこともありますよね。少年サッカーのイメージサッカー少年少女が自ら伸びる親のかかわりかたLINEで配信中>>■サッカーに悩むわが子を叱咤した方がいいのか悩んだ時もカジさんは、最近までお子さん自身がサッカーで悩みを抱えていたそうで、体にも症状が出るほどだったそう。サッカーが好きで高い意識を持ち、頑張っているのに苦難するわが子を見て、サッカーから離したほうがいいのか悩んだ一方で、叱咤したほうがいいのか悩んだこともあったと言います。■悩んだ経験を持つ子はほかの子に優しくできる子に育つそんなカジさんの悩みに菊池コーチはこう答えます。「うまくいかない時は誰にでもありますが、カジさんがお子さんのことをしっかり観察して寄り添っているので、話し合いをしながら必ず乗り越えられると思います」そしてこう続けます。「小学生の時にそういった悩む経験をした子は、自身の経験により他の人に優しくできる子になったり、アドバイスできる子に育つと思います。大きく成長する時ととらえることもできます」と、お子さんに寄り添う姿勢を称えました。■正解がないから悩む少年サッカーのイメージ菊池コーチの話を聞いて、カジさんは力強く「ありがとうございます」というと、少しすっきりした表情でこう語りました。「小5でこんなに悩んでいるのは心配でしたけど、自分より頑張っているんじゃないかと思う部分もあるんですよね。だから、これからも一人の人間として接してあげようと思いました」そのうえでこのような本音も。「でも、親の立場として悩みますね。『正解』がない分、その子によっても受ける影響は違うでしょうし、自分の選択があっていたか確認する場もない。だから、このような座談会でほかの人の話を聞いて『そっか、そういう考えや方法もあるんだ』と知れることはありがたいです」子どものことを思って言っていても、子どもによっては受け取り方が違うこともあったり、万人に合う「正解」がないから親は悩むのですよね。それでも、たくさんの子どもたちに接してきたコーチのお話やほかの参加者のお話を聞いて、安心をすることができたことは大きな収穫だったといえるでしょう。■褒める、叱るは両方大事前回の記事でもお伝えしましたが、褒めることはもちろんとても大事です。子どもたちだって褒められたら嬉しくなって、もっとやってみよう、と挑戦する子も多いものです。サカイクキャンプやシンキングサッカースクールで7,000人以上の子どもたちに接してきた菊池健太コーチただし、何でもかんでも褒めていればいいものではなく、選手として人間としてもっと伸ばすためには、「未来の話」を多くしないといけません。褒めるばかりではなく、よくないことはしっかり叱り、改善と成長を促すこともこの先伸びるために大事だと、これまで7,000人以上の子どもたちを指導してきた菊池コーチも念を押します。サカイクが開催している「サカイクキャンプ」では、子どもたち一人ひとりを尊重し、チャレンジしたことなど褒めるべきところはしっかり褒め、人として良くないことをした時にはきちんと叱る、という接し方をしています。サッカーの技術だけでなく、ピッチ外の人間性が大事だということも学べるサカイクキャンプ、この冬も開催予定です。ぜひお子さんを参加させてみませんか?次回は、いつも怒ってばかり、そもそも褒めるのが苦手なんです......。というお母さんの相談をお送りします。サッカー少年少女が自ら伸びる親のかかわりかたLINEで配信中>>
2024年10月23日ギャップを作って、そこで受けてパスをつなげる、裏に抜け出す。ポジショナルプレーでは当たり前の動きだけど、スペースをうまく活用して攻撃する動きができない。相手の嫌なスペースを作ってそこを使うことを教えるにはどんな練習がいい?というご相談をいただきました。ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上のあらゆる年代の子どもたちを指導してきた池上正さんが、「ギャップを作る」動きを習得する練習法を教えます。(取材・文島沢優子)サッカー少年少女が自ら伸びる親のかかわりかたLINEで配信中>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<学年ミックスしないとチームが作れない女子サッカーチーム、全員をうまくするにはどんな指導がいいか教えて<お父さんコーチからの質問>こんにちは。少年団で指導をしています。「ギャップで受ける」について教えてください。クラブチームと対戦する機会もあるのですが、強いチームは当たり前のようにそれができてますが、どのように教えたら動けるようになるでしょうか。ギャップを生み出す、うまく使うことを身につけさせるのにお薦めの方法があれば教えてください。質問が稚拙で恐縮ですがどうぞよろしくお願いいたします。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。ギャップとは、ディフェンス2人の間のスペースを指します。自然に生まれるスペースというよりも、それぞれがディフェンスを引きつける動きをしてつくるスペースをギャップと言います。■スペースを有効に使えば相手を崩すことができるそのギャップを上手くつく、つまりスペースを有効的に使えば、相手を崩すことができます。これまでのサッカーは、ゲームを支配するために選手たちはボールが受けられるところに動く。(ポゼッション)そのようなサッカーがトレンドとされていましたが、現在は「ポジショナルプレー」と言って、その都度どこに動くのがよいのか、ポジションを修正していくことが求められます。それはすなわち、前述したギャップで受けられるよう相手の嫌なところに行くということです。サッカー少年少女が自ら伸びる親のかかわりかたLINEで配信中>>■ギャップをつけるようになる練習メニューギャップをつくには、それぞれがポジションを修正しながら動かなくてはなりません。練習方法はネットや本にたくさん出ていますが、ここでは4対2で説明します。6年生くらいであれば十分効果があるかと思います。まずは選手に「相手のディフェンスの間でパスを受けましょう」と伝えます。2人の間にパスを通せたら1点。そんなゲームをします。私がよくやるのは時間を決めて、例えば1分間で何点取れるかを競ってもらいます。「1分間、ディフェンスの2人は変わらないよ。はい、次の2人、入ってください」そのように進めます。選手は点を取りたいので相手ディフェンスの間を狙います。そのためには、相手のディフェンスに「間を空ける」ような動きをしてもらわなくてはいけません。つまり相手に広がってもらうことを考えます。1人のディフェンスが、1人のボールを取りに出ていくと、後ろにいるもう1人のディフェンスが同じようについていってしまうとスペースができないのですが、前にいる1人だけがボールを取りに行くと、そこで間が空きます。その瞬間に、右か左の選手がそこのギャップをつけばパスを通せる。そこで1点です。そのようにして遊んでる間に理解していきます。練習と言っても、遊びの中でボールを回している間におぼえていくと考えてください。■ディフェンスに「チャレンジ&カバー」を意識させるさらに言えば、全員がその能力を上げるためには、日本サッカー協会が伝えているようにディフェンスに「チャレンジ&カバー」を意識させます。一人がボールにチャレンジしに行ってるのに後ろが止まっていてはいけない。カバーするためについて行くとギャップが生まれないのでパスを通せなくなります。そこで、今度はオフェンス側に対し「どうやってギャップを作りますか?」と質問して考えてもらいます。そうすると、「どれだけ速いパス回すか」を考えなくてはいけません。そこでオフェンス側に「4人で10本パスしたら1点」というルールも設けます。ディフェンス側はパスを通されたくないので、ボールを取りに行くしかなくなります。パスを回している間に、ふと後ろのディフェンスがついていけなくて、ギャップが開くことがあります。その瞬間にギャップを狙う。そんなトレーニングです。■子どもたちも大好きな代表戦などを例にして考えてもらおう先日のW杯最終予選オーストラリア戦(10月15日)で、解説をしていた内田篤人さんが「ポケットを取る」という話をされていました。ピッチの最深部からの折り返しをすることができるスペースのことです。このポケットに走り込んでそこに出てくるパスは、まさしくギャップを使うということです。昔の言い方だと「スルーパス」でしょうか。内田さんは「(日本のオフェンスは)外にもっと広げるほうがいいですね」と話していました。オフェンスが広がると、ディフェンダーをつり出せるので、ギャップを通しやすくなります。そこでポケットが狙いやすくなります。後半に交替で左サイドに入った中村敬斗選手はそこへの意識が高かったです。サイドに広がり、ボールを受けていました。内田さんが「もっと彼を使ったほうがいい」と話していたのは、そのような意味でしょう。そんなふうに子どもたちが観ているであろう代表戦を例に挙げて「ギャップを広げるためには何をしますか?」と考えてもらいましょう。そして、相手が広がったら、どうやってそこを狙うか?そんな順番で考えてもらいます。まずは相手を広げるために自分たちが広がる必要があるのです。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■ギャップの意識は2、3年生から養っておいたほうがいい(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)2対2のワンツーパスも同じことが言えます。例えばボール持っている選手がいます。それにマークしている選手がいる。もう1人にも同じようにマークされている状況で、ボールがない選手がいったん外に広がると、その選手をマークしてる選手はついていくしかなくなります。そうすると2人のディフェンスの間が空きます。次の瞬間ボールを持っていない選手が素早くデフェンスの間に走り込むと、一瞬2対1になります。パスをした選手がギャップの中に入ってワンツーパスをもらう。そのような感覚は、低学年の2年生、3年生あたりでしっかり2対1をやって養っておいてほしいものです。そうしないと、高学年になった6年生で「ギャップをつこう」と伝えてもすんなり理解できません。トレーニングは下の学年からの積み重ねなのです。池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2024年10月20日サッカーは、一瞬の判断ミスが勝敗を分けるスポーツです。その中でも、特に重要な判定の一つが「アウトオブプレー」です。「アウトオブプレー」英語で書くとOut Of Play、なんとなくプレー以外のことだとは想像できますが、具体的にどんなプレーなのでしょうか。この記事では「アウトオブプレー」について解説します。<目次>1.サッカーのルールにおけるアウトオブプレーとは2.アウトオブプレー判定が試合に与える影響3.主審が見るべきポイント4.選手の動きとボールの動き5.ラダーを使ったトレーニング方法6.選手の動きとボールの動き7.まとめサッカーのルールにおけるアウトオブプレーとはアウトオブプレーとは、攻撃側の選手がパスを受けた瞬間、相手ゴールラインよりも身体のどの部分(手と腕を除く)が前に出ている状態のことを指します。ただし、自陣ゴールラインより後ろにいる場合は、アウトオブプレーになりません。アウトオブプレーは、攻撃側の選手が有利なポジションを得ることを防ぎ、フェアな試合展開を維持するために設けられたルールです。アウトオブプレー判定が試合に与える影響アウトオブプレーの判定は、試合の流れを大きく左右する可能性があります。 正確な判定が行われなければ、得点の取り消しや、決定的な得点チャンスを逃すことにも繋がりかねません。そのため、主審は常に選手の位置とボールの動きを正確に把握し、迅速かつ的確な判断を下す必要があります。主審が見るべきポイントアウトオブプレーの判定は、一見シンプルに見えますが、実際には主審は多くの要素を考慮する必要があります。ボールの位置と選手の位置関係アウトオブプレー判定の最も基本となるのが、パスが出た瞬間のボールの位置と、攻撃側の選手の位置関係です。主審は、一瞬の出来事の中で、どちらの選手の足元からボールが離れたのか、その瞬間攻撃側の選手の身体のどの部分が相手ゴールラインよりも前に出ていたのかを正確に見極める必要があります。選手の動きとボールの動き選手やボールのスピードが速い場合、正確な判定はさらに難しくなります。主審は、選手やボールの動きを予測しながら、常に最適なポジションを確保し、視界を遮られないように注意する必要があります。ゴールラインとサイドラインの位置アウトオブプレーの判定は、ゴールラインとサイドラインを基準に行われます。そのため、主審は、常にこれらのラインの位置を意識し、選手の位置関係を正確に把握する必要があります。特に、ゴールラインに近い位置でのプレーや、サイドライン際でのプレーでは、より一層の注意が必要です。まとめアウトオブプレー判定は、サッカーの試合において非常に重要な要素です。正確な判定は、試合の公平性を保ち、スムーズな試合展開に繋がります。主審は、アウトオブプレーの判定を行う際に、ボールの位置と選手の位置関係、選手の動きとボールの動き、ゴールラインとサイドラインの位置など、様々な要素を考慮する必要があります。サッカーファンも、アウトオブプレーのルールや判定基準について理解を深めることで、より一層試合を楽しむことができるでしょう。
2024年10月17日最近は学校でもスポーツの現場でも、子どもを理不尽に怒る場面は減っています。子どもが尊重されて、良い時代になったと実感する一方で、「甘やかしすぎでは?と感じる」、「ぬるい環境で育って将来社会で生きる耐性がつくの?」という不安もある、という親の声も聞きます。褒めるだけでなく、時にきちんと叱ることも大事なのでは。と感じている親御さんは多いと思いますが、「叱る」と「怒る」の違いがわからなかったり、感情的に怒ってしまっていませんか?そこで今回、サカイクアンバサダーにご参加いただき、サカイクキャンプやスクールで何千人もの子どもたちに接していて自身もサッカー少年の父親である菊池健太コーチに「怒る」と「叱る」の違いや、どんな点に注意しているのかを聞いてみました。第一回目は、褒めると叱るの両極端なチームに子どもを通わせているお父さんの相談内容です。100%の正解があるテーマではありませんが、ぜひ参考にしてみてください。サッカー少年少女が自ら伸びる親のかかわりかたLINEで配信中>>サカイクキャンプやシンキングサッカースクールで7,000人以上の子どもたちに接してきた菊池健太コーチ<<脳を研究する大学教授も証言「褒める」と「叱る」の両立が子どもの自己肯定感を育む■とにかく褒めまくるチームと厳しい口調のチーム、両方に通わせてるけど......エンドウさん(仮名)は小2のお子さんを持つお父さん。お子さんは、お父さんコーチが始動する少年団と元プロが指導する街クラブに所属しています。2つのチームは空気が全く異なり、少年団は絶対に怒らず、聞いていてむず痒くなってしまうほどとにかく褒めまくる方針、クラブチームのほうはかなりのスパルタで、厳しい口調で始動されるのだとか。少年サッカーのイメージそういった真逆の環境の子どもを置く親として、褒められてばかりだと満足して向上心がなくなるのではないか、かといって怒られてばかりだとサッカーが嫌いになってしまうのでは......。と葛藤を抱えているそう。サッカー少年少女が自ら伸びる親のかかわりかたLINEで配信中>>■コーチの回答「叱るというのは未来に向けて言葉を発すること」それに対して菊池コーチは、「僕たちもこれまでサカイクキャンプで7,000人以上の子どもたちに接してきて、普段もスクールで週に約200人近い子に教えていますが、万人に当てはまる『正解』はないなと感じています」と答え、こう続けます。「叱るというのは未来に向けて言葉を発することだと思うんです。例えばサッカーの話をすると、原理原則があって、その原理原則から少しはみ出してしまうと、改善するために話をしてく。その子が今後困らないように話をしてあげるっていうのが、どちらかというと『叱る』かなと思います。それがプラスの言葉であることが前提だなという風に思ってます。一方で怒るっていうのは、真逆の行動で、自分の感情や欲求が満たされない時に言ってしまうことかなと思います」と、「叱る」は、未来に向けて成長を促すための行為だと語ると、質問者のエンドウさんをはじめ、参加者のみなさんは頷いていました。=================================<怒る、叱るの違い>怒る ―― 感情的に自分のイライラや怒りをぶつけるもの叱る ―― 相手の非を指摘し、説明し、きびしく注意を与えるもの。腹をたてているわけではない、相手の成長を促すための行為=================================■親としてのリアルな話に参加者も共感いっぽうで菊池コーチは、指導現場では意識しているものの家庭では中々難しい......、という父の顔ものぞかせます。「我が子もサッカーをしていて、先日テストの結果を持ってきた時『なんでこの点数なんだ? YouTubeばっかり見て勉強してないからこうなるんだよ』と、叱るじゃなく怒る方の言い方をしてしまいました」とご自身の体験を語ると、参加者たちからも共感の声が上がりました。■褒めると叱るはバランスが大事子どもに伝え、諭すイメージサカイクキャンプやシンキングサッカースクールでは、褒めることも大事にしていますが、子どものサッカー経験値によっては求められるものが異なります。サッカー歴が長く経験のある子たちには、経験値の浅い子たちと同じ内容のトレーニングをしていても、「よかった、素晴らしいよ。でも次はこういう風にしてったらいいよね」と、未来の話につなげていくことも必要なのだそう。そういった「褒める」と「叱る」のバランスを取ることが大事なのだと教えてくれました。■褒められるために大人の目を気にした行動をとるようになる懸念もそのうえで、「褒める」だけの懸念点も伝えます。「褒めるばかりだと、それが当たり前になってしまうと思っています。何か指摘されたときに『俺はダメなんだ』と感じてしまったり『今日は褒めてもらえなかった』と、必要以上に落ち込んでしまうんです」褒められるだけの環境にいると、褒めてくれる人の前でお利口さんでいようとするので、チャレンジしなくなるのだそう。上手できれいなサッカーをするけど、子どもらしい自由な発想やプレーがなくなってしまうので、指導者は、子どもたちがコーチの機嫌をうかがわず伸び伸びできるよう工夫したほうがいいと語ります。そのためには、子どもたち一人ひとりの背景にも目を向けて、褒めると叱るのバランスを見てあげてほしいと自身の考えを伝えると、相談者のエンドウさんも大きく頷いていました。■わが子のことになると、ついつい......とはいえ、わが子となると、抑制が効かない時もあるそうで「色々偉そうに語ってしまいましたが、僕自身わが子にはどうしても『怒る』が優先しちゃうんですよね」と苦笑すると、相談者のエンドウさんだけでなくほかの参加者たちも頷き、共感していました。それでも「怒る」と「叱る」の違いを理解して、念頭に置いておくだけでも子どもたちへの接し方が変わるはずです。感情に任せて怒るのではなく、改善し成長に導くために叱る。ぜひ心得ておいてください。次回は、サッカーに迷っている小5の子どもについつい感情的になってしまうお母さんの相談をお送りします。サッカー少年少女が自ら伸びる親のかかわりかたLINEで配信中>>
2024年10月17日後から入部してきた、スクール2つ3つ掛け持ちの子たちにスタメン奪われた。補欠になったらそれまでの友達とも距離ができ、自信を失っている息子。自分はフルタイムだしスクール送迎とか難しいけど、親の情報収集とお金をかけて良いレールに乗せることで子どものサッカーの運命も決まるの?息子の笑顔を取り戻したい。というご相談。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの取材で得た知見をもとに、悩めるお母さんに3つのアドバイスを送ります。(構成・文:島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<サッカーに向いてない息子。親が他競技への転向を勧めてもいいのか問題サッカー少年少女が自ら伸びる親のかかわりかたLINEで配信中>><サッカーママからの相談>息子は10歳です。これまではスタメンでした。しかし今年からずっとベンチです。足は遅い方で、現在は明らかにあとから入部してきた子たちに抜かれて置いてきぼりになっています。その子達はスクールを2~3掛け持ちして通っています。送迎も費用も大変だと思います。私はフルタイム勤務なので同じことはできません。そのママたちはそうやって時間とお金をつぎ込んで、子どももちゃんと成績をあげてスタメンを取ってるので親も満足だと思います。やはり自主練ではなく親が情報収集し、より良いレールに乗せられたかどうかで子どもの運命も決まるのかなと思います。うちの子はベンチになってから自信を失い、友達とも距離ができました。友達が離れていってしまったようにも見えます。好きだったサッカーが、練習がうまくいかず、遠い場所の試合に行ってもベンチに座って帰ってくるだけの自分を見て、一番悲しい気持ちなのは本人だと思います。自信がないとできることもできない、できないと「ああ、やっぱりあいつはできない」と思われると恐れる、悪循環です。スタメンの子たちはJ下部のチームのセレクションを受けると言って盛り上がっています。以前は友達だったけど、今は距離が遠くなってしまっているようです。サッカーが好きなら続ければいいと思いますが、試合に出たい、認められたい、そういう気持ちで焦って、苦しそうです。みんなの輪の外にいる状況も苦しいと思います。なんとか壁を越えてほしいのですが、以前のように笑顔が戻って心からサッカー楽しいって思えるように、親ができることはなんでしょうか。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。10歳なので4年生か5年生でしょうか。せっかくレギュラーだったのに、ベンチメンバーになってしまったということで、お母さんの落胆ぶりが伝わります。■時間とお金をつぎ込んでスタメン、に悶々とするより息子さんの笑顔が戻るほうに意識を向けてご相談のメールに「親が情報収集し、より良いレールに乗せられたかどうかで子どもの運命も決まる」と書かれています。サッカースクールの送迎が出来ないフルタイム勤務であるご自分を強く責めていらっしゃるようです。その一方で「ママたちはそうやって時間とお金をつぎ込んで、子どももちゃんと成績をあげてスタメンを取ってるので親も満足」などの部分に、嫉妬心もうかがえます。そういったドロドロした本音を、お母さんはここで吐き出しました。しかし、ここまでにしましょう。これからどうすればいいのかを考えませんか。お母さんが最後に質問された、息子さんが「笑顔が戻って心からサッカー楽しいと思えるよう」親ができることを探しましょう。そのために、私から三つほどアドバイスさせてください。■試合経験は大事、小学生年代は全員出場させてくれるチームに所属したほうがいいまず、ひとつめ。小学生時代は全員出場させてくれるチームに所属したほうが良いかと思います。本来ならば、公式戦で出られなかった子どもがいれば、そのあとに「B戦」といって他のチームの試合に出られなかった子ども同士で試合をさせるべきです。そういった配慮をしてくれるクラブがあれば息子さんに提案してもいいですね。そうすれば、少なくとも「遠い場所の試合に行ってもベンチに座って帰ってくる」といったがっかり感はなくなると思います。とはいえ、すでに中学年から高学年に移行する時期であり、息子さんがチームを移ることを嫌うようならお勧めできません。何をするにも、最終的には本人の意思を尊重してあげてください。■中学以降で伸びる子もいる長い目で成長を見ること二つめは、長い目で見てあげることです。お母さんと似た悩みをお持ちの親御さんを、SNSでよく見かけます。少年サッカーで万年補欠だったお子さんの動向を発信しているお父さんの書き込みをずっと見ていますが、最近その子は中学生になりました。中学ではその子が試合に出られそうなクラブを探して入ったそうで、試合に出て楽しくサッカーを続けているそうです。そういった子どもはたくさんいます。そもそも身体的な成長や、サッカーの技術や戦術眼の習熟度の進み具合は、子どもによって異なります。下級生のときから上手かった子どもが中学や高校で伸びなかったりしますし、逆に少し発達が遅れがちであまり試合に出られなかった子どもが中学や高校で一気に伸びることもあります。そういったことを踏まえて、親御さんは目の前の子どもの姿に一喜一憂する是非を考えて欲しいのです。もちろん一緒に喜んだり、悲しんだりする、子どもの気持ちに共感することは重要です。しかし、お子さんの悔しさや孤独にお母さんが「同化」してしまってはいけません。なぜレギュラーから外されたんだろう。何が足らないんだろう。どうしたらいいんだろう――。そんなふうに、お子さんのサッカーのことばかり考えていないでしょうか?そんな親の感情は子どもに気づかれています。子どもが抱える「レギュラーから外された」という荷物をお母さんは取り除いてあげたいはずなのに、その荷物の上に「レギュラーのあなたでなければ嫌だ」というストレス、つまり新たな荷物を載せてはいないでしょうか。この連載の187回目で、オーストリアのアルフレッド・アドラーが提唱し、後継者たちが発展させてきた心理学の体系である「アドラー心理学」について触れています。そのなかの「課題の分離」という概念です。アドラー心理学の中心的な考え方のひとつでもあるこの「課題の分離」は、自分の課題と他者の課題を明確に区別したほうがいいよ、という考え方です。自分の課題については真摯に向き合い責任を持ちますが、他者の課題には立ち入らないようにする。 他者の課題に不必要に介入することは、相手への支配や依存につながる危険性があるためです。レギュラーになれないのは、息子さんの課題です。お母さんは何も言わず見守っていればいいのです。あまりに楽しくなさそうなら、ひとつめでアドバイスしたように他のチームを探すことに協力してあげてください。■親が情報収集し、良いレールに乗せられたかどうかで決まるは間違い(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)最後の三つめ。冒頭で触れた「親が情報収集し、より良いレールに乗せられたかどうかで子どもの運命も決まる」は間違いです。そのような考えは、課題を分離させずに同化させています。より良い「レール」など存在しません。子どもが自発的、主体的に「おれ、こうするよ」と見つけたものがベストのレール。親は、いかに自発的、主体的に考えられる子どもに育てるかに注目してください。お母さん自身、いまとても良い学びに遭遇していませんか。補欠の子どもの親の気持ちを知ったわけです。ずっとレギュラーだったら、遠い場所の試合に行ってもベンチに座って帰ってくる子どもの心情に気づけた。それだけでも、人として大きな学びです。つまり子育ては子どもを育てるのではなく、子どもに育てられている。私はそう思います。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』『東洋経済オンライン』などでスポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『部活があぶない』(講談社現代新書)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『オシムの遺産彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著・小学館)『教えないスキルビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(佐伯夕利子著・小学館新書)など企画構成者としてもヒット作が多く、指導者や保護者向けの講演も精力的に行っている。日本バスケットボール協会インテグリティ委員、沖縄県部活動改革推進委員、朝日新聞デジタルコメンテーター。1男1女の母。
2024年10月16日サッカーのキックにはいろんな種類があります。その中の「トウキック」(トーキック)とは、サッカーにおいて最も基本となる蹴り方の1つで、靴のつま先部分(トウ)を使ってボールの中心を捉え、力強く遠くに飛ばす技術です。正確には足の甲の少し上、足の指の付け根あたりを使って蹴ります。この記事では、トウキックの基本的な蹴り方と、初心者でもすぐ蹴れるようになるコツをお伝えします。<目次>1.トウキック(トーキック)の基本的な蹴り方2.初心者が今すぐ蹴れるようになるコツトウキック(トーキック)の基本的な蹴り方軸足: 軸足をボールの斜め後ろに置く。利き足と反対側の足を軸足にするのが一般的。助走: ボールに向かって斜めに助走する。キック: 軸足を踏み込みながら、足の甲を伸ばしてボールの中心を捉える。フォロースルー: 蹴り終わったら、蹴り足を目標方向に振り抜く。初心者が今すぐ蹴れるようになるコツ最初は、力強く蹴ることよりも、ボールの中心を正確に捉えることを意識しましょう。軸足をしっかりと踏み込み、体重移動をスムーズに行うことが重要です。周りの人の動きをよく見て、イメージトレーニングをすることも効果的です。最近では動画もたくさんありますので、動画を見ながら動きを覚えるのも習得に役立ちます。サッカーでは状況に合わせてキックも使い分けることが大事です。コツをつかんで日々の練習や試合で実践してみましょう。
2024年10月11日サッカーを最高に楽しむための合言葉でもある「リスペクト」。前半ではサッカーを本質的に楽しむためには、仲間や周りの人への尊重、道具や日常を大切にすることが大事だとわかりました。後編では、リスペクトについて家庭でできることなどをリスペクト委員会・委員長の今井さんにうかがいます。(取材・文木村芽久美)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>対戦相手やレフリー、試合にかかわる人に対するリスペクトが必要な理由とは<<前編:サッカーにおいてどうして「リスペクト」が必要なのか、相手を思いやる気持ちがサッカーに必要な理由■大人の言葉でサッカーを嫌いになることがある「大人の言葉でサッカーを嫌いになることがあることをわかってほしい」上記の見出しは、ある子どものアンケート回答です。JFA全日本U-12サッカー選手権大会では、2013年(※)から「リスペクトワークショップ」を併設し、子どもたちが意見する場を設けています。(※2013年当時は全日本少年サッカー大会)、また、2023年から「こどもパブリックコメント」を実施しています。こどもパブリックコメントでは、「サッカーは大好きで楽しい。でも楽しくない」と感じることがあり、その理由として「監督・コーチが暴言を言う」という回答や、「いやな思いをしたことがあるか」という問いには「チームメイトのいじめ・見下される」「試合に出られない」「親のヤジ」などが挙げられています。相談する相手としては、一番多いのが家族であり、指導者やチーム関係者などの大人、と続いていることから、周りの大人は子どもにとって安全地帯であって欲しいということがわかります。「理解しているつもりでも、子どもが実際に思っていることと保護者が思っていることがずれていることもあるので、皆さんにも子どもの声を直接聞く機会を作って欲しいと思っています」と今井さんは話しています。U-18 子どもパブリックコメント2024 実施報告親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■過度なプレッシャーに気づいたとき、傍観者でいてはダメチームで話し合える環境づくりを保護者はお客様ではなく、サッカーファミリーの一員として関わる人と位置付けるJFAは「セーフガーディング」という取り組みも行っています。セーフガーディングの目的は、誰もが尊重、受け入れられ、安心安全な環境をそこに関わる全員役割だと自覚し、その指針を皆で守ることです。指導者や保護者による選手への暴言や過度なプレッシャー、また保護者が指導者にプレッシャーをかけることもあり、さらに仲間であるはずの選手同士でも存在するのです。周りで気がついている人も「お金を払っているのだから、それはコーチの仕事でしょ」とか「各家庭の方針があるだろうから」など、責任を個々に回し、周囲の大人は傍観しがちです。そのような問題は、こじれてからだと解決が難しくなるもの。気がついたらチーム内でコミュニケーションを図り、気付きを伝え合い、早めに皆で協力し合って問題を解決したいものです。「傍観もダメなんだということを浸透させ、その考え方が皆の中で当たり前になれば。リスペクトをベースに皆が関わっていくよう働きかけたい」と今井さんは言っています。■SNSは、発信する前に受け取る側のことも考えて前編の冒頭でこの夏のオリンピックで見られた、SNSでの心無い投稿や批判発言について触れましたが、心無い投稿に不要にのらないことが大事です。サッカーの試合やプレーに対する論評や意見交換もSNS内で活発で、それを楽しみにしている人も多数います。ただ残念ながら、選手や監督など個人を攻撃するような発言が度々見られます。相手への尊重がなければ、本人は意見のつもりでも、受け取る側にとっては暴言となり得ることもあります。「自分にとって不愉快なことが、社会にとっての悪とは限らない。色々な考え方・意見をもとに、もっと皆が寛容になるべき」と今井さんは言います。子どもたちにとってはLINEやSNSはコミュニケーションツールとして当たり前になっていますが、まだ自分の感情や言葉をうまくコントロールできない時期であることを大人は忘れてはいけません。どんな場合でも受け取る相手の気持ちを考えながら使用するよう、保護者も子どもと一緒に使い方を確認するといいでしょう。■勝利至上主義になってしまう背景Japan’swayコンセプトムービー指導者や保護者による子どもへの暴言・暴力、子ども同士のトラブルが多いことの要因に、周囲の大人が試合で勝つことにこだわりすぎる点が挙げられます。それは永遠の課題だと話す今井さんは「大人になって、サッカーを一生涯楽しんでくれるかということが、本当は一番大事なところ」だと言います。「日本サッカーは今までエリートを目指す一つのピラミッドの構造で考えられていたのですが、今はそれが、エリートを目指す山とグラスルーツ(普及育成)のダブルピラミッドの構造(※)という考え方になり両方のピラミッド全体が重要であり、また両方が重なり合ってできる相乗効果こそが、日本サッカーの大事な価値だと考えています」勝利至上主義という考え方ではなく、誰もがサッカーをスポーツとして楽しめる環境になるよう、例えば試合の仕組みをトーナメントではなく、リーグ戦を増やしていく、また評価されにくいU12やU15の専門性についてもスポットを当て、選手の育成において人間性の部分でも良い選手を育てた人を評価・表彰もしていくような仕組みを検討しているそうです。※Japan’sway()より■子どもの成長スピードは人それぞれ、保護者はベストサポーターを目指そう「子どもの成長スピードは本当に人それぞれ。大事なのは大人になった時に、人として、選手として一番輝けるよう、積み上げていくことが必要です」と今井さんは話します。そのために保護者は子どもにどんなサポートをしていくのが良いのか、今後、保護者向けにも発信していきたいと意欲を示しています。「サッカーは単なる習い事の一貫だから」と無関心でいたり、「試合に勝って欲しい」「自分の子どもがピッチに立って欲しい」と我が子の活躍ばかりに関心が向いている環境では、子どもの心を育てるのは難しいでしょう。■久保建英選手も「勝敗にかかわらずライバルをリスペクトするように」と言われていた【RESPECT ~大切に思うこと~】コンセプト映像(JFATV)前編で日本代表のリスペクト溢れる振る舞いが、世界で称賛されているという話をしました。個人で見ても、例えば、日本代表の久保建英選手は、「お父さんにいつも勝敗にかかわらず、何よりもライバルをリスペクトするよう言われた」と、あるインタビューで答えています。また世界に目を向けると、元ドイツ代表のトニ・クロース選手は練習前・後に自分のスパイクの手入れをして大事に扱っていたそうです。サッカーが上手いということだけでなく、その人間性もリスペクトに値する選手には見習う点が多々あります。サッカーにだけ焦点を当てるのではなく、保護者自身もその回りにいる人や物、日常を大切にすることで、子どもの豊かな心が育っていくのではないでしょうか。今井純子(いまいじゅんこ)公益財団法人日本サッカー協会 リスペクト委員会 委員長2016年JFA女子委員長に就任、女子サッカーの普及、国体少年女子の部、WEリーグ設立・開幕、女性指導者をはじめとする女性人材活用に取り組んできた。リスペクトにはプロジェクト開始時よりかかわり、2022年より現職。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>
2024年10月10日年中からサッカーしているのに3年生になっても未だにドリブルもリフティングもできないし本人も下手で向いてない自覚あり。自分も精神的に疲れてきた。体験でテニスに連れて行ったらサッカーより楽しそうだったし、新しい道を用意したうえで向いてないサッカーを辞めさせるのってあり?というご相談をいただきました。「向いてない」「周りより下手でつらい」という悩みを抱える保護者は多いと思います。向いていることをさせたら生き生き楽しそうになるのでしょうか。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、ご自身の体験とこれまでの取材で得た知見をもとにアドバイスを送ります。(構成・文:島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<発達がゆっくりで、からかいの標的にされる息子。私が辛いのでやめさせたい問題親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>><サッカーママからの相談>年中から習い事でサッカーをしていますが、3年生(9歳)なのに未だにドリブルもリフティングもできないし、強いキックもできません。本人も自分が下手で向いていない自覚があるようで、前向きに練習に取り組む様子がありません。帰宅時間ばかり遅くなり、練習をしないので疲れず寝るのも遅いです。私も精神的に疲れてしまい、辞めさせる方法を探しています。先日、テニスの体験に連れて行ったら「面白い!やってみたい」と笑顔で汗をかいていました。正直、サッカーでは汗をかくほど真剣に取り組んでいませんでした。新しいスポーツへの道を用意した上で、向いていないスポーツを辞めさせることは、やめ方としてありでしょうか。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。さまざまな葛藤があるなか、こちらを頼っていただきありがたいです。先に結論からお伝えしましょう。お母さんは、向いていないスポーツをあきらめさせ、他の競技に替えさせることに親が関与していいのかどうかを悩まれているようです。個人的にはOKだと考えますが、ひとつ条件があります。■転向するにしても、子ども自身サッカーが楽しいか、今のチームで続けたいか聞いてみて年齢的に3~4年生です。息子さん自身に「サッカーが楽しいかどうか」「今のチームで続けたいのかどうか」「他のチームで続けたいのかどうか」を尋ねてください。聞いてみた結果、お子さんが「楽しくない」と答えれば、「お母さんは、君が楽しいことをやってほしいと思うよ。楽しくやっている姿を見たいな」と話してはどうでしょう。そのうえで「こないだ行ったテニスをもしやりたいのなら、テニスに替えてみるのはどうかな?」と提案してもいいでしょう。また、両方やってもいいのです。■本人も向いてないのは自覚している、親が重ねて否定しないことそうではなく「楽しくないことはないんだけど......」と決めかねるようであれば、彼が自分で決めるのを待ってあげたほうがいいと思います。その際、ハッキリしなさいとか、努力してないよねといった否定する言葉を投げるのはやめてください。ご相談文にも「本人も自分が下手で向いていない自覚がある」と書かれています。なかなかうまくいかず自信がないことに取り組むことはそう簡単ではありません。できれば「毎回サッカー休まずに行って偉いね。何でも続けられるってすごいことだよ。でも、いやだったらいつでも言って来てね」といった話をしてあげてほしいです。つまりは、サッカーをやめるのも、テニスに転向することも、すべて息子さんに決めさせるのです。その際「テニスのほうが向いていると思うよ」とか「サッカーはこれ以上やっても無駄かも」などとネガティブなことを言ってはいけません。何かできないことや足らないことは本人がわかっています。前述したように、否定しないことが重要です。結論を伝えたところで、あと2つほどアドバイスさせてください。■アドバイス①ほかの子よりできないから辞めさせたいの?何のためにサッカーさせたのか今一度考えてみてひとつめ。サッカーを、何のためにやらせていますか?そこをぜひ考えてみてください。スポーツの語源は「遊び」です。英会話や習字はある程度上達を目的に取り組むことかもしれませんが、私自身はそれさえも小学校の間は遊び感覚でいいと思っています。子どもが自分がやっていることに対し、いつ目覚めるか、半端なく意欲的になるかはわかりません。子ども自身が「続けたい」と言う間は、経済的なことなど負担がOKであれば続けさせました。スポーツは特に、習熟度や達成度を他の子どもと争う側面が多々あります。なぜならば、お母さんが「ドリブルもリフティングもできないし、強いキックもでできない」と思っている息子さんより、もっと下回る子どもだっているでしょう。もしそんなふうに習熟度が遅い子どもたちが集まっていれば、その中で息子さんは「できる子」になります。習熟度を争うのではなく、好きなこと見つける季節だと考えませんか?何か好きなことがあれば、毎日ウキウキ過ごせて人生は充実します。学業やスポーツの習熟度など目に見える認知能力ではなく、積極的であったり、誰とでもかかわれる社会性があったり、思いやりといった非認知能力にも目を向けましょう。■アドバイス②向いてるか、向いてないかで決めるのはやめようふたつめ。お母さんの「辛さ」はどこからくるものなのでしょうか。ご相談文に「私も精神的に疲れてしまい」とあります。もし、お子さんがチームのエースでレギュラーなら疲れないのかもしれません。そう考えると、息子さんはテニスをやるにも何をするにも優秀でないと、お母さんはまた参ってしまいます。お母さんの気持ち、少しはわかります。私も子どもが試合に出られないと悔しく思いました。が、一番悔しいのは息子なのだと思い、そのような態度を出さないよう気をつけました。もちろん子どもはわかっていたと思います。そのように、親は愚かな生き物です。私自身、愚かな自分との戦いでした。したがって、子どものスポーツに対して「向いているか」「向いていないか」といった物差しを当てるのはやめましょう。「何か秀でたものを」と思うのは親心かもしれませんが、先ほど申し上げたようにスポーツをさせる意味を考えてください。物差しを当てられた子どもは、おのずと自己肯定感が下がります。楽しく意欲的に取り組めているかという点に注目してください。■寝る時間を早くするには、練習時間を確認してクラブを選んだほうがいい(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)また「帰宅時間ばかり遅くなり、練習をしないので疲れず寝るのも遅い」と書かれています。みんなと一緒に練習をしているはずなのに「練習をしないので」という意味がよくわかりませんでした。所属しているクラブでは上手な子にしか練習をさせないのでしょうか。また、「疲れていないから寝るのも遅い」とありますが、スポーツをしない子でも早寝早起きの習慣がついている子は早く寝られます。食事やお風呂の時間を早くするには、サッカーの練習が遅くまでやっているクラブは避けたほうがいいかもしれません。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』『東洋経済オンライン』などでスポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『部活があぶない』(講談社現代新書)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『オシムの遺産彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著・小学館)『教えないスキルビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(佐伯夕利子著・小学館新書)など企画構成者としてもヒット作が多く、指導者や保護者向けの講演も精力的に行っている。日本バスケットボール協会インテグリティ委員、沖縄県部活動改革推進委員、朝日新聞デジタルコメンテーター。1男1女の母。
2024年10月09日ヴァンフォーレ甲府の中心選手として、プロ26年のキャリアを築いている山本英臣選手。長きに渡ってトップレベルでプレーし続ける要因の一つが、アジリティ(敏捷性)の重要性を理解し、継続的に高め続けてきたことにあります。山本選手は2010年に、ヴァンフォーレ甲府のコンディショニングコーチを務めた、谷真一郎氏に出会い、アジリティの向上がパフォーマンスアップに繋がることを認識。ラダーを中心としたアジリティトレーニングに、地道に取り組んできました。そんな山本選手に「アジリティの重要性」と「ラダートレーニング」の必要性について、話をうかがいました。ジュニア世代からトッププロまで、大いに参考になる「アジリティ」についての考え方を紹介します!(文・鈴木智之)サッカーに必要なアジリティとは?アジリティとは、簡単に言うと「素早く動いたり、方向を変える能力」のことを言います。サッカーの試合中、瞬時の判断と素早い動きが求められる場面は、たくさんあります。 山本選手は、アジリティが大切な場面を、次のように説明します。「相手に対応するときに、細かいステップが必要な場面や、相手に逆を取られて力が抜けた瞬間に、もう一回力を入れる必要がある場面です。このような場面において、体の自然な動きとして、できるようになることが大切です」相手の動きに合わせて素早く対応したり、ボールを奪われそうになった時に、すぐに態勢を立て直す能力は、プレーの成否を分ける重要なポイントになります。また、アジリティは体を素早く動かすだけの能力ではありません。山本選手が強調したのは、頭と体の回路をつなぐことの大切さです。「もっとも大切なのは、脳と体をうまくコントロールすることです。自分が動きたいように、脳が指令を出してから、体に伝わるまでの速さを意識しています。自然に動かせることができることに加えて、伝達の部分もコントロールできるようになることが理想的だと考えています」年を重ねても衰えない、アジリティの秘密山本選手は26年ものキャリアを重ねる中で、年齢とともに、アジリティトレーニングの重要性が増してきたそうです。「年齢が上がるとスピードや瞬発力が衰えてくるので、それらを維持できるようなトレーニングを欠かさずに行っています。長距離のスピード競争では、若い選手に勝てなくなってきましたが、短距離ではまだそこまで差が出ていないので、アジリティトレーニングは大切だと感じています」年齢を重ねると、体力は落ちてくるもの。しかし、アジリティをしっかりと鍛えていれば、若い選手に負けずにプレーできることを、山本選手は証明しています。「この年齢までプレーを続けられていること自体が、トレーニングの効果だと感じています」この言葉は、継続することの大切さを物語っています。アジリティを鍛える、ラダートレーニング山本選手が実践しているのが「ラダートレーニング」です。地面に梯子(はしご)のような形のラダーを置いて、その上を様々なステップで動く練習方法です。このトレーニングの成果を、山本選手は次のように説明してくれました。「地面からのパワーをうまく受け取り、自分の動きに活かすことができるようになりました。このことを意識できるようになったのが、大きなポイントだと感じています」継続的に練習することで、こんな効果も期待できるそうです。「自分の思い通りに体を動かすことで筋力がつき、継続的な練習によって自然と体が望む動きができるようになる。その点が最大のメリットだと思います」子どもたちにも役立つ!アジリティトレーニング山本選手は、子どもたちにもアジリティトレーニングをおすすめしています。「若いうちは、自分の体をうまくコントロールすることが難しいですが、このトレーニングを続けることで、徐々にできるようになります。姿勢が良くなるなど、サッカーだけでなく、様々な面でプラスに働くと考えています」さらに、こう続けます。「ボールを触りたい気持ちやサッカーそのものを楽しみたい気持ちはよく分かります。でも、このトレーニングを地道に続けることで、自分の体の変化に気づいたり、周りとの差が開いていくのを実感できるようになります。今は体が小さくても、大きくなるにつれて大きい相手にも勝てるようになる可能性があります」サッカーの技術や戦術は日々進化していますが、その土台となるアジリティの重要性は変わりません。特に子どもの頃から、正しい動きを身につけることで、将来のスピードアップやパワーアップ、プレーの向上につながります。サッカーが上手くなりたい、試合で活躍したい。そんな想いを持つ子どもたちにとって、「アジリティ」は大切な鍵になるかもしれません。山本選手の経験が、そのことを教えてくれています。あなたも、今日からアジリティトレーニングを始めてみませんか?きっと、新しい自分との出会いがあるはずです!一瞬の速さで差をつける「タニラダー」
2024年10月09日サッカーを最高に楽しむための合言葉でもある「リスペクト」。日本サッカー協会(JFA)では9月を「JFA リスペクト・フェアプレー月間」に設定し、全てのサッカーファミリーが、リスペクトやフェアプレーについてあらためて考える期間としています。この夏のパリオリンピックでSNSを通じた選手への誹謗中傷、リスペクトに欠ける行為が話題になりました。残念ながら、サッカーを取り巻く日常の中にも、リスペクトに欠ける様々な問題が根深くある状況です。リスペクト委員会・委員長の今井さんにどうしてリスペクトが必要なのか、リスペクトの重要性をうかがいました。(取材・文木村芽久美)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>対戦相手やレフリー、試合にかかわる人に対するリスペクトが必要な理由とは<<サッカーに関わるすべての人が安心安全にサッカーを楽しむことができる環境づくりの担い手、「ウェルフェアオフィサー」制度とは■「大切に思うこと」、その言葉に込められた思いとは?男女とも日本代表チームは「リスペクト 」という観点で一目置かれ、世界のサッカー界で評価されています。フェアプレー賞もたくさん取り続け、 そのリスペクト溢れる振る舞いで、大会が進むにつれて応援してくれる人が増え続けているのです。JFAはイングランドを参考にしながら、2008年9月「リスペクトプロジェクト」に着手しました。「日本のサッカーにとって、元々大切にしてきた価値観を守り抜いていきたいというのが一番根底にありましたので、検討した結果、言葉も『リスペクト』とカタカナで使うのではなく、『大切に思うこと』という言葉を当てることにしました」と今井さんは話します。「リスペクト」ハンドブック(※)作成の際には、「審判に敬意を」「保護者に感謝を」というような、言わば大人目線の文言は使用せず、子どもたちの身近な場面に寄り添い、様々な視点に立って考えられるようなアプローチをしたそうです。大好きなサッカーを本質的に楽しむためには、仲間や指導者、審判、保護者だけでなく、道具や日常も含め、周りの大切なものを大切に思うことこそがリスペクトの本質だと伝えています。【RESPECT ~大切に思うこと~】コンセプト映像(JFATV)※リスペクトハンドブックのダウンロードはこちら>>(無料)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■どうしてお互いを思いやることは大切なのか「PLAYERS FIRST」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。育成年代のサッカーに関わる指導者、審判、大会運営、保護者、サポーターなど、主に大人に向けたもので、子どもたちを「選手」として尊重しながら、リスペクト同様、「そこに関わる様々な立場の人たちに互いの想いを理解し気持ちを寄せるきっかけになって欲しいという思いでハンドブックを作成した」と今井さんは言います。親にはどんな風に応援して欲しいか、勉強をしている指導者はこういうことを大事にして指導している等、子どもたちの思いを中心に、お互いが理解・尊重し合うことの大切さを伝えるのが目的です。冒頭で選手に対する誹謗中傷について触れましたが、根幹にリスペクトがないと、人の尊厳を傷つけるような言葉が衝動的に出たり、人に対して「言っていいこと、悪いこと」「して良いこと、悪いこと」の境界線がわからなくなってしまうのではないかと今井さんは懸念を示します。サッカーでも相手を貶めて勝つのではなくて、自分を高めて競り勝つという気持ちが、競技の中で成長していくためには必要です。だからこそ、サッカーを通じてお互いを思いやることの大切さなのだと伝えています。■立場は違う大人同士でもリスペクトを指導者の指導において、保護者の誤解が多い現状についても、今井さんは懸念しています。例えばある指導者は、鬼ごっこなどの一見サッカーに関係なさそうに思われるようなトレーニングを取り入れてみたところ、保護者からの不信感を招いてしまったのだそうです。保護者はコーチではありません。そこには当然、指導の狙いがありますので、基本的にトレーニングに関することは指導者に任せるのがいいでしょう。大人たちが信頼し合っている温かい現場でこそ、子どもたちは本当に楽しくサッカーができるでしょう。お互いがお互いをリスペクトし合う環境で、子どものリスペクト精神は養われていくはずです。■お互いの期待がずれるのはどうして?サッカーの環境の中で様々な問題が起こる原因として、指導者やチーム側と保護者側の期待がずれることが一因にあると今井さんは話します。そこに対して今後、全てのチームが自分のチームで大事にすること、例えば「練習を頑張り、サッカーを楽しむことを大切にする」というような、詳細な約束事やフィロソフィー(哲学)、行動規範を明文化し互いに確認し約束する仕組みを進めていきたいのだそうです。フィロソフィーや行動規範をお互いが入会時に確認し、遵守する約束をして加入してもらうことで「ずれ」を減らすことが期待できそうです。また、その共通認識があれば、クラブ内でスタッフが入れ替わった場合でも、すぐに対応ができます。選ぶ側にしても、そこに基づき、自分の価値観と合うクラブを選べれば、すれ違いは少なくなるのではないでしょうか。今の段階で掲げているチームもありますが、実はきちんとチーム内で共有されていなかったというクラブもあるのだそうで、自分自身でチームのことを確認する意識を持っておくといいでしょう。■JFAとチームを繋ぐ、ウェルフェアオフィサーという存在「リスペクトに関してたくさんの発信はしているけれども、それを全国の隅々の日常まで届けること、届かせ続けることが非常に難しい」と現状の一番の課題について今井さんは話します。JFAが開催する講習会を通じてライセンス指導者には伝える術があるけれども、それ以外の人に対して発信を届けることが難しく、特にJFA未登録のチームや指導者、その保護者には、本当は届けなければいけない情報が届いていないことが多々あるといいます。そこで「ウェルフェアオフィサー」と呼ばれる担当者を、各チームから必ず一人出してもらうように準備をしているのだそうです。当初ウェルフェアオフィサーは主に暴力、暴言の根絶活動を目的として作られたものですが、もうひとつ重要なウェルフェアオフィサーの役割は、直接JFAと各クラブを繋げることです。「JFAの発信をクラブの皆さんに伝えてもらい、クラブの中で双方のパイプ役となる存在を置いてもらうよう進めています」双方でのコミュニケーション構造ができれば、地域の少年団や街クラブなど、全てのチームにとって、サッカーへの意識・考え方が自ずと高くなることが期待できるでしょう。今井純子(いまいじゅんこ)公益財団法人日本サッカー協会 リスペクト委員会 委員長2016年JFA女子委員長に就任、女子サッカーの普及、国体少年女子の部、WEリーグ設立・開幕、女性指導者をはじめとする女性人材活用に取り組んできた。リスペクトにはプロジェクト開始時よりかかわり、2022年より現職。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>
2024年10月04日サッカーの試合を見ていると、グラウンドの四隅に立っているカラフルな旗を見かけることはありませんか?「なんか立ってるけど、あれって何?」「試合中に関係あることってあるの?」そう思っている方もいるかもしれません。実はあの旗、 コーナーフラッグ と呼ばれていて、サッカーの試合において重要な役割を担っているのです。この記事では、サッカー初心者の方に向けて、 コーナーフラッグの基本的な情報から、試合への影響、さらには関連する興味深い話題まで を詳しく解説していきます。<目次>1.コーナーフラッグとは2.コーナーフラッグの設置場所3.コーナーフラッグの役割4.コーナーフラッグのルール5.コーナーフラッグが試合に与える影響6.コーナーフラッグとゴールの関係7.コーナーフラッグに関連する雑学8.まとめコーナーフラッグとはコーナーフラッグの概要コーナーフラッグとは、サッカー場の四隅に設置された高さ1.5m以上の旗竿と、そこに取り付けられた旗のことを指します。国際サッカー評議会 (IFAB) が定める「競技規則」では、 コーナーフラッグ は 「コーナープラグポスト」 、旗は 「フラッグ」 と呼ばれており、それぞれ設置場所やサイズ、材質などが細かく規定されています。コーナーフラッグの材質と形状旗竿は、木製、金属製、グラスファイバー製など、試合会場によって様々です。 旗は、通常、赤色や黄色、青色などの鮮やかな色の布で作られており、視認性を高めています。 形状は三角形や四角形など、こちらも様々です。コーナーフラッグの設置場所コーナーフラッグは、フィールドの四隅からちょうど1ヤード(約91.44cm)内側に設置されます。 これは、コーナーキックやゴールキックなどの際に、正確な位置を示す役割を担っているためです。コーナーフラッグの役割フィールドの境界を示すコーナーフラッグは、フィールドの四隅を明確に示すことで、 試合が行われるエリアを明確にする という重要な役割を担っています。コーナーキックやゴールキックの位置を示すコーナーフラッグは、コーナーキックやゴールキックの位置を示す役割も担っています。 これらのキックは、コーナーフラッグ付近から蹴ることがルールで定められており、コーナーフラッグは選手や審判にとって重要な目印となっています。コーナーフラッグのルールコーナーフラッグに触れることによる反則試合中に選手がコーナーフラッグに触れたり、倒したりすることは、原則として反則とはなりません。ただし、コーナーキック時にキッカーが優位を得るために意図的にコーナーフラッグを動かしたり、隠したりする行為は、 スポーツマンシップに反する行為 と見なされ、 イエローカードの対象 となる可能性があります。コーナーフラッグを用いた試合への影響選手がコーナーフラッグを蹴り飛ばしてしまい、その勢いでボールの軌道が変わったり、プレーが中断されるケースも少なくありません。 また、強風でコーナーフラッグが大きく揺れてしまい、選手の集中力が途切れてしまうこともあります。コーナーフラッグが試合に与える影響コーナーフラッグは、一見すると試合に直接関係ないように思えるかもしれません。しかし実際には、 コーナーキックやゴールキックの位置を明確にする など、試合を円滑に進める上で重要な役割を担っています。また、コーナーフラッグ付近は、 攻守の切り替わりが激しいエリア でもあります。コーナーキックからの得点パターンは数多く存在し、守備側にとっては、コーナーフラッグ付近での集中力が試される場面と言えるでしょう。コーナーフラッグとゴールの関係コーナーキックからの得点コーナーフラッグ付近からのコーナーキックは、ゴール前にいる味方選手にピンポイントでパスを送り、ヘディングシュートを狙う絶好のチャンスです。 世界中のサッカーチームが、コーナーキックからの得点パターンを研究しており、コーナーフラッグは、 試合を大きく左右する要素の一つ と言えるでしょう。コーナーフラッグに関連する雑学コーナーフラッグにまつわる興味深いエピソードや出来事をいくつかご紹介します。コーナーフラッグを使ったパフォーマンス: 得点後、コーナーフラッグをギターに見立てて演奏するパフォーマンスは、多くのサッカーファンを魅了してきました。しかし、近年では、過度なパフォーマンスは時間の無駄とみなされる傾向にあり、実際にイエローカードが出されるケースも増えています。コーナーフラッグ破損: 激しい試合展開の中で、選手がコーナーフラッグを破損してしまうケースも少なくありません。多くの場合、試合は一時中断となり、予備のコーナーフラッグと交換されます。まとめ今回の記事では、コーナーフラッグについて詳しく解説しました。 コーナーフラッグは、フィールドの境界を示すだけでなく、コーナーキックやゴールキックの位置を示すなど、 サッカーの試合を円滑に進める上で重要な役割 を担っています。次回、サッカーの試合を観戦する際には、ぜひコーナーフラッグにも注目してみてください。 コーナーフラッグがどのように試合に関わっているのかを知ることで、 サッカー観戦がより一層楽しくなる こと間違いなしです!
2024年09月30日サッカーにおいて守備戦術は時代と共に進化し、現代サッカーでは様々なフォーメーションが採用されています。その中でも、今回は「スリーバック」と「フォーバック」という二つの主要な守備システムに焦点を当て、それぞれのメリット・デメリットを徹底的に比較解説していきます。<目次>1.スリーバックとは?2.フォーバックとは?3.3バックの基本的な構成4.3バックの守備戦術5.3バックの練習方法6.4バックの基本的な構成7.4バックの守備戦術8.4バックの練習方法9.3バックの長所と短所10.4バックの長所と短所11.3バックと4バック、フォーメーション採用基準12.まとめスリーバックとは?スリーバック(以下3バック)とは、最終ラインに3人のディフェンダーを配置する守備戦術です。サイドバックが中盤に上がり、攻撃に厚みを加えられる点が特徴で、近年多くのチームで採用されています。フォーバックとは?フォーバック(以下4バック)とは、最終ラインに4人のディフェンダーを配置する守備戦術のことです。世界的に見ても多くのチームで採用されており、バランスの良さが特徴です。3バックの基本的な構成3バックは、中央に位置するセンターバック1人と、その両脇をカバーする2人のストッパーで構成されます。ストッパーは、状況に応じてサイドバックの役割も担い、攻守において重要な役割を果たします。・センターバックの役割3バックの中央に位置するセンターバックは、守備の要であり、最終ラインの中心選手として、広範囲のカバーリング、的確な状況判断、そして強力なヘディングやフィジカルの強さが求められます。・ゾーンディフェンスの原理原則3バックは、ゾーンディフェンスを基本とします。これは、ピッチを決められたゾーンに分け、それぞれの選手が担当するエリアの守備を行う戦術です。スペースを埋める意識と、味方選手との連携が重要になります。・ボール保持者への対応3バックの場合、ボール保持者へ積極的にアプローチをかけるか、スペースを消してパスコースを限定するかが状況によって異なります。状況判断と連携が重要となり、トレーニングを通して共通理解を深める必要があります。3バックの守備戦術3バックの守備戦術は、状況に応じて柔軟に対応することが求められます。ここでは、基本的な戦術を3つ紹介します。・相手選手へのマーク方法相手選手へのマーク方法は、状況に応じてマンツーマンとゾーンを組み合わせます。基本的にはゾーンで守備を行いながら、危険エリアではマンツーマン気味にマークすることで、相手の攻撃を封じ込めます。・パスコースの遮断3バックは、中央に人数を配置できるため、相手のパスコースを遮断しやすい点が特徴です。特に、中央への縦パスを警戒し、パスコースを限定することで、相手の攻撃をサイドに追いやることができます。・守備ラインのコントロール3バックは、状況に応じて守備ラインを上下させることで、相手の攻撃に対応します。高い位置で守備を行う場合は、オフサイドトラップも有効な手段となります。3バックの練習方法3バックの守備を習得するには、個人戦術とチーム戦術、両方の練習が重要になります。・個人戦術の練習メニュー個人戦術の練習では、1対1の場面を想定した練習や、カバーリングの練習などが有効です。 例: 1対1の対人練習: ディフェンダーとフォワードに分かれ、1対1の状況を作り出す。ディフェンダーは、身体の向きや距離感を意識しながら、ゴールを守ること。 カバーリング練習: 3人1組でパス交換を行いながら、サイドから突破を図る攻撃者を想定し、中央のディフェンダーがカバーに入る動きを確認する。・チーム戦術のトレーニングチーム戦術のトレーニングでは、コンパクトネスを保ちながら、連動した守備を行う練習が重要です。 例: 数的有利な状況を作り、ボールを奪いに行く練習: フィールドを区切り、ディフェンダー3人に対し、アタッカー2人で攻撃を開始する。ディフェンダーは、数的優位を活かし、素早くボールを奪いに行く。 ポジションチェンジを伴う守備練習: サイドからボールを持たれた状況を想定し、ストッパーが前に出て対応し、その後空いたスペースを誰が埋めるのか、ポジションチェンジを含めた守備練習を行う。・守備側のポジション取り3バックは、常に三角形を意識したポジション取りが重要です。また、状況に応じてラインを上げ下げし、コンパクトな陣形を保つことが重要です。4バックの基本的な構成4バックは、中央に2人のセンターバック、両サイドにサイドバックを配置します。それぞれの連携と役割分担が重要となります。<h3">・センターバックとサイドバックの連携センターバックとサイドバックの連携は、4バックにおいて非常に重要です。サイドを突破された場合、センターバックがカバーに入り、サイドバックの上がりをサポートします。・守備ラインの高さと幅4バックは、状況に応じて守備ラインの高さと幅を調整します。相手の攻撃が速い場合は、ラインを下げてスペースを消し、遅ければラインを上げてコンパクトネスを保ちます。・相手の攻撃への対応4バックは、相手の攻撃に対して柔軟に対応する必要があります。サイド攻撃にはサイドバックが対応し、中央突破にはセンターバックが対応します。4バックの守備戦術4バックは、状況に応じてゾーンディフェンスとマンツーマンディフェンスを使い分けます。ここでは、4バックにおける基本的な守備戦術を紹介します。・ゾーンディフェンスとマンツーマンディフェンスの使い分け基本的には、ゾーンディフェンスをベースとしながら、危険エリアではマンツーマン気味にマークをつけるなど、状況に応じて使い分けます。・ボールへのプレッシャーのかけ方ボール保持者に対しては、素早くプレッシャーをかけ、パスコースを限定します。2人目の選手がカバーに入り、ボールを奪いに行く意識も重要です。・ゴール前の守備ゴール前は、特に集中力が必要となるエリアです。ペナルティエリア内では、マンツーマン気味にマークし、シュートやパスをさせないようにします。4バックの練習方法4バックの守備を習得するには、守備側の連携トレーニングと、攻撃側への対応練習が有効です。・守備側の連携トレーニング守備側の連携トレーニングでは、4人が連動して守備を行う練習が有効です。 例: サイドチェンジへの対応: 攻撃側がサイドチェンジを繰り返す状況を作り出し、守備側はスライド移動をしながら、連動して対応する練習。 クロスへの対応: サイドからクロスボールを入れられる状況を想定し、マークの受け渡しや、ゴール前の危険なスペースを消す動きを確認する。3バックの長所と短所3バックには、以下のようなメリットがあります。・攻撃への迅速な切り替えサイドバックが攻撃参加することで、数的優位を作りやすく、ボールを奪われた後も素早く攻撃に転じることができます。・守備の安定性中央に3人のディフェンダーを配置することで、中央突破を許しにくく、守備の安定感が高まります。・チームのバランスの維持サイドバックが攻撃参加することで、中盤の人数が減りますが、3人のセンターバックがバランスを保つことで、チーム全体のバランスを維持することができます。一方、3バックには、以下のようなデメリットも挙げられます。・サイド攻撃への脆弱性サイドバックが攻撃参加することで、サイドのスペースが空きやすく、相手のサイド攻撃に対して脆弱になる可能性があります。・ボール保持者へのプレッシャーの難しさ3バックは、ボール保持者へのプレッシャーをかけにくいフォーメーションです。そのため、相手にボールを持たれる時間が長くなり、主導権を握られやすくなります。・個々の選手への負担増加各ポジションの選手の活動範囲が広くなり、運動量や戦術理解度など、個々の選手への負担が大きくなります。4バックの長所と短所4バックは、守備の安定感と攻撃のバリエーションの豊富さが魅力ですが、デメリットも存在します。・4バックの長所サイドバックが守備に専念することで、サイドのスペースを消しやすく、相手のサイド攻撃に対して強固な守備を築けます。・パスコースの多様性4人のディフェンダーがバランスよく配置されるため、パスコースの選択肢が広がり、攻撃のバリエーションを増やすことができます。・守備ラインの安定感4人が横一列に並ぶことで、守備ラインが安定し、相手の攻撃に対して柔軟に対応することができます。・4バックの短所一方、4バックには、以下のようなデメリットも挙げられます。中央の守備の隙間中央に2人のセンターバックしかいないため、相手の巧みなパスワークや個人技によって、中央の守備にスペースを作られる可能性があります。・攻撃への切り替えの遅れサイドバックが守備に専念するため、攻撃参加が遅れ、ボールを奪った後、素早く攻撃に転じることが難しい場合があります。3バックと4バック、フォーメーション採用基準攻撃と守備のバランスを保つのが難しく、状況判断と戦術理解度が求められます。 どちらを選ぶべきか? 3バックと4バック、どちらのフォーメーションを採用するかは、一概に断言できません。状況に合わせて、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、最適な選択をすることが重要です。・チームの特性と戦術攻撃的なチームであれば、3バックを採用することで、より攻撃的なサッカーを展開できる可能性があります。逆に、守備的なチームであれば、4バックを採用することで、より安定した守備を築くことができるでしょう。・選手の能力とポジション個々の選手の能力や特徴も、フォーメーションを選択する上で重要な要素となります。例えば、スピードとスタミナに優れたサイドバックがいる場合は、3バックを採用することで、その能力を最大限に活かすことができます。・相手チームの分析対戦相手のフォーメーションやプレースタイルも考慮する必要があります。相手の攻撃が強力な場合は、守備の安定性を重視して4バックを採用する、といったように、状況に合わせて柔軟に対応することが重要です。まとめサッカーのフォーメーションは、時代と共に進化し続けています。3バックと4バック、それぞれのメリット・デメリットを理解し、状況に応じて最適な選択をすることが、勝利への近道と言えるでしょう。
2024年09月30日サッカーにおいて、プルアウェイとは、マークについている相手選手を意図的に引き離す動きのことを指します。パスコースやシュートコースを作るために、オフェンスの選手が行う重要な動きのひとつです。<目次>1.サッカーにおけるスペース作りの重要性2.プルアウェイの基本的な動き3.攻撃時のプルアウェイの効果4.まとめサッカーにおけるスペース作りの重要性サッカーは、限られたスペースと時間の中で、いかに優位な状況を作り出すかというスポーツです。特に攻撃においては、相手ゴール前にスペースがない状況では、パスもシュートも精度を欠き、効果的な攻撃は望めません。そこで重要になるのが「スペースを作る」という考え方です。相手選手を引きつけたり、逆方向に動いたりすることで、味方にスペースと時間を作ることができます。スペースがあれば、パスやドリブルの選択肢が増え、より効果的な攻撃を仕掛けることが可能になります。プルアウェイの基本的な動きプルアウェイの基本的な動きは以下の通りです。マークについている相手選手を確認するパスを受ける味方選手と、相手選手の位置関係を見る相手選手をゴールから遠ざけるように、または横に引き出すように動くタイミングを見計らって反転し、スペースに走り込む重要なのは、相手選手を騙す動きを取り入れることです。始めからスペースに走り込むのではなく、一度マークにつかれているように見せかけ、相手選手が油断した瞬間に逆方向へ走り出すことで、効果的にスペースを作り出すことができます。攻撃時のプルアウェイの効果攻撃時にプルアウェイを効果的に使うことで、以下のような効果が期待できます。パスコースを作る:プルアウェイによって相手選手が引きつけられることで、パスコースが生まれ、より精度の高いパスが可能になるシュートコースを作る:ゴール前にスペースができることで、シュートを打つための時間とスペースが生まれるドリブル突破のスペースを作る:相手選手との距離ができることで、ドリブルで仕掛けるスペースが生まれるマークの混乱を誘う:プルアウェイによって相手DFラインのマークが混乱し、他の選手がフリーになる可能性が高まるまとめプルアウェイは、サッカーにおいて攻撃を活性化させるための重要な要素の一つです。 単純にボールを持っている選手だけでなく、周りの選手が積極的に動き出し、スペースを作ることで、より効果的な攻撃を展開することができます。プルアウェイは、高度な戦術理解と、相手選手との駆け引きが必要となる高度なテクニックですが、練習を重ねることで習得することができます。 プルアウェイをマスターすることで、サッカーの楽しさをさらに実感できるはずです。
2024年09月30日創設4年の女子サッカーチーム。まだまだ選手が少なくて、全学年を合わせないと1チーム作れないんだけど、全員を上手くする方法はある?選手集めにも苦戦しているから、いいアイデアがあれば教えてほしい。という指導者兼クラブ代表者よりご相談をいただきました。ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上のあらゆる年代の子どもたちを指導してきた池上正さんが、ご自身が今まさに取り組んでいる学年ミックスの指導をもとにアドバイスします。(取材・文島沢優子)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<できないと練習から外れてしまう未就学児、できた子を褒めるのはできない子のハードルを上げる?指導のポイントを教えて<お父さんコーチからの質問>4年前から小学生女子サッカーチームを発足して活動してます。対象年齢はU-8~U-12です。現状、学年を混ぜないと1チーム作れません。そんな状況なのですが、全学年をうまくする方法はありますでしょうか。子どもたちは割と季節のレジャーを経験している地域です。(学校行事や子ども会で、夏は海や川で泳ぎ、冬はスキーやスケートをする)また、女子ならではの指導の注意などはありますでしょうか。声掛けでも、けが予防でも何でもいいのであれば教えてくださいませ。あと、悩みとして中々メンバーが集まらず困ってます。どのようにメンバーを集めたらいいかも悩んでいるのですが、うまく集客しているチームのやり方などご存じであればアイデアをいただけると幸いです。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。私が主宰するクラブでは、小学生は全員一緒に練習しています。先日は長い夏のオフのあとに再始動したのですが、とても楽しそうにサッカーをしていました。休み明けは試合しかしないと決めているので、久しぶりのゲームで生き生きとプレーしていました。■低学年も6年生に向かっていけるようになる1年生から6年生までいますが、団子サッカーになりません。低学年の子どもたちにも何も教えていないのに、団子にならないのです。コーチたちはそばで眺めながら「団子になりませんね。みんなすごいね。自分がどこに行ったらいいか考えてるね」とコーチ同士で言い合っていました。適切にトレーニングしてあげれば必ずうまくなっていきます。そのことを私自身、身をもって証明しているつもりです。例えば、私が担当していたスクールでは2年生対6年生で学年対抗戦をやります。その際、6年生には「2年生とやるけど、君たち何を考えますか?」と尋ねます。2年生には「6年生とやるけど、君らどうする?」と言います。最初は6年生が蹴ったボールが体に当たったりすると泣いていました。話にならないだろうと思われるでしょう。ところが、それを続けて3か月ほど経つと、2年生は6年生に向かっていけるようになります。どんどんボール取りに行きますし、ボールが当たってももう泣かなくなります。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■年齢差は大きな問題ではない6年生が1年生相手に練習してもうまくなるスポーツ全般に言えるかもしれませんが、サッカーは年齢差が大きな問題ではありません。上の学年であれば体が大きく、スピードも上ですが、それだけで勝てるわけではないのです。例えば6年生ひとりが1年生5人に囲まれると、ボールを取られてしまいます。それがサッカーです。そこで何が起きるでしょうか。例えば6年生は、ボールをもつと1年生が奪いにやって来るので、ボールを外で回すようになります。1年生が相手でもうまくなります。ボールを回されるようになると、1年生のほうは広がってマークするという術を覚えます。両方が上手くなるためにはどうしたらいいか。そこを考えながら練習をしてください。メニューはネットでも本でも山のように載っています。指導の仕方も他コーチの指導や声掛けを見れば、みんながどうしているかはわかります。そのなかで、子どもたちを上手くさせる答えを皆さん欲しがります。しかしながら、そこは自分で作り出さなければなりません。■個々が伸びれば練習の質も上がる、小学生年代はそれを優先して1シーズンの動きを見ていると、春にチームが始動すると、次々にやってくる大会や試合に出て勝つことが目標になっています。勝つためにはどうするか。あの選手とこの選手を先発にする。ポジションを少しいじる。果たして、それでいいのでしょうか。そこの考え方が変わらなければ、少年の育成に欠かせない個を伸ばす指導はできません。全員が試合に出て勝つためにはどうしたらいいか。チームの底上げが出来れば、個が伸びるのは当然です。サッカーは対人スポーツなので、個々が伸びれば当然ながら練習の質は上がります。小学生の間はそこを最優先にしてほしいと思います。■女子ならではのケガに注意筋トレより自重トレーニングを取り入れようご相談文を読むと季節のスポーツをしているようで、理想的だと感じます。気をつけるべきは、女子ならではのケガでしょうか。女子選手は前十字靭帯を痛めるケースが多いようです。もしかしたら筋力の問題かもしれません。小学生時代は女子のほうが体が大きいですし、第二次性徴期は男子より女子のほうが大きく変わります。特に6年生は自分の体重でケガをしてしまうので、筋トレではなく自重のトレーニングを取り入れましょう。生理の問題もあります。私のチームにも女子が何人かいますが、練習や試合で「おなかが痛い」と言ってくれば「無理しなくていいよ」と休ませます。一方で「トイレ行ってこい!」と言ってしまう指導者も少なくありません。また、まだ子どもだからといって、男性コーチの目の前で着替えさせたりしないように気をつけてください。■男女問わず繊細な心で向き合うこと、話をちゃんと聞くことが大事当然ながら、男子選手に対しても同じことですが、繊細なこころをもって向き合ってください。話をちゃんと聞いてあげる。何でも言いやすい空気をつくることが重要です。私も短い期間でしたが娘の女子チームを指導したことがあります。練習に行くと「まりちゃん(娘の名前)のお父さんが来た!」と子どもたちが寄ってきました。コーチと呼びなさいなどと言ったこともありません。子どもたちにとっては「まりちゃんのお父さん」ですから、否定しても仕方ありません。お父さんコーチは多いかと思いますが、コーチ側が自分の中でわが子を優先してしまうと、逆に「○○のお父さん」といった呼び方はしなくなります。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■選手を集めるためには、地域に「こんな楽しいクラブがある」と知ってもらう(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)さて、子どもをどう集めるかという話です。男女問わず、今の子どもたちをスポーツに向けさせるのは相当難しいでしょう。私は地域の幼児や低学年を集めて年に2回くらいファミリーサッカーを開催します。親子でボールを使ってウオーミングアップしてからボールで遊びます。親子ペアで手つなぎサッカーをしたり、試合をしたり。楽しく2時間ほどわいわいサッカーで遊んでもらいます。場所は地域の公立高校のグランドなどです。私が指導しているサッカー部の生徒たちにも手伝ってもらっています。そうやって地域にサッカークラブがあることを知ってもらうのです。純粋に、地域にこんな楽しい環境が待っていることを知ってほしいです。次回は部員だけでなく、高校生たち全員に向けボランティア募集をしてみようと考えています。加えて「友達誘っていいよウイーク」を設定し、クラブに入会していなくても一緒にサッカーができる日を用意します。体験は回数を区切らず気が済むまでやってもらいます。1回来ると9割以上が楽しかったと言って入会する子どもが多いです。そういった取り組みが口コミで広まっていくのだと思います。池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2024年09月27日発達がゆっくりで温和な息子。本人希望で始めたサッカーだけど、周りは成長して口が悪くなり、最近は年下にも口汚く罵られる状況になっている。監督やコーチはそういったことに干渉しないし、多くの保護者にも冷ややかな目を向けられて、私が耐えられないから辞めさせるつもり。間違ってないよね?というお悩みをいただきました。同じような悩みを抱える保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの取材で得た知見をもとに、悩めるお母さんの心を軽くするアドバイスを送ります。(構成・文:島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<強豪中学で寮生活の息子がサッカーやめたいと言い出したが、続けて欲しいです問題親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>><サッカーママからの相談>息子は小学4年生でサッカーは2年ちょっと続けています。活発で好奇心旺盛なところがあり、サッカーは本人が「やってみたい!」というので始めました。本人の希望で始めたはいいものの、始めて1年経つ今はサッカーに対する熱は下がっているようです。というのもサッカー自体は好きですが、彼は発達のゆるやかなところがあり、温和で幼いため、口が悪い子も多いチームと本当に相性が悪いのだろうなと。所在なさげな様子です。周りの子達は口が悪くなる場面で、彼だけは優しい話し方をするので周りからはバカにされたり、年下の子からも口汚くののしられます。からかいなんかもしょっちゅうで、完全に的にされている感じです。本人は「サッカーをやりに来ているから嫌だけど気にしない」と言っていて私はそんな息子を信じていますが、心配でたまりません。2年見守ってきましたが、今後も環境が変わるとは思えません。マイペースで流されない分、同年代の子どもたちからは浮いてます。そんな息子をみて一部のお母さんは「素敵よ」と褒めてくださいますが、チームの雰囲気としては変わった子として冷ややかに見られています。こんな環境にいて意味あるかなと思うし、息子はそれでも「自分のために続けたい」と言って、溶け込むためにコミュニケーションをとったりしますが、それも冷たくあしらわれ、空回り。最近は行くのもつらいように見えます。監督やコーチはサッカーを教えるスタンスなので、そういった相談はしていません。こういうことは間違っているといわれるかもしれませんが、息子には申し訳ないけど、私が耐えられないので辞めさせるつもりです。自分の心は決まっているつもりですが、何かアドバイスを頂けたらと思い投稿しました。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。お母さんの心は決まっているとのこと。であれば、私からお母さんにこうしましょうといった方向性のアドバイスは不要だと思うので、違う話をしますね。お母さんからの質問メールは717字。この連載で私がいただくメールのなかではやや長いほうです。息子さんの様子や、チームメイト、指導者のことも具体的に表現されています。一所懸命書かれたのでしょう。また、息子さんが発達がゆるやかなお子さんであれば、周囲との摩擦やさまざま嫌な思いをしていますよね。息子さんを精一杯護ってこられたのだろうと思います。■以前は発達障害が周囲に理解を得られていなかったゆえの転校や不登校もあった私は今月、別のメディアで不登校をテーマにした連載を始めました。発達に特性があるお子さんも多数取材しました。発達障害そのものについては、まだその呼称があまり知られていなかった2000年代前半から取材をしてきました。社会の理解が及ばなかったため、多くの親御さんがわが子の特性を自分の育て方が悪いのだと自分自身を責めていました。周囲に理解を得られないため引っ越しまでして学校を変えたり、お子さんが不登校になった方もいらっしゃいました。私の長男も周囲の空気が読めない、他者の気持ちを推し量れない特性がありました。中高生になっても、現代国語のテストでどれが主人公の気持ちかを選ぶ問題などはすべて間違っていました。それでも、さまざまな経験をして、大学生になり成人した現在は楽しそうに仕事をして社会人として生きています。■自分の意見を持っている息子さんは今後たくましく成長するように感じられるご相談文から浮かび上がる息子さんは、お母さんがおっしゃるように発達がゆるやかなだけで気持ちがとても前向きで明るい性格のようです。そして「サッカーをやりに来ているから嫌だけど気にしない」と自分の意見をしっかり持っています。愛情深いお母様のもと、たくましく成長するのだろうと感じます。そのうえ、一部の保護者は息子さんのことを素敵だと褒めてくれる。悪いことばかりのチームではないようにお見受けします。このチームでサッカーを続けようが、やめて他のチームで続けようが、はたまたサッカーをやめたとしても、好奇心旺盛な息子さんはまた新たな何かを探してくるのではないでしょうか。その作業を、お母さんもぜひ応援してあげて欲しいです。■思考の癖を少し変えてみよう、今の考えは「ダブルバインド」になっているそこで、私がお母さんご自身についてアドバイスをするならば、思考癖少し変えられるといいかもしれません。相談文を読むと「Aだけど、Bです」というパターンが多いようです。例えば以下を読んでみてください。(A)本人は「サッカーをやりに来ているから嫌だけど気にしない」と言っていて私はそんな息子を信じていますが、(B)心配でたまりません。→信じているなら、心配する気持ちを自分で処理できるといいですね。親が心配でたまらないと感じている事実は「一番近くにいるお母さんにこんなに心配されているダメなぼく」と自信喪失することになりかねません。(A)2年見守ってきましたが、(B)今後も環境が変わるとは思えません。→2年も見守れたのなら、本人も頑張ると言ってるのだしそのまま見守れるといいですよね。(A)間違っているといわれるかもしれませんが、息子には申し訳ないけど、(B)私が耐えられないので辞めさせるつもりです。→息子さんの意見は尊重しなくて大丈夫?いかがでしょうか。子どもに対し二つの相反する価値観を提示する言動は、心理的二重拘束(ダブルバインド)と言われます。お母さんの場合、息子さんにご自分の気持ちを伝えているわけではありません。しかしながら、お母さんがあまりに揺れてしまうと、その不安が息子さんにも伝播するかもしれません。子育ては誰しもが悩み、揺れるものですが、どこかでご自分の気持ちをひとつに束ねることがとても大切です。お母さんが「大したことないよ。周りが何と言おうが、君は一生懸命やっていて素敵だよ」と認めてあげてください。ゆったりと大きく構えるお母さんに、息子さんは支えられるはずです。■お友達の言う千の「大きらい」より、お母さんの「大好き」があれば大丈夫(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)以前、小学校時代に壮絶ないじめを受けた女の子を取材したことがあります。その子は、休みながらでしたが、学校に通い続けました。高学年になってあまりにしんどくなってお休みしましたが、おうちで楽しく過ごし、中学受験に合格し、すこやかに成長しました。その子が高学年で少しお休みしたとき「いじめられたのに、なぜ今まで通い続けられたの?」と尋ねたら、その子はにこにこしながら言いました。「あのね。お友達が言う千の『大きらい』より、お母さんの『大好き』があれば大丈夫なの」大丈夫です。お母さんの大好きが、息子さんを支えます。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』『東洋経済オンライン』などでスポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『部活があぶない』(講談社現代新書)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『オシムの遺産彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著・小学館)『教えないスキルビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(佐伯夕利子著・小学館新書)など企画構成者としてもヒット作が多く、指導者や保護者向けの講演も精力的に行っている。日本バスケットボール協会インテグリティ委員、沖縄県部活動改革推進委員、朝日新聞デジタルコメンテーター。1男1女の母。
2024年09月25日「暴言で脳が委縮する」というのは事実です。前編では、東北大学教授の瀧靖之教授に暴言や暴力が子どもに与える影響を脳科学の観点からお話いただきました。練習や試合中に聞こえるコーチからの暴言が気になるだけでなく、自宅でもついついそれに近い叱り方をしてしまって親として反省することはありませんか。そこで今回は、知らず知らずのうちに子どもにストレスを与えないために保護者である私たちができることを伺いました。(取材・文:小林博子)<<前編:暴言で子どもの脳が萎縮する?サッカーにも学力にも悪影響しかない理由親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■指導者の暴言で凹んで帰ってきたら、家では褒めて!子どもが練習や試合で、指導者からの暴言などを受けて帰ってきたら、その場合は、家庭でそのストレスをリリースさせてあげましょう。その方法は「たくさん褒めること」だと伺った前回。まずはその理由から瀧先生に解説していただきました。「脳の中で、記憶の司令塔的な役割をする『海馬』と、感情を司る『扁桃体』が密接なつながりがあることを前回は解説しました。ストレスを受けて海馬が萎縮すると、扁桃体の働きを制御できなくなり、不安やイライラが増大します。自分に自信がなくなり自己肯定感が低くなっている状態とも言えるでしょう。それを回復させるのが褒めることなんです。外で受けたダメージは家で修復してあげてください」と、瀧先生。■海馬は日頃の生活によって復活する可能性も人間の脳の細胞は、生まれてから増えることはないというのが今の脳科学の主流ですが、実は海馬だけは例外で、神経細胞の一部が日々生まれ変わっていると言われています。そのため、たとえ慢性的なストレスで海馬が萎縮してしまったとしても、日頃の生活習慣によっては「回復」する可能性があるのです。だからこそ、家庭での声がけに意味があります。親子の会話でストレスそのものを癒しながら、海馬の回復につながるコミュニケーションを意識してみてください。■「褒める」と「叱る」の両立が子どもの自己肯定感を育むただし、やみくもに褒めればいいというわけではありません。指導者から叱られた内容によっては、「あなたが悪かった」と伝えることも大切です。例えば遅刻や嘘、社会的なルールを破った時などです。厳しく育てなくてはという意識と、褒めて認めてあげる優しさのバランスは難しいものですが、「叱るべきところではしっかり叱る」「褒めるべきところでは思いっきり褒める」を両立することが最適解だと瀧先生は言います。子どもにとって最も辛いのは暴言ではなく「無関心」。褒めるだけではなく、適切な場面ではちゃんと叱ることで「自分のことを見てくれている、構ってもらえている、大切に育ててもらっている」、つまり愛情をかけてくれていると感じられることは、褒めるだけの育児よりも自己肯定感を伸ばすことだと脳科学的にも言われているそうです。家に帰れば共感してくれる家族がいる。自宅がそんな安心できる安全地帯であれば、学校やチームでどんなストレスを受けようと自己肯定感が損なわれず、いつでも自分らしくいられます。「あんなこともしてみたい」といった積極性もそこから生まれますし、いわゆる「非認知能力」も高まります。それは幸福感につながり、よりよく生きる土台になることでしょう。■海馬の隣にある「扁桃体」にも影響が脳の中で海馬がある部分の隣には、「扁桃体」という部分もあります。海馬と密接な関係があり、海馬の萎縮により扁桃体が過活動してしまうという相関性があります。そうなると、不安が高まる傾向にあることがわかっています。本来であれば扁桃体が得た不安を海馬が沈めてくれる関係性でもあるのですが、海馬が萎縮して働きが鈍くなるとそれができなくなることが原因です。不安は誰しもが持つ感情ですが、鎮めるものがないとどんどん膨らんでいく傾向にあるため、海馬の役割は大切なのです。■大人が大切にするべきなのは「一貫性」だけど......褒めると叱るのベストバランスに大切なのは、親のスタンスがブレないこと。「前回はこれをしても叱られなかったのに、今回は猛烈に怒っている(そして暴言とも取れることを言われる......)」ということが起こったら、子どもは困惑し、信頼関係が揺らぐことにも繋がりかねないのが怖いところです。とはいえ、私たち保護者も1人の人間ですし、悩みやストレスもたくさん。時には思わず子どもに八つ当たりするような言葉を使ってしまったり、余計なことまで入ってしまったりということもあるはずです。親の海馬もストレスや加齢によって萎縮して、感情コントロールが難しくなっている可能性だってあり得ます。子どもの海馬の大きさを心配するなら、自分の海馬もキープしなくてはならないことに気づきませんか。■ストレスには有酸素運動と、人との会話「慢性的なストレスを受けない」ことが海馬の萎縮を回避する方法であることはもちろんですが、それ以外にも海馬の萎縮を予防する日常生活のポイントは多数あります。・運動をする(有酸素運動がベスト)・睡眠時間を確保する・アルコールの過剰摂取を避ける・日頃から会話をする・趣味を持つ中でも瀧先生がおすすめするのは「運動」と「会話」です。運動をすると気持ちがすっきりするのは、海馬と密接な関係にある「扁桃体」の過活動が抑えられて不安が消滅するからであり、それは海馬が与える影響と同じものです。鬱状態にある人に運動が効くのも全く同じ原理です。そのため、日頃から適度な運動をしている人の海馬は萎縮しにくく、感情コントロールもしやすくなるとか。「まとまった時間が取れないなら、日常の移動を早歩きにするだけでも変わります」とのことでした。また、会話は最も効果的なストレスリリース法とも言えます。気持ちを言葉にして整理できること、大切な人と理解し合えることによる効果は脳科学的にも実証されているからだそうです。■親もストレスを抱えすぎないことが、朗らかな日々を過ごすカギ子どもの心を暴言やハラスメントから守るための具体的なアドバイスを多数いただきました。脳科学的な観点からの対策は説得力があります。そして、はからずして親が子どもにストレスを与えすぎないためにも、子どもだけでなく親の「海馬」への意識が必要なこともわかりました。どれも今日からすぐにできそうなことばかり。ぜひ意識してみてください。瀧 靖之(たき やすゆき)教授東北大学 スマート・エイジング学際重点研究センターセンター長および加齢医学研究所 臨床加齢医学研究分野 教授。医師。医学博士。東北大学医学部卒業、東北大学大学院医学系研究科博士課程修了。脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍。読影や解析をした脳のMRI画像は、これまでに16万人に上る。10万部を超えたベストセラー『生涯健康脳』(ソレイユ出版)、『回想脳脳が健康でいられる大切な習慣』(青春出版社)など著書多数。東北大学スマート・エイジング・カレッジ親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>
2024年09月20日好ましくないことだとはわかるものの、子どもたちに酷い怒声を浴びせる指導者は今もいるのが悩ましいところです。とはいえ、暴力や暴言が具体的にどうよくないのか、科学的な根拠はわからない人は多いはず。子どもに与える悪影響は脳科学的にどのようなことがあるのか、東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授にお話を伺いました。(取材・文:小林博子)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■暴言は暴力と同じ「凶器」になる日本サッカー協会(JFA)が掲げる「リスペクト宣言」の中には、暴力や暴言を根絶する事項が盛り込まれ、今から11年前の2013年に暴力等根絶相談窓口を設置するなど、子どもたちの健やかな成長のため取り組んでいます。サカイクが以前、日本サッカー協会(以下JFA)リスペクト・フェアプレー委員会に取材させていただいた際には「受ける側からすると暴力も暴言も同じこと。特に年齢が低いお子さんにはダメージが大きいです。暴言は暴力と同等、もしくはそれ以上の凶器になってしまう」という、とても気になるお言葉も......。子どもたちが受ける「凶器」はどのようなものになるのかについて、瀧教授に伺いました。関連記事:サッカー界の暴力・暴言指導・ハラスメントの現状とこれから。選手の笑顔を守るためのJFAの取り組み■「暴言で脳が萎縮する」は本当だったコーチや保護者から「暴言」と思えるような言葉と態度を向けられることが、子どもの心に大きなストレスを与えることは、いわずもがなです。そのストレスにより、実際に体の中でどのような変化が起きているかを瀧先生が脳科学的なエビデンスを基に解説してくださいました。その変化はずばり「海馬の萎縮」です。海馬とは、脳の中で記憶に関わる部分のことで、大きく分けると2つの機能があります。①記憶新しい知識やスキルを得たり、短期記憶を長期記憶につなげて、過去の記憶をもとに判断したりする。②感情のコントロール感情を記憶として記録し、起こったことに対する感情を理性的にコントロールする。つまり、その海馬が萎縮すると、記憶力、とくに新しいことを覚えることが難しくなり得るほか、感情のコントロールがうまくできなくなりイライラや不安が大きくなりがちになってしまいます。ちなみに、加齢に伴い海馬は自然に萎縮していきますが、それは30〜40代以降のことと言われています。■海馬が萎縮すると起こることなお、海馬の萎縮は1度の暴言で起こるというよりは、慢性的にストレスにさらされていると次第に萎縮していく......というイメージが正解です。それにより起こる怖いことは、例えば以下のことが考えられます。どちらもそうなってほしくないことですね。・覚えることが苦手になり、学業成績が下がる・サッカーで新しい技術を覚えることが難しくなる■海馬の隣にある「扁桃体」にも影響が脳の中で海馬がある部分の隣には、「扁桃体」という部分もあります。海馬と密接な関係があり、海馬の萎縮により扁桃体が過活動してしまうという相関性があります。そうなると、不安が高まる傾向にあることがわかっています。本来であれば扁桃体が得た不安を海馬が沈めてくれる関係性でもあるのですが、海馬が萎縮して働きが鈍くなるとそれができなくなることが原因です。不安は誰しもが持つ感情ですが、鎮めるものがないとどんどん膨らんでいく傾向にあるため、海馬の役割は大切なのです。■「サッカーが嫌いになる」→上達しないという負のループにここまでは、脳科学的に暴言をはじめとする慢性的なストレスが子どもの脳に与える事象について解説していただきました。それらをふまえ、瀧先生がサッカー少年少女に懸念する暴言の影響は「サッカーが嫌いになる」ことだと話します。サッカーをプレーするには技術はもちろん頭もかなり使うので、覚えられない、イライラする、不安になる、そしていつも怒られる......。これらが常に起こっていたら楽しくサッカーなんてできません。ストレスを受けることはその原因を避けたいと思うようになるという脳の仕組みも影響があり、結果的に「嫌だ」と思うようになります。「運動も勉強も、楽しむことはとても大切です。ストレスによってネガティブな影響を大きく受けてしまうと楽しくなくなる。その結果、サッカーのさまざまなスキルの向上を妨げてしまいます。記憶と感情が密接に関わっているからこそ、"好きこそものの上手なれ"とは脳科学的にもはっきりとYESと言える」そうです。■指導者の暴言やハラスメントに対して、親ができること暴言などによるストレスが子どもの脳に与える影響は思ったより大きいものです。とはいえ、指導者の暴言を指摘したり止めさせることは、現実的にはその関係性によるところが大きいでしょう。瀧先生にそう相談したところ、家庭での暴言からの心のリカバリー方法をアドバイスしてくれました。子どもがサッカーでストレスを受けて帰宅したら、保護者のみなさんはできる限りたくさん褒めてあげるといいのだとか。お子さんの練習や試合を見に行けたなら、プレーや態度、頑張っていたことを具体的に褒めることを意識してみてください。褒めるポイントがわからないなら、1日頑張って帰宅した子どものその1日を労い、認めてあげるといいそうです。それにより、子どもが日中外で受けたストレスを家庭でリリースできるようになります。でも、「褒める」って難しい......。そうお思いの方のために、上手な褒め方の心得も伺いました。後編で詳しく解説します。瀧 靖之(たき やすゆき)教授東北大学 スマート・エイジング学際重点研究センターセンター長および加齢医学研究所 臨床加齢医学研究分野 教授。医師。医学博士。東北大学医学部卒業、東北大学大学院医学系研究科博士課程修了。脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍。読影や解析をした脳のMRI画像は、これまでに16万人に上る。10万部を超えたベストセラー『生涯健康脳』(ソレイユ出版)、『回想脳脳が健康でいられる大切な習慣』(青春出版社)など著書多数。東北大学スマート・エイジング・カレッジ親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>
2024年09月17日サッカー観戦中、突如として響く「ピー!」という笛の音。そして、審判が指し示すのは、タッチライン際。そう、ファウルスローの判定です。「え、今のはどこがダメだったの?」初心者の方なら、そう思ったことがあるかもしれません。この記事では、ファウルスローの基本から、試合への影響、さらにはファウルスローを防ぐためのトレーニング方法まで、徹底的に解説していきます。<目次>1.ファウルスローとは?2.ファウルスローが反則とされる理由3.ファウルスローの判定基準4.ファウルスローを防ぐためのトレーニングと対策5.チームでのファウルスロー対策6.まとめファウルスローとは?ファウルスローとは、スローインを行う際に、サッカーのルールで定められた手順を踏んでいない場合に取られる反則のことです。具体的には、ボールが両手から完全に離れる前に、足が地面から離れているボールを頭の後方から投げ入れていないスローインを行う際、タッチラインを踏んでいる、またはラインを越えているなどが挙げられます。これらのルールは、スローインを公平かつ安全に行うために定められています。ファウルスローが反則とされる理由ファウルスローが反則とされる理由は、スローインを攻撃の手段として不当に利用することを防ぐためです。例えば、ボールを頭の後方から投げ入れずに、横から投げ入れることで、より遠くまでボールを飛ばし、攻撃を有利に進めることができてしまいます。また、スローインを行う際に、足を地面から離したり、タッチラインを踏んだりすることで、よりゴールに近い位置からボールを投げ入れることができ、これもまた攻撃側が有利になってしまいます。ファウルスローの判定基準ファウルスローの判定は、主審および副審によって行われます。判定基準としては、前述したように、ボールが両手から完全に離れる前に、足が地面から離れていないかボールを頭の後方から投げ入れているかスローインを行う際、タッチラインを踏んでいないか、またはラインを越えていないかといった点が重視されます。これらの判定は、審判の主観に委ねられる部分が大きいため、時には選手や監督から抗議を受けることもあります。ファウルスローを防ぐためのトレーニングと対策ファウルスロー防止のトレーニング方法ファウルスローを防ぐためには、日々のトレーニングが重要です。具体的には、壁に向かって正確にボールを投げる練習タッチラインを意識しながら、スローインの動作を繰り返す練習試合を想定した状況下で、スローインを行う練習などが効果的です。チームでのファウルスロー対策ファウルスローを減らすためには、チーム全体で意識を高めることが大切です。例えば、ミーティングでファウルスローのルールや重要性を再確認するスローインの練習時間を増やし、選手同士でアドバイスし合う試合中にファウルスローが多い選手がいれば、監督やコーチが個別指導を行うといった対策が考えられます。まとめ一見、些細なルール違反に思えるファウルスローですが、試合の流れを大きく左右する可能性を秘めています。ファウルスローを減らすことで、相手に無駄な攻撃の機会を与えず、自分たちのペースで試合を進めることができます。ファウルスローのルールや重要性を正しく理解することで、選手たちはより質の高いプレーを目指せるようになります。また、審判の判定にも納得感が生まれ、フェアプレーの精神を育むことにも繋がります。ファウルスローを避けるためには、「正確なスローイン」を常に心掛けることが大切です。焦らず、落ち着いて、ルールに則ったスローインを行うようにしましょう。
2024年09月17日サッカー観戦中継や解説でよく耳にする専門用語。 「オフサイド」や「スルーパス」など、なんとなくニュアンスは分かっても、いざ説明するとなると難しいですよね。この記事では、そんなサッカー用語の中から「ファーサイド」について、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。<目次>1.「ファーサイド」とは?2.ファーサイドの位置3.攻撃と守備での役割4.サッカー戦術における重要性5.まとめ「ファーサイド」とは?サッカーにおける「ファーサイド」とは、ボールのある場所から見て遠い側のサイドを指します。反対に、ボールに近い側のサイドは「ニアサイド」と呼ばれます。ファーサイドの位置サッカーのフィールドを縦半分に割った時、ボールがある方が「ニアサイド」、その反対側が「ファーサイド」です。例えば、右サイドをドリブルで駆け上がっている選手にボールがある場合、右サイドが「ニアサイド」、左サイドが「ファーサイド」となります。攻撃と守備での役割「ファーサイド」は、攻撃側にとっては、相手のマークが薄くなりやすく、シュートやヘディングでゴールを決めやすい絶好のポイントとなります。 クロスを上げる選手は、ニアサイドに密集している味方選手を避けて、ファーサイドにいるフリーの味方選手を狙うこともよくあります。一方、守備側にとっては、ファーサイドへの対応は、ニアサイドへの対応に比べて、距離が遠く、反応が遅れがちです。 そのため、ファーサイドへのクロスに対しては、特に注意深く守備をする必要があります。サッカー戦術における重要性「ファーサイド」は、サッカーの戦術において非常に重要な概念です。攻撃側は、意図的にニアサイドに選手を集中させておいて、相手の注意をそちらに引きつけ、フリーになったファーサイドの選手にパスを通してチャンスを作るという戦術がよく用いられます。守備側は、ファーサイドへのクロスを警戒して、あらかじめファーサイドに選手を配置しておく、ニアサイドの選手がファーサイドへのカバーリングを意識しておくなどの対策が重要です。まとめ今回は「ファーサイド」について解説しました。「ファーサイド」はサッカーの試合展開において非常に重要なポイントです。「ファーサイド」の意味を理解しておくことで、サッカー観戦がより一層楽しくなるでしょう。
2024年09月17日ポストプレーとは、サッカーにおいて、相手ゴールに近い位置で、味方選手からのパスを受け、それをキープしながら、味方の攻撃参加を促したり、自らシュートを狙ったりするプレーのことです。主に、体格や技術に優れたFWの選手が、相手DFを背負いながらボールをキープし、攻撃の起点となる役割を担います。<目次>1.ポストプレーの重要性・役割2.ポストプレーを成功させるための技術3.戦術としてポストプレーを使う4.ポストプレーを磨くトレーニング方法ポストプレーの重要性・役割サッカーは、11人対11人で行われるスポーツであり、個人の能力だけでなく、チームとしての連携が重要になります。ポストプレーは、攻撃時に味方選手が攻め上がる時間を作り出し、効果的な攻撃を展開するために非常に重要な役割を担います。優秀なポストプレーヤーは、相手のマークを引きつけながら、味方にスペースと時間を与え、チームの攻撃力を飛躍的に向上させます。ポストプレーの役割ポストプレーには、大きく分けて以下の3つの役割があります。攻撃の起点となる: 相手DFを背負いながらボールをキープすることで、味方選手が攻撃参加するための時間とスペースを作り出し、攻撃の起点となります。ゴール前に起点を作る: ポストプレーを起点に、サイド攻撃やミドルシュートなど、様々な攻撃パターンを展開することができます。守備の負担を軽減する: 前線でボールをキープすることで、守備陣の負担を軽減し、チーム全体のバランスを整えることができます。ポストプレーを成功させるための技術ボールコントロールポストプレーでは、相手DFからプレッシャーを受けながらボールをキープする必要があるため、高いボールコントロール技術が求められます。トラップ、ドリブル、パスなど、あらゆる状況下で正確にボールをコントロールできる技術を身につけることが重要です。ボディバランス相手DFと競り合いながらボールをキープするためには、強靭なボディバランスが不可欠です。体幹トレーニングなどを行い、強靭なフィジカルを手に入れるとともに、相手DFのチャージにもバランスを崩さないボディコントロール能力を養う必要があります。相手との駆け引きポストプレーでは、相手DFとの駆け引きも重要になります。相手DFの動きを予測し、裏をかいたり、フェイントをかけたりすることで、マークを外し、フリーでパスを受けられるように工夫することが重要です。戦術としてポストプレーを使うチーム戦術としてのポストプレーポストプレーは、単独で行うプレーではなく、チーム全体で連携して行うことが重要です。味方選手は、ポストプレーヤーがボールを持った瞬間に、スペースに走り込んだり、サポートに入ったりするなど、連動した動きを見せることで、効果的な攻撃を展開することができます。相手チームへのプレッシャーポストプレーは、相手チームにプレッシャーを与える効果もあります。前線でボールをキープされることで、相手DFは無理にボールを奪いにいけなくなり、自陣に引いて守備を固めざるを得なくなります。その結果、味方選手は、より多くのスペースと時間を得ることができ、攻撃を有利に進めることができます。ゴールへのつなぎとしてのポストプレーポストプレーは、ゴールへのつなぎとしても重要な役割を担います。ポストプレーから、ワンツーパスで抜け出したり、スルーパスに反応してゴール前に走り込んだりするなど、様々な攻撃パターンを生み出すことができます。ポストプレーヤー自身も、ゴールを狙う意識を持つことが重要です。ポストプレーを磨くトレーニング方法チーム練習でのポストプレーチーム練習では、ミニゲームなどを通して、実践的なポストプレーを磨くことができます。味方選手との連携や、相手DFとの駆け引きなど、実戦を想定した練習を行いましょう。コーチや経験豊富な選手からアドバイスをもらうことも有効です。実戦でのポストプレーの練習練習で培った技術や戦術は、実戦で試されることで、より確実なものになります。日々の練習試合や公式戦を通して、積極的にポストプレーに挑戦し、経験を積むことが重要です。試合のビデオを見返して、自分のプレーを分析することも効果的です。
2024年09月17日体格も集中力もバラバラな未就学児クラス。飽きさせないように1つのメニューを短く設定しているが、うまくできない子が練習から外れてしまう。また、うまくできた子を褒めることは、できない子に対して挑戦のハードルを上げているのか?と悩むコーチからご相談をいただきました。ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上のあらゆる年代の子どもたちを指導してきた池上正さんが、子どもが挑戦しだすための指導のポイントを教えます。(取材・文島沢優子)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<「広がってパスをもらおう」と伝えても、どこに動けばいいかわかってない。団子サッカー解消法を教えて<お父さんコーチからの質問>今年からクラブで未就学児クラスを新設し、担当しています。年中と年長を対象としていますが、体格や集中力が異なるため、同じメニューをやっても年中組はなかなかやり切れません。出来るだけ1つのメニューを5分程度で切り上げて飽きない様にしていますが、年中組は自分が上手く出来ないと練習から外れてしまいます。上手く出来た子を褒める事は、逆に出来ない子どもに対してハードルを上げてしまっているのか?など、悩んでいます。こういった質問に対して、失敗を怖がらせるような環境がある、という回答を見かけることもありますが、私どものクラブはすべての学年においてサッカーを楽しむことを大前提にしており、接し方なども情報をアップデートしているほうだと思います。失敗しても大丈夫だよ、と明るく優しく言っても挑戦したがらない子たちも割といて、最近の風潮だなとも感じています。(優しく繊細な子が増えたような......)こういった場合は、どの様に対応するのが良いのでしょうか?<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。子どもたちが挑戦しないということですが、トライするエネルギーは楽しさから生まれます。やっていることがつまらなければ自分から頑張ろうとは思わない。つまり、楽しくなければ挑戦しません。■練習メニューが面白くなさそうだったらすぐに変えたほうがいい私は大阪体育大学でコーチングや心理学の授業をします。そのなかで、スポーツなどさまざなことに取り組むモチベーション(動機付け)についても話します。最終的に自分から「やりたい」と思える「内発的動機付け」にたどり着くことが重要ですが、スポーツの入り口では楽しいとか面白いからやる「外発的動機付け」を用意することが重要です。サッカーの練習でも、コーチが用意したメニューを子どもたちが面白くなさそうであればすぐ変えたほうがいい。決めた時間はやると四角四面に構えるのではなく、臨機応変に「じゃあ次はこれはどうかな?」と手を変え品を変えやってみましょう。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■「どんな練習がしたい?」と子どもたちに聞いてみるのも良い「どんな練習がしたい?」と聞いてみるのもいいでしょう。特に幼児や低学年など小さい子どもに対して、私はよく尋ねます。子どもはシュートが好きなので、「ゴールに向かってボール蹴りたい」というパターンが多かったです。鬼ごっこをしたいと言う子もいます。そんなとき「サッカーじゃないとダメ」と否定せずにどんどんやらせましょう。そんなふうに子どもがやりたいいことを先にやってから、「じゃあ、次はこんなのはどう?」と練習メニューやらせてください。練習といっても、そこに競争があり、遊べるようなものがいいでしょう。何だか遊んでいるだけでなかなかうまくならないと感じることがあるかもしれませんが、そんなにすぐにステップアップできるものではありません。焦らず「どう楽しませるか?」に注目して指導をしてください。■子どもたちが夢中になる「フロー状態」こそが最も上達する状況また、うまくできたり、頑張ったり、粘り強く取り組めたりしたのなら、当然ほめてください。プレーも能力も違うので、全員に対して同じ指導はできません。よって、同じくらいの力の子どもで競争させたり、グループによってハンデをつけるなど工夫してください。例えばドリブル練習でも競争を取り入れます。背の順でやったら、次は遅い者同士で競争する。速い子と遅い子、上級生と下級生がやるときは、それぞれ前者にハンデをつけます。勝ち負けのあるゲーム感覚で行えるものが、子どもは大好きです。そしてこういったハンデは、子どもに対する差別などではありません。すべての子どもが「どうやったら楽しめるか?」という視点に立ったものです。わいわいと騒いでやっていると「真面目にやっていない」と感じる向きもあるようですが、子どもが夢中になるのはフロー理論上必要なことです。夢中になる「フロー状態」こそが最も上達する状況といえます。■指導のポイントはスモールステップをほめることその際、指導者はスモールステップをほめましょう。それはスキルの向上だけに限りません。練習の途中で砂遊びを始めた子が、砂場から戻ってきたら「よく帰ってきたね。えらいね」とほめます。水分補給の後、すぐに集まれたら「早く来れたね」と認めてあげてください。常に子どもたちの行動の変化に敏感でいましょう。子どもたちは、興味さえあればどんどんやります。練習そっちのけで草むらのバッタを追いかけ始めてまったく戻ってこなかったことがありました。そんなとき、声を張り上げて「練習しろ」と叱ったりしません。私は草むらにボールを蹴り込みました。ボールが来てびっくりしたバッタがぴょんぴょん跳ぶので、子どもたちは大喜びします。そこで「誰がボールを持ってこれるかな?ドリブルしてコーチのところに持ってきて!」と言って競争させます。子どもたちは興味があるから、バッタのいる草むらに行くわけです。そのような興味をうまく利用しましょう。■みんなで一緒に何かをするのが苦手な子も増えているので、よく見てあげてとはいえ、最近の風潮として、みんなで何かを一緒にやるのが苦手な子どもは増えているようです。そこを踏まえて、一人ひとり違いを認めてあげられる練習をしてください。前述したように、子どもがやりたくないと言えば「オッケー。じゃあ、練習を替えるね」とコーチ側が変化してあげなくてはいけません。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■練習がフィットして楽しくなると子どもたちは挑戦する(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)練習がフィットして楽しくなると、子どもたちは挑戦します。例えばリフティングが出来ない子は、ワンバウンドのリフティングでいいことにします。難易度が下がるので、できる子が増えてみんなが「コーチ、見て!」と言って見せに来ます。出来ない子に「練習してこい」と言わずに、その子たちができるように練習を変化させましょう。大人側が子どもの気持ちをわかってあげなくてはいけません。その都度「挑戦しない理由は何かな?」と考えながら指導すれば、やるべきことはおのずと見えてくるはずです。池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2024年09月13日夏休みが終わってもまだまだ暑さが続いています。暑さの中でも子どもたちが元気に動くために欠かせないのは適切な栄養摂取ですが、わかっていてもただでさえ食欲が落ちがちな気候...。少食な子どもたちの食事管理はさらに困難になりますね。サカイクでは、「サカイクアンバサダー」のママたちに子どもの食事の悩みを募集し、それを管理栄養士・公認スポーツ栄養士の坂口 望さんに相談しました。インタビューにはサカイクアンバサダーの齋藤さんも同席、ご自身のお子さんの食の悩みについて坂口さんに直接質問しました。他にも試合の日の昼食で固形物が食べられない、練習後の補食は何が良い?などアンバサダーの皆さんから寄せられた「あるある」な困りごとにアドバイス。子どもの食で悩んでいる保護者必見です。(構成・文:小林博子)<<関連記事:保護者の悩み「サッカーする子どもの少食・偏食はどうしたらいい?」にスポーツ栄養のプロがアドバイス親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■お悩み1:成長期の中学生、ごはん1食230gは少ない?取材に同席したサカイクアンバサダー齋藤さんのお悩みは、成長期なのに子どもがやせてしまうこと。齋藤さん:小学生の頃はぽっちゃりしていたのですが、中学生になり最近ほっそりしてきてしまいました。身長が伸びてきているのに体重は増えずガリガリに見えてしまうのですが......。ご飯の量は、測ってみたところ1食230gでした。息子は今154cm、43kgです。坂口さんのアドバイス:今ちょうど身長がぐっと伸びる時期なのだと思います。ほっそりする子も多いので、心配しなくて大丈夫です。お子さんの身長と体重でご飯が230g×3食だとちょっと少ないので、給食以外の朝と夜で量を増やすか、捕食を摂るようにするかで工夫してみてください。■お悩み2:朝食べられない子、パンでもいい?続いて朝食はご飯かパンか、というお悩み。世間では「ご飯がいい」という声も多いですが、どうなのでしょうか。齋藤さん:夕食はそれなりの量を食べますが、朝食は少食。朝から品数多くテーブルに並べているものの、あまり食べてくれません。さらに最近はご飯よりパンがいいと言われますが、パンだと糖質が足りない気がしています。坂口さんのアドバイス:その日の気分や体調などでご飯でも食べられる日もあるなら、ご飯とパンを交互にするのもひとつの手。また、食パンだったら6枚切りだったのを4枚切りにするなどで1回の量を増やすのもいいでしょう。そもそも朝食の量が少ないこともお悩みとのことですが、その対策としてのおすすめは汁物に糖質を入れること。味噌汁やスープに芋類やかぼちゃ、麺類を入れるなどしてみてください。■学校でトイレに行きたくないから朝食をあまり食べないさらに、思春期ならではのお悩みも。齋藤さん:朝食を食べるとトイレに行きたくなって時間がなくなるから、あまり食べたくないと言われてしまいます。年代的なものもあるのか「学校では行きたくない」と、トイレが心配で食べることを我慢しているんです。その分早起きすればいいでしょと言ってはいるのですが......。坂口さんのアドバイス:朝食時に便意を感じるサイクルができるのはとてもいいこと。その生活習慣を続けていけば、胃腸も強く成長していき、中高生になったときにも良い影響があるはずです。将来のメリットを伝えて、本人の考え方を変えられるように促してみてください。理解すれば、トイレに行く時間の分、早起きするように自らなってくれるはずです。■夏場は食欲減退、飲み物と果物しかとらない日もあるけど大丈夫?そして多くのご家庭で抱える食事の悩みも。栄養が足りているか心配な親御さんも多いことでしょう。齋藤さん:暑い日は食事が喉を通らないことも。飲み物と果物だけしか口にしてくれない日があります。味噌汁も具はいらないと言われたりも...。それで大丈夫でしょうか。坂口さんのアドバイス:味噌汁には水分と塩分がたっぷり入っているので、熱中症対策に実はとても良いんですよ。具を食べなくても、あまり気を病むことはないでしょう。飲み物はスポーツドリンクを選ぶことが多いと思いますが、注意してほしいのは「カロリーオフ」「糖質オフ」などのものを選ばないこと。カロリーも糖質もしっかり摂ってもらいたいからです。日中食べられなかった日は、夕食をなるべく早く食べるようにすることも対策の1つです。坂口さんからのアドバイスに、みるみる表情が晴れていく様子だった斎藤さん。考え方を変えたり、コツをつかむことで食事の悩みが解決できそうです。■他にもありがちな食事のお悩み1問1答ここからは、当日その場にはいられなかったものの、取材前に聞いておいた他のアンバサダーさんからの質問にもお答えいただきました。「うちもそう」というお悩みがたくさんあるはず!■試合の日の昼食に何を食べるといいのかがわかりませんアンバサダー:試合が1日ある日の昼食や捕食に悩んでいます。おにぎりなどの固形物が食べられません。「おなかがすかない」と言って食べたがりません。午後のプレーに影響が出るからという理由ですが、エネルギーが足りているのか心配です。試合の合間に食べるのはこんなのがいいよ、という具体的なものを教えてください。坂口さんのアドバイス:まずは子どもが固形物を食べても走れるかどうかを知っておきましょう。体力的に、また精神的に「噛んで食べる」ことが負担になる子の場合は、ゼリー飲料など噛まずにエネルギー補給できるものを活用しましょう。固形物の中でも、おにぎりは無理だけどバナナ程度であれば...などもあるかもしれません。無理せず口にできるものを見つけてください。ただし、この方法は普段の栄養摂取がしっかりできていることが大前提です。みなさん試合前日や当日の「勝ち飯」を気にされますが、それよりも毎日の食事が大切。試合当日にややイレギュラーな栄養摂取でも良いパフォーマンスができるかどうかは、日々の栄養摂取がしっかりできているかどうかにかかっています。なお、スポーツ栄養的には試合の30分前からが固形物の摂取はNGとされていますが、問題なく食べられてプレーにも影響がない子なら、おにぎりなどを食べてもいいと私は思っています。スティックパンなども食べやすくておすすめですよ。■野菜をぜんぜん食べてくれませんアンバサダー:少食で気分にムラがあるのですが、一番の悩みは副菜(野菜)を食べてくれないことです。どうしたらよいでしょうか?坂口さんのアドバイス:野菜嫌いに関しては前回も触れましたが、今は気にしなくてOKです。というのも、成長期に重視したいのはエネルギーの摂取。つまり、糖質・脂質・タンパク質です。野菜を食べることでそれらが減ってしまうことはむしろ避けたいくらいです。「ビタミンが足りなくなるのでは?」とお考えになる方もいらっしゃいますが、ビタミンの中でも疲労回復や栄養の吸収を高めるビタミンB群は肉や魚にも入っているのでそれも気にしなくて大丈夫。食物繊維などは確かに不足するかもしれませんが、小学生のうちはいったん優先順位を下げてしまって問題ありません。ただし中高生になっても野菜を食べないのは健康面からおすすめできないので、その頃には子どもが自分の体やプレーのために摂るべき栄養について自分で考えられるように働きかけてみてください。前回もお話ししましたが、栄養を摂ることの意味や、それがなりたい自分に近づくためにどうして必要なことなのかに本人が気づけるよう親が働きかけてみてください。■時間がなく補食をコンビニで調達するとき、何を買えばいい?アンバサダー:練習や試合の後、家に帰ってから夕食を作ると遅くなる時など、時間がないときに手軽にコンビニなので買う場合にいいとされるものは何ですか?坂口さんのアドバイス:試合や練習の合間のエネルギー補給が目的だとしたら、さきほど試合当日の捕食で例にあがったゼリー飲料やおにぎり、スティックパンなどはいかがでしょうか。練習時間があいたり、練習後に帰宅まで時間がかかる場合は、糖質と脂質、タンパク質にフォーカスしてバランスを考えて買って食べましょう。おにぎりとレジ横のお肉系を組み合わせるほか、ハムや卵のサンドイッチなども良いバランスです。コンビニ食は体に悪いのではとお考えになる方もいらっしゃいますが、それよりも空腹な時間が長くなるほうが成長期の子どもにはNG。エネルギーが枯渇しないようコンビニにも頼るのが賢い選択です。■「自分で考える」を食事にもサカイクの「自分で考えること」は、食事の仕方にもとても大切なことだと坂口さん。毎日のご飯は親ができるサポートの中でも大きな部分を占めるため、どうしても過保護になりがちですが、子どもを信頼し、子ども自身に決めさせることが最も効果的な解決策のようです。まだまだ暑く、大人ですら食べられる量が減りがちな日々ですが、成長期の今、子どもと一緒に食事に意識を向けてみるのもよい機会ではないでしょうか。坂口 望MOGUらいふ代表管理栄養士、公認スポーツ栄養士として、選手の栄養相談や栄養セミナー講師、アスリート向けの献立作成などを行っている。プライベートでは高校生から小学生までの、スポーツをする3児の母。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>
2024年09月12日サッカー観戦で必ずと言っていいほど目にする「コーナーキック」。実はこれ、得点に直結する大チャンス!この記事では、コーナーキックの基本ルールから得点パターン、そして試合展開を左右する重要性まで、具体的なエピソードや戦術を交えながら分かりやすく解説します。<目次>1.コーナーキックの基本ルール2.コーナーキックが与えられる状況3.コーナーキックのやり方4.コーナーキックからの得点パターン5.コーナーキックを活用した戦術⚽コーナーキックの基本ルールまずは、コーナーキックの基本的なルールを3つのポイントに絞って解説します。コーナーキックは、サッカーのルールで定められた試合再開方法の一つです。守備側のチームが、最後にボールに触れた状態で、ゴールラインを割った場合に、攻撃側のチームに与えられます。ただし、オウンゴールの場合を除きます。⚽コーナーキックが与えられる状況具体的にコーナーキックが与えられるのは、以下の様な状況です。・守備側の選手が、最後にボールに触れた状態で、ゴールラインを割った場合・ゴールキーパーが、最後にボールに触れた状態で、ゴールラインを割った場合ただし、攻撃側の選手がオフサイドの反則を犯していた場合などは、コーナーキックは与えられません。⚽コーナーキックのやり方コーナーキックは、以下の手順で実施されます。コーナーアークと呼ばれるピッチの四隅にある円弧状のエリアからボールを蹴ります。ボールを蹴る選手は、ボールが動いている間は再びボールに触れることはできません。相手チームの選手は、ボールが蹴られるまで、9.15m以上離れていなければなりません。なお、コーナーキックは、直接ゴールを狙うことも、味方選手にパスを出して攻撃を組み立てることも可能です。⚽コーナーキックからの得点パターンコーナーキックは、守備側の選手がゴール前に集まっているため、得点のチャンスが非常に高いセットプレーの一つです。コーナーキックからの得点パターンは、大きく分けて以下の3つがあります。直接ゴールを狙う:精度の高いキックを持つ選手であれば、直接ゴールを狙うことも可能です。カーブをかけてゴールキーパーの手の届かないコースを狙ったり、風を利用して直接ゴールを狙ったりする選手もいます。ヘディングで合わせる:コーナーキックの最も一般的な得点パターンは、ヘディングシュートです。ゴール前に走り込んだ選手が、コーナーキックをヘディングで合わせてゴールを狙います。こぼれ球を狙う:コーナーキックは、ゴール前に選手が密集しているため、こぼれ球が発生しやすくなります。こぼれ球を拾ってシュートを狙ったり、セカンドボールを押し込んだりして得点することも可能です。⚽コーナーキックを活用した戦術コーナーキックは、単にゴールを狙うだけでなく、様々な戦術を駆使して相手チームの守備を崩すことができます。ショートコーナー:コーナーキックを蹴る選手が、ゴール前にいる味方選手に短いパスを出し、そこから攻撃を展開する戦術です。サインプレー:あらかじめ決めておいた動きで、相手チームのマークを外し、フリーの選手を作り出す戦術です。フェイント:コーナーキックを蹴るふりをして、別の選手にパスを出すなど、相手チームを惑わすフェイントも有効です。これらの戦術を組み合わせることで、コーナーキックからの得点確率をさらに高めることができます。
2024年09月12日サッカーにおいて、アウトサイドキックは非常に重要な技術の一つです。アウトサイドキックとは、サッカーにおいて足の甲の外側を用いてボールを蹴る技術のことです。インサイドキックと比較して、ボールに回転を与えることが特徴です。カーブをかけたり、独特の軌道を描いたりすることができるため、パス、シュート、クリアなど、様々な場面で応用されます。正確なアウトサイドキックは、トリッキーなパスやシュートを生み出し、試合を有利に進めることができます。また、アウトサイドキックを使いこなすことで、プレーの幅が広がり、より高度な戦術を理解することにも繋がります。<目次>1.基本的な蹴り方2.アウトサイドキックの練習方法3.応用編効果的なドリル4.試合での活用方法基本的な蹴り方アウトサイドキックの基本的な蹴り方は、以下の通りです。軸足をボールの横に置く体を開いて、ボールと反対側の足を振り上げる足の甲の外側でボールの中心よりやや下を蹴るこれらのポイントを意識することで、安定したアウトサイドキックを蹴ることができます。アウトサイドキックの練習方法1.壁当て: 壁に向かってアウトサイドキックを繰り返し蹴ることで、ボールの軌道や回転を安定させます。2.対人パス: パートナーと向かい合ってアウトサイドパスを繰り返すことで、正確性を高めます。3.コーンを使ったドリブル: コーンをジグザグに配置し、アウトサイドでボールをコントロールしながらドリブルすることで、実践的な技術を習得します。応用編効果的なドリルアウトサイドキックの精度向上ドリル: ゴール前にコーンを複数設置し、アウトサイドキックで順番に倒していく練習は、精度向上に効果的です。アウトサイドパスの連携練習: 3人1組になり、三角形にパスを回す練習は、アウトサイドパスのタイミングや強弱を掴むのに役立ちます。試合での活用方法相手チームへの対策アウトサイドキックは、相手チームの意表を突くプレーとして非常に有効です。例えば、サイドチェンジの場面でアウトサイドキックを使うことで、相手ディフェンスの逆を突いてチャンスを作ることができます。ゴールを狙うテクニックアウトサイドキックは、シュートにも応用できます。ゴールに向かってカーブを描くシュートは、相手ゴールキーパーにとって非常に脅威となります。パスやクロスでの応用アウトサイドキックは、正確なクロスやスルーパスにも最適です。サイドを突破し、アウトサイドでカーブをかけてゴール前にボールを入れることで、決定的なチャンスを演出できます。アウトサイドキックは、練習を重ねることで誰でも習得できるテクニックです。ぜひ、今回の記事を参考にして、アウトサイドキックをマスターしてください。
2024年09月12日サッカーのポジションはたくさんあって難しいと思っている人も多いのでは。その中でも今回は、サイドの好守にわたって重要な役割を果たす「ウイングバック」について解説します。ウイングバックとは、3バックや5バックシステムを採用するチームにおいて、サイドのライン際を上下動するポジションのことです。従来のサイドバックよりも攻撃的な役割を担い、スピードとスタミナ、そして正確なクロスやパスが求められます。<目次>1.ウイングバックの位置づけ2.ウイングバックの攻撃と守備のバランス3.ウイングバックの活かし方と戦術4.ウイングバックの将来性と発展チーム戦術におけるウイングバックの位置づけウイングバックは、現代サッカーにおいて戦術の要となる重要なポジションです。攻撃時にはサイドの高い位置をとり、オーバーラップやカットインなどでチャンスを演出します。守備時にはサイドハーフと連携し、相手の攻撃を封じ込めます。ウイングバックの攻撃と守備のバランスウイングバックは、攻撃と守備の両方に貢献することが求められる、非常に運動量の多いポジションです。攻撃に比重を置く場合は、高い位置を取り続け、積極的にゴール前に顔を出します。守備に比重を置く場合は、自陣深くまで戻り、相手のサイド攻撃を封じ込めることに専念します。試合状況や監督の指示によって、そのバランスは常に変化します。ウイングバックの活かし方と戦術現代サッカーにおいて、ウイングバックは戦術の鍵を握る重要な存在です。ここでは、ウイングバックを活かした効果的な戦術を紹介します。守備時のウイングバックの役割ウイングバックは、守備においても重要な役割を担います。サイドの守備の要として、相手の攻撃を食い止める必要があります。相手の攻撃を阻止ウイングバックは、相手のサイドハーフやサイドバックと対峙し、ドリブル突破やクロスを阻止します。状況に応じて、センターバックやボランチと連携し、数的優位を作りながら相手の攻撃を封じ込めます。チームの守備バランスの維持ウイングバックは、攻撃参加後のポジション復帰が遅れると、チームの守備バランスを崩す原因となります。常に危険察知能力を高め、攻守の切り替えを意識することで、チーム全体のバランスを保つことが重要です。カウンター攻撃の防御ウイングバックは、相手のカウンター攻撃に対して、いち早く帰陣し、ピンチを防ぐ必要があります。状況判断を誤ると、一気にゴール前まで迫られる危険性もあるため、常に冷静さを保ち、適切なポジショニングと対応が求められます。ウイングバックの将来性と発展ウイングバックは、現代サッカーにおいて、その重要性を増し続けているポジションです。今後、戦術の進化や選手の能力向上によって、さらにその役割は多様化していくと考えられます。
2024年09月12日カウンター攻撃とは、サッカーにおいて守備から攻撃に移る際、 相手の隙を突いて素早く攻め込む戦術 のことを指します。 一般的には、相手チームが攻め込んできたところを 奪い返し、一気に敵陣へ攻め込む攻撃を指します。カウンター攻撃は、守備的な陣形から攻撃的な陣形へ、瞬時に切り替える必要があるため、高度な戦術理解と選手間の連携が求められます。しかし、成功すれば少ない人数でも数的有利な状況を作り出し、ゴールを奪える可能性が高くなるため、 サッカーにおいて非常に重要な戦術の一つと言えます。この記事では、カウンター攻撃についてサッカー初心者でもわかるように解説します。<目次>1.カウンター攻撃の目的と効果2.カウンター攻撃の基本的な流れ3.カウンター攻撃のやり方4.カウンター攻撃を成功させるポイントカウンター攻撃の目的と効果カウンター攻撃の目的は、ずばり ゴールを奪うこと です。 相手が攻め込んできた直後は、守備の陣形が整っていないことが多く、 カウンター攻撃を仕掛けることで、 相手ゴールに近い位置で数的有利な状況を作り出し、 高い確率でゴールを狙うことができます。また、カウンター攻撃は、 相手チームに心理的なプレッシャーを与える 効果もあります。 カウンター攻撃の脅威があることで、 相手チームは攻撃に人数をかけにくくなり、 結果的に試合を優位に進めることが期待できます。カウンター攻撃の基本的な流れカウンター攻撃の基本的な流れは以下の通りです。相手の攻撃を防ぐ: まずは、自陣で相手の攻撃をしっかりと防ぐことが重要です。素早くボールを奪う: 相手の攻撃を防いだら、すぐに攻守を切り替えるために、素早くボールを奪う必要があります。スピードを活かして攻める: ボールを奪ったら、ドリブルやパスを駆使して、スピードを落とさずに相手ゴールを目指します。ゴールを狙う: ゴール前までボールを運んだら、シュートやパスでゴールを狙います。カウンター攻撃のやり方カウンター攻撃を成功させるためには、まず相手の攻撃をしっかりと防ぐことが大前提です。 自陣にボールがあるときはもちろんのこと、 相手がボールを持っているときも、 カウンター攻撃を仕掛けるチャンスを常に伺いながら、 集中力を切らさずに守備に取り組みましょう。具体的な守備方法としては、以下の点が重要です。相手のパスコースを予測し、インターセプトを狙うボールを持っている相手選手にプレッシャーをかけ、パスやドリブルの精度を落とさせる味方選手と連携して、相手選手を囲い込み、自由にプレーさせない素早くボールを奪う相手の攻撃を防いだら、 すぐに攻守を切り替えるために、 素早くボールを奪う必要があります。 ボールを奪う際には、 以下の点に注意することが重要です。ボールホルダーへの素早い寄せ: ボールを持っている相手選手に対して、ためらわずに素早く寄せに行きましょう。的確なチャージ: 不用意なチャージはファウルのリスクがあるため、 タイミングを見計らって、的確にチャージしましょう。セカンドボールへの反応: チャージなどでボールがこぼれた場合、 そのセカンドボールへの反応速度が重要になります。スピードを活かして攻めるボールを奪ったら、ドリブルやパスを駆使して、スピードを落とさずに相手ゴールを目指します。 このとき、 以下の点に注意することで、 より効果的に攻撃を進めることができます。少ないパス回数で攻める: パスミスはカウンター攻撃の最大の敵です。 なるべく少ないパス回数で、ゴール前にボールを運びましょう。縦への意識: 常にゴールを意識し、縦方向へのパスやドリブルを心がけましょう。サイドのスペース活用: サイドのスペースを有効活用することで、 相手の守備陣形を広げ、攻撃の幅を広げることができます。ゴールを狙うゴール前までボールを運んだら、シュートやパスでゴールを狙います。 カウンター攻撃時は、守備の人数が少ない場合が多いため、 冷静かつ大胆に、ゴールを狙っていきましょう。ゴールを狙う際のポイントは以下の通りです。シュートエリア: ゴールに近い位置、角度のない位置など、 シュートを決めやすいエリアでシュートを打ちましょう。冷静な判断: 焦ってシュートを打つのではなく、 周りの状況を見て、パスを選択するのも有効です。正確なキック: せっかくゴールチャンスに恵まれても、 シュートミスでは意味がありません。 日頃から、正確なキックを身につけておきましょう。カウンター攻撃を成功させるポイントチームの連携とコミュニケーションカウンター攻撃は、 選手一人ひとりの能力もさることながら、 チーム全体の連携とコミュニケーションが不可欠です。共通認識: チーム全体で、いつ、どのような状況でカウンター攻撃を仕掛けるのか、 共通認識を持つことが重要です。声かけ: 守備から攻撃に切り替わる際、 選手同士で積極的に声かけを行い、 相手の位置や動きを共有しましょう。ゴール前での冷静な判断カウンター攻撃では、 ゴール前に人数が少ない状況で、 相手の守備陣と対峙することが多いため、 ゴール前での冷静な判断が求められます。シュートとパスの選択: 状況に応じて、 シュートを打つべきか、パスを出すべきか、 冷静に判断する必要があります。フェイント: 相手の動きをよく見て、 フェイントを交えることで、 より確実にシュートチャンスを作り出すことができます。落ち着いてプレー: 焦りはミスを生みます。 ゴール前では、 落ち着いてプレーすることを心がけましょう。相手チームの分析と対策カウンター攻撃を効果的に仕掛けるためには、 相手チームの分析と対策も重要です。攻撃パターン分析: 相手チームの攻撃パターンを分析し、 どのタイミングでボールを奪うことができるかを事前に予測しておきましょう。弱点を突く: 相手チームの守備の弱点を見つけ、 集中的にそのエリアを攻めることで、 カウンター攻撃を成功させる確率を高めることができます。これらの要素を総合的に高めることで、 カウンター攻撃はより効果的な戦術となり、 チームの勝利に大きく貢献するでしょう。
2024年09月12日サッカーにおいて、クロス(センタリング)は攻撃の手段として非常に重要な武器となります。正確なクロスは、ゴール前にいる味方に決定的なチャンスを演出するだけでなく、相手チームの守備陣形を崩し、試合の流れを大きく変える力も秘めています。この記事では、これからクロスを練習する初心者の方から、さらにレベルアップを目指したい経験者の方まで、知っておくべきクロスの基礎知識から応用技術、効果的な練習方法までを徹底解説していきます。<目次>1.クロスとは何か?2.クロスの種類と特徴3.クロスの重要性4.クロスを成功させるコツまずは、クロスの基本的な知識を3つに分けて解説してきましょう。クロスとは何か?クロスとは、サイドから相手ゴール前に向かって送るパスの一種です。主に、サイドを突破した選手が、ゴール前に走り込んでいる味方選手に合わせるために蹴られます。クロスは、グラウンダーのボールを鋭く送るものから、高い弾道のボールを山なりに送るものまで、様々な種類があります。状況に応じて、適切なクロスを選択することが重要です。クロスの種類と特徴クロスには、大きく分けて以下の3つの種類があります。グラウンダーのクロスグラウンダーのクロスは、地面を這うように低い弾道で送るクロスです。ディフェンダーにカットされにくく、ゴール前に走り込んでいる味方選手に合わせやすいというメリットがあります。また、ダイレクトでシュートを打ちやすいのも特徴です。一方で、相手ディフェンダーに足元に入られると容易にクリアされてしまう可能性があり、精度の高いキックが求められます。浮き球のクロス浮き球のクロスは、空中を高く飛んでいくクロスです。相手ディフェンダーの頭上を越えてゴール前にいる味方選手にパスを送ることができるため、身長の高い選手がいる場合などに有効です。また、滞空時間が長いため、味方選手がゴール前に走り込む時間を稼ぐこともできます。ただし、風などの影響を受けやすく、コントロールが難しいというデメリットもあります。そのため、正確なキックと状況判断が求められます。アーリークロスアーリークロスとは、ゴールラインから遠い位置から早めにクロスを上げることを指します。相手ディフェンスが整う前にクロスを上げることができるため、奇襲攻撃として有効です。また、ゴール前に走り込んでいる味方選手だけでなく、ペナルティエリアの外からシュートを狙っている味方に合わせることもできます。しかし、相手ディフェンスが予測しやすく、カットされる可能性も高いため、状況判断とタイミングが重要になります。クロスの重要性クロスは、サッカーにおいて非常に重要な攻撃手段の一つです。なぜなら、クロスは相手ゴール前で数的優位を作り出し、得点の可能性を大きく高めることができるからです。サイドを突破して正確なクロスを上げることができれば、ゴール前にいる味方選手はフリーでシュートを打てるチャンスが増えます。また、クロスに対してディフェンダーが対応しなければいけないため、相手チームの守備陣形を崩すこともできます。守備陣形が崩れれば、その分スペースが生まれ、攻撃の幅が広がります。このように、クロスは単にゴールを狙うだけでなく、チーム全体の攻撃を活性化させる効果も期待できるのです。クロスを成功させるコツただ闇雲にクロスを上げても、相手に容易にカットされてしまいます。正確なクロスを送るためには、以下の3つのポイントを意識することが重要ですボールの蹴りどころ体の向き視線ボールの蹴りどころは、グラウンダーのクロスを蹴る場合はボールの中心よりやや下を、浮き球のクロスを蹴る場合はボールの中心よりやや下を蹴ると、それぞれ狙った弾道のボールを蹴ることができます。体の向きは、ゴール方向に対してやや斜めに構えることで、クロスを上げる方向を調整することができます。視線は、ボールを蹴る直前までボールを見ておくことで、ミスキックを防ぐことができます。ゴールに結びつくクロスのコツクロスをゴールに結びつけるためには、以下の2つのポイントを押さえましょう。味方選手の動きをよく見る状況判断味方選手の動きをよく見て、タイミングよくクロスを上げることが重要です。また、状況判断も重要です。例えば、相手ディフェンスが密集している場合は、無理にクロスを上げずに、いったんボールをキープしたり、パスコースを探したりするのも有効な手段です。まとめクロスは、サッカーにおいて非常に重要な攻撃手段の一つです。正確なクロスを習得することで、チームの得点力を格段に向上させることができます。この記事で紹介した練習方法を参考に、ぜひクロスの精度を高めてみてください。クロスは、一朝一夕に習得できるものではありません。日々の練習を通して、コツコツと技術を磨いていくことが重要です。焦らずマイペースに、楽しみながら練習を続けましょう。
2024年09月12日子どもがサッカーを始めると、様々なサッカー用語を耳にする機会が増えます。練習や試合に必要なウェアやプレーに必要な道具以外にも、観戦や応援に関する用語も最初はよくわからないもの。応援道具の一つである「ゲートフラッグ」。通称ゲーフラと呼ばれる応援の旗も、その一つではないでしょうか。この記事では、サッカーの応援道具の一つであるゲートフラッグについて解説します。ゲート(門)の形をした応援旗、応援しながら手に持てる<目次>1.ゲートフラッグとは2.ゲートフラッグの種類とデザイン3.ゲートフラッグがスタジアム観戦を楽しくする理由4.スタジアムでのゲートフラッグ活用法ゲートフラッグとはゲートフラッグとは、サッカーなどのスポーツの試合会場で見られる、応援用の大きな旗のことです。文字通り、スタジアムのゲート付近に掲げられることが多く、チーム名やエンブレム、選手へのメッセージなどが書かれています。素材は布やビニールなどが一般的で、大きさやデザインは様々です。世界中のサッカーファンに愛されるゲートフラッグは、単なる応援グッズを超えた存在感を持ちます。スタジアムを彩るビジュアルとして、サポーターの熱意を可視化するツールとして、そして時にはメッセージを発信する手段として、試合を盛り上げる重要な役割を担っています。ゲートフラッグの種類とデザイン素材とサイズゲートフラッグは、主に布やビニールで作られます。布は軽くて扱いやすい反面、雨に濡れやすいというデメリットがあります。ビニールは耐久性が高く、雨にも強いというメリットがある一方、重量があるため持ち運びにはやや不便です。サイズは大小様々で、個人が持ち歩く小さなものから、複数人で掲げる巨大なものまであります。最近では、コンパクトに折り畳めるものや、持ち運びに便利なバッグが付いたものなど、機能性も重視されています。デザインデザインは、チームカラーやエンブレムをモチーフにしたもの、応援メッセージ、選手への熱い想いをつづったものなど、実に様々です。最近では、漫画やアニメのキャラクター、流行語などをモチーフにしたユニークなデザインのものも見られます。デザインのポイント目立つ色使いやデザインにするメッセージは簡潔で分かりやすくするチームや選手へのリスペクトを忘れないゲートフラッグがスタジアム観戦を楽しくする理由チームへの応援表現ゲートフラッグは、サポーターがチームへの熱い想いを表現するための最大のツールです。自らの手で作り上げたゲートフラッグを掲げ、声を枯らして応援することで、選手たちを鼓舞し、チームに勝利を呼び込む力となります。特に、重要な試合や苦しい時間帯でのゲートフラッグの掲揚は、選手たちにとって大きな後押しとなり、サポーターと選手が一体となって戦う「一体感」を生み出す効果があります。試合の雰囲気作りスタジアム全体に広がる色とりどりのゲートフラッグは、試合会場を華やかに彩り、非日常的な空間を演出します。その光景は、サポーターだけでなく、選手や関係者にとっても特別なものであり、試合への集中力を高める効果もあります。また、ゲートフラッグはコレオグラフィーと呼ばれる、観客席全体を使った壮大なパフォーマンスにも活用されます。チームのアンセムに合わせて一斉にゲートフラッグが揺らめく光景は、スタジアム観戦でしか味わえない感動を与えます。サポーター同士のコミュニケーションゲートフラッグは、サポーター同士のコミュニケーションツールとしても重要な役割を果たします。初対面のサポーター同士でも、同じチームのゲートフラッグを掲げているだけで、自然と会話が弾むことがあります。また、ゲートフラッグのデザインを通して、サポーター同士の交流が生まれることもあります。お気に入りの選手のゲートフラッグを見せ合ったり、デザインのアイデアを交換したりすることで、サポーター同士の絆が深まります。スタジアムでのゲートフラッグ活用法大事な試合でのゲートフラッグの活用重要な試合では、サポーターたちの熱量も最高潮に達します。大型のゲートフラッグや、特別なデザインのゲートフラッグを準備して、チームの勝利を後押ししましょう。また、試合前にサポーター同士で集まり、ゲートフラッグを使ったコレオグラフィーの練習を行うこともあります。試合に向けて準備を進める時間も、スタジアム観戦の楽しみの一つと言えるでしょう。ゲートフラッグでスタジアム観戦をもっと楽しもうゲートフラッグは、スタジアム観戦をより楽しく、そして特別な体験にするための必須アイテムと言えるでしょう。まだゲートフラッグを使ったことがない方は、ぜひ一度、自作のゲートフラッグを掲げて、スタジアム観戦に臨んでみてはいかがでしょうか。ただし、スタジアムのルールを確認し持ち込みが禁止されている場合や、サイズやデザインに制限がある場合はルールを守り、周りの人の視界を遮らないように配慮するなど周囲への思いやりも忘れないようにして、試合を楽しみましょう。
2024年09月12日サッカーを始めるにあたって、適切な装備を揃えることは、安全に楽しくプレーするために非常に重要です。その中でも、シンガード(すね当て)はケガの予防に欠かせない重要なアイテムです。この記事では、サッカー初心者の方に向けて、シンガードの基本的な役割から選び方、おすすめ商品までご紹介します。<目次>1.シンガードの基本的な役割と重要性2.シンガードが必要な理由3.選び方のポイント4.正しい装着方法・手入れシンガードの基本的な役割と重要性サッカーにおける怪我のリスクサッカーは足を使うスポーツであるため、足への接触や怪我のリスクが常に付きまといます。特に、相手選手との接触プレーやボールの蹴り合いなど、激しい動きの中で足に大きな衝撃を受ける場面は少なくありません。考えられる具体的な怪我打撲:相手選手との接触やボールが当たることで起こる、最も一般的な怪我の一つです。骨折:強い衝撃が加わることで、すねの骨が折れてしまうことがあります。これらの怪我は、プレー中のパフォーマンス低下だけでなく、日常生活にも支障をきたす可能性があります。シンガードがプレーヤーをどのように守るかシンガードは、硬質の素材でできており、すね部分を衝撃から保護する役割を果たします。外部からの衝撃を吸収・分散させることで、骨折や打撲などの怪我を未然に防ぎます。シンガードが必要な理由サッカーの公式ルールでも、シンガードの着用は義務付けられています。安全にプレーするためだけでなく、ルールを守るためにも、シンガードは必ず着用しましょう。選び方のポイント自分に合ったシンガードを選ぶことは、快適なプレーと安全確保に繋がります。サイズの選び方シンガードは、すねの大きさに合わせて適切なサイズを選ぶことが重要です。小さすぎると十分な保護効果が得られず、大きすぎるとプレー中にずれてしまい、パフォーマンスに影響が出る可能性があります。素材とデザインシンガードには、ポリウレタンやポリプロピレンなどの素材が使われています。軽量で通気性に優れた素材を選ぶと、快適にプレーできます。素材の特徴ポリウレタン: 軽量で衝撃吸収性に優れており、価格も比較的安価です。ポリプロピレン: 硬質で耐久性に優れており、長期間使用できます。カーボンファイバー: 軽量かつ非常に高い強度を誇りますが、価格が高価になります。また、デザインも様々で、シンプルなものから、チームロゴやキャラクターがプリントされたものまであります。正しい装着方法・手入れシンガードは、ずれないように、ソックスの下に装着します。マジックテープ式やスリーブ式など、様々なタイプがあるので、自分に合ったものを選びましょう。シンガードのお手入れ方法使用後は、汚れや汗を拭き取り、風通しの良い場所で乾燥させましょう。シンガードの交換時期シンガードは、使用頻度や劣化具合によって交換時期が異なります。ヒビ割れや破損がある場合は、新しいものと交換しましょう。安全にサッカーを楽しむために、シンガード選びは慎重に行いましょう!
2024年09月12日