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サッカーを始めるにあたって、適切な装備を揃えることは、安全に楽しくプレーするために非常に重要です。その中でも、シンガード(すね当て)はケガの予防に欠かせない重要なアイテムです。この記事では、サッカー初心者の方に向けて、シンガードの基本的な役割から選び方、おすすめ商品までご紹介します。<目次>1.シンガードの基本的な役割と重要性2.シンガードが必要な理由3.選び方のポイント4.正しい装着方法・手入れシンガードの基本的な役割と重要性サッカーにおける怪我のリスクサッカーは足を使うスポーツであるため、足への接触や怪我のリスクが常に付きまといます。特に、相手選手との接触プレーやボールの蹴り合いなど、激しい動きの中で足に大きな衝撃を受ける場面は少なくありません。考えられる具体的な怪我打撲:相手選手との接触やボールが当たることで起こる、最も一般的な怪我の一つです。骨折:強い衝撃が加わることで、すねの骨が折れてしまうことがあります。これらの怪我は、プレー中のパフォーマンス低下だけでなく、日常生活にも支障をきたす可能性があります。シンガードがプレーヤーをどのように守るかシンガードは、硬質の素材でできており、すね部分を衝撃から保護する役割を果たします。外部からの衝撃を吸収・分散させることで、骨折や打撲などの怪我を未然に防ぎます。シンガードが必要な理由サッカーの公式ルールでも、シンガードの着用は義務付けられています。安全にプレーするためだけでなく、ルールを守るためにも、シンガードは必ず着用しましょう。選び方のポイント自分に合ったシンガードを選ぶことは、快適なプレーと安全確保に繋がります。サイズの選び方シンガードは、すねの大きさに合わせて適切なサイズを選ぶことが重要です。小さすぎると十分な保護効果が得られず、大きすぎるとプレー中にずれてしまい、パフォーマンスに影響が出る可能性があります。素材とデザインシンガードには、ポリウレタンやポリプロピレンなどの素材が使われています。軽量で通気性に優れた素材を選ぶと、快適にプレーできます。素材の特徴ポリウレタン: 軽量で衝撃吸収性に優れており、価格も比較的安価です。ポリプロピレン: 硬質で耐久性に優れており、長期間使用できます。カーボンファイバー: 軽量かつ非常に高い強度を誇りますが、価格が高価になります。また、デザインも様々で、シンプルなものから、チームロゴやキャラクターがプリントされたものまであります。正しい装着方法・手入れシンガードは、ずれないように、ソックスの下に装着します。マジックテープ式やスリーブ式など、様々なタイプがあるので、自分に合ったものを選びましょう。シンガードのお手入れ方法使用後は、汚れや汗を拭き取り、風通しの良い場所で乾燥させましょう。シンガードの交換時期シンガードは、使用頻度や劣化具合によって交換時期が異なります。ヒビ割れや破損がある場合は、新しいものと交換しましょう。安全にサッカーを楽しむために、シンガード選びは慎重に行いましょう!
2024年09月12日サッカーはコンタクトスポーツであるため、ピッチ上では激しい攻防が繰り広げられます。その中でも、ショルダーチャージは、正しく行えば合法的なプレーですが、一歩間違えるとファウルとなる、非常に判断の難しいプレーの一つです。この記事では、サッカーにおけるショルダーチャージの定義、ルール、そしてファウルとの境界線について詳しく解説し、試合観戦をより一層楽しめる知識を提供します。<目次>1.ショルダーチャージとは?2.サッカーにおけるショルダーチャージの定義3.ルール上のショルダーチャージの基準4.ショルダーチャージとファウルの境界線5.審判によるショルダーチャージの判断基準6.シーズン初戦でのショルダーチャージの扱い7.ゴールや得点に影響を与えるショルダーチャージショルダーチャージとは?ショルダーチャージとは、文字通り自分の肩を使って相手選手に接触し、ボールを奪ったり、進路を妨害したりするプレーです。ただし、単に肩と肩をぶつければいいというわけではなく、ルールに基づいた正しい方法で行われなければなりません。サッカーにおけるショルダーチャージの定義国際サッカー評議会 (IFAB) が定めるサッカー競技規則では、ショルダーチャージは「肩を使って、相手競技者と同じ方向に走っているか、または走ろうとしているときに、ボールをプレーするために行うもの」と定義されています。つまり、以下の3つの条件を満たす必要があります。肩で接触する:肘や腕、頭を使ってはならず、肩で接触することが必須条件となります。相手と同じ方向に走っている:真横や後ろから来る相手に対してショルダーチャージを行うことはできません。ボールをプレーするため:単に相手選手を転倒させることが目的であってはならず、ボールを奪う、あるいはキープするためにショルダーチャージを行う必要があります。ルール上のショルダーチャージの基準競技規則では、ショルダーチャージが合法となるためのより具体的な基準も定められています。例えば、 腕の位置: 腕を広げていたり、肘を上げていたりする場合は、たとえ肩で接触していてもファウルとみなされます。腕は体に密着させておく必要があります。勢い:過剰な勢いで相手選手に突っ込む行為は危険とみなされ、ファウルの対象となります。ボールとの距離:ボールから離れた場所でショルダーチャージを行うことは、チャージングとみなされファウルとなります。これらの基準を満たさないショルダーチャージは、ファウルとみなされ、フリーキックやペナルティキック、場合によっては警告や退場の対象となります。ショルダーチャージとファウルの境界線ショルダーチャージとファウルの境界線は非常に曖昧で、審判の判断に委ねられる部分が大きいと言えます。特に、試合の状況や選手の体格差、接触の強さなど、様々な要素が考慮されるため、同じようなプレーでもファウルと判定される場合もあれば、そうでない場合もあります。例えば、わずかに腕が開いていた、勢いが強すぎた、ボールから離れた場所でチャージしたなど、些細な違いがファウルとなるかどうかの分かれ目となることがあります。審判によるショルダーチャージの判断基準審判は、ショルダーチャージの際に以下の点を考慮して判断を下します。 選手の安全: 選手の安全を第一に考え、危険なプレーと判断した場合は、迷わずファウルの笛を吹きます。 有利の原則: ファウルかどうかの判断が難しい場合には、有利の原則に基づき、より競技を円滑に進めるために有利な方に判定を下すことがあります。 試合の流れ: 試合の流れや両チームのプレーの激しさなども考慮し、一貫性のある判定を心がけます。シーズン初戦でのショルダーチャージの扱いシーズン初戦など、審判がまだ試合の雰囲気や選手のプレー傾向を掴みきれていない段階では、ショルダーチャージに対してやや慎重な判定となる傾向があります。ゴールや得点に影響を与えるショルダーチャージショルダーチャージが、ゴールや得点に直接繋がるような重要な場面で発生した場合は、審判はより慎重に判定を下す必要があります。ビデオアシスタントレフェリー (VAR) の導入により、このような重要な場面での判定の精度向上も期待されています。 この様に、ショルダーチャージは状況によって判断が変わる非常に難しいプレーです。ルールや基準を理解した上で、試合を観戦すると、よりサッカーの奥深さを感じることができるでしょう。
2024年09月12日練習がきつい、プロになれると思えない、とサッカーをやめたいと言い出した息子(中学生)。セレクションを受けて入った強豪の中高一貫校だし、試合にも出れているみたいだからもったいないと思ってしまう。続けさせるのは親のエゴ?というお悩みをいただきました。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの取材で得た知見をもとにアドバイスを送ります。(構成・文:島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<頑張らないのに文句ばかりの娘にうんざり。どうしたら子育て楽しめますか問題親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>><サッカーママからの相談>中学2年生の男の子の母親です。「ジュニア」年代の親向けサイトなので本来「ジュニアユース」は対象外だと思うのですが、親として不甲斐ないかもしれませんが、思春期で悩みが多い時期のアドバイス等を いただけたらと思い、ご相談させていただきました。先日、息子がサッカーを辞めたいと言いました。理由は、1つは練習がきつい、面白くない、そしてプロになるとは思えないと言ってました。幼稚園の年中から習い事の一環でサッカーを 始め、小学生の時にクラブチームに入りました。 中学からは、地元を離れ強豪校に行き、寮生活をしています。寮のある強いサッカーの学校に行きたいと言ってセレクションを受け、今の学校に行きました。中高一貫校です。年に数回、数日しかないオフの時に帰省して地元の仲間と会うのが楽しみのようです。今まで辞めたいと言ったことはないです。 母親の私としては、真剣に受け止めなければと思っているのですが、やめずに頑張ってほしいという気持ちの方が強いです。学年を超えて、試合に出たりしているので もったいないと思ってしまいます。本人は、地元の友達が楽しく見えるみたいでみんないつでも会えるからいいなと思っているようです。続けさせるのは親のエゴなのか、やめていいよと言っていいのか、私自身悩んでおり、アドバイスをいただけると幸いです。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。親元を離れ、寮生活をしてまで強豪中学でプレーしているのですから、プロになる強い意志があったのだろうと想像します。お母さんから私への一番の質問は「続けさせるのは親のエゴか、やめていいよと本人の思う通りにさせるべきか」の二択のようです。しかしながら、ここはもう少し本人と話をしたほうがいいように思います。■子どもが自信を失うとき短いご相談文からの推察なので合致しているかどうかわかりませんが、「サッカーをやめたい」息子さんはもしかしたら何か大きな荷物を背負っているのではないでしょうか。というのは、子どもたちが「もうプロになれそうにない」と自分の可能性を悲観するとき、その多くの場合は試合に出られないときです。つまり補欠として扱われ、指導者から評価されていないと感じて自信をなくしています。ところが、息子さんはそういったことではないようです。お母さんからの相談文には「学年を超えて、試合に出たりしているのでもったいない」と書かれています。どうやら2年生なのに3年生の試合に起用されているようです。であれば、試合に出られず腐ったり、自信喪失に陥ったりはしていないようです。■親のエゴ以前に、拒絶している場所に縛り付けることはしてはいけないここはあらためて息子さんの本心と向き合う作業が必要だと考えます。お母さんは「続けさせるのは親のエゴなのか?」と私に問うていますが、エゴであるかどうか以前に、通いたくないと拒絶している学校に子どもを縛りつけることはたとえ親でもやってはいけないことです。そもそもこの中高一貫校に入学した経緯を知らないので難しい部分ではありますが、まずは「君の意志を尊重するよ」という姿勢を見せる必要があります。そのうえで、以下3つのことを尋ねてください。①今いる中学校でサッカーをやめたいとまで言い出した理由は、本当に練習がきつくて、面白くないだけなのか?何か他に嫌なことはないのか。②本当にプロになれないと感じたからアッサリやめてしまうのか?③その中学校のサッカーが嫌なのか?サッカー自体が嫌になったのか?今の中学でやりたくなだけならば、地元の中学に戻るなりして部活動や民間クラブで楽しくサッカーを続ける気はないのか?特に①については、時間をかけてゆっくり聴いてあげましょう。親の目が届かない寮生活や学校生活、部活動に、もしかしたら何か問題がはらんでいるのかもしれません。いじめや不適切指導、考えたくはありませんが男子であっても性被害が起きる確率はゼロではありません。それらすべてにおいて、過去にはさまざまな事件が起きています。■14歳はこころも揺れ動く時期、我が子のことを慎重に考えてあげてまさかそんなことがあるわけはない――問題が顕在化すると大人はみんなそう言います。どうか慎重に考えてあげてください。14歳という年齢は第二次性徴期。男女ともに体が大きく変化しますが、こころも揺れ動く時期です。個人差はあるものの、子ども自身も自分の感情や思考をコントロールしづらくなります。 このため、多くの子どもが、学校や部活動など家を出た場所では自分をコントロールして社会性を保っています。そのストレスを吐き出せる場所が実は家庭なのです。家に帰れば、わけもなく不機嫌でいられます。両親には遠慮せず素の自分をぶつけられる。不愉快な顔をしようが、無視しようが「はいはい、思春期なんだよね」と受け流してもらえるからです。■寮生活だとストレスの捌け口がないかもしかしながら、寮生活を送る息子さんはそのような捌け口がありません。仲間同士のたわいない時間でストレス発散が出来ていればいいのですが、そういった部分について話を聞いたことはありますか。もしも寮や学校などでも先輩や顧問に気を遣ったりして、気が休まらないような環境にあるのならば、そういったこともサッカーに前向きになれないことに影響を及ぼしているかもしれません。話を聴く際は、本人を責めるような雰囲気や口調ではなく「あなたの気持ちが知りたいんだよ」と伝えたうえで彼の言葉に耳を傾けてください。■わが子だからすべて理解できているわけではない、「言いたくない」という気持ちも尊重して(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)もうひとつ。私の子どもはすでに成人し、時折思春期の頃の話になります。すると「あのとき、こう思ってたんだよ」と聞くことがあります。私や夫が想像しなかった事実に驚きます。したがって、わが子だから「きっとこう考えているんだろう」とか「こうに違いない」とわかったつもりになってはいけません。もしかしたら、何か被害を受けているとかではなく今は単に言いたくない場合もあるでしょう。そんなときは「言いたくない」という意思を尊重しましょう。「いいよ。信じるよ」と言ってあげてください。親は子どもの安全基地でなくてはいけません。何でも言える心理的安全性を保障してあげましょう。加えて、「せっかくセレクションに合格したのに」とか「もったいない」といった言葉は、さまざまなことを整理して前進しようとする子どものエネルギーを奪います。親御さんの感情や期待を出してはいけません。「親が期待して何が悪いんだ」という意見もありますが、子どもに良くないことは控えること。親は親である以前に「大人」であることを忘れないでください。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』『東洋経済オンライン』などでスポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『部活があぶない』(講談社現代新書)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『オシムの遺産彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著・小学館)『教えないスキルビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(佐伯夕利子著・小学館新書)など企画構成者としてもヒット作が多く、指導者や保護者向けの講演も精力的に行っている。日本バスケットボール協会インテグリティ委員、沖縄県部活動改革推進委員、朝日新聞デジタルコメンテーター。1男1女の母。
2024年09月11日EURO2024で見事12年ぶりの優勝を果たしたスペイン代表。大会前は優勝候補ではなかったにも関わらず、イタリア、ドイツ、フランス、イングランドと名だたる強豪国を打ち倒し、優勝に相応しいパフォーマンスを見せ続けました。決して選手層で圧倒していたわけではないスペイン代表は、大会最年少出場であるラミン・ヤマル選手をはじめとした、若い選手の活躍が特徴的でした。開催当時16歳だった青年が大会随一の活躍を見せたのは、スペインの育成力の高さがうかがえたといえるでしょう。長年ラ・リーガの解説を務め、自身でスペインの育成年の指揮をしたこともある小澤一郎さんは著書『自主練もドリブル塾もないスペインで「上手い選手」が育つワケ』で、スペインの育成について語っています。第三回となる本記事では育成年代での練習時間の違いを抜粋してお届けします。<<第二回:スペインでは小1でも団子サッカーにならない理由とは⁉スペインと日本の育成環境の違い(写真提供:小澤一郎)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■育成年代の練習時間は日本よりも断然短いスペインと日本の育成年代では「練習時間の長さ」も大きく違います。スペインの練習時間は、日本と比べて圧倒的に短いです。世界各地の育成機関を巡ってきたサッカーコンサルタントで、現在は日本でFC市川GUNNERS という育成クラブを運営する幸野健一さんは、「スペインの子どもたちのサッカーの練習は週に300分程度に収まっている」と話していましたが、その数字は私の体感にも近いです。スペインでは1回の練習が90分程度なので、それが週に3日程度だと300分に収まります。それに加えて週末にリーグ戦が1回あるので、一週間の活動日数は4日程度になるのが普通です。プロクラブの下部組織でもそれは同じです。レアル・マドリーやバルセロナのような世界的な名門クラブの下部組織でも、週に2日程度は必ず休みがあります。そして土日のどちらかは必ず休みます。世界のサッカーの育成年代では、そのくらい休むのが当たり前です。それと比較すると、日本の子どもたちには倍以上の時間を練習に費やしている子も多いでしょう。(写真は少年サッカーのイメージ)なおスペインの育成年代では、後述するようにチームの登録人数も限られています。練習に参加する子どもの数も限られてきますし、1人の指導者が見る子どもの数も少ないです。そのため一部の子どもが見学になり、ぼーっと待たされるような時間はほとんどありません。結果として練習中は高いインテンシティで動き続けるものになり、短時間で密度の高い練習を行うことができるのです。■スペインに「朝練」や「自主練」がない理由サッカー部を含む日本の部活には「朝練」があるチームがいまだ多いと耳にします。また午後の練習後にグラウンドに居残りをしたり、休みの日に公園に行ったりして「自主練」をしている子どもも多く存在します。一方のスペインには、「朝練」という習慣はありません。そして自主練をする子どももいません。そこには様々な事情があります。まず、「自主練や朝練をする場所がない」というのが理由の一つです。スペインの子どもたちは街クラブ(地域のクラブチーム)に所属し、地域のグラウンドでサッカーをしています。そのグラウンドは複数のクラブチームの、さまざまな年齢カテゴリーのチームが使用しており、下の学年だとグラウンド8分の1程度しか使えないこともあります。週末は年間を通じてリーグ戦が行われるため、試合の予定でカレンダーがビッシリ埋まっています。そのためチームで練習しているグラウンドで自主練をすることは不可能です。また学校によっては体育の時間がなく、日本のような部活動もありません。サッカーができるグラウンドや体育館もありません。日本のように自由にサッカーができる、だだっ広い公園も少ないです。サッカーを含めたスポーツは、基本的に「クラブチームが管理する街のグラウンドや体育施設で行うもの」なのです。そのため、スペインのスポーツは「限られた練習時間と、限られた練習場所の中で上達を目指すこと」が当たり前になっています。「上手くなるために朝練や自主練をする」という発想が生まれない環境といえます。そういった時間や場所の成約があるからこそ、スペインの指導者たちは「いかに短い練習時間のなかで効率的に選手を上達させ、チームを成長させるか」を考えています。なお、自由にサッカーができる場所がないことは、スペインでも問題視されており、近年では都市部中心にサッカースクールも増えていると聞きます。一方で、プロとして活躍する選手の出身地を見ても、自由にサッカーができる環境がまだ残っている郊外や田舎の選手が目立っています。
2024年09月10日EURO2024で見事12年ぶりの優勝を果たしたスペイン代表。大会前は優勝候補ではなかったにも関わらず、イタリア、ドイツ、フランス、イングランドと名だたる強豪国を打ち倒し、優勝に相応しいパフォーマンスを見せ続けました。決して選手層で圧倒していたわけではないスペイン代表は、大会最年少出場であるラミン・ヤマル選手をはじめとした、若い選手の活躍が特徴的でした。開催当時16歳だった青年が大会随一の活躍を見せたのは、スペインの育成力の高さがうかがえたといえるでしょう。長年ラ・リーガの解説を務め、自身でスペインの育成年の指揮をしたこともある小澤一郎さんは著書『自主練もドリブル塾もないスペインで「上手い選手」が育つワケ』で、スペインの育成について語っています。第二回となる本記事では実際のスペインの小学生年代での練習の違いを抜粋してお届けします。<<第一回:幼少期の指導が日本と異なる⁉スペインには自主練もドリブル塾もないのに「上手い選手」が育つ理由(写真提供:小澤一郎)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■「団子サッカー」にならない理由とはでは、スペインの育成年代が具体的にどのような練習をしているのかを見ていきます。日本で「子どもたちのサッカー」と聞くと"団子サッカー"を思い浮かべる人が多いでしょう。戦術もシステムもなく、ボール目掛けて敵味方の子供たちが一斉に群がり、お団子のような状態になってしまうサッカーです。ボールが団子の外に飛び出ても、またボールに向かって子どもたちが集まっていくので、そこには戦術やシステムといった概念はありません。もちろんスペインでも、サッカーを始めたばかりの子どもはボールに群がって「団子サッカー」になりがちです。ただ、その団子に指導者がきちんと介入し、「君はこのポジションだから、ここの場面ではボールに寄らずにこういうポジションを取りなさい」といったことを小さな子どもにも伝えます。(写真は少年サッカーのイメージ)私がスペイン在住時代に驚いたのは、サッカーをはじめたばかりの低学年の試合でも、指導者が審判とは別にピッチ内に入り、子どもたちが団子サッカーにならないよう介入してポジションを取らせていた光景です。どれだけ小さな子どもでも、ポジションを与え、必要な動きを教えれば、団子サッカーにはなりません。サッカーは戦術的なスポーツのため、選手を適切に配置できれば、効果的なパス回しもできるようになりますし、効果的な守備も可能になります。相手チームのシステムや戦術との兼ね合いで、知的な駆け引きも生まれてきます。スペインではそうやって、小学校低学年の頃から「普通のサッカー」に少しずつ触れていくのです。■小学1年生でも「ゴールキックからの組み立て」を練習する2022年9月に家族でスペイン旅行に訪れた際、私は2人の息子を連れていき、街クラブの練習に参加させました。当時は上の子が小3で、下の子が幼稚園の年長。その年代でも、日本の同年代との練習は全く内容が違いました。幼稚園の年長の息子が入った小学1年生のチームの練習は、非常に実践的なものでした。その日は練習がはじまると、コーチは「週末の試合ではゴールキックからのボールの組み立てが上手くできなかったから、今日はそこから練習してみよう」と話し、ゴールキックからのパス回しの練習をはじめました。小学1年生でも年間を通じたリーグ戦があるスペインでは、このように「試合で上手くできなかったこと」をテーマに練習することが多いです。練習と試合が分離されずに、試合で分かった課題に基づいて練習が行われ、練習で行われたことが試合で生かされているのです。その日は、ゴールキックのときの選手の立ち位置なども、細かく指導をしていました。なおスペインの小学1年生の年代のサッカーは基本的に7人制ですが、バレンシア州は特殊で日本と同じ8人制です。幼稚園生や小学校低学年では5人、6人と更に少人数にしている地域もあり、子どもの年齢やレベルに応じた人数調整こそ「プレーヤーズ・ファースト」だと感じます。1チームの人数は大人のサッカーとは違いますが、子どもたちは大人と同じような練習をしています。私が見たのは小学1年生のチームの練習でしたが、おそらく幼稚園生でも同じような練習をしているでしょう。もちろんこの年齢だと、指導者の指示通りに動けない子もいますが、そうした子どもたちにもしっかり指導者は向き合います。一緒に見学していた妻は「小さな子がこんな戦術的な練習をするの!?」と驚いていましたが、スペインでは小学校低学年でも「試合で上手くいかなかったことを練習する」のが日常です。練習の目的は、あくまで「試合で上手くプレーすること」にあるからです。これは考えれば非常に当たり前のことですが、日本の小学生は、一部の指導環境が整ったチームを除き、こうした練習をほとんど行いません。私の下の子は幼稚園の年中から地元の少年団に入りましたが、小学校1年生までの3年間でゴールキックやフリーキック、スローインなど、試合で必ず起きるシチュエーションの練習をしたことがありませんでした。妻はそういった練習を日本で見ていたので、あまりのスペインとの違いに驚いたのでしょう。
2024年09月09日サッカーにおいて、フリーキックは試合を再開する方法の一つであり、ファウルや反則があった際に与えられます。フリーキックには、直接フリーキックと間接フリーキックの二種類が存在し、それぞれ判定基準やルールが異なります。<目次>1.直接フリーキックと間接フリーキックの違い2.フリーキックの重要性と試合への影響3.フリーキックの歴史と進化4.直接フリーキックが与えられる状況5.間接フリーキックが与えられる状況直接フリーキックと間接フリーキックの違い特徴直接フリーキック間接フリーキックキッカーから直接ゴールを狙えるか可能不可(一度他の選手に触れる必要がある)与えられる反則重いファウル、スポーツマンシップに反する行為軽いファウル、オフサイドなど主審の合図腕を高く上げる腕を水平に上げる上記のように、直接フリーキックは間接フリーキックよりも重い反則に対して与えられ、直接ゴールを狙える点が大きな違いです。フリーキックの重要性と試合への影響フリーキックは、試合の流れを大きく左右する要素の一つです。直接フリーキックは、ゴールのチャンスとなるだけでなく、ペナルティエリア付近では特に脅威となります。一方、間接フリーキックは直接ゴールを狙えませんが、味方選手と連携したセットプレーなどでゴールを脅かすことができます。フリーキックの歴史と進化フリーキックは、サッカーのルールが初めて成文化された19世紀から存在していました。当初は、現在よりも反則の範囲が狭く、フリーキックの機会も少なかったようです。しかし、時代と共にルールが改正され、より安全でフェアな試合運営のためにフリーキックの重要性が高まっていきました。直接フリーキックが与えられる状況直接フリーキックは、相手選手に対して以下の様なファウルを犯した場合に与えられます。チャージトリッピング(足や体を使って倒したり体勢を崩す反則)キックまたは蹴ろうとするジャンプしてぶつかる押すボールを手または腕で扱う(ゴールキーパー以外)これらの行為は、危険であったり、スポーツマンシップに反する行為とみなされます。直接フリーキックの実施方法ファウルがあった地点からボールを蹴る相手選手は、ボールから9.15m以上離れなければならないボールがインプレーになった瞬間に、キックした選手は再びボールに触れることはできないゴールへの影響と選手の技術直接フリーキックは、ゴールを直接狙えるため、攻撃の大きなチャンスとなります。特にゴールに近い位置でのフリーキックは、得点の可能性が非常に高くなります。そのため、フリーキックを得意とする選手は、正確なキック力とカーブを操る技術を持ち合わせており、試合を決定づける存在となり得ます。間接フリーキックが与えられる状況間接フリーキックは、直接フリーキックに比べて軽い反則や、試合をスムーズに進めるためのルールに対して与えられます。主な例としては下記のようなものがあります。危険なプレーゴールキーパーに対する反則オフサイド間接フリーキックの実施方法ファウルがあった地点からボールを蹴る相手選手は、ボールから9.15m以上離れなければならないボールがインプレーになる前に、他の選手がボールに触れなければならないゴールへの影響と選手の技術間接フリーキックは直接ゴールを狙うことはできませんが、味方選手との連携プレーや、相手の意表を突いたトリックプレーなど、様々な戦術を駆使することでゴールを狙うことができます。
2024年09月09日8月下旬に開催された『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』。2年連続でこの大会に出場したミャンマー代表。予選ではJクラブやバーモントカップ優勝チームがいるグループに入りましたが2勝1分けで予選をトップ通過。ラウンド32で敗れるものの、最終戦では勝利を挙げるなど好成績で大会を終えました。今回、チームをこの大会に繋ぐお手伝いをしている一般社団法人グローバルブリッジプラスの松下裕二さんに、ミャンマーのサッカー事情とこの大会が彼らにとってどんな意味を持つのか伺いました。(記事:サカイク編集部、写真提供:松下裕二さん)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>試合前、円陣を組んで気合を入れる選手たち写真提供:松下裕二さん<<ワーチャレ記事:FCバルセロナと対戦したFC BASARA HYOGOが感じた、世界レベルの状況判断力■ほとんどの子はストリートでサッカーをしているほとんどの子はストリートでサッカーをしている写真提供:松下裕二さん――ミャンマーではサッカーは人気スポーツなのですか?すごく人気です。国内で1番人気といっても過言ではないと思います。――子どもたちはどこでサッカーをしているのですか?クラブチームに入っている子もいますが、ほとんどはストリートです。クラブチーム自体日本と比べると非常に少ないですし、ミャンマーの公立の学校は国語、算数、理科、社会などの教科書の教育だけで、また地方では学校がまだまだ足りず午前午後の2部制で運営していたりするので、体育や音楽、図工など運動や芸術系の科目がなく、学校部活やスポ少も当然ありません。サッカースクールなどもないので、ストリートでサッカーをしています。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■ストリートの少年たちに声をかけて国内で6回のセレクションミャンマー国内で6回のセレクションを行い選ばれた選手たち写真提供:松下裕二さん――この大会にはどういった経緯で出場されたのですか?(※海外チームは地域予選なしの招待)あるときJリーグ国際部の関係者とアジア展開を話す機会があり、そのからこの大会の存在を教えてもらいました。その方も含め、もともと、大会主催のAmazing SportsLabJapanの代表である浜田(満)さんも同級生(75年会メンバー)なんです。そういったご縁もあって、ミャンマー代表チームの派遣を提案させてもらったという経緯です。――チームの選手はどのように選んだのですか?どこかのクラブチームを1チーム選出したのですか?先ほどもお伝えしたように、ほとんどの子はストリートでしている子です。アカデミーの子たちもいましたが、多くはSNS等クチコミで声をかけたりして、ミャンマー国内で6回セレクションを行いました。■最近また内戦がひどく、サッカーしてる場合じゃ......それでもワーチャレに出場した理由――来日に関して何かハードルはありましたか?日本の環境はいかがですか?ミャンマーといえば長く続くクーデター下で、国内の状況は不安定です。特に地方では最近また内戦がひどくなり、代表チームの身近な方にも、自宅にいると危険だからと都市部の友人宅に身を寄せている方もいます。そんな中でサッカーなんてしてていいのか、という声もあるかとは思います。ですが、子どもたちには大好きなサッカーを諦めてほしくないんです。そして、この子どもたちの日本でのチャレンジを通じて、ミャンマーにいる親族、地域コミュニティのひとたちが少しでも子どもたちや未来に希望が持てるような、そんな機会になってくれたらと願っています。おかげさまで「ミャンマーサッカー協会のサポートや、企業のスポンサードもあって日本に来ることができました。本当にありがたいです。小さな頃から不安定で命の危険が間近にある環境で生きてきた子どもたちにとって、日本は経験したことがない「平和で安全な先進国」です。今選手たちはワーチャレに臨みながら「安心で安全な日本」を目いっぱい堪能して平和の大切さも感じていることと思います。■今では「ROADTO JAPAN」が合言葉、日本へ行くことが「憧れ」ワーチャレ翌日は鎌倉など観光を楽しんだ選手たち写真提供:松下裕二さん――このワールドチャレンジはミャンマー代表にとってどんな存在ですか?昨年初めてこの大会に出て、バルセロナと対戦出来たんです。ミャンマーの子どもたちにとってもバルサは憧れのクラブですから、「代表になって日本に行けば、バルサと対戦できるかも!」と思ってもらえたようで、子どもたちが本気で出場を目指す大会になりました。それに、彼らの未来を変える「希望」でもあります。彼らが社会に出る将来、国内がどうなっているかわかりませんが、彼ら自身が社会を明るく安全で生きやすい国にするために行動するとき、その理想というか、指標になると思うんです。「平和で安全」がどんなものかを知ることは、自分たちの生きる社会を変える希望になると思います。以前はプロ選手も近隣のタイリーグなどに行くことが多かったのですが、ミャンマーの選手にとって日本は憧れの国であり、こういった機会を通じて日本を目指す選手ももっと増えてきてほしいと思います。「ROADTOJAPAN」が、ミャンマーの子どもたちの合言葉です。子どもたちに夢を見せるためにも、来年も参加できるようにミャンマーと日本の橋渡しを続けていこうと思います。ワールドチャレンジ2024の結果はこちら>>
2024年09月06日8月に行われた『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』。予選リーグでFCバルセロナと対戦したのが、JSWCなでしこ選抜です。12回目を迎える今大会、初結成された女子選抜チームは、バルセロナと試合をし、何を感じたのでしょうか?バルセロナ後、倉原穂奈美監督に話をうかがいました。(取材・文:鈴木智之/写真:新井賢一)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>大会初の女子選抜チームは予選リーグでバルセロナと対戦写真:新井賢一<<ワーチャレ記事:「試合だけ頑張る」じゃダメ、全国優勝経験を持つレジスタ中城監督が試合後選手たちに語ったこと■バルサ戦に18人全員を起用倉原穂奈美監督(C)新井賢一倉原穂奈美監督――今回、初めて女子チームがこの大会に参加しましたが、どのような経緯で監督になられたのでしょうか?もともと私はバルサアカデミーでコーチをしていまして、運営しているアメージング社から声をかけていただきました。お話をいただいた時は、正直不安の方が大きかったです。というのも、他のクラブは厳しい予選を勝ち上がってきて、地区の代表として参加しています。そのような強いチームを相手に、女子のみで戦えるのかという心配がありました。――予選リーグにはジェフがいたり、バルサがいたりと、ある意味すごく良いグループでした。そうですね。他のグループにいても、バルサと試合ができる確率は非常に低いと思うので、戦えたことは良かったです。――バルサ戦(0-4)を振り返ると、特に前半は守備も頑張り、キーパーも止めていました。感想を教えてください。全員にバルサ戦を経験してほしいという思いから、18人全員を起用することにしました。前半にベストメンバーをぶつけて、どこまで戦えるかを試しました。想定としては、ボールを保持される時間が長くなるだろうと思っていました。前日のジェフ戦で、男女の体格差があることは、選手たちも感じていたので、それを踏まえて、しっかりプレーできたと思います。グループリーグの最後にバルサと戦えたことは、成長の最高点で試合ができたという意味で、良かったと思います。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■男子のトップレベルと戦う機会は、この年代がラストチャンス――バルサとの試合に向けて、どんな話をしたのでしょうか?体格やスピードで勝てない相手には、ボールを持っていないときの準備や、判断のスピード、ボールを離すスピード、動かすスピード、パススピードでしか差をつけられません。スピードで引き離されることは分かっている相手なので、それにどう対応するか。選手たちに準備をさせ、意識するよう指示しました。前半(0-1)は、うまく戦えていたのではないかと思います。――ビルドアップから前進の場面で剥がされたり、ついていけない場面もありました。ある程度、やむを得ないところもあったのではないでしょうか?そうですね。体格や筋力ではかなわない相手ですから。全国大会のように、予選を勝ち上がってくるチームは、体格のしっかりした選手が多いです。小柄な選手もいますが、チームに2、3人という感じです。そういった選手とは戦えても、女子の場合、大きな選手と戦うのは難しかったです。――今回、女子選抜チームという、大会初の試みでしたが、どのような感想をお持ちですか?普通に生活していたら、バルサと戦うなんてありえないですよね。この大会はフェスティバルとはいえ全国大会で、みんな優勝を目指して真剣勝負をしています。女子は年齢が上がるにつれて、女子だけのチームに入ったり、女子としかトレーニングマッチをしなくなります。その意味で、男子のトップレベルと戦う機会は、この年代がラストチャンスかもしれません。彼女たちにとって、自分がどこまでやれるかを試す、いいきっかけになったと思います。■この衝撃を忘れないでほしいバルサの戦い方は女子にも参考になると監督は言います写真:新井賢一――この試合で感じたことを、選手たちにどう活かしてほしいですか?昨日、ジェフと試合をしたのですが、選手たちは「ジェフよりもバルサの方が戦いやすかった」と言っていました。ここが世界との差なのかもしれませんが、ジェフは点を取るために、強引に突破してきたりと、フィジカルの差を使ってきました。でもバルサは丁寧で「ここは五分の状況だ」と思ったらそこは使わず、ポゼッションをして相手を集めて、優位な状況を作ってから突破してきました。こちらとしても、やられている理由は分かっているんだけど、そこに行かざるを得ない場面を作り出してきます。そして、きれいな形で崩されてしまいました。選手たちにも伝えたのですが、これは女子でもできることだと思うんです。ポジション取りなどは、男女関係なくできる部分です。だからこそ、絶対に持ち帰ってほしいし、この衝撃を忘れないでほしいですね。■普通ではありえない経験――監督として、この大会で得たもの、今後の指導に活かしていきた部分はありますか?私自身もバルサアカデミーでコーチをしてるので、バルサと戦えたのは大きな経験です。今後選手たちに「バルサの選手はこうやってた」と具体的に教えられますから。バルサの選手は準備も早かったし、ポジション取りや体の向きもよかったです。「日本だと、ファーストタッチを奪えって言うけど、実際はファーストタッチじゃ奪えないんだよ」と説明することができます。この経験は私だけでなく、選手たちにも、保護者にもすごく衝撃的だったと思います。もし将来、この中からヤマルやファティのような選手が出てきたら、「あの選手のシュート、私が止めたんだよ」って言えますよね。「あの選手にファールされたんだよ」って。こんな経験、普通じゃありえないですから。選手たちも絶対忘れないと思うので、しっかりと今後に活かしてくれることを期待しています。ワールドチャレンジ2024の結果はこちら>>
2024年09月05日先日行われた、『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』ラウンド32。フィジカルに優れたアシアナサッカースクール(インドネシア)に、技術とスピードで対抗したのが、埼玉県川口市で活動する戸塚FCJです。8月中旬に行われた、フットサルの全国大会『バーモントカップ』で優勝するなど、注目を集めたチームでしたが、アシアナサッカースクール戦では、惜しくもPK戦の末に敗退しました。試合後、鈴木基悦監督に話をうかがいました。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>バーモントカップ優勝の戸塚FCJ写真:新井賢一<<ワーチャレ記事:フィジカルに技術で対抗西宮SSが大事にする「ボールの置き場所」■ボール保持はいつも通りできた鈴木基悦監督(C)新井賢一鈴木基悦監督――フィジカルの強い相手に、技術とスピードで対抗したいい試合でした。感想をお願いします。悔しいですが、PKは......まあ、しょうがないですね。チームとしては日曜日まで(フットサル)のバーモンドカップをやっていて、1日だけ休んで、火曜日から11人制のフルピッチに変わったという状況でした。最初の試合はミャンマーのチームに負けてしまいましたが、感覚を取り戻すのに時間がかかりました。ボールやピッチサイズの違いなど、難しい部分がありましたが、2試合目、3試合目と徐々に感覚を取り戻し、勝つことができました。ここまで残れたので、あとはどことやっても強いという気持ちで、思い切りやるだけでした。――相手のアシアナサッカースクール(インドネシア)は、個人のクオリティが高かった印象があります。そうですね。単純に足の速さや身長の違いで、ミスマッチが発生してしまい、難しい部分がありました。ただ、ボール保持に関しては、練習通りというか、いつも通りにできた部分が多かったと思います。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■バーモントカップの優勝で注目――バーモントカップの優勝で注目されていますが、下の年代からの積み上げに関して、手応えはいかがですか?どんなチームに対しても、ボールを保持するという点ではできている感覚があります。引き続き、ジュニアユースに向けて、個人個人のスキルや判断スピードなどを向上させていければと思います。――この年代はベース作りの時期だと思いますが、どのようなことを大事にしていますか?まず個人戦術、個人技術をしっかりと習得しながら、その中でサッカー、フットボールの原理原則を学び、グループ戦術、チーム戦術を落とし込んでいきます。ジュニアユースになっても使えるようなことを、しっかりと戸塚で実践していきたいと思っています。――バーモントカップの激闘の影響はあったと感じますか?正直、思ったより反響がありました。私自身も初めての経験だったので、これほど注目されるのかと痛感しました。選手たちには、フットサルで日本一になったという目で見られるのだから、グラウンド内外での振る舞いを意識するよう伝えました。■勝ちにこだわりすぎない、やってきたことを表現した先に結果がある勝ちにこだわるより、やってきたことをうまく表現できれば結果はついてくると選手たちに伝えているそう写真:新井賢一――フットサルのバーモントカップの監督も、鈴木さんがされていたのでしょうか?形式上は監督として参加しましたが、戸塚が提携している『RAD Futsal Project』の鳥丸(太作)がアドバイザーとしてベンチに入り、協力してやりました。――監督として異なる2つの大会を指揮でとって、勝ちにこだわってやってきたこの1、2週間という感じだったのでしょうか?そうですね。勝ちにこだわるというより、自分たちがやってきたことをうまく表現できれば、その先に結果がついてくるという話を選手たちにしています。勝ちにこだわりすぎず、自分たちがやってきたことが、次に繋がっていくと思っています。■世界を経験できたことはプラス――ワールドチャレンジは世界に挑戦する大会ですが、海外チームと試合をした感想を聞かせてください。ありがたいことに、ミャンマーのチームとインドネシアのチームと対戦させていただきました。日本では経験できない球際の激しさや勝負への意欲、身体能力の違いなど、世界のチームはまた違うんだなと感じました。日本だけでなく世界を経験できたことは、僕自身もそうですし、選手にとってもプラスになると思います。――今後に向けて、意気込みをお願いします。9月にフジパンカップの関東大会があるので、世界を相手に経験したことを、トレーニングやトレーニングマッチに活かしていきたいです。そして、サッカーでも全日に出場できるように、(埼玉県は)激戦区ですが頑張ります。ワールドチャレンジ2024の結果はこちら>>
2024年09月03日8月に行われた『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』。予選リーグでFCバルセロナと対戦したのが、JSWCなでしこ選抜です。試合は0対4で敗れましたが、前半にGKとして出場した山岡千鶴選手、後半からゴールを守った、板元波凪選手の活躍が光りました。女子チームのGKは、バルセロナと試合をして、どのようなことを感じたのでしょうか?試合後、両選手に話をうかがいました。(取材・文:鈴木智之/写真:新井賢一)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>大会初の女子選抜チームは予選リーグでバルセロナと対戦写真:新井賢一<<ワーチャレ記事:「普通では絶対にできない経験ができた」初の女子選抜チームが、バルセロナ相手に健闘!■先に動かず、止まるようにした1番山岡千鶴さん(C)新井賢一1番山岡千鶴さん――バルサと試合をした感想を聞かせてください。相手は強くて苦戦しましたけど、その分とても楽しかったです。――どういうところが楽しかったですか?相手が強くて、自分たちもそれに合わせないといけなかったんですけど、合わせながら自分たちがボールを取れて、攻められたりするのが、とても楽しかったです。――バルサの印象は?身体能力が高くて、攻撃ではワンツーや守備ではボールをどこで取るかなど、味方とのプレーが上手でした。フィジカル面では、女子の私たちは負けてしまうので、技術的なところや周りとの連携などで補おうと思いました。――1対1でも結構止めていましたが、どういうことを考えてプレーしていましたか?先に動くと相手に見抜かれてしまうので、先に動かないで止まるようにしていました。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■将来的には止められると思う――バルサにシュートを決められてしまいましたが、ゴールを守ってみて、どんな感想がありますか?シュートはとても強かったですが、ちゃんと構えれば、将来的には止められるなと思いました。――キーパーを始めたきっかけは?父がキーパーをやっていて、3歳の頃から一緒にボールを蹴っていました。小学1年生のときに、キーパーをやりたいと思うようになって始めました。――この試合を将来どう繋げていきたいですか?将来、自分が海外に行ったときに、基礎能力が高い選手たちと対戦すると思うので、今回の経験を踏まえて、対応できるようにしたいです。――将来の目標は?なでしこジャパンに入って、キーパーのレベルが高いと言われているドイツでプレーしてみたいです。■自分のプレーが発揮できた12番板元波凪さん(C)新井賢一12番板元波凪さん――後半からの出場でしたが、バルサと試合をした感想を聞かせてください。得点を多く取られてしまったんですけど、自分のプレーが発揮できたところもあったので、良かったと思います。――どういうところが発揮できましたか?セービングだったり、声出しは結構できたなと思いました。――バルサの印象は?速くてパスが正確で、ゴールまで繋ぐみたいな感じでした。ミドルシュートはあまり打ってこなくて、いかにゴールの近くまで来てシュートを打つかという感じでした。■ゴールを守ることが楽しくて始めた――キーパーを始めたきっかけは?もともと男子のチームにいて、女子だとフィールドでは追いつかない部分もあったので、キーパーをやったら、ゴールを守ることが楽しくて始めました。――自分の得意なプレーや特徴はどういうものですか?声を出すことで周りを動かして、得点を阻止することです。――今後のサッカー人生に、バルサとの試合をどう活かしたいですか?日本人ではバルサに勝てないという常識があるじゃないですか。それを覆したいです。将来、大人になって、バルサ女子もあるのでまた対戦したいです。■サカイクキャンプでGKがもっと好きに――サカイクのキーパーキャンプに参加した経験があるそうですが、感想を教えてください。みんな上手かったですし、澤村コーチにいろいろなことを教えてもらって、キーパーのプレーが楽しくなりました。――どんなことを教えてもらいましたか?基本のことだったりするんですけど、自分でも止められるという自信がついて、キーパーがもっと好きになりました。ワールドチャレンジ2024の結果はこちら>>
2024年09月03日8月下旬に行われた『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』予選リーグ3戦目。福岡の強豪サルツFCは川崎フロンターレU-12に敗れました。試合後、サルツFCの藤川徹監督と、クラブのオーナーを務める、元Jリーガーの馬場憂太さんに話をうかがいました。(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>サルツFCでは次の年代のためのベースづくりを大事にしているそう写真:新井賢一<<ワーチャレ記事:「普通では絶対にできない経験ができた」初の女子選抜チームが、バルセロナ相手に健闘!■先に動かず、止まるようにした藤川徹監督(C)新井賢一藤川徹監督――試合の感想をお願いします。川崎フロンターレさんと試合をしたのですが、サッカーの質に違いがあると感じました。相手の方が、11人制をしっかりとやれていました。大会前に中学生と3試合ほどやらせてもらいましたが、夏休みは遠征が多く11人制の準備という意味では難しい状況でした。――サッカー面で目指すスタイル、チームのコンセプトを教えてください。後ろに一人、強力な選手(10番・梅津悠吏)がいるので、フロンターレ戦は少し異なる戦略でしたが、普段は彼を中心に守って前からプレスをかけます。ボールを奪ってショートカウンターや、サイドに展開して低いクロスを入れるなどの戦術を取っています。今回は相手との体格差があったので、高いボールでの仕掛けは避けました。昨日の海外チーム、セランゴール戦ではそういった形がうまくはまり、1-0で勝利しました。――ジュニア年代の指導で大切にしていることは、どのようなことでしょうか?この年代では基礎的なこと、特にボール技術を習得させたいと考えています。勝利を求めるのではなく、ジュニアユースのためのベースを作り、スムーズにジュニアユースに上がれるようにしたいと考えています。その意味で、ジュニアユースのスタッフとも連携を取っています。ジュニアユースのスタッフがジュニアの指導も行っていて、U-15の監督は元Jリーガーの中払大介さんです。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■時間の使い方が難しかったワールドチャレンジでは時間の使い方に戸惑ったことも一つの経験になったと監督は言います写真:新井賢一――選手たちには、いろんなチームと対戦した経験を、どのように活かしてほしいですか?この大会は、今まで経験したことがない、夕方だけ試合がある日程でした。そのため、午前中の時間の使い方が難しかったです。一昨日は昼に到着し、夢フィールドでカップ戦に参加しました。翌日の日中はホテルの近くにあるアウトレットに行かせて、1000円ずつ渡して、昼食も自分たちで取らせました。今日は近くの海浜公園の芝生で、昼にトレーニングをしました。普段なら朝から夕方までゲームをするのですが、ここでは時間の使い方に戸惑いました。時間がありすぎて、いざ試合に向かう時に、準備ができていなかったり...(苦笑)。このような経験も、今後重要になってくると思います。特に、上のレベルでプレーする選手たちにとっては、このような状況での対応力が求められるようになると思います。――これまで指導してきた中で、プロなど、上のカテゴリーで頑張ってる選手はいますか?サルツではないのですが、私が以前指導してたチームでは、藤川虎太朗(ジュビロ磐田)が教え子でした。私は現在サルツでは、ジュニアとジュニアユースのフットサルを指導していて、九州リーグのフットサル社会人チームでも監督を務めています。■フットサルを取り入れる――フットサルはジュニアの育成に良い影響がありますか?そう思います。ボールに触れる機会が多く、マークの受け渡しやグループ戦術も学べます。技術だけでなく、状況判断能力も向上するので、ジュニアの子たちも、週1回、自由参加でフットサルをやらせています。――今後の選手たちに期待することを教えてください。サッカーの技術面も重要ですが、それ以外の面でもしっかりできるようになれば、サッカーの部分もさらに向上すると思います。日常生活も含めて、話し方などにも気をつけるよう指導しています。また、「できないからやらない」ではなく、「できないからこそチャレンジする」という姿勢を大切にしてほしいと伝えています。■人間的に成長できる環境を作りたい2024年8月より、サルツフットボールクラブのオーナーに就任した、元Jリーガーの馬場憂太さんにも話を聞きました。馬場憂太さん(C)新井賢一馬場憂太さん――サルツのオーナーになったそうですが、どのような経緯があったのでしょうか?私が九州でサッカースクールをしていた会場で、サルツもトレーニングをしていました。その縁で代表の谷岡さんと知り合い、一緒に取り組むことになりました。オーナーになったのは最近のことで、8月からです。――今後、サルツをこうして行きたいなどのビジョンがあれば教えてください。私は東京の三菱養和サッカークラブで育ち、良い環境、指導者のもとでサッカー選手としてだけでなく、人としても成長することができました。自分が経験してきた指導法を活かし、サッカーを楽しみながら、サッカーを通じて人間的に成長できる環境を作りたいと思っています。九州一の街クラブを作り上げることを目標に、取り組んでいきたいです。ワールドチャレンジ2024の結果はこちら>>
2024年09月03日8月に開催された『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』。ラウンド32でFCバルセロナと対戦したのが、FC BASARA HYOGO U12です。現6年生が一期生という新しいクラブながら、世界の強豪相手に健闘しました。FCバルセロナ戦後、大津直人監督に話をうかがいました。(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>バルサはスピードのある中での状況判断力が印象的だったと教えてくれました写真:新井賢一<<ワーチャレ記事:フィジカルに技術で対抗西宮SSが大事にする「ボールの置き場所」■スピードのある中での状況判断力大津直人監督(C)新井賢一大津直人監督――バルセロナと試合をした感想を聞かせてください。止めて蹴るという基本的な技術はもちろんですが、スピードのある中での状況判断力が印象的でした。ハーフスペースに入ってくるタイミングや、遠い位置にいる選手の起点の作り方は、明らかにレベルが違いました。我々のセンターバックが対応するのか、周りの選手を動かすのか、フォワードがコースを切るのかといったところは、普段得意としている部分なのですが、まったく太刀打ちできませんでした。――相手の最終ラインの持ち出しに対して、狙いを絞り切れない様子が見受けられました。ファーストディフェンスが決まらず、相手の動きを限定することもできませんでした。結果として、相手に自由を与え続けてしまったと感じています。――あそこまでやられる経験は?日本にももちろん素晴らしいチームがたくさんあって、苦戦することはあります。しかし今回のように、何もできずに振り回されるというのは、最近ではありませんでした。――そのような経験ができるのは、この大会の良さでもあります。そうですね。本来なら(海外遠征で)50万、60万円かけないとできない相手と対戦できるので、貴重な経験です。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■もっと思い切ってプレーしたかった――バルセロナとの試合を終えて、選手たちにどんなことを伝えますか?まずは「世界レベルを知ることができてよかったね」と言いです。ただし、もっと自分たちがやるべきこと、やらなければならないことを出し切って、世界との差を知りたかったという思いもあります。例えば、相手の脇でボールを受けられるシーンでも、萎縮してしまいました。現在の実力としては仕方ないですが、本来はもっと思い切ってプレーして終わりたかったです。ここで感じたことに感謝し、次に活かすしかないですよね。バルセロナの選手たちでも、プロになれる選手は多くないでしょう。そういった現実も伝えられる、良い機会だと思います。――今回のメンバーは一期生だと聞きました。この子たちは小学4年生の時から見ていて、今年で3年目になります。ジュニアチームを立ち上げたばかりなので、体格が大きくて速いなど、わかりやすい特徴を持つ選手はいませんが、チームとして踏ん張って戦う部分や、アグレッシブなプレースタイルを大切にしています。■この大会に感謝(C)新井賢一――海外のクラブと試合をした経験はあるのでしょうか?バサラはドイツにもクラブを持っているのと、ジュニアユースがマジョルカカップに参加を計画するなど、海外を意識したクラブではあります。ただ、コロナもあって海外遠征になかなか行けず......。 バルサだけでなく、ワーチャレで試合をしたミャンマーのチームもそうですが、海外のチームと試合をして、たくさん良いものを得たので、やっぱり海外は行きたいなって思います。 ――ワーチャレでの経験を、今後に活かすイメージがありましたら、教えてください。このステージに来られたのは、一期生の彼らのおかげです。様々な人のサポートと運も含めて、ここまで来ることができました。しかし、これまで全力を出し切れていると思っていたのが、まだまだだということがわかりました。もっともっと全力を出し切らないと勝てないということを、大会を通じて感じました。指導者としても、多くの経験をすることができました。この大会に感謝していますし、世界を意識しながら、雑草魂で頑張りたいです。ワールドチャレンジ2024の結果はこちら>>
2024年09月02日『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』。8月22日に行われたラウンド32で、昨年準優勝のソレッソセレクトに勝利したのが、センアーノ神戸です。続くラウンド16では、強豪・柏レイソルU-12を追い込むなど、確かな足跡を残しました。PK戦ではそれまでフィールドプレーヤーだった選手がGKを務め、3本中2本ストップするなどスーパープレーを見せ勝利したソレッソセレクト戦後、大木宏之監督と選手3名に話を聞きました。(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>試合後、選手たちに「勝敗より大事なこと」を語りかけた写真:新井賢一<<ワーチャレ記事:フィジカルに技術で対抗西宮SSが大事にする「ボールの置き場所」■一致団結して勝てた試合後、選手に話を聞きました。インタビューを受けてくれたのは安田蒼くん(14番)、大内愛志くん(12番)、平松大志くん(10番)。14番安田蒼くん(C)新井賢一14番安田蒼くん――試合の感想をお願いします。自分たちより身長が高い相手でしたが、センアーノの持ち味である「みんなの心が動くサッカー」ができました。みんなの心が一致団結して、勝てた試合だと思います。――今日の試合で通用したところと得意なプレーを聞かせてください。相手に負けない気持ちでプレーをするところです。得意なプレーはカットインです。――将来の夢と好きな選手を教えてください。セレッソ大阪が好きなので、セレッソで8番を背負える選手になりたいです。好きな選手は元セレッソの乾貴士選手です。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■自分が止めてチームを勝たせたかった12番大内愛志くん(C)新井賢一12番大内愛志くん――試合の感想をお願いします。最初、いい形で点が取れたのですが、自分たちのミスで失点してしまいました。僕もミスしていたので、PK戦は絶対に止めようと思ってプレーしました。――PKまではフィールドで出ていましたね。はい。左サイドバックで出ていました。でも、もともとキーパーをしていたんです。(※県トレセンにもキーパーとして呼ばれているそう)――PK戦でキーパーに指名されたときは、どう思いましたか?自分が止めてチームを勝たせようと思いました。――PKでは、どういうことを考えてプレーしましたか?相手の助走が速くて、思い切り足を振っていたので、左に蹴ると思って(自分から見て)右に行きました。2番目の子はインサイドでボールを蹴っていたので、右に来ると思いました。――フィールドとキーパー、どちらがやりたいですか?キーパーです。元はフィールドの選手で、その後キーパーになって、今はまたフィールドで出ていますが、中学ではキーパーをやろうと思っています。――将来の夢と好きな選手を教えてください。まずはJリーグに入って、そこから日本代表に入ってプレミアリーグに行きたいです。好きな選手はエデルソンです。■フィジカルでは負けてても技術で上回って勝てた10番平松大志くん(C)新井賢一10番平松大志くん――試合の感想をお願いします。相手は自分たちよりもデカいし、フィジカルや身体能力的には負けているかもしれませんが、技術で上回って勝てた試合だと思います。――今日の試合で通用したところと得意なプレーを聞かせてください。通用したところは技術です。得意なプレーはスピードやドリブルで相手を抜くことです。――将来の夢と好きな選手を教えてください。将来は海外でプレーしたいです。好きな選手はエンバペです。■狭い距離感でボールを動かそうとしたのが良かった大木宏之監督(C)新井賢一大木宏之監督――昨年の準優勝チーム、ソレッソセレクトにPK戦の末に勝利しました。試合を振り返って、感想をお願いします。相手に早生まれの中学生が何人かいて、彼らが主力だったので、スピードでは負けると思いました。昨日のレジスタ戦の反省から、狭い距離感でボールを動かそうとしたのが、良かったと思います。パワープレーやコーナーで押し込まれるのは想定していたので、頑張るしかありませんでした。選手たちはよく頑張ってくれたと思います。――キーパーを交代した理由は?本来は正GKがいたのですが、ケガをしてしまいまして。交代で入った選手(大内愛志)は、普段はフィールドをやらせているのですが、GKとして県トレセンに参加していて、力のある選手です。試合を通じては第二GKが出場しましたが、本人、選手たちとも話してPK戦になったら彼にしようと約束していました。11人制でゴールが大きいので、サイズ感(身長)を重視したのもあります。――チームとして、どのようなスタイルを目指していますか?長いボールを入れる選択肢を持ちながら、やれるところは中盤でつなぐ。その使い分けであったり、プレーを選ぶことを、下の年代から重視しています。昨日のレジスタ戦では、プレーを選べなかったのですが、今日はしっかり相手を見て選ぶことを徹底するようにしました。それがうまくいったかなと思います。■次の年代でも成長できるよう、サッカー理解の部分を教えたい――この年代を指導する上で、大事にしていることは?原理原則はしっかり伝えながら、その中で相手の立ち位置や、自分たちのどこがストロングで、どこがウィークかを考えながら、自分たちのストロングの方向に持っていく戦い方を選べるようになることです。この子たちが次の年代で、どんな指導者と出会うかわからないので、サッカーIQ、サッカー理解という部分はちゃんと教えていかないと、彼らの可能性を摘んでしまう可能性があると思っています。――次の試合まで時間が空きますが、どう過ごしますか?今からトレーニングマッチに行きます。18人連れてきていて、「帯同選手みんな上手くする」というのが、僕らのコンセプトです。どうしても出場時間にばらつきがでてしまうので、あまり出れていない選手のために、短時間で軽めの内容ですが毎日トレーニングマッチを用意しています。千葉にはいいチームがたくさんあるので、いい勉強になります。ワールドチャレンジ2024の結果はこちら>>
2024年09月02日8月に行われた『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』。予選リーグで、FCバルセロナと対戦したのが、岐阜県可児市を拠点に活動する、F.C.ENFINI(アンフィニ)です。スコアは0対4と差がつきましたが、最後まで足を止めずに頑張る姿が印象的でした。試合後、志津健一監督に話をうかがいました。(取材・文:鈴木智之/写真:新井賢一)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>対戦してみてバルサは次元が違うと感じたそう写真:新井賢一<<ワーチャレ記事:「試合だけ頑張る」じゃダメ、全国優勝経験を持つレジスタ中城監督が試合後選手たちに語ったこと■バルサは次元が違う志津健一監督(C)新井賢一志津健一監督――予選リーグでFCバルセロナと試合をしました。組み合わせを見たときは、どう感じましたか?「彼ら(選手たち)、持ってるな」と思いました。(ワーチャレの地区)予選も苦しみながら、一時は敗退したかなと思ったら、奇跡的に次につながって。そこから少しずつ良くなって出場権を勝ち取ったので、彼らの努力の結果ですね。――ひたむきに頑張るチームという印象を受けました。普段の指導では、どんなところを大事にしていますか?サッカーは団体スポーツなので、自分が頑張れば、周りも頑張ってくれるといったように、周囲との関わりを大事にしています。ただバルサは次元が違うというか、選手とも、試合後に少し喋りましたけど、「相手を捕まえたつもりでも、フリーになっている」と言っていました。――バルサは試合後のトレーニングでも、マークを外してボールを受ける練習をしていました。そうですか。ワーチャレは普段の8人制から11人制になり、グラウンドが広くなって、選手同士の距離感も変わります。うちの選手はサイズもないし、蹴れる距離もまだ短いのですが、キックでパスを通すことのできる距離にも違いを感じました。バルサの選手は蹴れるので、キックモーションで相手を外したり、僕らが踏み込んで蹴らないと通らない距離をスパンと通せます。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■このゲームで体感したものを忘れないように――バルセロナの印象については、いかがでしょうか?バルサはボールを運びながら、視野をしっかり確保できていますよね。いつボールを運んで、いつボールを離すかの判断が的確なので、なかなか捕まえられないなと思って見ていました。ただ、途中からは頑張って、対応できたかなとは思います。――選手たちに、この経験をどう生かしてほしいですか?切り替えの部分など、もうちょっと戦えるのかなと思いましたが、この日2試合目ということもあり、なかなか出しきれませんでした。このゲームで体感したものを忘れないように、今、刻まないといけないと思うので、この後、確認して、日常に戻そうかなと思っています。もちろん彼らと一緒に、スタッフとも共有したいです。■可能性を広げるための取り組みを続けたい――ワールドチャレンジは大会名の通り、世界にチャレンジする場ですが、大会の意義については?今、日本代表が頑張って、どんどん成績が上がっていっているのも、こういう取り組みと無関係ではないと思います。ジュニアの頃から世界を経験してきたことの影響は、間違いなくあると思いますし、その分、差も縮まってきているような気もします。僕らは街クラブなので、一人ずつの可能性を広げるための指導や取り組みを、今後も続けていきたいです。ワールドチャレンジ2024の結果はこちら>>
2024年09月02日『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』。8月22日に行われたラウンド16で、FCトリアネーロ町田に勝利したのが、川崎フロンターレU-12です。前半は0-2と劣勢の展開ながら、後半に怒涛の3連続ゴールを奪い、逆転で勝利しました。試合後、大田和直哉監督とゴールを決めた安永唯人選手に話を聞きました。(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>前半0-2も後半3点取って勝利した川崎フロンターレU-12写真:新井賢一<<ワーチャレ記事:東京ヴェルディジュニアが技術で上回るバルセロナの良さを消すためにとった対策■三笘薫選手が好き11番 安永唯人くん(C)新井賢一11番 安永唯人くん――得点場面を振り返って、どうですか?仲間がボールを運んできてくれて、いい感じにパスを出してくれました。コーチからは「前から狙え」と言われていたので、ゴールしか狙っていなくて、思いっきり打ったら入りました。――前半0-2で厳しい展開でしたが、ハーフタイムに指示を受けて、後半はどんなプレーをしようと思っていましたか?後半はリスク管理をしながら前を狙って、フロンターレらしさを保ちながら、点を決めて勝ちたいと思っていました。――好きな選手は?三笘薫選手です。誰にも負けないっていうか、切り替えやドリブルが優れていて、速いところが好きです。――得意なプレーは?カットインです。得点はカットインじゃなかったですけど、ターンしてシュートを打ちました。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■前半0-2からの逆転、彼らはすごいなと思いながら見ていた続いて監督に試合を振り返ってもらいました。大田和直哉監督写真:新井賢一大田和直哉監督――0-2からハーフタイムでガラッと変わり、3-2で逆転勝利しました。試合を振り返っていかがですか?前半は我々らしい試合ができていませんでした。(試合の間隔が空き)6時間ほど室内で過ごしていたため、足が動かない状況でした。ただ、後半は20分あったので、0-2までなら逆転できると考えていました。ハーフタイムに喝を入れたところ、目の色を変えて、全く違うチームになったので、やっぱり彼らはすごいなと思いながら見ていました。――相手のトリアネーロ町田も強豪で、過去に対戦経験もあると思います。この試合に向けて、どんな準備をしたのでしょうか?大会前に練習試合を行ったのですが、相手チームのメンバーが変わっていた印象を受け、少し戸惑いはありました。しかし、それ以上に我々のチームが最初うまくプレーできなかったことが課題でした。――今大会の狙いや課題、目標などは?子どもたちには「バルセロナと対戦したい」という思いがあったのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。(注・バルセロナはラウンド16で敗退)。ただ、次の中国チームとの試合など、日本では経験できないような相手との試合を通じて、彼らが何をできるかを見たいと思います。■フロンターレは「止める・蹴る」のイメージが強いが......川崎フロンターレでは個人の技術向上に力を入れているそう写真:新井賢一――フロンターレのジュニアは、個人の技術向上を目指して、ボールを扱うトレーニングの割合が多いと聞いています。フロンターレは「止める・蹴る」のイメージが強いですが、ジュニアではそこはあまり行わず、ドリブルやリフティングなどを取り入れ、ボールを持つ技術など、個人の技術向上に力を入れています。私は昨年からU-12を担当していますが、三笘薫選手や板倉滉選手を指導していた、玉置(晴一)コーチの教えを受け継いでいます。僕は彼を師匠だと思っているので、それを取り入れてというか、その指導方針がフロンターレらしさだと思っています。個人技はジュニア時代にやることで、十分に身につけられると思っているので、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。――玉置コーチは現在U-18のコーチですが、U-12からU-18まで一貫して技術を重視しつつ、学年が上がるにつれて、チームとしての力も伸ばしていく方針なのでしょうか?そうですね。U-18の監督である長橋(康弘)も、コーチの玉置、佐原(秀樹)も、ジュニアでの指導経験があります。クラブ全体として、個人の能力をより高めたいという思いがあるので、ジュニアに関しては勝ち負けよりも、個人の育成に重点を置いています。――成果はいかがですか?まだまだです。僕は過去に宮代大聖選手などを指導した経験があるのですが、この年代の基準というよりも、フロンターレの基準で比べると、正直なところまだまだだと感じています。■三笘選手や高井選手など「こうなりたい」目指すべき選手像が明確にある――三笘選手や高井幸大選手のように、アカデミー出身の選手が活躍していることは、ジュニアの選手にとって、どのような影響がありますか?「自分はこうなりたい!」と、目指すべき選手像が明確にあるのは大きいですよね。高井選手のようなディフェンダー、脇坂泰斗選手のような中盤の選手、少しタイプの違う山田新選手など、いろいろな選手が出てきています。各ポジションの選手が、それぞれ「自分はこの選手のようになりたい」と言いながら練習に励んでいます。――最後に、フロンターレらしさとは、どのようなものだとお考えですか?攻撃的で、見ている人をワクワクさせるサッカーだと思います。今回の試合も後半で3点取れたように、次の強豪相手に対しても、ボールを保持しながらプレーできることを示したいです。(注・続く中国戦は0-0からのPK戦で勝利した)ワールドチャレンジ2024の結果はこちら>>
2024年09月02日『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』。埼玉の強豪レジスタは、千葉県トレセンU-12と戦ったラウンド32で、PK戦の末に敗退。その後、行われた試合で、サルツフットボールクラブに2対0で勝利し、有終の美を飾りました。サルツ戦後、中城勉監督とキャプテンの鈴木盛弘選手に、話をうかがいました。(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>試合後、選手たちに「勝敗より大事なこと」を語りかけた写真:新井賢一<<ワーチャレ記事:フィジカルに技術で対抗西宮SSが大事にする「ボールの置き場所」■キャプテンとして雰囲気を上げることを意識している試合後、選手に話を聞きました。インタビューを受けてくれたのは鈴木盛弘くん(22番)。22番鈴木盛弘くん(C)新井賢一22番鈴木盛弘くん――2対0で勝利しました。試合の感想を聞かせてください。チームの意図として、前からはめていこうというのは、11人制でも変わらないことです。監督の指示通り、しっかりと前からはめて、縦パスが入った時を狙いました。前半で2点先制することができ、そのままの流れで押し込んで2-0で勝つことができました。――キャプテンとして心がけていることは?チームが負けていたり、同点で最後の方になって、チームの雰囲気が悪くなった時に、盛り上げたりと、雰囲気を上げるところを意識してやっています。――先輩たちが全国優勝していますが、自分たちもそうなるために必要なことは?日々の練習からしっかりと自分の課題に向き合って、全国制覇に向けて頑張っていきたいです。――将来の目標は?将来はリバプールに入って、ファン・ダイクのような選手になりたいです。競り合いが強くて、コーナーキックからヘディングで決めたりとか、対人に強いところが好きです。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■言われたことをしているだけじゃダメ、目標に近づくためにどうすればいいかを考える中城勉監督(C)新井賢一中城勉監督――試合後、長い時間、選手たちとミーティングをしていましたが、どういう話をされたのでしょうか?試合の勝ち負けよりも、君たちの夢や目標に近づくことが大事だよという話をしました。そのためには、どう取り組んだらいいのか。何が足りていないのか。他のチームの選手と比べて、自分に何が足りないのか。そこにもっと気づくべきで、ただ言われたことだけをしているんじゃダメだよって。もう12歳なんだから、自分からもっとアンテナを張って、いろんなことを吸収して、自分でできることに取り組まないと変わらないんじゃないの? という話もしました。今日の試合は勝ちましたけど、それで満足しちゃダメで、自分が目標に近づくにはどうしたらいいか考えようねって。そんな話を子どもたちとしていました。――試合の結果よりも、成長に重点を置いているということですね。そうですね。今回のワールドチャレンジは、普段の8人制から11人制への変化があり、グラウンドの大きさも変わります。その中で、子どもたちが何ができるのか。素晴らしいチームに対して、どれだけ通用するのかを見て、分析して伝えたいという気持ちがありました。■試合だけ頑張るのではなく、ピッチ外でも子どもたちに自立を求めているレジスタでは、選手にピッチ内外での自立を求めているそう写真:新井賢一――ラウンド32では、千葉県トレセンU-12との試合で、PK戦の末に敗退してしまいました。結果はPKですけど、うちらしさがなかったんですよね。そういうところも含めて、選手として、どうすればいいのか。試合だけ頑張ろうじゃなくて、朝起きてからここに来るまでの時間の使い方とか、そういうのも考えてほしいと思っています。何でもかんでも親に言われてとか、コーチに言われてやるんじゃなくて、自分で逆算して考えてやらないと、パフォーマンスも上がらないんじゃないのという話は、常日頃からしています。それも含めて、今回はちょっと足りなかったのかなと思います。――この年代は大人になる過程、自立する入り口ですね。そうなんです。自立の部分は、子どもたちに求めているところです。もちろん彼らも何をどうすればいいかがわからないし、そこに答えはないのですが、やらないよりはやってみて、成功・失敗を経験したほうが良いと思っています。その中で気がついたり、学ぶことも多くなるので、サッカーに限らず、いろんなことにチャレンジしてほしいんです。自分から気づいたことはやってみるとか、コーチはそうしたほうがいいと思うよという話はしています。■「本気」はコーチが教えるものではない、ワーチャレはたくさんのことが学べる大会――『ワールドチャレンジ』は世界に挑戦する場ですが、大会の意義について、どうお考えですか?日本以外のチームが海外から来ることで、文化の違いもあります。直接は対戦していませんが、中国チームの選手たちを見ると、本気度が違います。それはコーチが教えるものではないと思うんです。その姿勢を見て、うちの選手たちも気づいてほしい。中国のチームは点差が離れても、妥協しません。僕らもそれは子どもたちに言うんですけど、相手にも失礼になるし、最後までやり切って自分たちのパフォーマンスを出そうよって。その視点で中国チームと比較すると、まだ足りないなと感じました。好きなサッカーをしているんだから、突き詰められるだけ突き詰めた方が、今後、自分が生きていく中でも何かの役に立ったり、ヒントになるのかなと。その意味では、たくさんのことを学ぶことのできる大会だったと思います。ワールドチャレンジ2024の結果はこちら>>
2024年08月30日ボールに群がってしまう子どもたち。「広がってパスをもらおう」と言っても、どこにどう動けばいいかわかってない。どうしたら状況判断できるようになる?というご相談をいただきました。ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上のあらゆる年代の子どもたちを指導してきた池上正さんが、周囲を見れなくてスペースを使えない子たちが顔を上げて判断できるようになる「鳥かごトレーニングのアレンジ版」を教えます。(取材・文島沢優子)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<速い子がドリブルで仕掛けるだけの攻撃が単調なチーム、攻撃に厚みを持たせるにはどんな指導をすればいいか教えて<お父さんコーチからの質問>はじめまして。U-8の子どもたちを指導しているお父さんコーチです。いつも素晴らしいご指導をありがとうございます。相談したいのは、どうしても団子サッカーになってしまい、子どもたちが顔を上げてプレーすることが難しいことです。ボールに群がってしまい周りの状況を把握できずにいるため、パスやスペースの利用がうまくできません。「みんなでボールに行くんじゃなくて、広がってパスをもらおうね」と言っても、どこに行けばいいのかわからない様子です。このような状況を改善するためには、どのような練習方法や指導が効果的でしょうか?チームは小学校のスポ少で、長く指導しているコーチとかはいなくて、父親たちが経験者からサッカーの知識を教えてもらいながら子どもたちを見ているようなチームです。ちゃんとした指導者がいる強豪などはこんな悩みなんてもっと年代が低い時の課題かもしれません。基礎的な練習が続くと飽きてきて明らかにやる気がなくなるので、子どもたちが楽しみながらも成長できるアドバイスをいただけると大変助かります。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。ご相談者様がおっしゃる「ボールに群がってしまい周りの状況を把握できずにいるため、パスやスペースの利用がうまくできない」はその通り。ここでは、団子サッカーになってしまう子どもたちを変えるための方法やその指導をお伝えします。■顔を上げて「どこを見るか、何を見るか」を理解させるトレーニングさて、皆さんは子どもたちに「顔を上げろ」「首を振れ」「まわりをよく見て」と教えますが、肝心の「どこを見るか?」「何を見るか?」が理解されないままのようです。その点を解決するためには、まず顔を上げなければならないトレーニングを考えましょう。そこで紹介したいのが「7人で2つのボールをつなぐ鳥かごの変形版」です。図Aのように、正方形を二つ並べたような長方形のグリッドをつくります。(図A)真ん中のハーフラインと左右のエンドライン、そしてサイドラインに1人ずつ、計7人がオフェンス側になります。そこにボールが2つとディフェンスが1人ずつ入ります。2つの正方形のグリッドでそれぞれ4対1が行われますが、ハーフラインに立つ真ん中の1人は2つの正方形のどちらにも参加します。つまり、真ん中の選手は前後左右、2つの正方形の様子を見なければいけません。と同時に、他の6人は、真ん中の選手の様子を見ていなくてはいけません。真ん中の選手がどっちを向いているのか、パスを受けられる状態なのかを把握する必要があります。真ん中の選手は大変ですが、4対1なので、指導対象が小学校2年生でもわいわい楽しみながらできるでしょう。ディフェンス2人を合わせて9人で行うので、ディフェンスがボールを取ったらポジションを交代して同時にローテーションするなど、全員がすべてのポジションを経験できるようにしましょう。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■高学年になったらグリッドを2つ重ねて正方形4つ、ボール4つに難易度を上げる小学校高学年になると、正方形を左右つくった下に同じように左右つくります(図B)。(図B)つまり、長方形が2つ並びます。ボールは4つ、4対1が4か所で行われるイメージです。そこでは、前後左右を見なくてはいけない選手が4人になります。ボール、味方、ディフェンスをどうしても見なくてはいけない状態になる。要するに、顔を上げることが必然の状態を作り出すわけです。小学生にそんな複雑なことができるのか?と思われるかもしれませんが、私は実際にこの練習を小学5年生がやっているのを見ました。この夏、ケルン市と京都市が姉妹都市という関係で、京都にドイツ・ケルンFCのコーチが指導に来てくれました。その際、先に挙げた正方形4つ、ボール4つというメニューを、京都の小学5年生たちにやらせていました。選手たちにどこを見たらいいのかを考えさせながら行っていました。■両方のグリッドを見られるようになるとミスが減っていくその後、私も地元で指導している中学生や高校生にやってもらいました。彼らに「どこを見たらいいですか?」と問いかけながら練習を進めます。4つの正方形グリッドで中にいる選手がどっちを見ているか見ないといけない。他のグリッドのボールがどこにあるかも見ないといけません。そこを見られるようになると、ミスは減っていきます。真ん中にいる選手はグリッドを両方見ないといけないので「どう体を向けたらいい?」と問いかけて考えてもらいます。すべての選手がサポートするために動かなくてはいけません。運動量を見ながら、中高校生は時間を区切ってください。また、正方形グリッドのサイズは一辺が7メートルくらいにして、パスが通らなければ大きくし、ディフェンスがあまり取れないなら小さくします。ケルンのコーチは5メートルほどで行っていました。全体的に判断を速くする練習が多かったです。■小2ならグリッドはあまり大きくせずに実践してみよう小学2年生ならばグリッドはあまり大きくせずにやってみましょう。私も選手の中に入って一緒にやりました。最初は何回か失敗しますが、どう見ていれば失敗しないか、少しずつコツをつかめます。もうひとつ、シュート練習ではゴールを2つ置きます。打つ前にコーチが立ち「どっちを狙う?」と言ってどっちかをふさぎます。打つ瞬間にコーチの動き見て蹴る練習です。ゴールの前にコーンを2つか3つ置いてジグザグドリブルをして、ドリブルしてから打ってもいいでしょう。シュートを打つときに、いつ、どこで、どれだけ見ないといけないのか会得します。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■中々うまくできなくてもあきらめず、判断を伴う練習を続けよう(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)このように、練習メニューはやる条件を少しずつ変えてください。選手の状況によって、楽しくできるには?少し難しくするには?もっと簡単にするには?と考えていけば、ボールを増やしたり、減らしたり。グリッドを広くしたり、狭くしたりと、チーム(選手)に合わせて、練習を分解することができます。練習のオーガナイズを自分で考えられるようになっていくことが望ましいです。今回お伝えした練習は、すぐにできる子もいれば、なかなかできない子も出てきます。2年生という学年は成長のスピードが異なるので、自然なことです。時間はかかるでしょう。なかなかうまくいかなくても、コーチがあきらめないことです。まわりをみて、判断を伴う練習メニューばかりをやってください。3年生、4年生と学年が進むうちに変わってくるはずです。池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2024年08月30日練習に行くと大泣きして母親から離れなかった息子。今では行きたくないと言わず楽しくサッカーしてるけど、試合を親に見られたくないらしく私たちが会場にいると泣いてしまう。親は観戦に行かないようにしているけど、配車当番もあるし、ほかの親御さんに乗せてもらってばかりでは申し訳ない。チームを辞めたほうがいいの?というお母さんからのお悩み相談。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの取材で得た知見をもとに、繊細な子どもへの接し方などアドバイスを送ります。(構成・文:島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<頑張らないのに文句ばかりの娘にうんざり。どうしたら子育て楽しめますか問題<サッカーママからの相談>[練習に行くと大泣きして母親から離れられません]問題でご相談させていただいた者です。(子ども9歳)試合にもっとでたいということで彼の意向でクラブに所属しもう一年が経ちました。一度も行きたくないと言わず友達も多く楽しくサッカーをやっております。これだけでとても嬉しい成長なのですが......。わたしたち親には試合を観にきて欲しくないという気持ちを尊重し、一度も観に行っておりません。しかし、会場までの車だしがあり、他の親御さんばかりにお願いするわけにも行かず、行きのみ本人に少し頑張ってもらい車出しをし、試合を観ずに帰るなどしております。少しでもわたしや夫がその場にいて見られてると泣いてしまうようです。落ち着いてるときに本人に気持ちを聞いたところ、理由は「見られると緊張する」とのことでした。プレッシャーがあるのでしょうね......。この一年で大きな成長しとても頑張っているのは伝わります。しかし、配車など他の親御さんに申し訳ない気持ちもあり少し悩んでおります。(チームをやめたほうがいいのか)このまま、そっと見守りの気持ちが大事でしょうか。長々申し訳ありませんがアドバイスをいただきたいです。よろしくお願い致します。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。なんと二度目のご相談、ありがたいことです。お母さんは息子さんに丁寧に寄り添っていると感じます。■このままで大丈夫、やめる必要なんてないこのままで大丈夫ですよ。チームをやめたほうがいいかも?などと考えないでください。他の保護者に気兼ねしてやめてしまえば、それは息子さんにとって「自分のせいだ」となり、余計に追い込んでしまうことになりかねません。他の人の目が気になり、心配になってしまいますよね。その「心配」という感情が湧き上がってしまうのは、もしかしたらお母さん自身の不安になりやすい気質もあるかと思います。お母さんが繊細であれば、お子さんもそうなりやすい。遺伝子がありますから。しかし、繊細で敏感なことは悪いことではありません。人の気持ちを感じとることができるので、他者にやさしくなれるはずです。良い点もあると考えてください。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■繊細さを理解して包んであげる環境であれば成長できる先日、HSCのお子さん(小学3年生)をもつご夫婦を取材しました。米国の心理学者エレイン・N・アーロン博士が提唱したHighly Sensitive Childの略で「繊細な子ども」「人一倍敏感な子」と呼ばれています。生まれながらに感情に対する繊細さと、刺激に対する敏感さを併せ持つと言われています。その子は不登校になっていますが、周囲の理解もあって今は元気にフリースクールに通っています。子どもの繊細さを理解し包んでくれる環境であれば、しっかり成長できます。近頃では、お母さんとお父さんが夫婦げんかをすると「今のはお母さんの言葉が強すぎた。お父さんは辛いと思う」とアドバイスしてくれるそうです。頼りがいのあるいい子に育っています。そこで、私もお母さんに3つほどアドバイスさせてください。■アドバイス①今の対応を続けて。往路だけでもチームは助かる1つめ。冒頭でお伝えしたように、現在の対応を続けてください。車出しが往路(行き)だけでも、チームの保護者は十分助かっていると思います。私も経験がありますが、朝早い出発の試合などで車出し当番になると、当番でない日より30分は早く起きなくてはいけません。当番でなければお弁当を作って朝ごはんを食べさせたら「行ってらっしゃい」と送り出して終わり。そのあと応援に行くにしても、ゆっくり出かけられます。そう考えると、遠方で朝早い試合のときなどはぜひ積極的に「行きだけになってしまいますが、車出ししますよ」とご自分から手を挙げてはいかがでしょうか。もし遠方だったり、拘束時間が短い場合は、その周辺に車で移動してご夫婦で散歩したり、お買い物をしたりしては?試合が終わるころにまた迎えに行けばいいのです。子どもたちは試合が終わってすぐ帰るわけではなく、ダウンしたり、着替えたり、コーチとミーティングするはずです。試合当番の親御さんに状況をみながら何時に迎えに行けばいいか連絡してもらってもいいですね。もしくは他の方の都合に合わせて帰りだけ手伝ってもいいでしょう。そのような片道要員の保護者がいると、他の方も有難いはずです。もっといえば「車や試合当番以外で、チームのために何かできることはありませんか?」と尋ねてみてください。保護者会のリーダー的な方がいるはずです。■アドバイス②可能であれば息子さんの状況をほかの保護者に伝えてみて理解が得られるかも2つめ。もし可能なら、ほかの保護者に今の息子さんの状況などを伝えることはいかがでしょうか?どんな集団かわからないので、そこは強く勧めるわけではありません。ただ「こういうところがあるのでこんなふうにサポートさせてほしい」と直接話すことで、周囲から息子さんに対する理解も進むかもしれません。そもそも、他人の事情というのは、伝聞で情報が流されると誤解が起きやすいものです。何人を経て伝えられると、ほんの小さなズレがどんどん大きくなって最後にはまったく違う話になっていることはよくあることです。チームのグループラインなどSNSで伝えることもできますが、文章というのは万人に同じ内容を100%理解してもらうには限界があります。文章を書いてこうやって皆さんにお伝えしている私がこんなことを言うのもおかしなことかもしれませんが、伝え手の思いと受け手の理解に乖離が生まれることは珍しくないのです。したがって、対面で会って話すことをお勧めします。そこで質問を受けたりと双方向のコミュニケーションが生まれるからです。■アドバイス③息子さんにも親が困っていることを理解してもらおう(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)3つめ。冒頭ですでにお伝えしましたが、「チームを辞めたほうがいいのか?」とお母さんが揺れていることはすでに息子さんに伝わっているかと思います。辞めるか辞めないかを決めるのは、あくまで息子さんです。ただし、息子さん自身も自分の親が困っていることは理解したほうがいいと私は思います。「見られていると緊張するなら、お母さんたちは試合を見ないから、車の中にいるとか、そのあたりを散歩するとかしてもいいかな?そうすれば、他の親御さんに迎えの車当番を頼まなくて済むから、お母さんも安心なの」このように、「あなたはこうするべき」「こうしたほうがいい」というように、「あなた」が主語ではなく、「わたし」を主語にして伝えましょう。つまり「私はあなたがこうなったらうれしいよ」というものです。当然ながら、時期やタイミングをみるべきでしょう。とりあえず今は「見られていると緊張する」という気持ちを受け止めましょう。と同時に、こう伝えてみてはいかがでしょうか。「緊張するのはわかったよ。無理に見ないよ。ただ、なぜ緊張するのかな?って考えて、何か出てきたら教えてくれるとうれしいな」島沢優子(しまざわ・ゆうこ)ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』『東洋経済オンライン』などでスポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『部活があぶない』(講談社現代新書)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『オシムの遺産彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著・小学館)『教えないスキルビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(佐伯夕利子著・小学館新書)など企画構成者としてもヒット作が多く、指導者や保護者向けの講演も精力的に行っている。日本バスケットボール協会インテグリティ委員、沖縄県部活動改革推進委員、朝日新聞デジタルコメンテーター。1男1女の母。
2024年08月29日『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』。西宮SSはラウンド32で、中国足球小将に敗退しました。負けはしたものの、体格に優れた相手に、持ち前の技術で対抗。体格差をものともしない技術で、鮮烈な印象を残しました。中国足球小将戦後、杉田勝彦監督と6番の足立旬翼くん、7番の鈴木悠太くん、名に、話をうかがいました。(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>体格差に技術で挑んだ西宮SSの選手たち写真:新井賢一<<ワーチャレ記事:大会を通じて柏レイソルU-12が見せた攻撃的スタイルの本質■ボールの置き場所にこだわっている、フィジカルが追い付けば技術で追い越せる杉田勝彦監督(C)新井賢一杉田勝彦監督――中国足球小将とは予選リーグに続き、2試合目の対戦でした。まずは初戦の感想をお願いします。フィジカル面では追いつけなかったのですが、相手チームが「ボールが取れない」と言っていたので、うちらしさは出せたと思います。――学年で言うと2学年上くらいの、体格差がある相手でした。それでもボールを隠して取られないようにしたり、ターンをしたりと、高い技術で対抗しました。うちはボールの置き場所にこだわっているチームです。今は体格差があるので勝てないかもしれないですけど、将来フィジカルが追いついた時に、技術で追い越していけると思ってやっています。ボールの置き場所、ステップ、タッチの速さ、ボールを触る前にフェイクを入れて相手を騙す、相手に線を見せずにパスを出すといったところにこだわっていて、それが日本人が世界と戦うために必要なことだと思い、小学生年代からやっています。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■世代別代表クラスの選手を輩出――『ワールドチャレンジ』は世界と戦う場ですが、Jクラブでも、中国チームほどのフィジカルを持つチームはありません。こんなに大きい相手とやるのは、初めての経験でした。予選リーグと決勝トーナメントと、2回できたのでありがたいです。――この経験を、選手たちにどう繋げていってもらいたいですか?今、取り組んでいるトレーニングが、将来、ヨーロッパの大きい選手、フィジカルの強い選手と戦っていくために必要な技術だと思うので、そこは大事にしてもらいたいです。――まさにOBの堂安律選手がそれを体現していますね。そうですね。うちから、毎年プロ選手や代表クラスの選手が出てきています。エゼモクェ・チメヅェ海(セレッソ大阪西/U-15日本代表)やヴィッセル神戸の瀬口大翔(U-16日本代表)、ガンバ大阪の長田叶羽(U-17日本代表)など、何人かいます。■「テクダマ」は反応のトレーニングになる西宮SSでは細かいステップとタッチで「足が埋まらない」トレーニングをしているそう写真:新井賢一――西宮SSは『テクダマ』をトレーニングに取り入れていますが、使ってみて、どのような感想をお持ちですか?思いもしないところにボールが動くので、反応のトレーニングになりますよね。足が出るというか、足が固まらない。うちは細かいステップとタッチで、足が埋まらないようにするトレーニングをしています。基本、ボールを失うのって、足が地面に埋まったときなんで。それと足が広がったとき、ボールが内側に入ったとき。そのために、なるべく細かいタッチとステップをして、足が埋まらないように練習しています。■みんなで全力を尽くせた試合後、選手たちに話を聞きました。インタビューを受けてくれたのは足立旬翼くん(6番)、鈴木悠太くん(7番)、山中蓮くん(25番)。インタビューに答えてくれた選手たち(C)新井賢一6番足立旬翼くん――試合の感想をお願いします。2点決められて、厳しい試合になったけど、最後はみんなで点を取りに行って、全力を尽くせたのでよかったです。――得意なプレーと、今日の試合で通用したと思うところを教えてください。得意なプレーは、裏へのスルーパスです。通用したと思うプレーは、ワンタッチプレーやドリブルです。――将来の夢を教えてください。日本代表に入って、遠藤航選手みたいになりたいです。■ヒールリフトとかいろいろな技をした7番鈴木悠太くん――試合の感想をお願いします。前半に1点決められて、厳しい状況になって、後半にもう1点決められたけど、飲水タイムが終わってから、みんながちょっとずつ自分の力を出し始めて、最後はいい試合になったと思います。――得意なプレーと、今日の試合で通用したと思うところを教えてください。得意なプレーはスピードに乗ったドリブルです。相手が疲れてきたときに、自分の得意なドリブルをして、ヒールリフトとかいろいろな技をしたのですが、通用したと思います。――将来の夢を教えてください。三笘薫選手みたいに、世界で通用するドリブラーになりたいです。■もっと技術を高めたい25番山中蓮くん――試合の感想をお願いします。グループステージで同じ相手とやって、みんな負けて泣いて、もう一回やることが決まって、みんなでめっちゃ喜びました。勝つ気持ちでいたけど、負けてしまったので、もっと技術を高めたいなと思いました。――得意なプレーと、今日の試合で通用したと思うところを教えてください。得意なプレーは細かいタッチでドリブルをすることです。通用したプレーはターンやドリブルで相手の股を抜くこと、ワンタッチパスです。――将来の夢を教えてください。自分は左利きなので、メッシみたいな選手になりたいです。ワールドチャレンジ2024の結果はこちら>>
2024年08月28日8月23日に行われた『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』決勝戦。柏レイソルU-12は、バディーサッカークラブに0対4で敗れました。優勝はなりませんでしたが、大会を通じて、高い技術を生かした攻撃的なサッカーを披露。強烈なインパクトを残しました。決勝戦終了後、張ヶ谷知樹監督と高いテクニックで存在感を放った井出翼選手、キャプテンで守備の要・奥村翔依選手に話を聞きました。(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>ワールドチャレンジ2024決勝進出した柏レイソルU-12の選手たち写真:新井賢一<<ワーチャレ記事:東京ヴェルディジュニアが技術で上回るバルセロナの良さを消すためにとった対策■試合の入りがすべてだった張ヶ谷知樹 監督(C)新井賢一張ヶ谷知樹 監督――決勝戦の感想をお願いします。試合の入りがすべてというゲームでした。バディーさんが前から来る中で、僕らはそれを剥がしていこうという話をしていました。ゲームの入りは、流れをつかむために大きなプレーや相手の矢印を折るプレーが必要です。そこまで見えてプレーできていたかが、勝負の肝だったと思います。――立ち上がりに連続失点したことは、過去にこのチームではあったのでしょうか?今大会の初戦で、中国のチームに持っていかれたシーンはありました。ミスが重なってしまったこともあり、ゲームの入りについては、流れをつかむ意味でも、もう一度みんなで意思を合わせていく必要があると感じています。――優勝はできませんでしたが、とても良いチームでしたね。選手たちには、この大会に対する強い想いがありました。彼らは普段積み上げているものを、このような大きな舞台で発揮するために、日々トレーニングをしています。それをもっと表現したかったのですが、悔しい結果になってしまったので、次に生かしたいです。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■レイソルのアカデミーでサッカーの本質を教わった――今、監督になられて何年目ですか?U-12は去年から担当していて、6年生自体は2年目です。それ以前はU-11や10などのジュニアカテゴリーを見ていました。指導者としては6年目です。――28歳と若くして、名門のジュニアで監督をするプレッシャーもあるのではないかと想像しますが、そのあたりについては?いやぁ、そうですね。僕もアカデミー出身で、このクラブで育ち、クラブに対する愛があります。このクラブがどういう選手を育てたいかというのを、僕自身も教えてもらってきたので、それを選手たちに伝えたいと思って指導しています。――現役時代はテクニシャン系だったんですか?ボールを大事にプレーするタイプで、レイソル以外では活躍できなかったと思います。あ、別に活躍はしていませんが(笑)。僕はレイソルのサッカーが好きで、アカデミーでサッカーを教えてもらいました。サッカーの本質というか、今僕が大事にしているものは、レイソルで培ったものです。■ボールと自分の関係だけでなく、オフ同士の繋がりを大事にしている育成年代では、攻守において主導権を握り、ボールトスペースを支配することを大事にしている写真:新井賢一――レイソルの育成哲学は、どのようなことでしょうか?攻守において主導権を握り、ボールとスペースを支配するところは、どのカテゴリーでも大事にしています。ただ、カテゴリーによって獲得しやすいものや、その時期に獲得してほしいものもあります。それも踏まえて、学年ごとに少しずつ異なるものにフォーカスしている形です。――U-12年代で大切に指導していることは?U-12では、ボールを持っていない選手同士が繋がってプレーすることと、個人で相手を剥がしていくことを重視しています。11人制が始まるこの年代では、ジュニアユースに繋がることを考え、複数の選手と協力して、グループで相手を剥がしていくことが大切です。ボールと自分の関係だけでなく、ボールを持っていない選手同士の関係がとても重要になるので、オフ同士の繋がりを特に大事にしています。――その部分に関して、準決勝の川崎フロンターレU-12戦(3対0で勝利)では、表現できたのではないでしょうか?そうですね。うまく噛み合って、選手同士もいい距離感でプレーできたと思います。決勝戦でも、後半にそのようなシーンが何回か見られました。ただ、ゲーム状況を考えると、より前に行かないといけないこともあり、そのバランスが難しいところでしたね。■ゲーム状況を理解してプレーすることが大切――決勝は悔しい敗戦でしたが、選手たちには、次にどう活かしてほしいですか?決勝戦に関して言えば、ゲームの流れを読むこと、ゲーム状況を理解してプレーすることが本当に大切だと感じました。これは、今後彼らがサッカー選手として生きていく上で、非常に重要なことだと思います。今大会は普段の8人制から11人制に移行したことで、繋がる選手が増えたり、ピッチの大きさが広くなりました。彼らは将来、11人制でサッカーをしていくので、この段階で得たものを大切にしてほしいです。12月までは8人制が続きますが、この大会で感じたことを、個人個人に合わせてアプローチし、彼らの成長に活かしていけたらと思っています。■後半は自分たちのペースでボールを握れた試合後、選手たちに話を聞きました。インタビューを受けてくれたのは奥村翔依くん(4番)、井出翼くん(10番)。4番奥村翔依くん写真:新井賢一4番奥村翔依くん――決勝戦の感想を聞かせてください。2位という悔しい結果になってしまいました。自分たちの入りが悪くて、そこから流れも悪くなりましたが、後半は自分たちのペースでボールを握れていたので、そこは今後に繋がるかなと思います。――普段、どんなことを心がけてプレーしていますか?自分はバックなので、プレッシャーがかかる中でも、丁寧にプレーすることと、チームを引っ張っていくことを意識しています。――自分の特徴や得意なプレーは何ですか?対人や空中戦の対応です。――将来の夢を教えてください。プロサッカー選手になって、日本代表で活躍できるようになりたいです。■みんなで努力して、次の大会に生かしたい10番井出翼くん写真:新井賢一10番井出翼くん――決勝戦の感想を聞かせてください。前半の入りでセカンドボールなどが拾えず、気持ちから負けていました。それが試合の結果に出たと思います。後半は押していましたが、決めきれないところが今後の課題です。みんなで努力して、次の大会やこれからに生かしていきたいです。――準決勝では2点決めて、2つとも素晴らしいゴールでした。1点目は仲間から良いボールが来たので、コースを狙ってシュートを打つだけでした。2点目は、誰かが相手を引きつけてくれたのか、ドリブルのコースが空いたので、そこに入っていきました。シュートコースが見えたので、打ったら入りました。――テクニシャンですが、どのようなことを考えてプレーしていますか?目指しているのはゴールなので、常にゴールを見ながらプレーしています。ゴールの素振りを見せると、相手を引きつけることができて、仲間が空いたり、相手が来なかったらシュートを打ったりします。得意なプレーはドリブルやトラップです。――将来の夢と好きな選手を教えてください。将来の夢は日本代表に入って、ワールドカップで優勝することです。好きな選手は、メッシ選手です。ワールドチャレンジ2024の結果はこちら>>
2024年08月28日『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』。横浜F・マリノスプライマリー追浜は、ラウンド32で川崎フロンターレU-12に敗退しましたが、続くスポーツクラブ和歌山ヴィーヴォまつえ戦に1対0で勝利。大会を勝利で締めくくりました。和歌山ヴィーヴォまつえ戦後、チームを率いる、山崎佑基監督に話をうかがいました。(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>横浜F・マリノスプライマリー追浜の選手たち(C)新井賢一<<ワーチャレ記事:決勝前半で4得点!強豪街クラブ、バディーサッカークラブが大会初優勝■攻撃的なサッカーを展開するというスローガンのもと一人ひとりがよくやった山崎佑基監督(C)新井賢一山崎佑基監督――1対0で勝利しました。試合前、どのように選手を送り出したのでしょうか?この試合は予選リーグで対戦した、和歌山さんと二度目の試合でした。6年生が9人しかいないので、最後は5年生主体でプレーしました。うちのクラブの「アタッキングフットボール」というフィロソフィーを11人制の中で体現しようという話をしました。――内容面はいかがでしたか?基本的には、しっかりボールを握りながら「攻撃的なサッカーを展開する」というスローガンのもと、一人ひとりがよくやってくれたと思います。――大会を通じての感想を聞かせてください。いろんな戦術を持っているチームと多く試合ができた中で、できた部分とできなかった部分があり、選手個々が感じるところがあったと思います。6年生は次、中学生になると11人制になるので、これがいい経験になってくれればと思います。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■個人戦術が備わっていなければグループ戦術もできない個人戦術を徹底して教えているそう(C)新井賢一――ジュニアユースに進む子も、外のクラブに行く子もいると思いますが、このチームでどのようなことを身につけてほしいと考えていますか?11人制であっても8人制であっても個人戦術は重要です。具体的には、ボールを持っているときとボールを持っていないとき、つまりオンとオフの状況です。守備のところも同じで、個人戦術が備わっていなければ、グループ戦術もできません。低年齢だからこそ、そこは徹底して教えています。ゆくゆく彼らがどこのチームに行ったとしても、重要な要素だと思うので、その部分を大事にしています。■ワーチャレは中学以降に向けて必要な経験になる――ワールドチャレンジは「世界にチャレンジする場」ですが、この大会の意義はどう感じていますか?普段、なかなか11人制のゲームをする機会がない中で、この大会には多くの良いチームが参加しています。6年生の半ばを迎えて、半年後に中学生になる選手たちにとって、必ず必要な経験になると思います。そういった意味で、この大会を捉えています。ワールドチャレンジ2024の結果はこちら>>
2024年08月27日『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』。見事、優勝に輝いたのが、バディーサッカークラブ(神奈川)です。決勝戦では、強豪・柏レイソルU-12を4対0で下す、圧巻の勝利でした。チームを優勝に導いた梅澤勇人監督と、準決勝、決勝でゴールを決めた、田中譲選手。大会MVPの浅利蓮生選手に、話をうかがいました。(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2024優勝したバディーサッカークラブ(C)新井賢一<<ワーチャレ記事:決勝前半で4得点!強豪街クラブ、バディーサッカークラブが大会初優勝■梅澤勇人監督「立ち上がりの早い時間帯に点が取れた」 梅澤勇人監督(C)新井賢一梅澤勇人監督――優勝おめでとうございます。決勝戦を振り返って、感想を聞かせてください。最高です。嬉しいです。――立ち上がりから中盤のプレスがはまり、先制点に繋がりました。(相手の攻撃を)ペナルティエリアぐらいまでは我慢しようと思っていたんですけど、プレスがはまって、立ち上がりの早い時間帯に点が取れたのが勝因だと思います。――準決勝では先制された後に追いつき、決勝は無失点で勝ち切りました。大会を通じて、勝負強さを発揮していた印象ですが、どう感じていますか?バディーの歴史として、粘り強く、魂を込めて戦うところがあります。終了間際の得点や逆転勝ちが多いのがバディーなので、そこは受け継げているのかなと思います。――その辺りは普段の指導の賜物だと思いますが、向上させるために心がけていることは?最後は諦めないことと練習ですね。練習の量と質だと思います。普段から球際だったり、そういうところはしっかり厳しくやっていると思います。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■心や気持ちが強くなってきた――U-12監督という立場で何年目になるんですか?U-12の監督としては今年が初めてですが、この子たちが1年生のときから、僕が指導してきました。――下からの積み上げがあるんですね。そうですね。いろんな人たちのおかげで、ここまで来ることができました。成長という意味では、まだまだ子どもな部分がありますけど、心というか気持ちの部分が強くなってきたかなと思います。――U-12は上に繋げる年代ですが、大事にしていることは?ありきたりですが、常に全力で、練習をしっかりやることです。競争が多いチームなので、試合に出ていることに感謝の気持ちを持ってプレーすること。ピッチに立ったからには、戦うことが大切です。選手たちには「試合に出たい選手はたくさんいるんだよ」という話をしながら、「試合に出るからには、しっかりやろう」と言っています。――選手みなさん、運動能力が高いように見えました。どのような取り組みをしているのでしょうか?バディーは幼児体育もやっています。私たちスタッフは横浜を拠点にいろいろな幼稚園、保育園、子ども園に行き体育指導を行っています。選手の大半がそこで幼児の時期からサッカーだけで無く、いろいろな運動を経験し育っています。そんな環境で育つことがサッカーに繋がる部分の一つだと思います。■世界を肌で感じることがプロに繋がる――ワールドチャレンジは海外勢に挑戦する大会ですが、大会の意義についてはどう考えますか?いまの子どもたちは、世界のサッカーが身近にある環境にいます。世界を肌で感じることは、プロに繋がる一歩なのかなと思います。本当はバルサとやりたかったんですけど、バルサに勝った強いヴェルディさんとやれて良かったです。――MVPの浅利蓮生選手は、どのあたりが評価されたと思いますか?献身性と球際の強さ、狙いどころですね。彼があそこでガッツリ行ってくれたことで、1点目のゴールも生まれています。(ボールホルダーに)寄せて、プレーを遅らせることはみんなできるんですけど、そこで奪い切る力が、彼はすごいと思います。――監督も納得のMVP?そうですね。(大会側が)よく見てくれたなと思います。ほかに(決勝で2点決めた)田中譲や、(攻守の中心として活躍した)10番(徳武魅)とかも、見てくれているかなと思っていました。■チームのために点を取れるように意識している試合後、選手たちに話を聞きました。インタビューを受けてくれたのは田中譲くん(7番)、浅利蓮生くん(19番)。7番田中譲くん(C)新井賢一7番田中譲くん――決勝戦の感想を聞かせてください。コーナーのこぼれから2ゴールできて、チームも4対0で勝てて本当に良かったです。 ――準決勝でも点を決めましたが、普段から点を取るタイプの選手なのですか? はい。チームのために点を取れるように、普段から意識しています。 ――得意なプレーは? 前を向いた状態から仕掛けたり、オフ・ザ・ボールの動き出しから点を取るプレーです。 ――好きな選手と将来の目標は? クリスティアーノ・ロナウド選手が好きで、将来は世界で活躍する選手になりたいです。 ――優勝という結果で終わりましたが、自分にとって、どういう大会でしたか? 正直に言うと、バルサとやりたかったんですけど、11人制という、いままでとは違う大会で優勝できたことは、良い経験になったと思います。■守備でボールを奪い、攻撃に繋げるプレーが良かった大会MVP19番浅利蓮生くん(C)新井賢一19番浅利蓮生くん――優勝とMVPおめでとうございます。この大会はどんな大会でした? 海外からいろんなチームが来て、11人制なので難しい部分もあったのですが、チームが一つになって、優勝できた大会でした。 ――MVPに選ばれると思っていましたか?いや、全然思っていませんでした。――監督が「ボールを奪い切るプレーが素晴らしい」と言っていましたが、自分としては? そこが武器なのでもっと伸ばして、全体的にバランス良く、武器を活かしながらプレーできたらいいなと思います。 ――この大会で通用したプレーは?守備でボールを奪ってから、攻撃に繋げるプレーが良かったんじゃないかなと思います。決勝の1点目もその形でした。――将来の目標と好きな選手は? 将来の目標はプロサッカー選手になって世界で活躍すること。好きな選手は自分のプレースタイルとは違うのですが、三笘薫選手が好きです。チームを勢いづけるプレーをして、チームを勝たせられるところが好きです。 ――今後に向けて、気持ちを聞かせてください。 優勝できて嬉しいですし、これから次の全国大会の関東大会があるので、そこでも自分のプレーをして、チームを勝たせられる選手になれたらいいなと思います。ワールドチャレンジ2024の結果はこちら>>
2024年08月27日千葉県のフクダ電子アリーナで開催中の『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』。最終日となる23日は、準決勝、3位決定戦、決勝戦が行われました。優勝を果たしたのは、バディーサッカークラブ(神奈川)。準決勝で東京ヴェルディジュニア、決勝で柏レイソルU-12を下し、堂々のチャンピオンに輝きました。(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>(決勝では前半で4得点、柏レイソルを下し優勝したバディーサッカースクール写真:新井賢一)<<関連記事:東京ヴェルディジュニアが技術で上回るバルセロナの良さを消すためにとった対策 ワーチャレ3日目■バルサに勝った東京ヴェルディジュニアはPK戦で3位決定戦にまわる準決勝第1試合は、東京ヴェルディジュニア対バディーサッカークラブ。主導権を握ったのは、ラウンド16でFCバルセロナに勝利した東京ヴェルディジュニアでした。前半25分、バルセロナ戦でもゴールを決めたエースの山本崇翔選手がスルーパスに抜け出すと、GKが出てきたところを浮き球で流し込み、東京ヴェルディジュニアが先制します。しかし、バディーサッカークラブも意地を見せます。後半7分、鈴木朝陽選手が左サイドを得意のドリブルで突破すると中央にクロス。これを田中譲選手が詰めて、同点に追いつきます。勝負の行方はPK戦に委ねられると、終了間際にPK戦用に投入されたGK園田純也選手が、ヴェルディの3人目をストップ。素晴らしいセービングでチームを勝利に導きました。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■柏レイソル対川崎フロンターレのJクラブ対戦はレイソルが勝利もう1つの準決勝は柏レイソルU-12対川崎フロンターレU-12。この試合、柏のファンタジスタ、背番号10をつける井出翼選手が躍動します。前半8分、右からのパスを中央で受けると、ゴール左に狙いすましたシュートを突き刺し、レイソルが先制します。前半25分には、再び井出選手が鮮やかなミドルシュートを沈めて2対0。後半アディショナルタイムには眞下竜輝選手がダメ押しゴールを決め、柏レイソルU-12が決勝に駒を進めました。■3位決定戦はゴールゲッターの才能が光ったその後、行われた3位決定戦は、東京ヴェルディジュニアが川崎フロンターレU-12から3ゴールを奪って勝利。山本崇翔選手は、この試合でも2ゴールを決め、ゴールゲッターの才能をアピールしました。■決勝戦は前半で勝負あり、大会MVPに選ばれたのは優勝チームの......そして迎えた決勝戦。バディーサッカークラブ対柏レイソルU-12の試合は、意外にも大差で決着がつきました。前半3分、バディーサッカークラブが矢ヶ部敢太郎選手のミドルシュートで先手を取ると、6分、8分とコーナーキックの流れから田中譲選手が連続してゴールを決め、早々に3点のリードを奪います。攻撃の手を緩めないバディーサッカークラブは、前半22分に関智也選手がミドルシュートを決めて4対0。その後も、粘り強い守備で強力な柏攻撃陣を封じ込め4対0で勝利。攻守にアグレッシブな姿勢を見せたバディーサッカークラブが、見事優勝を果たしました。大会MVPに選ばれたのは、鋭い出足で相手の攻撃の芽を摘み、先制ゴールの起点になった浅利蓮生選手(バディーサッカークラブ)でした。4日間に渡って熱戦が繰り広げられた、『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』。参加した選手たちにとって、夏の終わりにかけがえのない経験ができたことは間違いありません。12回目を迎えた『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』ですが、過去の参加者の多くがプロになり、ワールドカップやオリンピック、欧州選手権などで、国を代表して戦っています。はたして、今大会に出場した選手の中に、彼らに続く選手は現れるのでしょうか?大会に参加した選手たちの今後が楽しみです。ワールドチャレンジ2024最終日の結果はこちら>>
2024年08月23日『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』。8月22日に行われたラウンド16で、FCバルセロナに勝利したのが、東京ヴェルディジュニアです。攻守に高い強度でプレーを展開し、チャンスを確実にゴールに結びつけました。この試合で活躍が光った3人の選手と松尾洋監督の試合後のコメントを紹介します。(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>(2-0でバルセロナに勝利した東京ヴェルディジュニア写真:新井賢一)<<関連記事:バーモントカップ優勝の戸塚FCJはインドネシアチームと熱い攻防を見せたワールドチャレンジ2日目結果 ■バルサはパスをギャップに入れてくるので大変だった(バルサとの対戦を楽しみにしていたという松本くん写真:新井賢一)3番 松本眞大朗くん――バルセロナと試合をした感想を聞かせてください。バルサとの試合を楽しみにしていたので、やれて良かったのと、味方が点を取ってくれて、最後まで守りきれたので良かったです。――バルサの印象は?パスをどんどんギャップに入れてきたり、ボールを回してくるので大変でしたが、キーパーとか、みんなが引っ張ってくれたので良かったです。――自分のプレーで通用したと思うところは?フィジカルは通用したと思います。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■狙い通りにシュートが打てた(バルサにも自分のスピードが通用したと感じたと教えてくれた山本くん写真:新井賢一)7番 山本崇翔くん――バルセロナと試合をした感想を聞かせてください。パス回しやワンタッチプレーが凄かったです。中盤でパスコースを切ってはいるんですけど、サイドに出されて、そこから一気に前に運ばれるのが嫌でした。――自分のプレーで通用したと思うところは?スピードは通用したと思います。――得点場面もドリブルで独走していましたね。ハーフウェイラインを過ぎたあたりでボールをもらって、そこから前向きに仕掛けて、スピードで抜いていきました。――シュートまでのイメージがあった?最初は縦に行って、ゴール前に差しかかかったところで中に行って、シュートを打とうと思っていました。狙い通りにできました。――守備の時間が長かったですが、攻撃でボールをもらったときはどういうことを意識していましたか?自分でドリブルをしてゴールを決めたいので、とにかくドリブルをして決めようと思っていました。■2点目につながったプレーは狙っていた(ビッグセーブを連発した木村くん写真:新井賢一)1番木村航之介くん――バルセロナと試合をした感想を聞かせてください。相手はパスを回してきたので、逆サイドでサイドバックの人と1対1になることも多かったのですが、中への折り返しの対応が、チームとしてよくできました。――2点目は、キーパースローを素早く左に展開したところから始まりました。狙っていたプレーだったのでしょうか?はい。みんな足が速いので、そこにボールを投げて行くぞって感じでした。――ビッグセーブを連発しましたが、自分のプレーについては?良かったプレーもありましたが、課題もあったかなと思います。■監督が語るバルサの良さを消すためにとった戦い方(攻守にわたってハードワークを続けた選手たちを称賛した松尾監督写真:新井賢一)松尾洋監督――バルセロナに2対0で勝利しました。試合を終えて、どのような感想をお持ちですか?苦しい戦いでした。予選から試合を見ていた中で、テクニカルでポジションをしっかり取るスタイルはわかっていたので、いかにその良さを消すか。プレスをかけてしっかり守って、いい形で攻撃に繋げることができればと思っていました。この試合では、そこのところで良い部分が出たのかなと思います。――得点場面は相手の背後を突く形でしたが、イメージ通りだったのでしょうか?はい。相手の背後を狙うことや、ボールを奪った後のワンプレーでスペースを突くことは意識してやらせました。守備に関してはみんながスライドして走って、しっかり守ってくれました。僕もピッチサイドから、声をかけながらやりましたけど、よく走ってくれたと思います。――全員のハードワークが素晴らしかったです。日本チームにも意地があるし、負けられない気持ちがありました。試合前も「バルサだからとかは関係なく、いつも通りやりましょう」という話をした中で、頑張りを見せてくれたので良かったです。■バルサに逆を取られる場面は多かった――試合をしてみて、バルセロナの印象は?やっぱり上手いですよ。狙いを持って奪いに行ったのに、ワンタッチで剥がされたり、いいところにスパンッてパスを入れられたり、逆を取られて運ばれる場面は多かったですよね。ただ、この試合に関しては、何度かあったオフサイドを含めて、あまり合っていなかった印象を受けました。あそこでしっかりと繋がっていたら、違った展開になったのかなとは思います。■ボールを相手が触れられないところに置くことにこだわっている――今までバルサと対戦した日本のチームは、ボールを奪ったとしても、すぐに奪い返されたり、顔を上げられないことが多かったのですが、ヴェルディの選手たちは奪いに来られても相手を外すとか、いなして前にボールをつけることができている印象を受けました。そこは、こだわりながらトレーニングしているところです。相手の逆をとったり、ボールを相手から隠したり、触れないところにボールを置くことはこだわって練習しているので、バルサを相手にしても、日頃やっていることが自然に出たのは良かったと思います。■バルサとの対戦は子どもたちにとっていい経験――『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』は、世界に挑戦する大会ですが、この大会の意義やバルサと試合ができたことについては?みんながバルサとやれるわけではないので、子どもたちにとっていい経験になったと思います。実際に(ヴェルディジュニア出身の)山本理仁(シント・トロイデン)は、第1回大会に出て、(当時バルセロナの)エリック・ガルシアたちと試合をしています。そして今回のパリ五輪で再戦しているので、そういう姿を見ると、感慨深いものがありますよね。今回の選手たちも10年後ぐらいに、今日のメンバーと真剣勝負ができるようになってもらいたいと思っているので、その意味で、意義のある試合だったと思います。ワールドチャレンジ20243日目の結果はこちら>>
2024年08月23日千葉県のフクダ電子フィールド/フクダ電子スクエアで開催中の『U12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』。3日目を迎え、ラウンド32、ラウンド16、準々決勝が行われました。この日、優勝候補のFCバルセロナが敗退。勝利したのは、攻守に高い強度でプレーし続けた東京ヴェルディジュニアでした。(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>(大観衆の中行われたバルセロナ対東京ヴェルディジュニアの一戦写真:新井賢一)<<関連記事:バーモントカップ優勝の戸塚FCJはインドネシアチームと熱い攻防を見せたワールドチャレンジ2日目結果 ■大観衆のなか行われた東京ヴェルディジュニアvsバルセロナ(東京ヴェルディジュニアは始めから終わりまで攻守にわたって強度の高いプレーでバルサを完封した写真:新井賢一)ピッチサイドに溢れんばかりの観衆が詰めかけたラウンド16。東京ヴェルディジュニアとFCバルセロナの一戦は、開始早々のゴールで幕を開けました。前半5分、東京ヴェルディジュニアの山本大翔選手が右サイドからシュートを流し込み、先制点を奪います。1点ビハインドのバルセロナは、フォデ・ディアロ・コンデ選手とダビッド・モレノ・ロビラ選手を軸に攻撃を展開しますが、GK木村航之介選手と松本眞大朗選手を中心に跳ね返します。すると前半16分、左サイドでボールを受けた山本崇翔選手がドリブルで切れ込み、強烈なシュート。観衆もどよめく一撃でリードを2点に広げます。1点返したいバルセロナは猛攻を繰り広げますが、東京ヴェルディジュニアは体を張った固い守備でシャットアウト。2対0の完勝で、見事な勝利を果たしました。東京ヴェルディジュニアは、続く準々決勝でFC ZEROに1対0で勝利。準決勝に駒を進めました。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■もう一つの優勝候補と目された中国足球小将も敗退、関東勢がベスト4独占(川崎フロンターレはラウンド16でトリアネーロ町田に逆転勝利写真:新井賢一)その他の準々決勝では、バディーサッカークラブがWings U-12に4対0。川崎フロンターレU-12が、優勝候補の中国足球小将にPK戦の末に勝利。柏レイソルU-12が、千葉県トレセン選抜U-12に4対0と大量得点で勝利しました。ついに明日23日が最終日。準決勝のカードは1試合目が東京ヴェルディジュニア対バディーサッカークラブ。2試合目が川崎フロンターレU-12対柏レイソルU-12に決まりました。関東勢がベスト4を独占した今大会。果たして、優勝するのはどのクラブなのでしょうか?■最終日はプロのピッチが舞台入場無料なので夏休みの思い出にも準決勝1試合目は、フクダ電子アリーナで9時キックオフ。2試合目は10時10分キックオフです。3位決定戦を挟み、15時からは決勝戦が行われます。この世代トップクラスの試合が見られること、間違いありません。入場無料なので、夏の終わりの激闘を観にぜひスタジアムへ足を運んでみてはいかがでしょうか。ワールドチャレンジ20243日目の結果はこちら>>
2024年08月22日千葉県のフクダ電子フィールド、フクダ電子アリーナで開催されているU-12ジュニアサッカーワールドチャレンジの2日目が行われました。グループリーグ、ラウンド32の結果をレポートします。(取材・文:鈴木智之/写真:新井賢一)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>(女子の選抜チームは今大会初出場となる写真:新井賢一)<<関連記事:バルセロナは2連勝で早くも決勝トーナメント進出決めるワールドチャレンジ初日■バルサは今回初出場となる女子選抜と対戦(最後まで体を張ってボールに食らいつく姿勢を見せてくれたJSWCなでしこ選抜写真:新井賢一)注目のFCバルセロナは、今大会が初参加となる女子の選抜チーム、『JSWCなでしこ選抜』と対戦。試合はバルセロナがボールを保持し一方的に押し込む展開ながら、なでしこ選抜はGK山岡千鶴選手の好セーブを中心に、前半を1失点で折り返す大健闘。最終スコアは4対0でしたが、最後まで体を張ってボールに食らいつく姿勢は、強く咲き誇るなでしこの花のようでした。(バルセロナはFC BASARA HYOGOに勝利しラウンド16進出を決めた写真:新井賢一)予選リーグ3連勝でラウンド32進出を決めたバルセロナは、続いてFC BASARA HYOGO U12と対戦。前半8分にアラン・ガルシア選手のミドルシュートで先制すると、17分にもサナ選手が豪快なシュートを決めて勝負あり。後半にも1点を追加し、トーナメントに入ると一段ギアを上げる、バルサらしいエンジンのかかり具合で、ラウンド16進出を決めました。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■元興国高校・内野監督が監督を務めた街クラブ選抜の結果は......前・興國高校監督の内野智章さんが監督を務めることで注目を集めた、大和FUTURESはラウンド32で強豪・東京ヴェルディジュニアと対戦。一時は同点に追いつくなど、チーム一丸となり戦いましたが、1対4で敗戦。ラウンド16進出はなりませんでした。■バーモントカップ優勝の戸塚FCJは強力な個の力を誇るインドネシアのチームと激突(バーモントカップ優勝の戸塚FCJはインドネシアのアシアナサッカースクールと一進一退の攻防も......写真:新井賢一)強力な個の力を誇る、アシアナサッカースクール(インドネシア)は、ラウンド32で戸塚FCJと対戦。戸塚FCJは先日行われた、フットサルの全国大会『バーモントカップ』で日本一に輝いた注目チームです。試合は戸塚FCJが、小島維地太選手の豪快なゴールで先制すると、アシアナも強力な攻撃陣が食い下がり、一点を返す攻防が続きます。引き分けのまま試合は終わり、勝負の行方はPK戦へ。全員が成功したアシアナに対し、1人が失敗した戸塚FCJ。悔しい敗戦となりました。大会は明日、3日目を迎え、ベスト16が出揃いました。また下位トーナメントも行われるため、たくさんの試合が繰り広げられます。バルセロナを始めとする海外勢はもちろんのこと、日本各地から集まった強豪クラブの試合を見ることで、プレーや指導のヒントが得られることは間違いありません。入場無料なので、会場のフクダ電子スクエアに足を運んでみてはいかがでしょうか?ワールドチャレンジ20242日目の結果はこちら>>
2024年08月21日U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジで、街クラブ選抜の『大和ハウスFUTURES』を率いるのが、昨年まで興國高校サッカー部の監督を務め、毎年のようにプロを輩出してきた内野智章さんです。選手育成に定評ある内野さんに、初めてジュニア年代のチームを率いた感想をうかがいました。(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>(内野監督が選手選考の段階からかかわった大和ハウスFUTURES写真:新井賢一)<<初日結果:バルセロナは2連勝で早くも決勝トーナメント進出決めるワールドチャレンジ■初戦のシステムはレバークーゼン方式――初戦は3対0(vs.Fibra Football Club U-12)、2戦目は2対2(vs.V・ファーレン長崎)でした。選手個々の能力が高く、フィジカルもあり、これぞ選抜チームという印象でしたが、2試合を振り返ってどのような感想を持ちましたか?内野:今回、システムは3‐6‐1で、レバークーゼン方式でやっています。3バックにはスピードのある選手を選び、ウイングにはドリブルが得意な選手、センターフォワードは体の大きい選手を起用しています。すばしっこいドリブラーを中盤に固めて、自分のやりたいサッカーを実践できる選手を選んだので、かなりうまくいっています。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■選手選考では興国高校式でドリブラーを重視――個性を活かすというか、キャラクターが重要なんですね。選手選考の段階から関わったのですか?内野:はい。興國高校方式で、とにかくドリブラーを重視しました。小柄な選手は中央に、大柄な選手はサイドに配置するなど、徹底しています。――V・ファーレン長崎戦のハーフタイムでは、戦術的な立ち位置の指示もしていました。内野:相手は4‐3‐3で、うちは中盤ボックス型のダブルボランチ+2シャドーでした。相手の中盤と噛み合ってしまったので、ずらすために中盤をダイヤモンド型に変えました。――そうすると、間のポジションを取りやすくなりますね。内野:選手たちは能力も高いし、走れるので、相手の3トップに対して3バックで守りました。せっかくこの舞台に来ているので、1対1の技術も上達してほしい。そのために「カバーはいないぞ!」と伝えて、1対1で守ることを徹底しています。■バルセロナとの対戦を意識して選手選考(普段の環境と違う中で自分を出せるようになってほしいという内野監督写真:新井賢一)――大和FUTURESの選手たちは個の能力が高いので、バルセロナと試合をすると、面白いのではないかと感じました。内野:それを想定して選手を選んでいます。重視したのはスピードのある選手、ドリブルが上手い選手です。そして中盤の後ろには、賢い選手を配置しています。所属クラブでサイドバックをやっている選手がいるのですが、彼は(元ドイツ代表の)ラームのような選手になると思ったので、「君は中盤の方が合っているよ」と伝えました。すると「本当ですか?」と驚いていました。体はまだ小さいのですが、守備の感覚が素晴らしく、ボランチにコンバートしたところ、抜群の能力を発揮しています。――選抜チームの監督をする機会はなかなかないと思いますが、好きな選手を選べることについては?内野:選考した選手が思い通りに動いてくれるので、とても楽しいです。代表監督のような感覚ですね。ただイメージと違うのは、ケガとメンタル面です。今時の子どもたちなので、すぐに足が痛いとか、しんどいとか言い出します(笑)。それと、攻撃の主力にケガ人が出て、離脱してしまったのはとても残念です。彼らも悔しいと思いますが。■普段のチームとは違う環境の中で自分を出せるようになってほしい――このチームに選ばれた選手たちに、どのような経験をしてほしいですか?内野:まずはバルセロナと対戦できたらいいなと思います。それと、普段のチームとは違う環境の中で、自分を出せるようになってほしいです。それはずっと言っています。自分の考えを言わせたり、話をさせたり、感想を話したりするように促しています。あとこだわっているのは、「君たちはボールを扱うのが上手いから、ボールゲームはもうできるでしょ。この大会は海外のチームも来るし、選抜だし、ボールゲームじゃなくてボードゲームをしよう」と伝えています。――ボールゲームじゃなくてボードゲーム、ですか。内野:はい。相手を見て、攻撃も守備もどうすればいいのか。どういうふうに陣取り合戦をするのかを考えさせています。昨日も選手たちに書かせて、相手が4‐4‐2だったらどうする、4‐2‐3‐1だったらどうするかを考えさせました。その理解がとても早いのは、嬉しい誤算でした。■選手たちはポジションごとの役割についての理解がとても早い(監督がやりたいサッカーとポジションごと役割の理解が早い選手たち写真:新井賢一)――今時の子どもたちは、普段からそのような情報に接しているんでしょうか。内野:最初はみんな戸惑っていましたが、理屈が分かってきたので、飲み込みが早いです。最初にしたのは、プレーモデルの説明です。ポジションを番号で表記して、キーパーが1、スリーバックが2、3、4、ダブルボランチが5、6。ウイングが7、トップ下が8、センターフォワードが9、もう一人のトップ下が10、左ウイングが11で、番号で覚えさせました。――わかりやすいですね。内野:例えば5番はスリーバックなので、センターバックの1つ前に出たようなイメージで守備をします。6番はゲームを作るバランサーの役割。8番は攻撃的なバランサー。10番は点も取るし、アシストもするし、ドリブルもする。9番は自由に動いて点を取る。11番と7番はとにかく仕掛ける。2番はサイドバックとセンターバック。3番はセンターバックとボランチ。4番はセンターバックと左サイドバック。それぞれのポジションを数字で示して、役割を説明し、「このシステムだから、ここに優位性を持って、こういうサッカーをしたい」というのを、大会前日の練習試合で落とし込みました。その理解がめちゃくちゃ早いんです。――ピッチの中で具現化するのは難しいですが、試合を通じてチャレンジする姿が印象的でした。内野:もっとボールプレイヤーばかりなのかなと思っていたのですが、ドリブルが上手くて、すばしっこい中でも、賢さがある選手を選んでいます。能力のある選手がそろっているので、これからが楽しみです。ワールドチャレンジ2024初日の全チーム対戦結果はこちら>>
2024年08月21日U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ初戦で、FCバルセロナと対戦した、ジェフユナイテッド市原・千葉U-12。終了間際にバルセロナにゴールを決められ、0対1で敗れましたが、見事な戦いで会場を沸かせました。今大会で通算3度目のバルセロナ戦となった、ジェフ千葉の茂垣将太監督に、話をうかがいました。(取材・文:鈴木智之/写真:新井賢一)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>(堅い守備で優勝候補バルセロナを追い詰めた写真:新井賢一)<<昨年大会:バルサが決めればジェフが追いつく一進一退の好ゲームもワールドチャレンジ2日目■狙いは奪ってからのショートカウンター(ボールを奪ってからのショートカウンターを狙っていた写真:新井賢一)――今回の試合では、過去一、相手を追い詰めた印象がありました。試合を振り返って、感想をお願いします。茂垣:ある程度、我々が狙っていた展開に持ち込めたと思います。狙いは、ボールを奪ってショートカウンターを仕掛けることでした。これは例年の戦略でもあります。バルセロナの能力を考えると、現実的にそのような形になるのはしょうがないかなと思います。――茂垣さんにとって、バルセロナと3度目の対戦となりましたが、過去の経験を踏まえて、準備したことはありますか?茂垣:基本的な戦い方は毎年変わりませんが、今回は守備のオーガナイズを意識しました。失点してしまいましたが、後半は相手を抑えられたと思います。また、ボールを奪った後のカウンター攻撃については、今年は前線に能力の高い選手がいるので、それを意識しました。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■ジェフがとったバルサのサイド対策――バルセロナには、毎年サイドに速い選手がいます。そこは例年の課題だと思いますが、今回はどのような対策をしたのでしょうか?茂垣:サイドの対応は、サイドバックとセンターバックでカバーしながら行いました。うまく相手を抑えられていたと思います。DFの間をパスで割られたり、サイドをえぐられる場面もなく、大きく崩されることはほとんどありませんでした。――ショートカウンターを仕掛けるには、高い位置でボールを奪う必要がありますが、リスクもあります。その難しさについては、どう感じましたか?茂垣:初戦ということもあり、また0対0の状況が長かったので、リスクを抑えた戦い方をしました。もちろん、より積極的に攻めればチャンスは増えたかもしれませんが、逆に失点するリスクも高まっていたでしょう。実際、初めてバルサと試合をしたときは、積極的な戦い方をして、失点してしまった経験があります。今回は最後にカウンターからチャンスがあったので、そこで決められれば良かったです。ただ、シュート数で言えば、相手とそれほど変わらなかったのではないでしょうか。■バルサは試合巧者緊張感のある中でも自信をもってボールを扱えている――バルセロナとの試合を終えて、選手たちにどんなことを伝えたいですか?茂垣:去年もそうでしたが、今年も最後に一瞬の隙を突かれて失点してしまいました。相手は毎年、試合巧者というか、勝負強さを持っています。ボール保持の面では、緊張感のある環境の中で、バルセロナの選手たちは自信を持ってボールを扱えるのに対し、我々の選手たちはまだそこまでには至っていません。我々も同様のスタイルを目指しているからこそ、そこを突き詰めていく必要があると感じてました。■選手たちが自信を持って戦えるようなコーチングを心がけている(選手たちが勇気と自信をもって戦えるような声かけを心がけている写真:新井賢一)――茂垣さんの試合中のコーチングが印象的でした。選手の背中を押しつつ、的確な指示を出されていましたが、コーチングで心がけていることはありますか。茂垣:このような試合では、戦術的な指示も重要ですが、何より選手たちが勇気を持って、自信を持って戦うこと。「自分たちはできる」という思いを持ってゲームに臨むことが大切です。その上で、彼らが困っていることに対して、アドバイスを与えたいと思っています。戦術的な指示だけでは気持ちがついてこないので、メンタル的な部分も踏まえて、両方のアプローチが必要だと考えています。――過去の大会を通じて、ジェフの選手たちがボールボーイをしたりと、バルサの試合を間近で試合を見る機会があったそうですね。茂垣:はい。この試合でも、ピッチの横で応援していた選手たちは、去年出場していた中学1年生と今の4年生、5年生です。この3年間、ワールドチャレンジに参加させてもらっているので、その経験が少しずつ生きて、クラブ全体としても成長していると感じています。■元ジェフの工藤浩平さんと役割分担しながら指導している――今大会では工藤浩平さん(ジェフのアカデミー出身でトップチームまで昇格)がコーチとしてベンチに入っていました。どのような役割分担をしているのでしょうか?茂垣:私が監督で、彼がコーチという関係です。現役時代の経験を生かし、セットプレーを中心に担当しながら、チーム戦術についても的確なアドバイスをしてくれています。私が話す前に、彼が選手に声をかけてくれたり、アドバイスをしてくれるので、非常に助かっています。現役時代同様、広い視野で子どもたちに関わってくれていて、去年引退したばかりでバリバリ動けるので、トレーニングにも入ってもらっています。――バルセロナとは0対1の惜敗でしたが、2試合目以降の結果次第で決勝トーナメントで再戦の可能性もありますね。茂垣:はい。それを目指して頑張ります。ワールドチャレンジ2024初日の全チーム対戦結果はこちら>>
2024年08月20日本日U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジが開幕。千葉県のフクダ電子スクエアで行われた大会初日。暑い日差しが照りつける中、熱戦が繰り広げられました。(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>(U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2024ジェフ千葉とバルセロナが対戦)<<昨年大会はFCバルセロナが初出場のソレッソセレクトとの対戦を制し優勝■バルサは初日2勝で決勝トーナメント進出決定注目のFCバルセロナは、初戦でジェフユナイテッド千葉と対戦。ジェフの堅い守備と素早い攻守の切り替えに攻めあぐねる展開ながら、終了間際にゴールを決め、1対0で勝利しました。試合後、ジェフ千葉の茂垣将太監督は「去年もそうでしたが、今年も最後に一瞬の隙を突かれて失点してしまいました」と悔しがる一方、「守備に関してはある程度やれましたし、相手を抑えることはできたと思う」と、選手たちを称えていました。バルセロナはその後、F.C.ENFINI(岐阜)と対戦。一方的にボールを支配し、4対0で快勝。2連勝でラウンド32(=決勝トーナメント)進出に大きく前進しました。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■大和ハウスFUTURESは選抜チームと思えないコンビネーションを披露前・興國高校監督で、プロを30人以上輩出した、内野智章氏が監督を務める、大和ハウスFUTURESは、選抜チームとは思えないコンビネーションを披露。内野監督も「戦術面での飲み込みが早い」と驚くほどで、終始アグレッシブなプレーを展開し、Fibra Football Club(北海道)に3対0で勝利すると、元Jリーガーの松下年宏氏が率いる、V・ファーレン長崎に2対2の引き分け。攻撃の主力をケガで欠く厳しいチーム事情の中、1勝1分と好発進を見せました。■「ワールドチャレンジ」の名の通り、国際色豊かな大会「ワールドチャレンジ」の名前のとおり、たくさんの海外勢が参加するのも、この大会の醍醐味です。グループリーグ2試合を終えて、インドネシア・ジャカルタから来日した、アシアナサッカースクールが2連勝を達成。ミャンマーサッカー協会の選抜チーム、MyanmarU-12も1勝1分で健闘するなど、国際色豊かな対戦が繰り広げられています。大会は23日まで開催。入場無料なので、ぜひ足を運んでみてください。バルセロナの個の強さ、チームとしての完成度はもちろんのこと、各地の予選を勝ち抜き、本大会にたどり着いたチームのプレーから、たくさんの発見や学びを得られることでしょう。ワールドチャレンジ2024初日の全チーム対戦結果はこちら>>
2024年08月20日子どもが夏休みで普段より接する時間が多く、サッカーと子育てについて考えることも増える時期ではないですか?本日は、少年サッカーの保護者向け情報サイト「サカイク」で2024年1月から7月に配信した記事の中でみなさんの注目度が高かった、親からのお悩み相談記事をランキングでご紹介します。サッカーを頑張るわが子をサポートするための参考になることがたくさんありますので、記事配信当時に見逃した方も、いま一度ご覧ください。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>第3位息子は補欠。私は若いママたちのノリについていけず孤独。サッカーが苦痛です問題第3位は、チームのママたちと距離感が合ってツライという相談記事でした。スポ少のお母さんたちと年齢差があることもあり、距離を置かれていて切ない。ママ友を作る場じゃないことは分かっているけど、試合当番だと朝から同じ場にいなければならない。子どもはずっと補欠だし、話し相手になるママもいない。それなのに長時間拘束されるのが苦痛でたまらない、というご相談です。スポ少に限らず、子どもの年齢は一緒でも親は年齢差があったりすることはよくあるので、共感された方も多いのでは。島沢優子さんが授けた、親の心を軽くするアドバイスをいま一度ご覧ください。記事を読む>>第2位試合があることさえ知らされない息子が情けない。移籍したほうがいいかな問題第2位は、試合があったことをチームのインスタで知ってショックという記事。試合があったことをチームのインスタで初めて知る、ということが何度もあった。同級生は呼ばれているのに息子が呼ばれてない。親として恥ずかしいしショック。これから頑張っても試合のメンバーに選ばれないなら移籍すべき?というご相談。チームとして試合の連絡をどうするかはクラブによって違うかもしれませんが、試合があったことすら知らされない、というのは衝撃ですし気になった方が多かったようです。ショックを受けた親御さんの心を癒すアドバイスをご覧ください。記事を読む>>第1位努力もしないのに「プロになりたい」なんて気軽に言わないで!自主練もしないのに「上手くなりたい」などと言って欲しくない問題第一位は、子どものやる気、向上心についての相談記事。子どもがやりたいと言うからサッカーをさせているのに、やる気が見えないとイライラしてしまいますよね。親としては、向上心と自主性が大事であり、継続して練習を行うことが一番の上達方法だと思っている。なのに、自主練もしないし向上心もないなら気軽に「上手くなりたい」なんて言って欲しくない。という正直なお悩みに共感した親御さんが多かったようです。そんな親御さんに授けた島沢優子さんのアドバイスを改めてご覧ください。記事を読む>>いかがでしたでしょうか。これからも親御さんご自身が子どものサポートについて考えるきっかけになったり、チームがよくなるきっかけになる記事を配信していきますので、ご愛顧のほどよろしくお願いいたします。サッカー少年の親が知っておくべき「サカイク10か条」とは
2024年08月16日