久しぶりの大阪。駆け足の旅で、京都からの帰りにいくことができました。予約の電話をしたとき、苦手な食材を聞かれて、「ジビエはいかがですか?」と言われ、「そういえば、前回行ったときも、この季節だった」と懐かしくなりました。前回は、日帰りで京都の神社とお寺を可能な限り回るという強行スケジュールで、しかも、最終の新幹線で帰ることにしていたので、慌ただしいことこの上ない食事でした。白い店内は、個人的には北欧をイメージするような柔らかい空間で、オープンキッチンでシェフたちが動く姿も楽しめる、チームワークが見えて、「ここ、好き」という印象が強く残ったレストランでした。そして、昨年、ゴールデンウィーク後にリニューアルされて、前回の「ちょっとカジュアルさ」を感じたアニエルドール は、「大人のフレンチレストラン」に進化したという噂が耳に入ってきました。九州ばかり行っているので、大阪はいつも上空通過ですが、やっと、やっと、この日がきました。 はやる気持ちで、予約時間の1時間前に到着京都のホテルを出て、京都駅で京都土産を購入、東海道山陽本線から大阪駅で地下鉄に乗り換え、約1時間。カメラ2台持ち、お土産ありで、帰りに空港までのリムジンに乗るなんば駅でコインロッカーに荷物を預けて身軽になって、お店に向かいます。大阪は、いたるところにコインロッカーがあって、とても便利だなと思います。阿波座駅について、時計を見たら、12時前。予約は13時。帰りの飛行機の時間を考えると、13時だと少し厳しいなと思ったので、電話をして早く行っても良いかの確認をして、快く受けてくださって、お店に向かいました。が、絶対に迷う自信があって、ホームページでは「徒歩4分」とあるのに3倍くらいかかって、到着。暖かい週末だったので、軽く汗かきです。 このシンプルさが、とても素敵!(気をつけないと、初めていくときは、見過ごしてしまうかも)ワクワクしたながらドアを開けて、食事が始まりました。 ときめきだらけのメニュー、ビストロノミーからガストロノミーへ 軽く汗かきだったので、まず、シャンパーニュをお願いして、あとは、お料理に合わせたワインをお願いします。前回と変わっているのは、オープンキッチンから窓から覗けるキッチンになっていること。盛り付けは、そこで行われます。その窓まで、テーブルふたつを挟んでいたので、遠慮がちに遠目で拝見。美しく盛り付けられているお皿が並んでいて、本当に、ワクワクします。 まず、はじめに、揚げパン(写真奥)とビスク。熱々の揚げパンは、中に煮込んだ海老が入っていて、ビスクには海老と人参のフランが入っています。ちょっと感じたスパイスが、ヴァドゥヴァンマサラという半発酵させた、クミンに似ているスパイスということでした。 つづいて、2皿目。素揚げした湯葉、豆乳のスープにホタテと蕪のタルタル、からすみのパウダー。やさしい味です。 3皿目は、卵が登場。スーシェフが盛り付けていたのを見ていて、綺麗だなと思っていたひと皿。菊芋チップス、半熟卵、和牛のタルタル。右下にある柚子のマヨネーズソースをつけて。この柚子のマヨネーズソース、美味しかった。春が来た!みたいな綺麗なひと皿。牛肉のタルタルは、ハツが歯ごたえのアクセントになっていて、目にも、舌にも、楽しい、美味しい、美しいひと皿でした。 真っ黒なチップスに囲まれて出てきました。中を覗くと、炊いた大根の上に、カンパチ、そして、大根、チョリソー、黒オリーブのタルタルです。真っ黒なチップスは、黒オリーブのチップス。カンパチはあっさり目のイメージですが、このカンパチはふくよかな感じがして、そこに、個性的なチョリソーが味と歯応えで対応している感じでした。 そして、メインのお魚とお肉お魚は、五島のクエとホワイトアスパラ、つぼみ菜。今年初めてのホワイトアスパラ。ソースはザ・フレンチな濃厚リッチなクリームソースを、外カリ、中ふわのグリルしたクエにたっぷりつけていただきました。つぼみ菜、実は、初めて食べました。福岡産のお野菜ということで、春を感じる蕾に似た形がこの時期が旬のお野菜です。このお料理に合わせていただいたワイン、オレゴンのシャルドネ、これ以上ないペアリングでした。 そして、お肉は、小鴨。とても綺麗なお肉です。真ん中のソースはベリーのソース。綺麗に、まんまる。そして、左にあるのは、ほうれん草に包まれだ椎茸といぶりがっこの肉団子。いぶりがっこのスモーキーさが椎茸とよく合ってます。 お皿の統一感 この日のお料理は、オレンジ、黄色、白という色の統一感がとても気になりました。 そして、デザート。もう、春、がそこまできているようなキウイとピスタチオ、発酵マスカルポーネのパルフェ。 飛行機の時間を気にしながらのミニャルディーズ。 藤田晃成シェフ。大根が形を変えて何回も登場。美味しい物を美味しい時に食べる、旬をいただくことになるのですが、大阪という場所がら、庭の畑で採れたお野菜を使うというのは、難しいことであって、それでも、美味しい食材をタイムリーに手に入れるというのは、大変だと思います。でも、そこは大阪。2年前にきた時にも、シェフが、大阪の地の利を生かしてお料理をするとおっしゃってました。なんでも手に入るという経済の強さ、流通の強さがあるから、料理する、ということに集中できるのですね。食後にシェフとお話しした際、「突き詰めると、お料理がシンプルになる」とおっしゃっていたのが印象的でした。 agnel d’or(アニエルドール)住所:〒550-0005大阪府大阪市西区西本町2-4-4阿波座住宅三栄ビル1F(地下鉄中央線「阿波座」駅1番出口より徒歩4分)TEL:06-4981-1974OPEN:Lunch 12:00 - 13:15(L.O)Dinner 18:00 - 20:00(L.O)CLOSE:月曜日(Monday)、火曜日ランチ(Tuesday lunch time)
2019年02月21日