『めぐりあう時間たち』以来8年ぶりに、ニコール・キッドマンがアカデミー賞主演女優賞ノミネートを果たした渾身の一作『ラビット・ホール』が、このほど11月5日(土)に日本公開されることが決定した。原作はピュリツァー賞とトニー賞に輝いた、デヴィッド・リンゼイ=アベアーによる戯曲。ニューヨーク郊外で何不自由なく暮らす主人公、ベッカとハウイー夫妻は、幼い息子を事故で亡くし、絶望の淵にいた。息子の面影から逃げようとする妻、息子との思い出に浸る夫、同じ悲しみを分かち合いながらも、2人の関係は少しずつほころび始める。そんな中、ベッカは息子の命を奪った車を運転していた少年と遭遇し…。この原作に惚れこんだニコールは自ら映画化に奔走し、自身初のプロデュース&主演の大役を担う。そして、ごく普通の妻、母であるベッカの複雑にして起伏に富んだ感情を、リアルに表現した彼女の演技は、全米で公開されるやいなや、絶賛を浴び、本年度ゴールデン・グローブ賞(ドラマ部門)、さらに8年ぶりとなるアカデミー賞主演女優賞ノミネートを果たした。監督を務めたのは、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』(’01)で一躍その名を知らしめた、ジョン・キャメロン・ミッチェル。『ショートバス』以来4年ぶりの長編映画監督作となる。また、ベッカの夫・ハウイーを『ダークナイト』など数々の作品で存在感を際立たせる、アーロン・エッカート。息子の死をきっかけに、ほころび始める夫婦の関係、それでも決して断ち切られることのない彼らの絆が描かれていく。実は、ウディ・アレン監督作品を降板してまで本作への出演を渇望し、撮影に臨んだというニコール。ここ数年、日本でのヒット作に見放されていた感があるが、本作では彼女の女優としての新たなる開花が感じられそうだ。『ラビット・ホール』は11月5日(土)よりTOHOシネマズ シャンテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開。■関連作品:ラビット・ホール 2011年11月5日よりTOHOシネマズ シャンテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開© 2010 OP EVE 2, LLC. All rights reserved.■関連記事:コメディにスリラー、シリアスものまで…N・キッドマン 豪華俳優陣と共演
2011年08月08日アジア圏初の長編デジタル3D作品として、昨年公開された『戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH』に続き、清水崇監督がメガホンをとる3D作品『ラビット・ホラー3D』が9月8日(水)、都内のスタジオでクランクアップを迎えた。映画館で3D映画を楽しむ姉弟の前に突然、飛び出してきたウサギのぬいぐるみ。それをキャッチした弟は、夜な夜な納戸に隠された不思議な世界へと誘われる。一方、不審に思った姉・キリコがその秘密に触れたとき、神出鬼没の“ウサギ男”が襲いかかる…。物語の主人公であるキリコを演じるのは、今年最も勢いに乗る注目女優、満島ひかり。その父親役に、NHK大河ドラマ「龍馬伝」での好演も光る香川照之が起用された。取材陣に公開されたのは、満島さん演じるキリコが、幼い頃の記憶を頼りに、ためらいながらも納戸の扉を開けるシーン。忘れ去られた過去のトラウマが蘇り、ストーリーが急転する重要な場面だ。ホラー作品に初主演する満島さんは「怖いのは苦手。お化け屋敷とかあまり好きじゃないですね」。それだけに、恐怖と対峙する表情は、演技というよりは素なのかも?「すさまじくハードな日程で、まさしく、夏の悪夢のような日々でしたが、スタッフひとりひとりの力を借りて、クランクアップすることができました。完成まではまだまだ道のりがありますが、公開がとっても楽しみ」と期待を寄せる。一方の香川さんは、初めての3D体験を「毎日が新鮮でした。ショックだったのは、2Dと3Dで芝居の質が違うことを体感できたこと」とふり返る。これまで、映画とTVの“違い”は意識していなかったと言い「(3Dという)演技における新たな分野が誕生した気がします。今後、いままで意識しなかったことを、意識せざるを得ない可能性があるのでは」と不思議な戸惑いも感じている様子だ。香川さんもまた、ウサギ人間から未体験のインスピレーションを受けたのかもしれない。今回の撮影では、パナソニックが開発した一体型二眼式カメラ「AG-3DA1」が大活躍。前作で使用したカメラに比べて、速度への対応が向上したほか、二眼同時ズームが可能になったことで、ハリウッドの3D映画が苦手とするスピード感あふれる映像が実現した。3D映画本来の持ち味である“飛び出し感”も抜群。さらに、数々のウォン・カーウァイ作品や『レディ・イン・ザ・ウォーター』で知られる世界的な撮影監督、クリストファー・ドイルの参加によって、3D映像はアトラクションからアートへと昇華する。現場では、専用の3Dモニターを使って、撮影シーンが次々とチェックされていく。3Dメガネをかけながら、指示を出す清水監督の姿もさまになっている。「3Dとはいえ、飛び出しや奥行きを意識し過ぎず、恐ろしくドラマ的な世界観を作り上げるために(3D効果を)最大限に活用したい」と清水監督。前作での経験もあってか、技術面での不安はないという。また、キャスト陣について「満島さんはとてもハッキリしていて、作品を良くしようという気持ちがあふれているので、一緒に作業するのが楽しい。また、香川さんには(撮影上の)変更があっても、きっちり粛々と全てをこなしていただき、ただただ脱帽」と語ってくれた。そんな清水監督はクランクアップ後、息つくヒマもなく、ヴェネチア国際映画祭に出席。自身が審査委員長を務める「3Dコンペティション部門」のセレモニーで、『ラビット・ホラー3D』のフッテージ上映が約3分間行われる。当日は「コンペティション部門」の審査委員長であるクエンティン・タランティーノ監督も鑑賞予定だ。旬のキャスト陣×「AG-3DA1」×ドイル。この3大要素をジャパニーズホラーの覇者・清水監督が配合すると、一体どんな化学反応が“飛び出す”のか?2011年の公開が待ちきれない。■関連作品:ラビット・ホラー3D 2011年公開予定■関連記事:清水崇が満島ひかり×香川照之×大森南朋で3Dホラー再挑戦!ヴェネチアで一部を上映
2010年09月09日