その独特の世界観が熱烈な支持を集めるジム・ジャームッシュ。『ブロークン・フラワーズ』以来、4年ぶりとなる新作『リミッツ・オブ・コントロール』では、これぞジャームッシュという、夢と現実を往き来するようなシュールかつスタイリッシュな世界を構築している。本作に日本から参加し、実に20年ぶりとなるジャームッシュとのコラボレーションを果たしているのが工藤夕貴である。「ジムの前で英語で演技するのは恥ずかしかったです…」「長かったような、短かったような…複雑な心境でした」。『ミステリー・トレイン』からの20年間をこう表現する工藤さん。「ずっと会っていなかったわけではなく、機会があるたびに会ってたんですよ。でも、仕事は20年ぶりで、おまけに前作は母国語での演技だったのに、今回は英語。すごく不思議な気持ちになりました」。では、改めて今回の撮影をふり返ってみての感想は?「やりやすかったですよ。でもプレッシャーはありましたね、昔から知ってるから。ジムの前で英語で表現するっていうのが恥ずかしかったです(笑)。彼は、日本語で表現する私を知っていて、彼こそが私にきっかけを与えてくれた人で…。そういう前提がある上で、彼の言葉(英語)で表現する…全て見透かされちゃう気がして。その上で、彼がどういう風に私を見るのか?不安だったし緊張しましたよ」。工藤さんが演じるのは、コードネーム「分子」。その名の通り、“分子”について話をするわけだが…。「本当にセリフも独特で…(苦笑)。“Wait three days until you see the bread.(=パンを見つけるまで3日間待ちなさい)とか。『パン?パンてどういうこと?』とか思って辞書まで引いちゃったりして、『やっぱり、パンはパンだよな…』とか(笑)。前日に、ジムとリハーサルもやったんですが、リハそっちのけで、20年分しゃべってて…。『どうせ練習しても、分子だしね』って」。苦笑交じりにふり返るが、短い時間の中で充実した撮影を過ごしたことがうかがえる。「失敗して、学んで、強さを身につけて…最高じゃないですか!」自身の女優としてのスタイルについて尋ねると、「水のようにサラサラと流れていろんな色に染まっていきたい」とも。そこからは、年齢を重ねることを楽しんでいる様子が感じられる。「実は、二十歳の頃よりもいまの方がずっと元気だなって感じますね。農業やって、カフェ始めて、女優やって最近では歌もまた始めて…今年の初めくらいからは空手にムチャクチャはまってるんですよ!20代の頃だったら空手やるなんてこと自体、考えられなかった。若いときに失敗もして、学んで、いま、その上に立つ自分なりの強さみたいなものができて…かつ楽しむっていうエネルギーを持ってて。最高じゃないですか(笑)!」インタビューを通じて、何度も口をついて出たのは「楽しむ」という言葉。強さとしなやかさを併せ持った彼女の姿は、きっと同じ世代の女性たちにとっても憧れ、励みとなるはず。まずは、この映画で、分子についてサラリと語る彼女の姿に注目!■関連作品:リミッツ・オブ・コントロール 2009年9月19日よりシネマライズほか全国にて公開© 2008 PointBlank Films Inc. All Rights Reserved.■関連記事:ジャームッシュの世界『リミッツ・オブ・コントロール』試写会に20組40名様ご招待
2009年09月17日孤児院での生活から兵士を相手にするナイトクラブでの歌い手、そして田舎の仕立て屋でのお針子としての生活を経て、世界の「シャネル」を一代で立ち上げた天才デザイナー、ココ・シャネル。彼女の知られざる前半生に焦点を当てた『ココ・アヴァン・シャネル』がまもなく公開を迎える。これに先立ち、シャネルを演じたオドレイ・トトゥが来日!9月7日(月)にオドレイが出席してのジャパン・プレミアイベントが開催された。黒いスーツワンピース姿で登場したオドレイ。赤いカーペットが敷きつめられた階段を降りてくる彼女を報道陣はフラッシュの嵐で迎えた。オドレイは集まったファンに「ようこそお越しくださいました。これが4度目の来日となりますが、来るたびに嬉しい気持ちでいっぱいになります。みんなで楽しみながら撮った映画ですので、ぜひ楽しんでください」と呼びかけた。伝説のデザイナーの役を演じたことについては「これまでも何度かシャネル役のオファーはありましたが、この作品ではこれまで明かされることのなかった彼女の若き日の物語が描かれるということで、出演を決めました」と明かした。この日は、スペシャルゲストとして先日、「国民的美少女」グランプリに輝いた工藤綾乃とアナウンサーの内田恭子も登場。工藤さんはオドレイに「シャネルは恋にも仕事にも一生懸命ですが、その点についてどう思いますか?」と質問。するとオドレイは「シャネルは何人分もの人生を歩んでいた人物です。仕事も一生懸命でしたが、恋をすれば彼女は仕事のペースが落ちてしまうんですね。そんなところが人間的な部分だと思いました」と答えた。さらに内田さんが日本人の女性の魅力について尋ねると、オドレイは「日本の女性はとても魅力的。男性につき従うばかりでなく、自立していて美しいと思います」と笑顔で語った。『ココ・アヴァン・シャネル』は9月18日(金)より全国にて公開。■関連作品:ココ・アヴァン・シャネル 2009年9月18日より全国にて公開© Haut et Court - Cine@ - Warnerbros. Ent. France et France 2 Cinema■関連記事:生まれ変わりたい女優は誰?「MTV」オリジナル携帯ストラップを10名様プレゼントファッション小噺vol.109王道の伝記&ピグマリオン精神に見る“シャネル”ファッション小噺vol.108現役ミューズが演じる“シャネル”伝説世紀のデザイナーを熱演オドレイ「知られざるシャネルの喜びや悲しみを伝えたい」オドレイ・トトゥ&シャーリー・マクレーンそれぞれのシャネルが映す女の生きざま
2009年09月08日