第29回東京国際映画祭のコンペティション部門出品作『雪女』の記者会見が28日、東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、監督・主演の杉野希妃をはじめ、青木崇高、山口まゆ、佐野史郎が登壇した。同作は、小泉八雲原作『怪談』の一編である「雪女」を新たな解釈のもと、杉野希妃監督が映画化した作品。杉野監督自らタイトルロールの雪女=ユキを演じ、主人公の巳之吉を青木崇高が演じる。杉野監督は「クラシックな作品でありながら現代を意識したモダンな雰囲気も入れ、新しい雪女を作れたのではないかと自負しています」と自信。「私たちに見えてないものはたくさんあり、そういう目に見えないもの、つかみどころのないものを大切にしながらこの映画を作ったので、私が意図していないものがたくさん映っているんじゃないかと思います」と話した。そして、監督と主演の両立について、「演じているときはモニターは見られないので、カットをかけたあとにモニターまで走って確認する作業は、自分にとって一つの試練だった」と回顧。「現場では常に監督としていたんですが、私という他人・杉野希妃の演技を私が判断する…自分でダメ出しするのは、客観性が求められるものだった」と言い、「大変でしたし鍛えられた」と振り返った。一緒に演じている側も、監督が主演も務めていることで苦労する点があったようで、青木は笑いながら「受けている方も大変なんです」と告白。「カットがかかると、ユキだと思っていた人が監督に。そして戻ってきて、またユキだと思ってやらないといけない」と言い、「こっちも鍛えられるというか、集中力のいる現場だった」と明かした。さらに、「監督でありプロデューサーであり主演であり、そして映画祭にも貪欲に発表していく才能」と杉野監督を称え、「この人と仕事をやりたかったので、一緒にできてうれしく思います」と感慨深げに語った。同作が2作目の長編映画出演となった山口も、杉野監督について「人としてすごい尊敬でき、私が目指している女優としても尊敬できる」と話し、「とても勉強になった作品でした」としみじみ。10年ほど小泉八雲作品の朗読も行っているという佐野は、「『雪女』とは関わりが深い」と作品との強い結びつきを説明し、現場での監督とのやりとりを振り返りながら「濃密な時間を過ごさせていただきました」と語った。『雪女』は、2017年3月4日より全国順次公開。
2016年10月28日女優の杉野希妃が主演を務め、長編作として初めてメガホンも取る映画『マンガ肉と僕』(2月11日先行、13日より全国公開)のメイキング映像が公開され、劇中で演じる太った女子大生・熊堀サトミの特殊メイクの過程が2日、明らかになった。原作は、朝香式氏による同名小説。気弱で引っ込み思案の青年・ワタベ(三浦貴大)は、大学になじめず孤独な日々を送っている。一方、同大学のサトミは、太ったみすぼらしいルックスから、周囲の嘲笑を受ける存在。自然に接してくれる唯一の存在・ワタベの優しさにつけ込んだ、サトミはワタベの自宅に転がり込んで寄生し支配していく。ワタベとサトミ、そしてワタベが好意を寄せる菜子(徳永えり)やさやか(ちすん)らとの歪んだ恋愛模様を映す。杉野が"男に抗うために太る女"サトミになるために、特殊メイクにかけた時間は3時間。映像の冒頭では、杉野が「ああいう役(サトミ)自体が初めてだし、すごいチャレンジングなのでワクワクしてたんですよ。わー楽しみって思ってたんですけど」と初の挑戦を前に意欲を語る姿が映される。一方で、特殊メイクは6時間かかるという話も聞いた杉野は「監督もしながら体力持つのかな…」という感情もあったと吐露。それでも「やってみて私って本当はタフなのかも」との思いに至ったことを明かしながら笑みを浮かべる。また、杉野の語りと同時に特殊メイクは進んでいく。最初こそ細身の"杉野"だが、特別な皮膚の素材を貼り付け、アイメイクも施されていく内に、その姿は"サトミ"に。中盤からは本編映像も流れ、杉野とは程遠い、みすぼらしく厚顔無恥な女性・サトミの姿が披露される。(C)吉本興業
2016年02月02日