「文章なんて書けない」「文章を書くのは嫌い」と思っている人でも、たった40分で小説が書けてしまうというのが、『たった40分で誰でも必ず小説が書ける「超ショートショート講座」』(田丸雅智著、キノブックス)。著者は、若手ショートショート作家の田丸雅智さん。新世代を担うショートショートの旗手として活躍中です。本書は、田丸さんが小学生から年配者までを対象に実施している「ショートショートの書き方講座」を一冊にまとめたもの。文章に縁がなかった人も、作文嫌いの人も、田丸式メゾットのワークを行えば、たった40分で小説が書けるといいます。著者の田丸さんに、ショートショート創作の秘訣と、そのワークによって磨かれる能力について聞いてみました。■ショートショートは短くて不思議な物語ショートショートとは、一般的定義では原稿用紙20枚程度以下。新鮮なアイデア、完全な筋書き、意外な結末の3つの条件を満たしていることが条件で、田丸さんはそれを「短くて不思議な物語」だと表現します。さらに、「『構想はあるけれど小説は書いたことがない』という声をよく耳にします。小説を書くことはハードルが高いようですが、そんなことはありません。作文を書く際には『書かないといけない』という意識が働きますが、ショートショートならなにを書いても自由。書きたいという衝動に基づきワクワクしながら書いていると、いつの間にか文章になるのです」と、田丸さんはいいます。こうしたメソッドに従って書くと、40分で小説がつくることができるというのです。そんなショートショートの書き方は次のとおり。【事前ワーク】制限時間7分[1]名詞を探して書く(3分)太陽・タコ・発電・傘など、なんでも思いつく名詞を20個記入。[2]名詞から思いつくことを書く(4分)最初に書いた名詞からひとつを選び、その言葉から思いつくことを書きます。(「太陽」の場合、「ぽかぽかする」「発電に使える」「夕焼け」など)■ショートショート創作の「3ステップ」いよいよ書き方の実践。次の3つのステップに従って書いていきます。【ステップ1】制限時間5分:不思議な言葉を作る「発電に使えるタコ」や「ぽかぽかする傘」など、日常では耳にしないような言葉を考えます。事前ワークで書いた名詞と思いつくことを組み合わせてつくります。【ステップ2】制限時間8分:不思議な言葉から想像を広げるステップ1で作った不思議な言葉から1つを選び、「それはどんなものなのか」説明します。次に「それは、どこで、どんな時にどんないいことがあるか」、また「どこで、どんな時にどんな悪いことがあるのか」と、メリット、デメリットを書きます。【ステップ3】制限時間20分:想像したことを短い文章にまとめるここまで書いた内容をまとめれば、超ショートショートの完成です。所要時間は40分、文章は短くても長くてもOK、その文章がいいか悪いかも関係なし。■ショートショートで磨かれる4つの能力田丸さんの実施する講座は、仲間と見せ合いセッションしながらワークを行います。「人と言葉などを見せ合い、意見を論じ合うことが大事なのです。人のアイデアや発想を知ることで、自分の作品への相乗効果をもたらすからです」そして40分で書き上げた超ショートショート作品を膨らませて、少し長い文章にも挑戦していきます。ここまで行くと、小説を書くことも夢じゃないですよね。田丸さんは「このプチ成功体験で、作文が苦手な人でも文章が書けるという創作の楽しみを味わってほしい。体験を通して、自分が表現したいという欲求から文章力はどんどんついていきます」とおっしゃいます。このショートショート創作のワークを継続して行うことで、(1)文章力、(2)発想力、(3)論理的思考力、(4)コミュニケーション力の4つの能力が磨かれるともいいます。また、「ワークでは、アイデアを考えて広げる発想力と、考えたことの整合性を合わせて論じる論理的思考力の2つの力が同時に問われます。いいかえると、発想をつかさどる右脳と論理をつかさどる左脳が、ワークをしている間フル回転しているわけで、脳のトレーニングにもなるのです」とも。さらに、コミュニケーション力の強化にもつながると強調します。「書いたことを人に伝えること、また何人かとワークをし、アイデアを出し合ってセッションすること、この2つでコミュニケーション力が磨かれます。よってビジネスシーンにも応用することが可能です。広報や企画、開発に携わる方は、このメソッドを活用してみてほしいですね」(田丸さん)*ショートショート講座のワークは、言葉遊びの感覚で自由に楽しくできるのが魅力です。アイデアの考案からまとめて文章にするまで、40分とは短いようですが、制限時間の中で一生懸命考えるからできてしまうのです。普段は使わない頭を活用するのも健康面でいいのでしょう。講座の終了後は、「まるで私の頭じゃないみたい」「こんなに簡単に書けるなんて」という驚きの声が上がっています。名詞を書き出し、そこから不思議な言葉を発想するところなどは、仕事場で革新的なアイデアを考案するときにも役立ちそうです。物語を書きたい人、アイデア不足に嘆く人は、手に取ってみてはいかがでしょう。(文/森美奈) 【取材協力】※田丸雅智・・・1987年、愛媛県生まれ。東京大学工学部、同大学院工学系研究科卒。2011年12月『物語のルミナリエ』(光文社)に「桜」が掲載され作家デビュー。12年3月には、樹立社ショートショートコンテストで「海酒」が最優秀賞受賞。新世代ショートショートの旗手として精力的に活動している。主な著書に、『海色の壜』(出版芸術社)、『ショートショート・マルシェ』(光文社)、『日替わりオフィス』(幻冬舎)などがある。 【参考】※田丸雅智(2015)『たった40分で誰でも必ず小説が書ける「超ショートショート講座」』キノブックス
2016年02月29日私たちの時間は有限です。たった1分でも、時間を無駄にしたくないものですよね。そのためには、1分でなにができるか、世の中でなにが起きているのかを知ることが大切。そこで今回は『Mirror』の記事を参考に、1分間に自分と世界に起きていることをまとめてみました!■1:人間の1分1分間に、呼吸は何回できると思いますか?実は健康な大人なら、20回は呼吸できます。ちなみに新生児の方が多く、最高は60回です。同じようにまばたきも、1分間で最高20回行っています。目の表面を潤わせるために、無意識で行っている行為なのです。話すスピードは人によって異なりますが、私たちは平均150~160語/分(早口な人は180)で話すことができます。ただし原稿などが事前に準備されているとしたら、もっと多く話せるでしょう。■2:世界の1分世界のどこかで、1分間に105人が死に絶えています。そして世界で1分間に生まれる250人のうち、113人は貧しい環境下にいます。■3:食べ物の1分イギリスでは、毎分360食ものサンドイッチが消費されています。しかし消費される食べものが多ければ、廃棄量も膨大。毎分、16,666切れものパンが捨てられています。加えてパンだけではなく、ミルクやジャガイモも大量に廃棄されています。またタバコも、世界中で毎分1,000万本が販売されています。イギリスの500,000人の喫煙者は、すでに電子タバコにスイッチしたそうなのですが……。■4:飲みものについての1分さらに驚きなのが飲みもの。スターバックスとコスタカフェのユーザー、お茶好きな人々が集まるイギリスでは、毎分114,583杯もお茶やコーヒーが飲まれています。そのうち48,611杯は豆から挽いたコーヒーです。そして、お酒好きの多いイギリスでは、1分間で14841杯のビールと13,923杯のワインが飲まれているという衝撃の調査結果が発表されました。つまり、イギリスでは毎分£30,000(=約580万円)ものお金がアルコールに費やされているのです。■5:インターネットの1分世界中で、1分間に204通の電子メールが送信されています。Facebook上では毎分1,800万の「いいね!」がやりとりされ、Twitterでは1分間に278,000件ツイートされています。■6:趣味の1分本は、世界中で毎分15冊出版されています。平均的な人は、300語/分で読み進めていますから、多くの本のなかからほんの一部しか手に取れないということになります。写真については、世界中で毎分722,504ものシャッターが切られ記録されています。最近はSNSにアップする場合も含め、ほとんどが自撮りのようですが……。■7:恋愛の1分次は幸せな話題を。プレゼントは、毎分150,184個も贈られています。数字を見る限り、私たちは思ったよりも気前がいいのかもしれませんね。そして世界中では、毎分59組のカップルが結婚式を行っています。なお、毎分58機の飛行機が異なる目的地に向かって飛び立っているので、ハネムーンの行き先に困ることはなさそうです。■8:動物の1分ロンドンでは、毎分66匹のネズミが生まれます。ハチドリは4,200回翼をはばたかせ、心臓は最高1,260回鼓動しています。キツツキは、1分につき最高1,200回木をつつきます。同じ時間でナマケモノは2メートル動きますが、これはカメにも完敗してしまうスピードです。■9:地球の1分稲妻は毎分300回も地球を襲っていますし、地震は毎分5回も起きています。ただし、そのほとんどが太平洋の海の奥底や僻地で起こっているため、大々的なニュースにはならないのです。アマゾン熱帯多雨林では2000年から、毎分約2,000本の木が切り倒されています。そして、まさに同じとき、50個ものフットボール競技場が建設されています。ナイアガラの滝では、夏は毎分約1億8,300リットルが流れ落ち、冬は約1億220万リットルが流れ落ちています。■10:宇宙の1分国際宇宙ステーションでは、毎分地球の軌道をおよそ46.5キロメートル回ります。地球自体は、分速1,800キロメートル程度の速さで回転しています。ものすごいスピードのように感じられますが、太陽系はもっと高速です。というのも、1分で銀河系のまわりを14,000キロメートルも動いているのです。*「1分間」についての時間感覚は、人によっても、その時々によっても変わります。いま自分が感じている1分と、世界で消費されている1分、動物界の1分など、それらはすべて「異なる1分」です。こういった事実を知ると、時間を大切にしたくなるはず。「たかが1分」と考えず、有意義な時間を過ごすようにしていきましょう。(文/和州太郎)【参考】※It only takes a minute: What can you pack into 60 seconds?-Mirror
2015年07月30日