「ストレスや精神的不安をリフレッシュする方法の一つに、ウォーキングがあります」というのは糖尿病専門医で大阪府内科医会会長の福田正博先生。『専門医が教える糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書)の著書があり、ウォーキングと疾病についての研究を続けておられる先生に、ウォーキングが心身に与える影響について話をお聞きしました。■緊張した心身には、有酸素運動を精神的な不安があるとき、少し走ったり階段を上ったりしただけで息がハアハアと上がることはありませんか。福田先生は、「心臓の鼓動が大きい、速い、のどが詰まった感じがする。そんなときは自覚がなくても、ストレスがかかっている兆候です」と話します。また、福田先生は、「不安や緊張が続く状態では、もともとの病気が悪化し、また病気を発症する可能性が高くなります。このような状況のときこそ、心身をケアするために、ウォーキング、ヨガ、ピラティス、ラジオ体操など、手軽にいつでも実行できる有酸素運動を行いましょう。なかでも、年齢、世代を問わずに日常的な動作で継続できるという点で、ウォーキングをおすすめします」と言います。有酸素運動とは、十分な呼吸をしながら酸素を体に取り入れて行う運動のこと。福田先生は、「『ウォーキングをすると、自律神経の働きも整い、気分的な落ち込みを防ぐ』ということが分かっています。私の臨床例から、継続することでストレスに強くなるという結果もあります」と伝えます。■「1回5分のこまぎれウォーキング」でOKウォーキングというと、「1日1万歩」、「1回20分以上」を歩かないと効果がないなどとよく言われますが、精神的不安などで部屋にひきこもりがちな人はどうすればいいのでしょうか。福田先生は、「まず、『1日1万歩を歩かないと効果がない』というのは間違いです。5分歩いただけでも脂肪が燃えることが分かっているんです。不安な心でじっとしていると血流が悪くなるばかりなので、短時間のこまぎれウォーキングでも屋内ウォーキングでも、可能な範囲で歩いて、『血行がよくなったな』と感じることが大切です」とアドバイスをします。■いつでもどこででもできる屋内ウォーキング屋外でウォーキングができる状況ではない場合や、雪、雨、寒すぎる、暑すぎるときに実践したい「屋内ウォーキング」の方法を、福田先生に伝授していただきました。1.その場ゆっくりウォーキング精神的疲労が強い人、体調が悪い人は猫背になっています。まず、背筋を伸ばしてまっすぐに立ち、その場で深呼吸をしながらウォーキングを行います。そして、手を振って足を上げ、太ももと床が平行になった状態で2秒キープし、静かにゆっくりと足を下ろします。これを左右20回ずつ、その日の体力に応じて2~3セットを行います。2.ステップウォーキング背筋を伸ばしてまっすぐに立ち、前、後、右、左、後、左、前、とできる範囲で軽いステップを踏みます。スペースがある場合は、3歩前へ、3歩後ろへ、2歩左へ、2歩右へなど、いろいろとアレンジしてください。1分を1セットとして、2~5セットを行います。3.階段ウォーキング階段があれば、ゆっくりと体力に応じて昇り降りをします。一番下の段だけを利用する方法もあります。踏み台昇降の要領で、片足ずつ段に上がり、両足が上がったらまた片方ずつ降ります。これはけっこう体力を使います。2分もすると息が上がってくることも。体力に応じて、1分を1セットとして2~5セット。4.寝て自転車こぎウォーキング床にあおむけになり、自転車をこぐ要領で足を左右交互に上に押し出します。腕は体の脇に置いて力を抜き、足首とひざは90度にします。左右20~50回を1セットとして2~5セット。これはひざや腰に負担が少なく、リハビリに用いられる運動の一つです。5.ヒップウォーキング床に座り、足を前に出して腕を振りながらお尻で前へ5歩、後ろへ5歩、移動します。場所がなければ、1~2歩ずつの前進と後進を繰り返します。これは腹筋や骨盤まわりの筋肉をも使い、運動不足でとどこおりがちなそけい部(足のつけ根)のリンパの流れを促します。「これらは、全部をする必要はありません。気分に応じて体力次第で、できる方法からはじめてください。けっこう、筋肉に効いているのが分かるはずです」と福田先生。また、屋内ウォーキングを行うときの注意点として、福田先生は次のことを述べます。●1セットをしたら、手足を揺らすなどして1分~3分の休憩をはさむ●壁や周囲の物に手足をぶつけないように●フローリングの部屋では、厚めの靴下をはくなどして足をガードする●すべらないように足の裏にストッパーがついているソックスがおすすめ●階下や近所の迷惑にならないよう、足の上げ下げは静かに行う。それでこそ、筋肉に働きかける効果がある●運動前後はできるだけストレッチを行う不安で頭を抱えているよりも、少しでも歩くほうが心も体も健全な方向へ動いていく。体に酸素を取り込んで全身の血流を促すウォーキングは心身の疲労回復に適していて、屋内でもすぐに始められる方法がある――。周囲のストレスフルな人たちにもすすめながら、文字通り、1歩ずつ前進したいと思います。監修:福田正博氏。大阪府内科医会会長。「ふくだクリニック」(大阪市西淀川区。院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書の『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書780円)、『専門医が教える糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書756円)が話題です。(阪河朝美/ユンブル)【関連リンク】【コラム】専門医の教え。重要なのは「順番」食べ順変えるだけダイエット!【コラム】健康を守る!地震発生後に気をつけること【コラム】ピラティス式。プチパニックを癒やすための5つの方法
2011年04月01日「歩く」ことから健康づくりを応援する協会けんぽ愛媛支部が、ウォーキング応援サイト「てくてく四国へんろ道」を11月8日よりオープンするという。歩いた歩数登録で”へんろ巡り”を体感、加入者は無料四国へんろ道とは、四国八十八ヶ所の霊場間をつなぐ巡礼者が歩く道のこと。しかし実際に四国八十八ヶ所巡礼を行うのは、いろいろな準備や体力作りなどがあって大変なため、このWebサイトでは、歩いた歩数を登録するだけで簡単に四国八十八ヶ所を体感できるようになっている。四国1周約1,300キロの完歩を目指す内容で、全国の協会けんぽ加入者(中小企業従業員とその家族:約3,500万人)が無料で利用できる。下記のように、歩数に応じてポイントがたまりクイズに正解するとボーナスが加算されたり、グループ参加での趣向があるなど、楽しめる形が用意されているが、同支部では体調や天候に合わせ、無理せずウォーキングを楽しんで欲しいとしている。Webサイトの特色•ウォーキングのプロが監修。ウォーキングに関することを質問できる!(監修者)忠政啓文氏;健康運動指導士•歩数登録で到達点や目標が一目でわかる!•あなたのBMIに応じたキャラクターが出現!•グループ作りやポイントランキング形式で楽しく参加!•健康クイズに挑戦してポイントUP!•カロリーチェックやグラフで健康管理ができる!•運動療法や食事レシピの紹介あり!なおWebサイトへの参加方法は、「てくてく四国へんろ道」サイトから会員登録(無料)して行う形となっており、詳細は同支部のサイトに記載されているので、参照を。
2010年11月10日