切れ味が落ちた包丁は食材をうまく切れず、思わずイライラしてしまうことも少なくありません。かといって本格的に研ぐのは時間がなくて、そのままズルズルとやり過ごしてしまいがちです。そんな時にはシャープナーで手軽なメンテナンスをしてみませんか。簡易シャープナーで切れ味を取り戻す切れ味が悪い包丁は、思った通りの調理ができないうえに、うっかり手指を切った時に怪我が深くなりがちです。できれば、切れ味はキープしておきたいもの。とはいえ、いつでも包丁を砥石で研ぎ、買いたてのような切れ味を保つのは難しいですよね。時間がかかりそうな砥石より、もっと手軽にできる方法はないものでしょうか。暮らしに役立つ製品をリリースしているライオン Lidea(lidea_lion)が、そんな時に役立つ簡易シャープナーを使ったメンテナンス方法を教えてくれました。シャープナーにはいろいろな種類がありますが、中には包丁のメンテナンス用に作られたものがあります。砥石で研ぐよりも短時間で効果が出るため、忙しい人でも手軽にできますよ。シャープナーは複数の溝があり、溝の中には小さな砥石が設置されています。溝ごとに砥石の粗さが異なっているため、「粗く研ぐ」「薄く整える」「なめらかに仕上げる」の3ステップで使い分けましょう。メンテナンスの3ステップ1.刃先を削って粗く研ぐシャープナーの右端の溝(もっとも粗い砥石)に包丁を垂直に差し込み、手前へ向かって10回ほど軽い力で引いてください。刃元から先端部が砥石に密着するように意識しましょう。2.刃を薄くし、切れ味をアップさせるその隣の溝へ垂直に包丁を差し込み、1と同様に手前へ向かって10回ほど軽い力で引きます。3.刃をなめらかにする最後に左端(もっともなめらかな砥石)の溝へ垂直に包丁を差し込み、手前に5回ほど引けば完了です。手順はたったの3ステップで、使うアイテムは1つだけの簡易メンテナンスですが、瞬間的に切れ味を復活させる方法です。「最近、切れ味が悪いな…」と感じたら、サッと試してみてください。ライオン Lideaによると、本来は砥石で研ぐほうが切れ味を持続させやすいのだそう。簡易シャープナーは砥石ほど切れ味が持続しないものの、「切れ味が悪い」と感じた時にすぐ状態を改善できることがメリットですね。シャープナーは数多く販売されており、包丁メーカーも製造しています。値段も比較的リーズナブルなものもあるので、ご予算に合うものを選べるでしょう。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る ライオン Lidea - リディア(@lidea_lion)がシェアした投稿 [文・構成/grape編集部]
2024年01月12日買ったばかりで切れ味が良かったステンレス包丁も、1ヶ月も使い続ければ切れ味が格段に落ちてしまうもの。「一度研いで切れ味を元に戻したいけど、包丁研ぎってなんか難しそう」そう思ってはいませんか?実は、包丁研ぎは簡単な作業で誰でもできるものなのです。切れなくなってきたとしても、新しい包丁を買わずに、まずは研いでみましょう!■ステンレス包丁の特徴ステンレス包丁を使っているという方はかなり多いことでしょう。「サビない」「丈夫」で知られるステンレス包丁ですが、それでも使っていけば切れ味が落ちてきてしまうものです。まずはステンレス包丁の持つ特徴についてご紹介します。ステンレス包丁は、ほかの素材の包丁とは圧倒的に違う特徴を持っています。特性を知ることで、どれくらいの頻度で研げばいいのかも分かってきますよ。 ・丈夫で欠けにくいステンレス包丁の特徴は、なんといっても「丈夫で欠けにくい」ことです。ステンレス包丁は今や、世界の標準的な包丁としての地位を築くほどのシェアを誇っています。みんながこれほどにステンレス包丁を選ぶのは「丈夫で長持ちするから」といえるでしょう。昔から、包丁のメンテナンスは家庭の悩みの種でした。しかしステンレス包丁はほかの包丁に比べて、メンテナンスが格段に楽なのです。なぜ楽なのかというと「刃持ちがいい」からです。刃持ちがいいということは、つまり切れ味が落ちにくいということです。その分、包丁を研ぐときは時間がかかりますが、包丁研ぎをする頻度はほかの包丁よりも圧倒的に少なく済むのです。 ・サビにくい包丁の天敵は「サビ」です。食材を切ったり、水洗いする包丁は、キッチンでも一番水に触れている調理器具と言えます。使ったあとにしっかりと水気を拭き取ってあげないとすぐに錆びてしまいますし、高い湿気にも弱い…案外包丁ってデリケートな道具なのです。しかし、ステンレス包丁はサビにくいという特性を持っています。ある程度雑に扱っても、ステンレス包丁ならすぐにサビてしまう心配がありません。また、サビは衛生的にもよくないので、サビにくいステンレス包丁は衛生面で見てもとてもおすすめです。 ・1か月に1~2回の頻度で研ぐとよいでは、ステンレス包丁は、どれくらいの頻度で研げばいいのでしょうか。ステンレス包丁は、おおよそ月に1回から2回程度の頻度で十分機能してくれます。先ほども説明した通り、ステンレス包丁は「丈夫で刃持ちがいい」という特徴を持っていることが功を奏していますね。なので、一日使った程度で切れ味が落ちることはありません。硬い食材をたくさん切っていればその限りではありませんが、日常の料理に使う程度であればたまに研いであげるくらいで丁度いいです。■ステンレス包丁にはどんな研ぎ方がある?包丁研ぎはプロがやるイメージがあって難しそうに思いますよね。けれど実はそんなことはありません。一般的な砥石を使った研ぎ方でも案外簡単。さらに最近ではシャープナーなどの研ぎ器が100均でも売られており、誰でも簡単に包丁研ぎができます。包丁研ぎに使う道具は大きく分けて「研ぎ器」「砥石」の2種類に分類されます。そのほか、陶器の底面を使って研ぐことも可能です。それぞれで使い勝手や効果の持続性などが大きく違ってくるので、自分に合った道具を使いましょう。 ・研ぎ器のメリット・デメリットまずは「研ぎ器」です。研ぎ器にはたくさんの種類があり、どんどん新しいタイプのものがでてきているという特徴があります。シャープナータイプのものや、電動式の研ぎ器、研ぎ棒などが主要でよく使われています。一般的な家庭ではシャープナーを使っていることが多く、電動式や研ぎ棒は、レストランでプロの方が使うことが多いです。研ぎ器のメリットは、なんといっても「技術が要らない」という点です。誰でも簡単に包丁研ぎができるので、初心者の方にとてもおすすめといえます。しかしデメリットとして、砥石と比べて切れ味が持続しにくいという点があります。 ・砥石のメリット・デメリット最もメジャーな「砥石」は、一般家庭でなく、レストランなどのプロのコックが使う道具というイメージが強いです。しかしステンレス包丁を研ぐ場合は難易度がグッと下がります。詳しい研ぎ方は下記で説明していきますね。砥石を使うことのメリットは「切れ味が持続しやすい」「技術が上がれば高い切れ味を実現できる」点にあります。デメリットを挙げるとすると「ほかの包丁だと技術が要る」ことでしょう。 ・陶器のメリット・デメリット実は陶器の裏の平らな部分を使って包丁を研ぐことができます。いちいち砥石や研ぎ器を購入するほど切れ味を気にしないという方にはおすすめです。ただ、陶器を使った包丁研ぎは、応急処置のようなもので、陶器だけでしっかりと切れ味が戻ることはありません。一瞬だけ鋭い切れ味が欲しい、というときに使うのがよいでしょう。陶器のメリットは「即席で研ぐことができる」点です。しかし「切れ味が持続しない」というデメリットがあるので、シャープナーや砥石があるならそちらを使う方がおすすめです。■ステンレス包丁の研ぎ方【研ぎ器】実際に、シャープナーを使ったステンレス包丁の研ぎ方をご紹介します。シャープナーは使い方が簡単で初心者向けです。操作もとても簡単で、即席で研ぐことも可能。「料理にそこまでこだわらないけど包丁は切れる方がいい」というくらいの方におてもおすすめのアイテムです。 ・用意するもの用意するものはとてもシンプル。シャープナーステンレス包丁布巾これだけです。シャープナーにもさまざまなタイプがありますが、ステンレス包丁を研ぐなら「万能包丁タイプ」がおすすめです。 ・研ぎ器を水でぬらす砥石でもシャープナーでも、研ぎ器を水で濡らすのはとても大事な工程です。乾燥した研ぎ器は、包丁の滑りが悪くなるため刃こぼれの原因になります。水に浸けるか、水で濡らしてから使うようにしましょう。 ・包丁を差し込む研ぎ器を濡らしたら、包丁を差し込みましょう。入れるポイントは、包丁の根本がしっかりおさまる所です。このあと、奥から手前に引いて包丁を研いでいきます。なので、しっかりと根本まで研ぎ器にセットしましょう。 ・奥から手前に引く通常、砥石を使った研ぎ方では、奥に押す動作と、手前に引く動作があります。しかしシャープナーなどの研ぎ器では、基本的に手前に引く動作しかしません。研ぎ器に包丁をセットしたら、奥から手前に引いて研ぎましょう。家庭用のステンレス包丁は、先が曲線のように鋭くなっています。刃先を研ぐ場合は、持ち手を少しだけ上げて、刃先がちゃんと研ぎ器に当たるようにしてあげましょう。■ステンレス包丁の研ぎ方【砥石】砥石を使ったオーソドックスな包丁の研ぎ方をご紹介します。ステンレス包丁は、ほかの包丁の材質よりも固い素材でできているので、研ぐ時間は少し長め。大体5分程度を目安にするとよいでしょう。 ・用意するもの砥石ステンレス包丁布巾2枚布巾1枚は砥石の滑り止め用に、もう1枚は研いだあとに包丁を拭き取るのに使います。 ・砥石を水に浸す砥石は水に浸けて水分を含ませておく必要があります。浸け時間は砥石の大きさにもよりますが、一般的なサイズの砥石なら大体20分程度浸しておけば十分です。砥石が十分に水を含んでいるかは、水から引き揚げたときに、砥石表面がすぐに乾くかどうかで判断します。表面がすぐに乾いてカラカラになってしまうようであれば、まだ十分に水を含んでいないサインです。水から上げたときもちゃんとしっとりとしている状態にしましょう。 ・表面を研ぐ包丁の刃の部分を手前にして、刃の部分を砥石にぴったりくっつけます。このとき、刃がついていない部分と砥石との隙間を、10円玉2枚から3枚分にキープするのが上手に研ぐポイントです。これ以上隙間を広くすると、切れ味がかえって悪くなってしまいます。逆に狭すぎると、今度は刃の部分まで浮いてしまって、いつまで経っても研げません。持ち手は、片手は柄の部分をしっかり握って、親指だけ、包丁の根本に添えます。もう片方の手は、人差し指と中指を、包丁の刃先よりちょっと手前の部分を押さえておきましょう。こうすると安定します。それでは実際に研いでいきましょう。先ほどの10円玉2枚から3枚分の角度をキープして、包丁の前後に動かします。このとき、心地よい「シュッシュ」という爽やかな金属音が鳴っていれば、きちんと刃が研げている証拠です。力加減は「押す動作を少し強く、引く動作は少し優しく」がポイント。 ・裏面を研ぐ一般的な万能包丁型のステンレス包丁は「両刃」といって、両面に刃がついているタイプです。なので、表と裏、両面を均等に研ぐ必要があります。裏面を研ぐときも、表面を研ぐときと要領は変わりません。ただ、表面を研いだときと同じ回数、時間で研いであげるようにしましょう。包丁を研ぐときは、包丁の刃全体を、バランスよく研いであげるのがポイントです。ステンレスの万能包丁は、刃元から刃先にかけて、ゆっくり曲線を描くような広い刃渡りになっています。なので研ぐときは、刃先、刃のお腹、刃元の3つに分けて研ぎましょう。刃先を研ぐ回数は一番多く、刃元を研ぐ回数は一番少なくするのが大切。「刃先10回→刃のお腹5回→刃元3回」の倍数で研いでいくと、元のかたちをキープしやすいです。 ・布巾で拭いて乾燥させる研ぎ終わったあとの包丁には「かえり」と呼ばれる、バリのようなものがついています。最後に刃全体を、何回か奥から優しく引いてあげて、この「かえり」をとってしまいましょう。これで研ぐ動作は完了です。研いだあとの包丁には、砥石くずがたくさんついているので、洗剤で洗いましょう。キレイに洗ったら、乾いた布巾で水分を拭き取って、終わりです。 ・使い終わった砥石は水洗いして陰干しする使ったあとの砥石も、水洗いして陰干ししておきましょう。そのままだと残った水分からカビが発生する恐れがあります。どこか涼しい場所に立てかけてしっかりと乾燥させるのが大切です。 ・砥石で研ぐと切れ味が長持ちする砥石で研いだ包丁は、シャープナーよりも切れ味が長持ちします。というのも、シャープナーや陶器、そのほかの研ぎ器は、どちらかというと「切れ味の応急処置」に近い道具。すぐに切れ味が戻りますが長持ちはしません。砥石を使った包丁研ぎは、これから長く愛用していくつもりの包丁におすすめです。■ステンレス包丁の研ぎ方【陶器】陶器を使ったステンレス包丁の研ぎ方は至ってシンプルなのが特徴です。陶器での包丁研ぎは「研ぐ」というよりは「応急措置」のようなものと思った方がよいでしょう。ここでは自宅にある陶器を使ったステンレス包丁の研ぎ方をご紹介します。 ・用意するものマグカップや茶わんなどの陶器包丁用意する陶器は、底面がザラザラした糸底を持っているものがおすすめ。陶器は包丁をあててもズレないようにしっかりと固定しておきましょう。 ・包丁を当て手前に引く陶器を逆さにして固定し、包丁の刃先をあてて研いでいきます。要領はシャープナーを使うときと同じで、根本から手前に引くようにして研ぎます。このとき、包丁をあまり立て過ぎないようにすると失敗しません。角度は、砥石のときと同じ、10円玉2枚から3枚くらいの隙間が丁度いいです。 ・陶器と包丁を洗う陶器での包丁研ぎは応急処置のようなものなので、何分も研ぐ必要はありません。大体30秒から1分くらい研げば十分。研ぎ終わった陶器と包丁はスポンジで洗ってキレイにしておきましょう。■ステンレス包丁を長く使うコツ最近では100均でもステンレス包丁が売られており、切れ味が悪くなったらすぐに買い換えるという方も少なくないでしょう。しかし長い目で見ると、少しいいステンレス包丁を買って、研いで使い続ける方が実はコスパがいいのです。ここでは、購入したステンレス包丁を少しでも長く使っていくためのコツを伝授します。 ・冷凍した食材は解凍してから切るステンレス包丁は丈夫ですが、刃が薄いため、硬い食材を切るのには不向きです。冷凍のお肉や野菜などを切る場合、半解凍か完全解凍した状態で切るようにしましょう。それでも硬い食材を切る場合は、出刃包丁などの「刃が厚い包丁」を使うのがおすすめです。刃の薄い包丁は切れ味が高い分、刃こぼれしやすいという特徴を持っています。 ・魚の骨を切る場合は出刃包丁を使う魚を一匹さばいて料理するときは、ステンレス包丁は使わないようにしましょう。真鯛やスズキ、ブリなどの骨が大きくて固い魚は、刃こぼれの原因になります。そのような大型魚は出刃包丁を使うのがベター。しかし、サンマやイワシ、アジなどのサイズが小さくて骨が柔らかい魚なら大丈夫です。 ・洗ったあとは水分をよく拭き取るサビにくいステンレス包丁といえど、絶対にサビつかないわけではありません。包丁に残った水分はサビの原因になるほか、雑菌の温床にもなります。包丁を使い終わったら、洗剤で洗って、乾いた布巾で水分をしっかりと拭き取ってからしまいましょう。 ・刃に水分がついた状態でほかの金属に触れさせない刃に水分が残ったまま、ほかの金属類と触れさせると、サビが進行しやすくなります。金属同士を密着させた状態では、水分が飛びにくく、そのまま残りやすくなってしまいます。なので結果として早いスピードでサビが進行してしまうのです。しっかり水分を拭き取り、乾燥させましょう。■上手なメンテナンスでステンレス包丁を長く使っていこう!切れ味が鋭い包丁は便利な反面、ケガをしやすいので、むしろ敬遠している方もいるかもしれません。しかし、切れ味が悪い包丁も、同じくらい怖いものです。切れ味が悪いと、食材を切るときに力をいれないといけない場合があります。手を滑らせてしまうと、いくら切れ味が悪くても、人間の肌は切れてしまうかもしれません…。やはり、包丁は適度なメンテナンスが必要です。とても鋭い包丁でなくても、ある程度切れ味が確保できていればいいという方は、自宅でできる研ぎ方を実践してみてください。それでも満足できない方のみ、プロに依頼するのが一番ではないでしょうか。食材の切り方で料理の味が変わるとも言われますので、包丁のメンテナンスも適度に行いましょう!
2021年03月28日トマトや鶏肉の皮が切れにくく感じたら、それは包丁が「研いでほしい」とあなたに訴えかけているサインかもしれません。どんなにいい包丁でも使っているうちに劣化してしまいます。しかし、きちんと研いであげることで、切れ味は復活させられるんです。研ぐのに必要なアイテムや使い方のコツなどをまとめてご紹介するので参考にしてみてくださいね。■包丁研ぎに使う道具の特徴包丁は研ぐためには道具が必要です。それぞれ特徴が違うので、自分に合ったものを選びましょう。・砥石包丁研ぐための道具としてはもっともポピュラーなのが、砥石です。時間をかけてしっかり研げば、切れ味もよくなり、その持続性も高いのが特徴です。砥石には、石の荒さで分けた種類があり、本来なら2〜3種類を使って仕上げます。しかし、家庭で研ぐなら両面が異なる荒さでできたそれ一つで研げる砥石もおすすめです。片刃、両刃ともに研ぐことができます。・シャープナー使うのにコツは必要ですが、収納場所も取らず、使いたいときにサッと手軽に研げるのがシャープナーの特徴です。砥石でできたV字の溝に刃を当てて、手前に引くようにスライドさせて研ぎます。ただ注意したいのは、基本的に包丁を研ぐことができるのは砥石だけです。シャープナーは、一時的に切れ味を鋭くするだけで持続性はなく、結局は砥石で研がなければなりません。固い素材でできた包丁にも向いていません。・電動シャープナーさらにもっと手軽に研げるのが、電動シャープナーです。仕組みは手動のものとほぼ同じで、違うのは刃が当たる部分が自動で回転するところ。刃を何度もスライドさせる必要がないので、手早く研ぐことができます。ただ、手動のものと比べると本体価格はやや高め。サイズも大ぶりなものが多いので、収納場所も考えて選びましょう。・研ぎ棒包丁に着いた肉の脂などを落として、切れ味をよくする研ぎ棒は、プロ用の道具です。使うにはコツが必要で、研ぐ角度が重要です。元々は、ヨーロッパの習慣で、ステンレスなど硬度の低い包丁には適していますが、ハガネなどでできた和包丁には向いていません。基本的に、こちらもシャープナー同様一時的に切れ味をよくするものだとお考えください。■包丁の研ぎ方【砥石編】包丁は、刃のかたちが2タイプあります。それぞれで研ぎ方が異なるので、ご自身の包丁がどちらのタイプなのかまずはチェックしましょう。それがわかったら、手順を踏んで研いでいきます。もし、動きがわかりにくければ、動画サイトなどで調べてみてください。・用意しておくもの砥石で包丁を研ぐのに最低限必要なものは、以下のとおりです。砥石濡れ布巾桶新聞紙まず、桶に水を入れて、砥石を水にしっかり浸しましょう。砥石には目には見えないほど細かな穴が無数に空いていて、その穴から水を吸います。おおよそ20分程度浸せば、砥石の色が変わるので、それが浸水準備OKの合図です。砥石を濡らすのは、包丁のすべりをよくするためです。濡れ布巾を敷き、その上に砥石を置いて、砥石が動いてしまうのを防ぎましょう。新聞紙は、さいごの仕上げに使います。筒状になるように丸めておいてください。・研ぎ方の手順~洋包丁(両刃)編~刃の部分が左右対象でV字になっているものが両刃です。両刃包丁は、おもに西洋料理で使われる包丁で、包丁自体の重みで押し切るようにして食材を切ります。硬い食材もザクッとパワフルに切れる包丁です。「三徳包丁」や「牛刀」などがこれにあたります。両刃包丁を研ぐ手順包丁を置く角度は、砥石に対して45度です。刃を自分の方に向けて、包丁の持ち手をしっかり握り、反対の手の指で軽く刃を押さえます。峰の部分(刃先の反対側)を少し浮かせて、角度をつけて刃を砥石に当てます。浮かせる幅は、15度程度で10円玉2枚分くらいです。その角度を保ちつつ、前後に刃を20回程度すべらせます。刃先から刃元の順に3〜4ヶ所に分けて各20回程度ずつ研ぎ、表が終われば、つぎは裏も同じように研ぎます。そのときの包丁を置く角度は、砥石に対して90度です。裏も刃先から研いでいきます。さいごに、新聞紙の筒を研いだ刃全体で引くように3回切って「かえり」をとります。「かえり」とは、包丁を研いだときにできるひっかかりです。これをしっかり取り除かないと切れません。・研ぎ方の手順~和包丁(片刃)編~刃の部分が左右非対称で「レ」のようなかたちになってるものが片刃です。片刃包丁は、おもに日本料理で使われる包丁で、その代表的なものが「刺身包丁」や「出刃包丁」です。薄いものや柔らかいものを切るのに適していて、刃全体を使って手前にすべらせるように引いて食材を切ります。片刃包丁を研ぐ手順包丁を置く角度は、砥石に対して45度です。刃を自分の方に向けて、包丁の持ち手をしっかり握り、反対の手の指で軽く刃を押さえます。峰の部分はほぼ浮かせず、刃が砥石に密着するような角度で前後に刃を20回程度すべらせます。刃先から刃元の順に3〜4ヶ所に分けて各20回程度ずつ研ぎ、表が終われば、つぎは裏も研ぎます。片刃の場合の裏は、表の1割程度の回数で終わりです。包丁を置く角度は、砥石に対して90度で峰は浮かせません。裏も刃先から研いでいきます。さいごに、新聞紙の筒を研いだ刃全体で引くように切ってかえりをとります。・研ぎ方のコツ両刃も片刃も研ぐときは、前に押し出すときに力を入れて、後に引くときは力を抜きます。裏を研ぐときは、その反対です。そして、もっとも重要なのが、刃が砥石に当たる角度を一定に保つことです。しかし、これが初心者にはとても難しいので、心配なひとは峰に装着して寝かせる角度を一定に保つことができる「研ぎホルダー」という便利グッズを活用してみてください。・砥石のメンテナンスと保管方法包丁と同じく、砥石も消耗品です。使っていくうちにすり減り、中央がくぼんでいきます。表面が平らでないと包丁はうまく研げません。砥石もメンテナンスしましょう。砥石がいびつにすり減ったら、専用の修正砥石やコンクリートブロックを使って、「面直し」をします。平らにしたい面をこすって、表面をもとの平らな状態に戻します。また、研ぎ終わったら、必ず水でよく洗い、しっかりと乾かしてから風通しのよい場所で保管しましょう。・ナイフの研ぎ方との違いは?ナイフの研ぎ方は、基本的に両刃包丁の研ぎ方と同じです。しかし、ナイフは包丁より刃渡りが短いので、前後に往復させて研ごうとするとグラついてしまいます。なので、ナイフを研ぐさいは、前に押すのみの1アクションで研ぐようにしましょう。果実包丁なんかの短い包丁を研ぐときもこの方法が向いています。■包丁の研ぎ方【シャープナー編】砥石の次はシャプナーで研ぐ方法をご紹介します。しかし、前述でもご紹介したとおり、シャープナーは切れ味が戻るのは一時的です。シャープナーで研ぐ手順濡れ布巾を平らなところに敷き、そのうえにシャープナーを置きます。溝の部分に包丁の刃を差し込み5〜10回引くように動かすと、両面の刃が均等に研がれます。さいごに、かえりをとります。うまく研ぐコツは、あごから刃先が垂直に砥石部分に当たるようにすることです。シャープナーには、ロール式や交差式などの種類があったり、そもそも製品ごとで使用方法は違ったりするので、手持ちのシャープナーの使用説明書をよく読んでから研ぎましょう。・電動シャープナーの場合基本的に普通のジャープナーと場合と同じです。しかし、電動であれば、より早く少ない回数引くだけで研ぎ終わります。■砥石が無い時の包丁の研ぎ方砥石もシャープナーもないけど包丁を研ぎたいという方に朗報です。特別な道具がなくとも一般のご家庭のキッチンにあるもので切れ味がアップするという裏技もあります! 急に包丁の切れ味が悪くなってしまったときの応急処置にもおすすめです。・アルミホイル丸めたアルミホイルを包丁で切る。手順はたったこれだけです。この方法は「構成刃先」という現象を利用しています。アルミホイルの切り屑が、ガタガタだった包丁の刃に付着して、コーテイングしたようなイメージです。なので、実際には研いでいるわけではないことに注意。元の刃は刃こぼれしたままなので、付着したアルミホイルの屑が取れれば、またすぐに切れ味は悪くなってしまいます。・茶碗の底面茶碗などの器を裏返すと「糸底」と呼ばれる丸い淵が立ち上がっていますよね。そのザラザラしたところを刃を当てて研ぐこともできます。包丁に合った角度で刃を糸底に当て、ゆっくり手前に引くように一方方向のみに動かします。しかし、やはりこのやり方も残念ながら切れ味の持続性は見込めません。■包丁研ぎに『砥石』がおすすめなワケいろいろな道具や方法があるとわかったところですが、やはりおすすめしたいのは砥石で研ぐ方法です。使えなくなったからといって捨ててしまうのはもったいない、気にいったものを長く使い続けたい。なら、正しい方法でしっかりメンテナンスしてあげましょう。包丁の正しいメンテナンスには砥石が不可欠です。・100均の包丁の切れ味も復活?!100円ショップの包丁なんて切れなくて当たり前に思っていませんでしたか? じつは、そうでもないんです。安価な包丁でも正しい方法で研ぐと、格段に切れ味は上がります。なんだかお得な気分ですね。ただ、安価な包丁は高級なものと比べると硬さがなく、切れ味を保つためには研ぐ頻度を高くしなければならないのが手間です。・割らなければずっと使える砥石は、一度買えば数年から十数年以上使い続けることができます。ものの良し悪しはありますが、割らなければ比較的長い年数使うことができる代物といえます。割らないためにも、落としたり転がしたりぶつけたりしないように気をつけましょう。・プロが研ぎ方を教えてくれる教室がある身近に包丁が研げるひとがいればいいですが、そうじゃないひとも多いでしょう。動画を見てもよくわからない、自分なりにしっかり研いでるつもりだけど切れ味が戻らない。そんなひとは、一度プロの手を借りてみるのも手かもしれません。インターネットで探すとプロが直々に研ぎ方を教えてくれるプログラムがいくつも紹介されています。こういうのは最初が肝心で、変な手癖がつくまえにプロに習うというのも一つの手です。・「シャープナー」は刃先を傷める前述でも再三言っていますが、シャープナーなどの砥石以外で研ぐ方法は、その場凌ぎにすぎません。結局は砥石で研がなければなりません。しかも、シャープナーは刃の表面をギザギザにして引っかかりをつくることで切れるようにしているため、刃にはダメージが大きいんです。シャープナーで研いだ刃は、強度が落ちやすく割れや欠けが起こりやすいといえるでしょう。・どんな包丁にも使える?自分で角度を変えて研げる砥石は、両刃包丁にも片刃包丁にも使えます。しかし、唯一セラミック素材の包丁には使用できません。そもそもセラミック包丁は切れ味が落ちにくいのが特徴ですので、問題ありませんが、もし、セラミックの包丁を研ぎたい場合は専用の砥石やシャープナーを購入するかプロに頼む必要があります。■包丁の固さと種類で決める【砥石の選び方】砥石には「人造砥石」と「天然砥石」の2種類があります。人造砥石は、ホームセンターやスーパーなどで手に入る一般的な砥石です。天然砥石は、自然の岩層などから発掘してつくる非常に希少なものでとても高価なものです。家庭用で使うなら人造砥石で十分でしょう。また、人造砥石は研磨剤を固めて作った石で、研磨剤の荒さは「#(メッシュ)」という単位で数値化されており、それによって大まかに3種類に分類することができます。それぞれで用途が違うので、購入するさいはしっかり確認してからにしましょう。・荒砥石(#120〜#600)刃が欠けてしまったときなどに使う荒い砥石です。なので、出番はこの中で一番少なめといえるでしょう。・中砥石(#900〜#2000)切れ味が悪くなったときに使う砥石です。家庭で研ぐなら中砥石だけでも十分研ぐことができます。また、刃こぼれしてしまったときに、荒砥石で研いだあとその傷を消すのにも使われます。・仕上げ砥石(#3000〜)名前のとおりおもに研ぎの仕上げに使用する砥石です。中砥石で研いだ刃を仕上げ砥石でさらに研ぐことで、より切れ味が鋭くなります。また、超仕上げ砥石(#6000〜)というものもありますが、これは一般的に刀などの仕上げに用いられるものです。ですが、包丁にも有効で、ほとんど新品のように仕上げることも可能です。■研ぎ続けても切れ味長持ちな包丁とは包丁の素材は、おもにハガネ、ステンレス、セラミックの3種類です。それぞれに特徴があり、ハガネは研ぎやすくて切れ味は抜群だけどサビるおそれがあり、ステンレスは自分で研ぐこともできてサビも出にくいです。また、セラミックは、そもそも研ぐ必要がなく手入れ不要でサビの心配もいりませんが、硬い食材を切ると刃が欠けることがあります。それぞれのメリット・デメリットを踏まえたうえで、自分に合った包丁を選びましょう。・『良い包丁の条件』を満たした包丁を用意良い包丁といってもそれはひとそれぞれ基準が違うと思います。しかし、ここでは日々メンテナンスがしやすくて、よく切れる包丁が良い包丁と仮定しましょう。メンテナンスしやすいというのは、研ぎやすいということです。しっかりと作られた包丁は、少しの時間と手間で研ぐことができます。自分で研げるのなら、ハガネかステンレスがいいでしょう。包丁の質はおおむね値段に比例するので、無理のない範囲でお高めの包丁を買うのもいい選択です。・切れ味で食材の味が変わる切れ味が悪いと、切るときに変な力が加わり、思わぬ怪我にもつながります。また、それだけでなく切れ味が悪いと食材の細胞の壁が傷つき、切り口からうまみ成分が流れ出してしまう原因になるので、切れない包丁で調理するのは百害あって一利なしといえるでしょう。・用途で砥石とシャープナーを使い分けまず、砥石とシャープナーはまったくの別物として考えましょう。包丁は砥石で研がないかぎり劣化します。しかし、忙しいと毎回砥石で研ぐのはハードルが高いですよね。なので、サッと研ぎたいときにはシャープナーを使い、月に1回くらいの目やすで砥石で研ぐというのもおすすめな使い方です。便利な道具を使ってストレスフリーに気分よく料理を楽しむことも大切です。■切れる包丁があれば料理も楽しい!道具さえ揃えられれば、案外砥石で包丁を研ぐのは難しくありません。まずは、肩の力を抜いて挑戦してみましょう。練習あるのみです! 基本的な研ぎ方がマスターできれば、いまよりもっと料理が楽しくなること間違いなしです。自分でメンテナンスをしたお気に入りの道具で、おいしいごはんを作りましょう。
2021年03月10日