山本耕史が主演するミュージカル『メンフィス』の製作発表会見が11月2日、都内にて行われた。ブロードウェイで初演され、2010年トニー賞では4冠に輝き、日本では2015年に初演した名作の待望の再演。登壇は山本のほか、濱田めぐみ、ジェロ、米倉利紀、伊礼彼方。ミュージカル『メンフィス』チケット情報物語は、1950年代のアメリカ・メンフィスで、当時タブーとされていた黒人音楽であるブルースを、ラジオやTV番組で紹介した実在の白人ラジオDJデューイ・フィリップス(このミュージカルではヒューイ・カルフーン)の半生を描いたもの。人種の壁、人種差別といった当時のアメリカ社会をとりまく問題とともに、その壁を乗り越え愛し合う男女の姿を描いていく。ボン・ジョヴィのデヴィッド・ブライアンが手がけた音楽のパワフルさも特徴だ。前回に続き、ヒューイを山本耕史、彼が恋に落ちる黒人歌手フェリシアを濱田めぐみという鉄壁の布陣で贈る。「初演から2年半。でもその時から、また再会できる作品なんじゃないかなと思っていたので、叶って嬉しい」と山本。ふたりはこの初演が初共演だったが、濱田が「私のフェリシアは耕史さんのヒューイがあって出来上がった」と話すように、息の合ったコンビっぷりが評判だった。さらに濱田は、山本のことを「とにかく、天才なんです。お芝居の呼吸も、ご自身の芝居をちゃんとやっていながら相手の芝居もわかっている。感覚、直感、インスピレーション……その瞬間に受け取るものが具体的で的確。今まで色々な方とお芝居しましたが、感覚の凄さはもしかしたら一番かもしれない」と絶賛。それに対し山本が「僕、誕生日が10月31日なんです。“テンサイ”なんです(笑)」と応え場を和ませたところにも、よい関係性が見てとれる。また今回は、山本が主演のみならず、演出も手がけるのも話題。山本によると「基本的には(初演から)全然変わる。空間的にガラっと変えちゃうので、全然違います。前は抽象的でしたが、今回はリアルに寄せていきたい。シャープに描ければ」とのこと。演出家・山本耕史については共演者から厚い信頼を寄せられているようで、「耕史さんについていけば間違いないと思っている」(濱田)、「僕たちを信頼してくれて、僕たちを遊ばせてもくれるから楽しい」(伊礼)等々の言葉が語られた。伊礼が「ネタバレになっちゃうので具体的には言えないけれど、山本さんの頭の中にある構成は、日本初(の試み)なんじゃないか」と振ったところ、山本から「演出的には初めてのことかも。スタッフは大変だと思いますが。イメージとしては…“お客さんに劇場を移動してもらう”ような感じ。二度楽しい、じゃないですが」と気になる発言も飛び出した。新しく生まれ変わる『メンフィス』、ぜひ実際にその目で見届けて欲しい。公演は12月2日(土)から17日(日)まで、東京・新国立劇場 中劇場にて。チケットは発売中。
2017年11月06日山本耕史、濱田めぐみらが出演するブロードウェイミュージカル『メンフィス』が1月30日、東京・赤坂ACTシアターで開幕した。音楽をボン・ジョヴィのデヴィッド・ブライアンが手掛け、2010年トニー賞では4冠に輝いた名作。日本ではこれが初演となる。ミュージカル『メンフィス』チケット情報物語は1950年代メンフィスが舞台。音楽好きの冴えない無職の白人青年・ヒューイは、黒人オーナーの経営するクラブで黒人歌手フェリシアの歌声を聴き、恋に落ちる。彼女や、その仲間たちが歌う音楽に惚れこんだヒューイはやがてラジオ局にDJとして就職、白人社会ではタブーとされていた黒人音楽を流した。彼の番組は大反響となり、次第に黒人音楽は受け入れられていく。フェリシアも歌手として評判を得て、ふたりは恋心を募らせていくが、それでもやはり白人と黒人の恋は世間には受け入れてもらえず……。音楽の力が異文化を繋ぐ…というのは、ミュージカルというジャンルが得意とする王道のストーリー。だがデヴィッド・ブライアンによるソウルフルな楽曲群が、新鮮さと力強さを運ぶ。そしてなんといっても、肝となる音楽をパンチのきいた歌唱で響かせたキャスト陣が素晴らしい。ヒューイ役の山本耕史は異文化の相手の懐にもいつの間にかもぐりこむ愛嬌と、色気ある歌声が良い。さらにフェリシア役の濱田めぐみの歌声は聴く者を恋に落ちさせるパワーがあり、黒人音楽を広めたいというヒューイの熱の原動力になる説得力が見事に生まれていた。ジェロ、吉原光夫らの歌声も力強く、まさに黒人音楽の特徴である自由さと楽しさをキャストたちが体現している。初日前日の29日には山本と濱田が取材に応じ、「テーマはとても重たいですし、なかなか日本で人種問題をテーマをした作品をやるのは難しい。ただ現代の音楽と50年代の音楽のコラボレーションがとても躍動感があって、音楽を聴いているだけでもとても楽しめるものになっています」(山本)、「作品が求めているテーマが深い反面、ロックなどの音楽がうまく交わり、調和されていて無理な違和感がない」(濱田)とそれぞれアピール。カッコいい音楽にパワフルな歌声が乗る珠玉のミュージカル、お見逃しなく。公演は2月10日(火)まで同劇場にて。その後2月20日(金)から22日(日)まで、福岡・キャナルシティ劇場でも上演される。チケットは発売中。
2015年02月03日