お笑いコンビ・千鳥の大悟が、5日(23:30~24:00)に放送されたフジテレビ系バラエティ番組『全力!脱力タイムズ』(レギュラーは毎週金曜23:00~23:30)に出演したものの、終始タレントで歌手のDAIGOとして振る舞うように強要される災難にあった。この日の放送は、スタッフがDAIGOと間違えて大悟にオファーを出してしまったということで、冒頭から、メインキャスターのアリタ哲平(有田哲平)が「今回は完全にわれわれのキャスティングミスです」と謝罪。岸博幸、吉川美代子ら全力解説員たちが、北川景子との結婚祝いプレゼントを用意していたり、VTRで「この後スタジオでDAIGOが北川景子の魅力を語る!」と盛り上げてしまったりと、事前の予定が大きく狂うことになってしまった。そこで、アリタは「あの方法しかないのかな」と思いつき、大悟に、DAIGO仕様のカツラとグローブを装着するよう指示。おなじみのDAI語も強要され、大悟は「寝る前に北川景子はどんなお肌ケアをしてる?」との質問に「KPN(=キュウリ パック ぬりぬり)です」、「北川景子が使っているシャンプーを教えて?」には「OT(=大手)です」と、次々に回答していった。そして、エンディングでは、DAIGOが結婚披露宴で披露した「KSK」を熱唱することに。この歌を知らない大悟は、出演者全員が失笑する中、アドリブと勘で何とか乗り切ったが、どうしようもない空気にたまらず「二度と呼ぶな!」と言い放ち、スタジオを後にした。
2016年08月06日お笑いコンビ・千鳥が、テレビ東京系バラエティ番組『NEO決戦バラエティ- 「キングちゃん」』(7月18日スタート 毎週月曜25:00~)で、東京キー局初MCを務めることが、このほどわかった。同番組は、芸人たちがオリジナル競技で芸能界で生き抜くスキルを競い合い、新しい王者=キングちゃんを生み出す。第1回目は「エキストラプロデュース王」としてエキストラとペアを組み、面白い人にプロデュースできるかを対決。また、第2回目の放送では、嫌われ芸人たちが「メンタル強い王」を目指す。関西を中心に活躍する千鳥の2人。ツッコミのノブは「第1回目は千鳥を紹介するコーナーだったり、千鳥のなじみのメンバーとトー クとかそういうのかと思ったら、いきなりゴリゴリの企画で始まって(笑)。びっくりしましたけど、楽しかったです」と収録を振り返った。ボケの大悟は「ゲストで来てもらう方にすごく負担がある番組だなぁと(笑)」と番組の印象を語る。そして「今日はドランクさんがきてくれてドランクさ んがうまくやってくれたのでよかったんですけど、今後下を向いて帰るゲストもいるんじゃないかとちょっと思いました(笑)」と今後のゲストの負担を心配した。テレビ東京の佐久間宣行プロデューサーは「急に枠がもらえて面白いことができそうだとなった際に、スタッフ皆で誰でやりたいって話をして、真っ先に名前が出てきたのが千鳥でした。それだけでもうワクワクしました」と赤裸々に内実を明かす。「ネタを作りこむタイプの番組じゃなくて、千鳥をはじめとする芸人の皆さんが現場で楽しみながら奇跡を起こす、そんな番組にしたいです」と抱負を語った。(C)テレビ東京
2016年07月18日惜しみない手間と時間をかけて黄八丈の比類なき染織は生み出される。絶海の島で与えられた自然を受け止め、知恵と技が織りなす美しい黄八丈が生まれる理由とは。八丈島で黄八丈の工房を営む、山下さんご夫婦へのインタビュー後編。ー少し話は変わりますが、海外では黄八丈にどのような反応があるのでしょうか。フランスで「天然染料顔料会議」という天然の草木染に関する世界的な会議があります。誉さんと夫婦で参加したのですが、その時、着物でパリの地下鉄に乗りました。その地下鉄で一緒になった男の子に、一緒にいたおばあちゃんが私の着物を指差して「これが着物だよ」って教えてあげてたんです。そしたら、その男の子が眼をまんまるにして「ジャポネ?」って聞いたの。だから私も「ウィ」って答えたんだけど、その続きがフランス語で話せなくて…。もし、その子に「これは草や木の皮で染めたのよ」って話せたら、その子が興味を持ってくれたかもしれないなと思うと、すごく悔しかったですね。良さをきちんと語り伝えていくことは大切なことなので。ー海外でも草木染めはありますが、日本の草木染とは違いがあるのでしょうか。海外の草木染は、普通の化学染料みたいに木のチップからエキスを抽出して染料にします。日本の草木染めのようにコトコト煮出す手法とは違いますね。それに、海外では洋服を染めるから、洗濯もするし、痛んだら捨ててしまうということもあります。でも、日本の場合は着物を染めているから、大事に次の代、次の代へと継いでいくことを考えているでしょ。だから、染めの技法一つとっても、海外の染めとは違いますね。ー黄八丈の草木染めの技術や、細やかな織りの技術もそうですし、日本にある素晴らしい文化を海外にも伝えていけたら素敵ですね。それに、きちんと伝えることができたら、海外の方こそ良さを認めてくれる時代ですよね。本当にそう思います。海外の方に、黄八丈が作られる工程をお伝えすると、心底驚いてくれます。毎年10月の最終日曜日に「銀座で黄八」という黄八丈を着て銀座の街を歩くイベントを行っているのですが、銀座には外国人の方も多いですし、みなさん注目してくださいます。ー先程、天蚕(てんさん)という天然の蚕から紡いだ糸だけで染織されたお着物を拝見させて頂きました。透き通った青みがかったグリーンが綺麗ですね。とても、一つの素材から作られたとは思えない程、奥行きがあり表情があり、記憶に鮮明に残る色柄です。天蚕は外にいるでしょ、だから鳥が近くを通ったりすると糸を吐く口を1度止めてしまいます。それから、また違うところから糸を吐くので、あんなに大きな繭なのに、あまり糸がとれないんです。糸を紡ぐときに、長く引っ張れないので、手間もかかります。染めに至っても、天蚕で色をのせるには30回近く染めの作業を繰り返さなくてはいけません。ー糸はなかなか紡げない、量も取れない、さらには染めにも手がかかる。そんな手間暇をかけてでも、天蚕で染織をされるのはなぜでしょう。もともと黄八丈では15回、20回とか染めているので、それが30回になっても大して変わらないというのもありますね。天蚕は染まらないって、昔から言われているけど、それは普段1回で染めている人が思っていること。普段1回で染めている人に、30回染めろと言っても出来ないの。確かに、手間はかかるし、染まりにくいけど、染めの回数を重ねれば染まるのよ。ーその手数の多さをいとわないからこそ、黄八丈にしか生み出せない美しい色柄があるんですね。それでも、面倒に思ってしまうことはないんでしょうか。(少し考えてから)…苦になることはないですね。苦にならない。結局、好きなんですよね。もし、面倒で手のかかる糸だったら「私が織らなくてどうする」っていう気持ちになります(笑)。ー誉さんも、毎日ことこと草木で糸を染め、天日に干すという工程を繰り返されています。染めに使う草木を育て、刈り取り、毎日新しい染料で染めていく。さらには媒染のための灰汁などもすべて手作業で行っているのですよね。私達がやっていることは、全然高度な技術ではないから、よい加減でやっています。あとは出たとこ勝負ということもあります。自然との作業なので、偶然の産物も多いですよ。とにかく、手を動かしてやってみることなんです。ーなるほど。芙美子さん、織りも同じなのでしょうか。織もそうですね。やりたいと思った表現があったら、せっせと織りを計算してやる。それは苦にならないですね。いろいろと織ってみれば、いろんな表情を出してくれる。与えられたものを受け止め、創意工夫を重ねていく。それが黄八丈なんです。【編集後記】今日も八丈島に、黄八丈を織る音が響いているのだろう。染織の技術も去ることながら、絶海の島で与えられた自然を受け止め、先人からの技と心を受け継ぐことで生まれた黄八丈。その美しさを眼の前にすると、ただただその奥深さに引き込まれてしまう。本物がもつ力強さと品格がそこにある。「黄八丈めゆ工房」では、随時見学を受け付けてくれる。ぜひ、あの場所で天日に揺れる絹糸の醸し出す香りに触れ、織機から響く力強い響きを感じて欲しい。【黄八丈めゆ工房】東京都八丈島八丈町中之郷2542電話:04996-7-0411前編に戻る。
2015年10月03日黄八丈は、八丈島の自然、そして歴史が深く刻まれた染織である。その唯一無二の美しさ故、黄八丈は長らく内地への貢物として品質を厳しく管理されていた。貢物の歴史は室町時代にまで遡り、江戸時代には幕府から八丈島に役人が遣わされていた程だ。東京湾から南に287キロ。飛行機でわずか50分のところに位置する八丈島。太古の昔、二つの海底火山が噴火により一つになったというひょうたん型のこの島に、黄八丈は息づく。古くから「染織は中之郷」と評されていたその土地に、黄八丈の工房「黄八丈めゆ工房」はある。長い歴史と伝統の技を持つ黄八丈に革新的な意匠と、卓越した技術で織りなされた黄八丈を作る山下芙美子さん、誉さんご夫婦を「黄八丈めゆ工房」に訪ねた。ー黄八丈は、八丈島にある素材を使って染められているそうですね。はい、黄八丈には「カリヤス」という草で染め上げた鮮やかな山吹色の黄染。島に自生する「マダミ」の樹皮で染め上げる山桃が熟した時のような色合いの樺染。椎の樹皮を2~3年枯らしたものを煎じて染め上げる黒染めの三色しかありません。どの染めにも、八丈島で採れる素材を使っています。ー僅か三色から織られているとは思えない程、豊かな色彩と柄に感心しました。柳悦孝先生が「黄八丈はわずか三色である。三色しかないことでこなせる。それが、素晴らしい」とかつてお話下さいました。実際、染めの過程で出てくる中間色も使いますが、色としては三つの系統です。三色の濃淡でも、表現は無限にあると感じています。藍染めも絣(かすり)もない染織は、日本に数ある染織の中でも黄八丈だけなのですが、私は黄八丈にその藍染めと絣がなかったことが一番良かったと思っています。黄八丈には直線しかないし、色も三色しかない。すごく制約があるんです。伝統工芸会などに行くと、「三色しかないし、大変でしょ。絣もないし」よく言われますが、私は「ないのが幸せです」って、いつも答えています(笑)。ー「ないことがいい」というのは、与えられた自然の中に生きる八丈島の暮らしにも通じるところがありそうですね。そうですね。八丈には“ない”んです。入ってこないんですもの。それしかない。必ずあるものがないという点は、八丈島の環境と黄八丈に通じるところだと思います。与えられたものを活かして、なるようになる。「足るを知る」ということです。ー先程、機で黄八丈を織られているところを拝見させて頂いて、思いのほか力強い機織りの音に驚きました。芙美子さんが黄八丈を織られている時は、どんなことを考えられているのでしょうか。織っているときは、考えないのが一番。無心でないといけないんです。よく機織りをする人が、これはどういう人が着てくださるんだろうって思いを込めて織るっておっしゃるけど、私は工房で機織りする子たちにも、「とにかく無心で織って」と伝えています。つまり、思いを込めるのは、お求めになったお客さまなんですよね。着物なんて、記念の時や、何かある時にしか作らないですよね。着物って、晴れの日のものですよね。だから「この着物はあの時に作ったものだ」という思いは、お客さまが込めるべきものであって、作り手が込めるものではないと思っているんです。だから無心で織って頂戴と伝えています。ー先程、見せて頂いた芙美子さんの作品では、黄八丈の基本色と中間色を組み合わせたグラデーションの色柄がありました。微妙にトーンの異なる色でグラデーションを織るにあたって、染色の実験などもされるんでしょうか。いや、全然しないですね。誉さんが庭先で糸を染めているところを見て、使いたい色があったらそこから抜いてしまいます。「もういいよ、これで使うね」と声をかけて。ーそれは、染めを担当されている誉さんと、織りを担当されている芙美子さんが「めゆ工房」で一緒に染織をされているからこそですね。本当にそうですね。自分たちで染めて、自分たちで織って、問屋に渡すところまで出来るので。そういった生産の現場って、あんまりないんですよね。だから、それは幸せなことであると同時に、すごく責任もありますよね。ーこの素晴らしい技は、どのように先代たちから受け継がれたのでしょうか。染めの場合は口伝ですね。口伝えです。織りは、組織図があればなんでも織れてしまうので、悦孝先生のご自宅で見たソファカバーを「柳おじちゃん、これ織りたい」とお願いして、組織図を書いてもらったこともあります。だけど、めんどくさいから次は織らなかったですね(笑)。なんだかやりたがりで、なんでも一回は織ってみたいんです。ー山吹色が美しい黄染は、ここ数年思うような色が出なかったので、染めていなかったと伺いました。いい色が出なかった理由というのはあるのでしょうか。草の出来が悪いということですね。ー本当に、自然と共に作られる染織なんですね。そうですね。だから、草の出来が悪かったここ数年は、染めるのをやめようって言って黄色は染めなかったです。台風なんかの影響もありますね。台風が来ると、八丈では海から塩が降るんです。そのくらい激しい。だから、草も塩害で葉が茶色くなってしまうんです。江戸時代は塩害で食べるものが全部なくなってしまって、島にサツマイモが入ってくるまでは餓死することもあったといいます。そのくらい塩の被害は大きかったんです。いまだに飛行機が欠航して、船も欠航するとスーパーは物がカラカラになりますよ。後編に続く。
2015年10月03日