慶應義塾大学、日本医療研究開発機構(AMED)、科学技術振興機構(JST)は3月22日、乳がん、卵巣がん、肝がん、肺がん、膵臓がんなどの難治性がんを含む多くの悪性腫瘍で高発現している膜結合性ヘムタンパク質「PGRMC1」の構造を解明したと発表した。これにより、がん細胞が増殖を活性化する仕組みと、抗がん剤に対する耐性を獲得するメカニズムが明らかになった。同成果は、慶應義塾大学 医学部 医化学教室 加部泰明講師、末松誠教授(研究当時、現:AMED理事長)らの研究グループによるもので、3月18日付けの英科学誌「Nature Communications」オンライン版に掲載された。今回の研究では、X線結晶構造解析を行うことにより、PGRMC1がタンパク質中のチロシン残基を介した珍しい様式でヘムと配位することがわかった。この配位したヘムはタンパク質表面上に突出した構造を取っており、PGRMC1は分子中のアミノ酸残基をほとんど介さずに突出したヘム同士が重なり合った特異なヘム重合体構造を形成している。PGRMC1はヘムのない状態ではアポ体としてモノマー構造で存在するが、今回の生化学的な解析から、ヘムと結合することにより二量体化することが明らかになった。このようなタンパク質中のヘムを介した重合化が見い出されたのは、真核生物では初めてだという。また、生体内ガス分子である一酸化炭素(CO)は、がん細胞が抗がん剤や放射線治療、低酸素などにさらされると増加することが知られているが、同研究グループは今回、このCOがPGRMC1上のヘムに結合すると、ヘム同士の重合が解離してPGRMC1の機能が消失することを見出した。さらに解析を進めた結果、PGRMC1はヘムにより重合化し、がん増殖に関わる上皮成長因子の受容体(EGFR)と会合して、これによるがん増殖シグナルを増強することが明らかになった。重合化したPGRMC1は薬物代謝酵素であるシトクロムP450とも会合し、抗がん剤の分解活性を増強して、がん細胞の薬剤耐性を促進することもわかった。以上の結果からPGRMC1は、がん細胞内のヘム濃度に応答し重合化することによって活性化し、がん細胞の増殖促進や抗がん剤耐性獲得に関与するという、ダイナミックな構造変換によって機能していることが明らかになったといえる。同研究グループは、PGRMC1に結合してその機能を阻害する化合物が見つかれば、新たな抗がん剤の開発につながる可能性があると説明している。
2016年03月22日銀座街づくり会議は11月3日、東京都中央区・泰明小学校特設舞台にて「新富座こども歌舞伎泰明小学校公演」を開催する。○子供たちによる本格的な歌舞伎公演を開催同公演は、銀座の秋の一大イベント「Autumn Ginza 2014」のイベントの1つとして、銀座を代表する芸術文化に触れてもらうため開催するもの。子供たちの演じる本格的な舞台を観ることができる。2020年の東京オリンピックを見据え、銀座では観光への取り組みが活発になっており、同イベントも、海外観光客に和の文化を気軽に楽しんでもらうことを目的としている。今年で3年目を迎え、毎年700名以上の観覧者でにぎわうという。日本だけでなく、世界各国から多くの人たちが来場しているとのこと。当日の演目は、「口上」、舞踊「義経千本桜 吉野山」、芝居「白浪五人男 稲瀬川勢揃の場」となる。開催日時は、11月3日 第一部 12時30分開演(12時開場)、第二部 14時30分開演(14時開場)。会場は、中央区立泰明小学校 校庭特設舞台(東京都中央区銀座5-1-13)。雨天時は、2F講堂となる。参加費は無料。定員は各部400名で、事前申し込み不要。
2014年10月06日