コンビニや薬局などで見かける栄養ドリンクの数々。目移りするくらいたくさんの種類があって、選ぶのに迷うという方も多いのでは。少量でありながら、瓶に入っているあの重量感。価値あるものがそこに入っているという感じがするのです。例えばこれがお手軽なペットボトルに入っていたとしたら、「こんなもん効かないよ」といった風に、残念な気持ちにもなるのではないでしょうか。僕にとっての栄養ドリンクとは常に瓶の中に入っていてしかるべきもの。そんな気がしてやまないのです。では、なぜ栄養ドリンクの多くはこうした瓶を採用しているのか。栄養ドリンクの大御所の一つ「リポビタンD」(以下:リポD)を開発する大正製薬さんにお話を聞きました。――なぜ瓶を採用したのですか?「外部からの光や熱などによって、風味や成分を損なわないためです。茶色の瓶は遮光性を考えてのことです。こうした栄養ドリンクに今のような形の瓶を採用したのは、当社が最初だったのではないでしょうか。1962年のことです」(広報・石倉さん、以下同)――それ以前はどうだったのですか?「アンプルと呼ばれる容器に入っていました。今だと植物の肥料などを入れるのに使われている容器ですね。飲み口をパキッと折って中身を飲みます。容量は現在の100mlよりもずっと少なく、30mlや50mlが定番で、今よりも薬用感が強いものでした」――リポDに限らず、栄養ドリンクに瓶を採用しているケースが多いのはなぜですか?「やはり当社と同じく、遮光性を考えたところなのでは。ただし、当社が一番初めに瓶を採用したので、後発の栄養ドリンクのスタイルは当社のそれをならったものではないかと考えております」――そうですか、ありがとうございました。瓶を採用しているのは遮光性のためだった。中身を守るためということなら、各社の栄養ドリンクが重厚な瓶を使っていることにも合点がいく。逆に言えば、栄養ドリンクとは瓶で保護してあげなければいけないくらい、繊細な飲みものなのかもしれない。ちなみに上記と同じ質問を、栄養ドリンク「エスカップ」を開発するエスエス製薬さんにも聞いてみたところ「遮光性のため」と同じ回答を頂いた。また遮光性の低い容器だと、栄養ドリンクの重要な成分の一つ「ビタミンB2が減耗する」とも。なるほど、やはり瓶でなくてはいけなかった。(根岸達朗/プレスラボ)【関連リンク】リポビタンD 博物館あの「ファイトォ、一発!」の歴代CMもここから見られますゼロカロリーってほんとにゼロなの?コカ・コーラさんに聞いた大好きなコーラについて聞いてみましたどうしてあんなにおいしいの?マックフライポテトの秘密を調査大好きなポテトについて聞いてみましたところで「ポカリスエット」と「アクエリアス」って何が違うの?スポーツドリンクってたまに無性に飲みたくなりませんか?
2010年02月14日