先ごろ、小栗旬と山田孝之が驚きの役どころで出演することが発表され、大きな話題を呼んでいる映画『荒川アンダー ザ ブリッジ』。そのほかの個性豊かなキャラクターたちのビジュアルも明らかにされた特別映像がシネマカフェに到着!主人公は、世界有数のトップ企業の御曹司である市ノ宮行(通称リク)。ひょんなことから荒川河川敷に住む自称・金星人の“ニノ”に命を救われ、その恩返しを申し出たリクに、ニノは「恋をさせてほしい」と要求。こうして、リクも橋の下で“住民”と呼ばれる風変わりな者たちと共に暮らし始めるのだが…。今回届いた映像の世界観は、何ともシュール。冒頭のシーンでは、主人公・リクと思わしき手が薄暗い部屋の扉を開け放ち、荒川河川敷へと一歩踏み出すと、河童がふり返り「呼んだ?」とひと言。瞬く間にシュールな“異世界”へと誘われてしまう。その後も、続々と登場する原作のビジュアルそのままのキャラクターたちが、軽快なジャズの音楽に合わせてゆる〜いダンスを繰り広げるさまは、まさに原作のシュールな世界感そのもの。しかし、登場するキャラたちは独特だが、“イケメン”の河童を演じる小栗旬を始め、山田孝之や林遣都など出演しているキャスト陣の実力は折り紙つき。そして、映像のラストには、リクとニノの甘酸っぱいシーンも…。この楽しげな映画の世界観、キャスト陣が出演を熱望したワケもこの映像を見れば存分に納得できるはず。キャラクターのビジュアル、シュールな世界観、そのどちらもが原作ファンをも唸らせるクオリティとなっている。ぜひとも荒川に住む奇妙な“住人”たちの日常をこの映像で覗いてみては?『荒川アンダー ザ ブリッジ』は2012年2月、全国にて公開。※こちらの特別映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:荒川アンダー ザ ブリッジ 2012年2月、全国にて公開© 中村光/スクウェアエニックス・AUTBパートナーズ■関連記事:小栗旬&山田孝之が『荒川アンダー ザ ブリッジ』で驚愕の大変身!『荒川アンダー ザ ブリッジ』キャスト発表!!電波系ヒロインは桐谷美玲「荒川アンダー ザ ブリッジ」ドラマ&映画化決定!キャスト詳細はいまだ不明
2011年06月17日大ヒット公開中の『岳 -ガク-』主演の小栗旬とヒロイン役の長澤まさみ、片山修監督が5月19日(木)に都内劇場で開催された舞台挨拶に登場した。“山女子会”と称して、この日の客席には山を愛するアウトドアガールたち約350人が集結!“山ガール”たちは、映画や撮影についてストレートな質問を小栗さんらにぶつけた。マンガ大賞にも輝いた石塚真一の人気漫画を実写化。山を愛する山岳ボランティアの島崎三歩(小栗さん)と登山者たちの交流を通じて、山の楽しさや時に人間に牙をむく自然の恐ろしさを描き出す。“山ガール”ファッションに身を包んだ観客からの大歓声に小栗さんは「みなさん、映画観に来る格好じゃないですよ!」とツッコミつつ、頬は緩みっぱなし。長澤さんも「みなさんカラフルで、はつらつとしていていいですね。“山ボーイ”も増えてくれたら嬉しいです」と笑顔を見せた。撮影を通じて見えた、互いの良いところと直してほしいところは?という質問に小栗さんは「(長澤さんは)基本的にすごく素敵です」と賛辞を贈ったかと思えば「人工呼吸をするシーンの撮影の合間にこの人、一瞬寝てました、半目あけて(笑)。その顔はひどくて(笑)、直してほしいかな」といたずらっぽい笑みを浮かべて暴露。一方の長澤さんは「直してほしいところ…あった!」と言った直後に「やっぱりいいです、やめときます」と撤回。マイクを通さずに隣の小栗さんにごにょごにょと内緒話で中身を伝えると、小栗さんは「ここで言うことじゃなかったですね。下ネタでした…」と苦笑い。長澤さんが小栗さんに直してほしいと思う、下ネタまじりのこととは一体、どんなことだったのか…?“山デート”をするならどんなことをしたいか?という質問に「テントに泊まるのも面白そうですね。でも、せっかく山に行くなら、彼女と一緒でもいいですが、大人数で行って、みんなでバーベキューしたり、クライミングをしたい」と小栗さん。長澤さんもこのプランに飛びつき「私もそれ参加させてもらっていいですか?」とノリノリ。ただ「彼氏と山登りして、必死な顔を見られるのは恥ずかしい…」と女の子らしい一面も。さらに小栗さんは「前日に大ゲンカしたカップルが、山に登ると良いと思います。助け合いながら登って、頂上に着いたら、ケンカしたことなんてどうでもよくなります」と新タイプのデートプランを提案し、会場の笑いを誘っていた。また、長澤さんが演じた山岳救助隊員・久美のようなタイプの女性について小栗さんは「(付き合うのは)絶対ムリ。怖いもん。(劇中の)『山をなめるな!』という感じで毎日怒られて、家に帰りたくなくなりそう」と弱腰姿勢。逆に、三歩のようなワイルドな男性は?と問われた長澤さんは「三歩はワイルドだけど、意外と草食系っぽい。でも彼女とかはできなさそうですね」と冷静な分析をしつつ「(ワイルドと草食系が)ちょうど半分ずつの人がいいです」と中道路線を表明。すかさず「オレみたいなタイプだね?」と言う小栗さんに「毎日、怒りますよ」と笑顔でカウンターを食らわせていた。『岳 -ガク-』は全国東宝系にて公開中。■関連作品:岳 -ガク- 2011年5月7日全国東宝系にて公開© 2011「岳 -ガク-」製作委員会 © 2005 石塚真一/小学館■関連記事:小栗旬、怒り全開の長澤まさみにタジタジ?「プリプリ怒ってました」長澤まさみ、天然ボケ告白小栗旬に現場で「お兄ちゃん!」と呼びかける小栗旬が山に本気で挑む!『岳 -ガク-』試写会に25組50名様ご招待『宇宙兄弟』が小栗&岡田で映画化『テルマエ・ロマエ』ほか人気漫画も続々実写映画化シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第13回)逆境に強そうな戦う俳優は?
2011年05月20日小栗旬の初監督作品『シュアリー・サムデイ』が7月17日(土)に公開を迎え、東京・丸の内ピカデリー1にて、初回上映後に舞台挨拶が行われ、小栗監督、小出恵介、勝地涼、鈴木亮平、綾野剛、ムロツヨシ、小西真奈美らが登壇。舞台挨拶後に小栗監督をキャスト陣が胴上げし、作品、そして監督・小栗旬の門出を祝った。客席後ろから小出さんらが登場すると、観客は総立ち。最後に小栗監督が姿を現すと、ひと際大きな歓声があがり、通路に人が溢れて前に進めないほどに。壇上に上がった小栗監督は、監督として迎える初日について「やっぱり違いますね。裸を見られるような気持ち」と照れくさそう。ちなみに昨夜は「朝の4時半まで竹中直人さんと飲んでた」とか。キャスト陣にも昨夜をどう過ごしたかという質問が投げられたが、実は、小栗監督からそれぞれにお礼のメールが届いたのだという。勝地さんは「ウルッときました」、綾野さんは「感動して、眠れずにひとりで泡盛を4本くらいあけてしまいました」とそれぞれの“決戦前夜”を明かしてくれた。この日は、キャスト陣からそれぞれ小栗監督にひと言ずつ、思いを込めた言葉が贈られたが、ムロさんは「心よりおめでとう。そして旬のお母さん、旬を生んでくれてありがとうございます!」となぜか結婚式風の(?)スピーチで温かい笑いと拍手を浴びた。ヒロイン役を演じた小西さんは「“男子”に囲まれてこの作品を作ることができて、私の宝物になりました」。鈴木さんは「1本撮ったからには2本目、3本目を撮らないと。次回作楽しみにしています」。さらに、小栗さんとは数々の舞台で共演し、小栗さんがぜひにと映画への出演を懇願した吉田鋼太郎が「おれをここに連れてきてくれてありがとう」と語ると、小栗さんは言葉にならないといった表情で上を向いた。そして、小出さんは「3年くらい前に酒飲みながらこの話を聞いたとき『大丈夫かな?』とか言ってたけど、まさかこんなに素晴らしい映画になるとは…。ひとえに旬の器があったから。何より、おつかれさま」と声を掛け、壇上で戦友とガッチリと抱き合い、会場は温かい拍手で包まれた。さらに、舞台挨拶終了後にはキャスト陣がサプライズで小栗監督を胴上げ!これには小栗監督も驚いたようだが仲間たちの温かい心遣いに嬉しそうな笑顔を見せていた。『シュアリー・サムデイ』は全国にて公開中。■関連作品:シュアリー・サムデイ 2010年7月17日より全国にて公開© 2010「シュアリー・サムデイ」製作委員会■関連記事:小栗旬監督&キャスト5人インタビュー江ノ島行く!『シュアリー・サムデイ』Part.2ナイナイ岡村の『シュアリー・サムデイ』出演シーンが解禁!小出恵介最初で最後の「巧 with シュアリー・スターズ」ライヴで「燃え尽きた」小栗旬監督&キャスト勢揃いインタビュー 撮影も青春『シュアリー・サムデイ』Part.1小栗旬初監督作品『シュアリー・サムデイ』オリジナルグッズを3名様プレゼント
2010年07月17日小栗旬が初監督に挑んだ『シュアリー・サムデイ』で描かれているのは、羨ましくなるほど熱い青春と友情の物語。揃って高校を退学させられて以来、ままならない毎日を送ってきた仲良し男子5人組が、ある事件を通して人生の再生を目指し始める…。そんな青春ストーリーに呼応するかのごとく、小出恵介、勝地涼、鈴木亮平、ムロツヨシ、綾野剛といった“仲間たち”が小栗監督の下に集結。6人揃ってのインタビューは息もぴったりに互いを讃え合うところから始まった。鈴木「恵ちゃんのリーダーっぷりはすごいですよ」。ムロ「そう。あまり口数の多い人ではないけど、この人が笑うと一気にその場の楽しさが増すんです」。勝地「僕は本当に助けられましたね。自分の出番じゃないシーンでも、カメラの脇にいて支えてくれたりするんですよ」。小出「でも、ムロくんも強烈でしたよ。存在そのものが核弾頭でしたね。いるだけで明るくなるし、頼りにし過ぎてしまったかなというくらい現場の盛り上げ役を買って出てくれました」。ムロ「いやいや、小出恵介が先頭に立ってくれていたからですよ。僕が自由にできたのは」。。小出「ま、そうだよね」。一同「ははははは!」綾野「認めたよ(笑)」。ムロ「楽しませるのはみんな同じくらいできるんですけど、小出恵介は場の緊張感を高められるんです。何をするわけでもないけど、スイッチを入れられるんですよね」。小出「そう言ってもらえて嬉しいです。いや、本当に。意図していたわけではないんですけど、一緒に作っていく雰囲気は実感していましたからね。いい映画にしたいという思いがみんな、すごく高かったですし」。ムロ「あと、亮平の粘りもすごいですね。カットがかかってOKが出た後も芝居の練習をしているんですよ」。鈴木「その話はいいよ(照)!」。小栗「僕がOKを出してるのに、セットの端っこの方で台詞をずっと繰り返してるんです」。鈴木「その後、監督の所へ行き、“自分としては、いまのカットに納得がいっていないです”と伝えてしまって…」。勝地「熱いね!」小栗「僕は“分かりました”と真剣に頷きつつ、あっさり受け流しました(笑)」。作品が“青春”なら、その舞台裏も“青春”。撮影中、「俺たち、青春してるなぁ…」と感じる瞬間も多々あったという。勝地「5人でバンドを組むシーンがあるんですけど、そのバンド練習にはやっぱり青春を感じましたね」。小出「俺も同じことを言おうとした」。勝地「楽曲が出来上がってくるのがギリギリで、そのハラハラ感を共有している感覚も青春でした(笑)」。鈴木「でも、何よりもまず、同年代の人間が監督で、その人と一緒にみんなで映画を作り上げようとしているのが青春でしたね」。ムロ「撮影以外のところでも、みんないろいろ一生懸命になってたしね」。綾野「それに、撮影時期が暑い夏でしたから、それだけで青春っぽい雰囲気がありました」。ムロ「演奏面のリーダーは音楽活動経験のある綾野剛だったんですよ」。小栗「うん、バンマスだね。演奏に関しては、剛くんと“ここはどうかな?”なんて話もして。練習の時にも“みんなを引っ張ってね”みたいなお願いはしました。すごく頼れる存在でしたね」。(Part.2へ続く)Interview Part.2 coming 7/15特集 「special interview『シュアリー・サムデイ』」(photo:Toru Hiraiwa/text:Hikaru Watanabe)■関連作品:シュアリー・サムデイ 2010年7月17日より全国にて公開© 2010「シュアリー・サムデイ」製作委員会■関連記事:小栗旬初監督作品『シュアリー・サムデイ』オリジナルグッズを3名様プレゼント売り切れ御免!『シュアリー・サムデイ』キャラマグネットのガチャガチャ登場小栗旬初監督作初披露に「ヤバい、初めて感じてきちゃった!」小栗旬監督公約は「俳優のユニオン作る!」バカ求む!小栗旬監督作で「BACA-1グランプリ」開催最高賞は初日舞台挨拶招待
2010年07月08日小栗旬が6月24日(木)、東京・豊島区のみらい館大明で行われた初監督作映画『シュアリー・サムデイ』の完成報告会見に、主演の小出恵介に勝地涼、鈴木亮平、ムロツヨシ、綾野剛、そしてヒロインの小西真奈美と共に出席。監督としてのマニフェストを「俳優のユニオンを作る」と明かした。10代からの夢と9年間の構想を実現させた初メガホンの感想を「撮影中は毎日不安でした。現場で頭が真っ白になって動けなくなったりもした。だから毎日『明日、雨降らないかな…?』と思っていましたね。1日ぐらいゆっくり考えたいと」と苦笑いで語りつつも「いまは、みんなの一番いい顔を撮った!という自信がある。満足のいく映画になった」と充実感いっぱいの表情。この日が参院選の公示日であることと本作のタイトルの直訳が「いつか、きっと」であることにひっかけ、“いつか、きっ党”として今後目指したいマニュフェストについて、小栗監督は「僕の“いつか、きっと”は俳優のユニオンを作ることです。俳優陣が自分の意見を持って、自分で責任を持って活動していくという環境ができればいいと思っています」と構想を発表した。一方、小出さんは「女子高生たちがハイスクール水着になるシーンがあって、小栗監督は『俺がカメラ回す』とはりきっていた。カメラを担いだのはそこのシーンだけだった」と小栗監督の男子高生ばりの発奮ぶりを暴露し、取材陣の笑いを誘うひと幕も。小出さんは、自身のマニフェストを「小栗くんの代表作を監督すること」と宣言。小栗監督は「絶対やるよ」と快諾していた。映画『シュアリー・サムデイ』は7月17日(土)より全国にて公開。(text:Yoko Saito)■関連作品:シュアリー・サムデイ 2010年7月17日より全国にて公開© 2010「シュアリー・サムデイ」製作委員会■関連記事:小栗旬初監督作初披露に「ヤバい、初めて感じてきちゃった!」バカ求む!小栗旬監督作で「BACA-1グランプリ」開催最高賞は初日舞台挨拶招待小出恵介始め超豪華キャスト勢揃い!『シュアリー・サムデイ』新ポスター解禁小出恵介が主演映画の主題歌でCDデビュー!トータス松本が楽曲提供小栗旬初監督『シュアリー・サムデイ』メイキングDVD付き前売券に予約殺到!
2010年06月24日小栗旬の初監督作映画『シュアリー・サムデイ』の完成披露試写会が6月24日(木)、東京・新宿ピカデリーで行われ、小栗監督と主演の小出恵介、ヒロインの小西真奈美、共演の勝地涼らが舞台挨拶に立った。上映後の挨拶で満場の観客の温かい拍手に迎えられた小栗監督は、「なんかヤバいです。初めて感じてきちゃいました。みなさん、本当にありがとうございます」と感慨深い表情。やくざに追われるハメになる悪友5人組のドタバタ劇を描く本作に、「バカが最強ってことですよね」と仕上がりに自信をのぞかせた。撮影は昨年7、8月。小出さんは「暑いし、服も厚いし、基本つらかった。汗がすごくてズボンが脱げなかった。もうブルブルってめくって脱ぐ、みたいな」とジェスチャーを交えて苦労談を吐露。勝地さんも「精神的にしんどいシーンがあって、『あー…』って気分が落ち込んだ。そのとき、恵介くんが『そばにいようか?』って来てくれて、かっこいい!と思った。つらかったけど絆を感じた」とボヤキ節ながら、イイ話を打ち明けた。綾野剛も「暑かったことがつらかった」。鈴木亮平は「撮影の合間に(アイスの)ガリガリ君を食べたら、僕と綾野くんと勝地くんの3人の口にくっついたことがあったんですよ」と珍エピソードを披露。綾野さんは「狂犬ですよ、ガリガリ君は…」と苦笑いだった。対照的に小西さんは「つらいことはなかった。普段、共演者の方と仲良くなるのに時間がかかる方ですが、今回はみんな男性で、私が年上なので、構えちゃう空気感が出るとよくないと思って、顔合わせの日からいっぱい話しかけ、いままでで一番コミュニケーションをとりました」と楽しげにふり返り、「夏うたメドレーっていう遊びが現場で流行って、入れてもらったとき、仲間になれた!と思いました」とニッコリ。すかさずムロツヨシが「俺、それやってない!」と敏感に反応。会場の笑いを誘っていた。『シュアリー・サムデイ』は7月17日(土)より全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:シュアリー・サムデイ 2010年7月17日より全国にて公開© 2010「シュアリー・サムデイ」製作委員会■関連記事:小栗旬監督公約は「俳優のユニオン作る!」バカ求む!小栗旬監督作で「BACA-1グランプリ」開催最高賞は初日舞台挨拶招待小出恵介始め超豪華キャスト勢揃い!『シュアリー・サムデイ』新ポスター解禁小出恵介が主演映画の主題歌でCDデビュー!トータス松本が楽曲提供小栗旬初監督『シュアリー・サムデイ』メイキングDVD付き前売券に予約殺到!
2010年06月24日小栗旬は“時代”や“空気”など信じない。悲観するでも自嘲するでもなく、自らについて「いまは、たまたま注目を浴びているだけで、本来あまり面白い芝居ができるタイプだとは思わない」と語り、うつろいやすいブームなどではなく、ただ己を信じて役柄をクールに演じ上げていく。冷静なこの男が「役者人生が終わってもいいと思えた」とまでの思いを抱いて演じたという最新作『TAJOMARU』のタイトルロール、多襄丸(=畠山直光)という男もまた、激しく移り変わる時代の中で己の信念、愛を貫き通した男である。果たしてこの作品は俳優・小栗旬に何をもたらし、この役を経て彼はどのような風景を見たのか――?盟友・山田孝之への憧れ、そのワケは…?「自分は頭で考えて演じるタイプの俳優。演じている自分をわりと冷静に見ている」。普段の役柄へのアプローチについて小栗さんはそう語る。「役に没頭したくても、どうしても自分からブレーキを掛けてしまうところがあるんです。だから、爆発的な集中力とエネルギーを持っているタイプの俳優さん――同世代で言うと山田孝之なんかそうですが――に憧れてて…。『スタート!』って声が掛かった瞬間の集中力のレベルが違うんですよ。孝之の芝居を見てるとゾクゾクしてきて、楽しくてしょうがない。こういう役者になりたいな、という思いがずっとありました」。そんな彼が、今回の撮影では、憧れの境地に近づけたと感じた瞬間があったという。「撮影中に『よーい、スタート!』って声が掛かって、体を動かしたということは覚えてるんですが、気がついたら次の瞬間、『あれ?おれ何で風呂入ってるの?』ということがあって。実は、(完成した作品では)そのシーンは全部カットされちゃってたんですけど…(苦笑)。そこは、自分の中でいままで越えられなかった壁を飛べたのかなって思えた瞬間でした」。800年も昔の時代の人間を演じることについて「誰も見たことのない世界を作るということには夢がある」という言葉で、その面白さを語る。「もちろん、時代考証について気にされる方はいるとは思います。ただ、僕らが信じてきた過去の歴史が覆されることが最近、多いじゃないですか。『うそ!教科書で習ったことと全然違うじゃん』って(笑)。やっぱり誰も見てない世界を演じるってある意味ファンタジーですよ。いまの時代をリアルに切り取ろうとすれば、うそが見えてきてしまう。それよりもやれることはずっと多いな、と思います」。「台本読むと、『この役、ほかの人にやらせたくない』って思っちゃう(笑)」一方で、劇中で描かれる人々の感情や愛は、時代を超えた普遍性を持っている、とも考えられるが…。「そうですね。でも、それももしかしたら、いまの時代に生きる僕たちがそう思いたくて、勝手に自分たちの思いを置き換えているだけなのかも知れない、とも思います。ただ、今回は自分で演じながら、(直光は)阿古という女性をなぜここまで愛せたんだろう?という疑問は持ちましたね。阿古の気持ちですか?わかんないですよ、女の人って。…一生わかんないと思うな(笑)」。舞台に映画、TVドラマと活躍の場を広げ続ける小栗さん。自らの仕事のスタンスについて「基本的に舞台が大好きなので、演劇を中心にやっていきたいという思いはあります」と語る一方で「(オファーをもらって)台本を読むと、『この役、ほかの人にやらせたくないな』って思っちゃうんです」とも。「そうやって結局、(忙しくなって)自分の首を絞めちゃうわけですね(苦笑)。最近はちゃんと見極める目を持とうと思ってるんですが、とはいえ常に共演者も監督も違うから、似たような役だと思ってても、実際にやってみたら、また全然違ったものになる。だからお話をいただくと全部やりたくなっちゃうんですよ」。さらに、自身で監督を務めるという野望も。すでに企画は進行しているとのことだが、冒頭にも挙げた「自分は面白い芝居ができるタイプの俳優ではない」という言葉に続けてこう語る。「だからこそ、もっと面白い芝居をできる俳優さんたちに面白い環境を提供して、それをカメラに収めるのが自分だったら最高だなって思うんですよ。四十か五十を迎えたときに『あの監督の作品に出たい』って言われるようになりたいですね」。俳優か監督か?舞台か映画かなどという枠はこの男には関係ない。多襄丸のごとく、自由に向けて、さらなる高みに向けて、小栗旬はどこまでも駆け抜ける――。© 石川拓也■関連作品:TAJOMARU 2009年9月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2009「TAJOMARU」製作委員会■関連記事:「何があってもおれがお前を幸せにする!」小栗旬『TAJOMARU』本編映像が到着ショーケン、東大で復活の怪気炎!“東大特別講師”小栗旬が考えるリーダー像とは?小栗旬主演の最新作!『TAJOMARU』試写会に50組100名様をご招待最も浴衣が似合うと思う俳優は?「MTV」オリジナル携帯ストラップを10名様プレゼント気合いの(?)坊主頭・小栗旬、先輩風を吹かせて田中圭をぶった斬る?
2009年09月10日