健康ブームに乗り、実は世界で注目されている日本茶。昨年2017年の緑茶輸出量は4642トン(前年比13%増)、金額では143億円(前年比24.3%増)と、過去最高を記録しました(財務省発表通関統計より)。 2年後に迫った東京オリンピックでは関心もさらに高まり、おもてなしの場では日本茶の知識が問われるかもしれません。しかし「普段はペットボトルのものを愛飲しています」では少し恥ずかしいもの。そこで今回は日本茶の正しい淹れ方、手に入れたいアイテム、そして人気のお店をご紹介します。 正しい日本茶の淹れ方 01)急須にお湯を注いで温める。使う急須は、お茶の風味を損ねないように洗剤や漂白剤のにおいがついてしまったものは避ける。02)急須の中に茶葉1グラムを入れる。煎茶の場合ティースプーンすり切り1杯が、約1~2グラム。 03)茶葉の持つ甘味、旨味、渋味、香味すべてを浸出させるため、熱湯を約100cc注ぐ。 04)ポイントは、急須のふたを開けたままにして約3分間待つこと。 05)湯のみの温度が低いとお茶の風味が落ちるため、香りを引き立たせるために湯のみは事前に温めておく。 06)温めておいた湯のみに注いで完成。お茶を入れ終わったら、急須のふたを開けておくと茶葉が蒸れずに2煎目、3煎目も美味しくいただける。 美味しい日本茶を入れるためのアレコレ お茶を淹れるのには、ミネラル分の少ない軟水をつかうと◎。苦み・渋み・うまみをほどよく引き出してくれます。 茶筒(左)¥17000、(右)¥18500(珈琲缶、スプーン付き)/ともに開化堂 明治創業の老舗《開化堂》の金属の地肌を活かした茶筒は、手作りならではの精密さで、ふたを茶筒の口に合わせるとすーっと下りて閉まります。二重構造による高い気密性で湿気を呼びにくく、大切な茶葉を保管する宝箱として愛用できます。 『茶の本』岡倉覚三著/村岡 樹訳/岩波文庫 日本文化を海外に紹介すべく書き上げられた、読んでおいても損はない名著。茶文化の知識はこれで学びましょう。 話題の日本茶を飲むことができるお店は?煎茶(伊勢茶80g)¥1620(税込)/OHASHI(左から)南部鉄急須¥6,264(税込)、南部鉄ポット敷き¥1944(税込)/ともにアンシャンテ 使い込むほどに風合いが出てきて保温性に優れる、南部鉄器の急須も煎茶をおいしく味わうための必須アイテム。日本茶を飲むならやはりスタンダードな煎茶から始めるのがおすすめです。 東京・中野にある日本茶専門店『OHASHI(オーハシ)』で扱っているのは煎茶、ほうじ茶、番茶、抹茶などなど。100種類近くの商品が、フランスの雑貨店のような店内に並びます。 煎茶(秋津島)50g ¥4,536(税込)/表参道 茶茶の間 口に含んだ瞬間に渋みと甘みが駆け抜け、香りが立ち上り、お茶に包まれるような時間が訪れる。名産地静岡の逸品「秋津島」は、表参道にある『茶茶の間』にあります。 日本茶生産量の約7割を占める品種「やぶきた」を突き詰め、おいしさを追求し続けたことで生まれた茶所静岡が誇る銘茶です。しっかりとしたお茶の渋み、そしてそれを優しく包み込むような深い甘みの絶妙なバランスを楽しむことができます。 工芸茶(マリーゴールド)¥360(税込)/CROESUS(クロイソス) 一風変わった『CROESUS(クロイソス)』の茶葉はお茶というより、まるで芸術品。職人がひとつひとつ手作業で茶葉を糸で束ね、漢方効果のあるお花を包み込みます。 お湯をゆっくりと注ぐと、茶葉からは色鮮やかな花が開くのです。緑茶ベースにマリーゴールドを加えた工芸茶で、見た目も楽しいひとときを楽しんでくださいね。 茶文化の始まりから現代までをひとつひとつ辿るのは難しいかもしれませんが、良いものを味わって感動することはすぐにでもできます。好奇心の赴くままに喫茶を重ねて、自分なりの茶の湯を創り上げてみてはいかがでしょうか。
2018年08月13日