西岡徳馬VS新納慎也、西岡VS音尾琢真(TEAM NACS)というWキャストで上演される『スルース~探偵~』が、11月25日(金)に開幕する。それに先がけ、西岡、新納、音尾と、演出を手掛ける深作健太の会見が開かれた。舞台『スルース~探偵~』チケット情報公演期間の前半を西岡VS新納の<探偵バージョン>、後半を西岡VS音尾の<スルースバージョン>で上演される本作。西岡は「芝居は相手役で全然違いますから、『同じもの!?』と思っていただけるようにがんばっていきたい。『どっちがオススメ?』とよく聞かれるのですが、両方です。両方観てください!」と挨拶。新納は「毎日『楽しい!楽しい!楽しい!』って叫びたいくらい楽しく稽古させていただいています。こういうお芝居がやりたかったんだなって細胞が生き生きしている」と喜びを語った。まだ稽古にほとんど入っていない音尾は「Wキャストは初めてで、しかも僕は稽古に参加するタイミングも遅い。すでに徳馬さんが新納さんと稽古しているところに僕が入るっていう…怖くてしょうがないです!」と不安顔を見せた。そんなWキャストについて深作は「新納さんも音尾さんも役へのアプローチが全然違いますし、それを受け止める徳馬さんが日々柔らかくどんどん役を育てていく。演劇の根源的なパワーを日々感じています。衣裳からキャラクターから、もしかしたら上演時間まで違う2バージョンになると思います」と話した。新納が役柄について「イタリアからイギリスに来た移民で、ユダヤ人の血も入っている。そういうマイノリティをずっと抱えて生きてきた青年」と語ると、音尾が「へ~、新納さんはそういうことを考えてるんですか」と対抗心を露わにし、西岡と新納も大笑い。音尾は「それぞれ深く考えてやっていますし、そこに僕と新納さんが生まれ育っていく中で見たもの聞いたものが投影され、最終的に違うマイロになっていく」と話した。ふたりを受け止める西岡は「寝てると頭の中で台詞が飛び交ってるんですよ。夢の中で作品が映像になってたりして。もう頭の中がずーっと『スルース』ですよ。こんなのは今までなかったな」と笑顔。「通したら汗びっちょりになっちゃって、久しぶりにこういう感じを思い出しました。体力が持つかは心配ですが、こんな幸せなときはないと思っています」と話した。<探偵バージョン>は11月25日(金)から12月11日(日)まで、<スルースバージョン>は12月17日(土)から28日(水)まで、東京・新国立劇場 小劇場にて。その後、<スルースバージョン>が福岡、愛知、宮城を巡演。取材・文:中川實穗
2016年11月22日関西学院大学はこのほど、高い発光効率と色純度を持つ有機ELディスプレイ用青色発光材料を開発したと発表した。同成果は関西学院大学の畠山琢次 准教授らと、JNC石油化学 市原研究所の共同研究によるもので、2月12日(英国時間)に独科学誌「Advanced Materials」オンライン版で公開された。スマートフォンなどの小型ディスプレイで実用化が進む有機ELディスプレイでは、発光材料として蛍光材料、りん光材料、熱活性化遅延蛍光(TADF)材料の3種類が利用されているが、蛍光材料は、発光効率が25~37.5%程度と低い。一方、りん光材料とTADF材料は、発光効率が100%に達する場合もありますが、いずれも色純度が低い(発光スペクトルの幅が広い)という問題がある。ディスプレイでは、光の三原色である赤・緑・青色の発光を混合することによりさまざまな色を表現しているが、それぞれの色純度が低いと、再現できない色ができてしまい、画質が大きく低下してしまう。そこで、市販のディスプレイでは、発光スペクトルから不必要な色を光学フィルターで除去することで、色純度を高めてから(スペクトル幅を狭くしてから)使用している。そのため、元々のスペクトル幅が広いと除去する割合が増えるために、発光効率が高い場合でも、実質的な効率は大きく低下する。今回、同研究グループは発光分子の適切な位置にホウ素と窒素を導入し、共鳴効果を重ね合わせることで、発光スペクトルの半値幅が28nmという世界最高レベルの色純度を持ちながら発光効率が最大で100%に達するTADF材料「DABNA」の開発に成功。「DABNA」はホウ素、窒素、炭素、水素というありふれた元素のみからなることや市販の原材料から短工程で合成できることから、有機ELディスプレイの高効率化と低コスト化が期待できるとしている。同研究グループは、DABNAの開発を通じて有効性が証明された多重共鳴効果を利用した分子デザインによって、今後、さらに優れた特性を持つ発光材料を開発することも可能だとしている。
2016年02月15日テレビドラマ「とんび」で兄弟分の関係を演じた内野聖陽と音尾琢真が、今度は実の兄弟として濃密なバトルを繰り広げる「トゥルー・ウエスト~本物の西部~」。現代アメリカを代表する劇作家で俳優としても有名なサム・シェパードのこの傑作戯曲と格闘中の稽古場を訪ねた。『TRUE WEST~本物の西部~』チケット情報この日は稽古9日目。稽古場にはレトロだが日常的なキッチンのセットが組まれている。テーブルに靴のまま足をかけウォーミングアップする内野の姿を目撃。粗野な兄リーとしての振る舞いが体に染み付いているようだ。一方、リーとは対照的な弟オースティン役の音尾は、銀縁メガネに白いポロシャツといういかにもインテリ風ないでたち。聞くと、役柄に合う稽古着を新調したのだとか。言葉(台詞)でなくビジュアルでイメージしやすいようにという、外国人演出家への配慮が感じられる。本作の演出を手掛けるのは、トニー賞受賞経験のあるアメリカのシアターカンパニー「THE NEW GROUP」芸術監督のスコット・エリオット。日本での仕事は初で、来日自体も初めてというが、「サム・シェパードの大ファン。知らない言語で演出をするにあたって、このなじみのある戯曲ならぴったりだと思った」と語る。稽古はシーンごとに机上での本読み、立ち稽古というやや変則的な形で行われる。その理由をエリオットは「ずっと机の前にいるとイライラしてすぐ立ちたくなってしまう」と言うが、「彼はとにかく“待つ”演出家」と、一番身近にいる演出補(兼通訳)の薛珠麗は証言する。「私がこれまでアシストしてきた演出家はその時点でのパーフェクトを積み上げるという感じの人が多かったんですが、彼は『この程度で大丈夫?』という状態をじっくりと回数を積み重ねて完成に近づけていく。そうすると、この芝居を自分のものにしなきゃいけないということ以上のプレッシャーがないので、俳優はやりやすいと思います。つまり、人を信頼して任せられるということなんでしょうが、初めて来た国でそれをやれるのは相当すごいこと」(薛)。演出家曰く、“信頼”の理由は、内野、音尾ら俳優にもある。「万国共通、いい俳優というのは演出家を信用する。僕を信用してくれている空気を今、絶対的に感じていますよ」(エリオット)。ストップがほぼかからない状態で、立ち稽古が進む。愛憎に満ちた兄弟の立場が、台詞や状況ひとつで瞬時に入れ替わる様は実にスリリングで、片時も目が離せない。「顔が似てらっしゃるわけじゃないのに、お2人はすごく“兄弟”って感じがします。この年齢の男性ならではの焦燥感や敗北感が表れて、非常にリアルな作品になるはず」(薛)。「彼らが今まで行ったことのないところまで掘り下げることが出来ているような感触がある。2人のファンはきっと驚いて、喜んでくれるんじゃないかな」(エリオット)。熱くめまぐるしいバトルの行き着く先を見届けたい!9月29日(日)から東京・世田谷パブリックシアター、10月17日(木)から大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティなど全国で公演。チケット発売中。取材・文:武田吏都
2013年09月20日