役者としても年々評価を高めている稲垣吾郎が、12月に開幕する舞台、『恋と音楽』で主演を務める。本作は鈴木聡書き下ろしによるミュージカルコメディ。そこで主人公のミュージカル作曲家・田代を演じる稲垣に、作品にかける思いを訊いた。『恋と音楽』チケット情報稲垣の舞台人生の中でも、鈴木の存在は非常に大きな位置を占める。本作の出演ですでに4作目。彼が思う、鈴木脚本の魅力とは?「それぞれのキャラクターが本当にキュートですよね。作家とそのキャラクターが対話しつつ作っていく中で、鈴木さん自身の優しさも注ぎ込まれている。コメディとしても、ギャグで笑わせるようなタイプではなく、キャラクターの生き方から滑稽さが滲み出てくるような……。すごく上品なコメディセンスを持った方だと思います」。そんな鈴木ならではのキャラクターは、さらに“当て書き”によって明確な輪郭を持ち始める。「今回はラブの要素も強いんですが、きっと僕が演じるキャラクターなら、こういう恋愛をするんじゃないかっていう鈴木さんのイメージなんでしょうね。それが妄想の作り出した女性に恋をするという……(笑)。素敵な変人というか、そのへんの奇妙な感じをうまく演じられたらなと思います」。演出の河原雅彦とは、2011年の『ぼっちゃま』以来、2度目のタッグとなる。「河原さんから言われたことで、おもしろいなと思ったことがあるんですよ。『吾郎ちゃんは黙っててもアーティストっぽい感じは出るから、逆にそこは排除した方がちょうどいいバランスになるよ』って。つまり河原さんは、僕の親しみやすさ、人間味みたいなものを引き出してくれようとしている。僕が今まで押し殺してきたような部分も含め、『それで君は魅力的なんだよ』と。そう言ってくれた河原さんはとても貴重な存在だし、ありがたいことですね」。作曲家・田代が妄想の中で恋をする“女の中の女”と言われるヒロインのエリコ役を務めるのは、宝塚歌劇団出身の真飛聖。「とっても魅力的ですよ。やはり中性的なところもあって。だから僕の女性っぽいところと、真飛さんの男性っぽいところがうまくはまると、またおもしろいものになるんじゃないかなと思います」。大人のミュージカルコメディを謳う本作だが、実は稲垣、これまではあまりミュージカルが得意ではなかったらしい。「でもその違和感がおもしろさに繋がればいいですよね。もしかしたら食わず嫌いなだけで、ものすごく好きになるかもしれないし。今自分の中には、そんな期待感もあるんです」。公演は12月1(土)から28日(金)まで東京PARCO劇場にて上演。チケット発売中。取材・文:野上瑠美子
2012年11月14日1987年のデビュー以来、舞台、映画、ドラマ、ラジオなど、さまざまなジャンルで幅広い活躍を見せる別所哲也。そんな経験豊富な彼にさえ、「初めてづくし」と言わしめる舞台が「朗読活劇レチダ・カルダ『義経』」だ。レチダ・カルダとは、イタリア語で「熱い朗読」の意味。朗読をベースに、小説の主人公を演じる芝居と演奏家よる音楽や舞などで構成され、仏閣や歴史的建造物を会場に開催する。日本の歴史や文化を感じて欲しいという趣向だ。2009年の初演以降、作品や演者を変え上演してきたこの舞台に、初めて出演する別所が心境を語った。「朗読活劇レチタ・カルダ」チケット情報「朗読・芝居・音楽を織り交ぜながら進行していく朗読活劇自体が初めてだし、舞手と音楽家とのコラボレーション、そしてひとり芝居、屋外劇と、今回の舞台は初めてづくし(笑)」と話す。しかし彼からは未体験への不安は感じられない。それどころか、新しい挑戦への昂揚感が高まっている様子。「朗読活劇は多重構造なんです。映画やドラマは、役柄とシチュエーションを理解して物語を作っていく。朗読劇は、語り手として観客の空想力、想像力を膨らませ、物語の中へ誘う道先案内人みたいなもの。朗読活劇はさらにハードルが上がり、語り手もあれば、芝居もある。さらに舞や音楽との共演まであるから、まさに玉手箱状態。それだけにどんな舞台に創り上げられるか楽しみ」なのだとか。司馬遼太郎原作の『義経』を、語り手、演技者として演じるにあたっては、「誰もが知っている名作ですから、観客もいろんなイメージを抱いて来ると思います。司馬遼太郎先生が描く『義経』というヒーロー像を借りて演じますが、偶像化されたカッコいいヒーローではなく、義経の時代にあった価値観や、死生観、結婚観などから、今の時代に共通している部分が見えてくる作品になればいいと思います」と抱負を語る。上演は一夜限り。今回は東京・池上本門寺が会場となる。「歴史のある寺院で、それも屋外。いくら作品を創り上げても、当日の天候やその場の空気感によっては、演じる姿勢も変わるかもしれない。その時限りの一期一会の関係、その瞬間に何が生まれるか、(観客に)目撃者となって欲しいし、体感して欲しい。それが舞台というリアルなアナログの面白さだと思います」。公演は5月19日(土)に池上本門寺にて開催。チケットは発売中。取材・文藤田正恵
2012年04月06日俳優の別所哲也が、CS映画専門チャンネル「ムービープラス」で放送される特別番組「カンヌ映画祭を観る -受賞作品から知るその魅力-」(5月4日放送)に出演することになり、4月12日(火)、横浜にある「ブリリア ショートショート シアター(Brillia Short Shorts Theater)」にて収録を行った。同局では5月11日(現地)から開催される第64回カンヌ映画祭に合わせ、「カンヌ映画祭スペシャル2011」と題し、関連番組が特集放送される。別所さんが出演する「カンヌ映画祭を観る −受賞作品から知るその魅力−」は、過去の受賞作やトリビアなど映画祭をより楽しむための情報を届けるオリジナル番組。別所さん自らが“審査委員長”となり、過去にカンヌで受賞したすべての作品の中から、「俳優賞」、「音楽賞」、「賛否両論賞」、そして最高にあたるパルム・ドールならぬ「ヴェッショ(別所)ドール」を独断で(!?)で選定するというユニークな内容だ。収録が始まると、早速「Bonjour Comment allez-vous(ボンジュール コマンタレヴ)」(こんにちは。調子はいかが?の意)とフランス語の挨拶を決めた別所さんは、「これでカンヌに行く準備はバッチリ」とご機嫌。その後、次々と受賞結果を発表し、番組収録は順調に進んだが「うーん、『賛否両論賞』だけは言いにくい(笑)」と悪戦苦闘。それでも「今年は順調。去年はリテイクの嵐だった。こうやって、歴史が刻まれていくんですね」としみじみした様子だった。果たして、栄えあるヴェッショドールの行方は?気になる結果は番組でチェックされたし。このほかにも過去のカンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞した『ダンサー・イン・ザ・ダーク』、『ブリキの太鼓』や、本年の審査委員長を務めるロバート・デ・ニーロの主演作『グッドフェローズ』、木村佳乃と伊勢谷友介が共演した第61回オープニング作品『ブラインドネス』、同じく第61回の特別招待作品でイ・ビョンホンが主演した『グッド・バッド・ウィアード』なども放送予定。そして、5月22日(日)には、別所さんがナビゲーターを務める「日本独占!第64回カンヌ映画祭授賞式ライブ」が放送される。「カンヌ映画祭を観る -受賞作品から知るその魅力-」は5月4日(水・祝)放送。「日本独占!第64回カンヌ映画祭授賞式ライブ」は5月22日(日)生放送。■関連作品:第64回カンヌ国際映画祭 [映画祭]
2011年04月13日