いよいよ明日10月25日(日)にクロージングを迎える第22回東京国際映画祭。明日のセレモニーで15作品の中から最高賞の「東京 サクラ グランプリ」が発表されるが、それよりも一足早く、24日(土)に観客賞が発表され、カナダで製作されたジェイコブ・ティアニー監督によるコメディ『少年トロツキー』がその栄誉に輝いた。観客賞はその名の通り、コンペティション部門に出品された15作品を対象に、一般の観客の投票で最も多くの支持を得た作品に贈られる賞。実際に映画を観た観客が選ぶ賞ということで、“影の最高賞”とも言える。見事、今年の観客賞を受賞した『少年トロツキー』は、自らがロシアの革命家・トロツキーの生まれ変わりであると信じて疑わない少年が、自分が通う高校に革命家よろしく、改革をもたらそうとする姿を描いた青春コメディ。ほろ苦い恋や家庭の問題を乗り越えて突進する主人公の少年の姿に、観客の支持が集まった。六本木ヒルズアリーナで行われた授賞式には、ティアニー監督と彼の父親で、プロデューサーを務めたケヴィン・ティアニーが出席。監督は「ドウモアリガトウ!観客のみなさまが選んでくださったことを本当に嬉しく思っています。感動していると共に、身が引き締まる思いです。映画祭に関わる全ての方々、とりわけボランティア・スタッフのみなさまに御礼申し上げます」と受賞の感激と感謝の気持ちを語った。賞状と賞金1万ドル、トロフィー、花束が贈られると会場からは温かい拍手がわき起こり、記念に渡されたハッピに袖を通した2人は満面の笑みを浮かべていた。今回の受賞をきっかけに、今後の日本での劇場公開への期待も高まる。明日、執り行われるクロージング・セレモニーでは、本作を含む15作品から東京 サクラ グランプリほか各賞が発表される。東京国際映画祭2009特集■関連作品:第22回東京国際映画祭 [映画祭] 2009年10月17日から25日まで六本木ヒルズ、Bunkamuraをメイン会場に、都内の各劇場及び施設にて開催■関連記事:辻仁成インタビュー「アントニオ猪木さんをもう一度、リングに上げたかった」【TIFFレポート】大森南朋、原作者の「かっこよすぎる」という称賛に複雑な気分【TIFFレポート】辻仁成が率いるバンドZAMZA登場!往年の名曲「ZOO」熱唱【TIFFレポート】辻仁成、不在のアントニオ猪木と支えになった家族への感謝を吐露【TIFFレポート】中谷美紀、貧血で挨拶を降板広末は「任せきり」と中谷を絶賛
2009年10月24日第77回アカデミー賞脚本賞に輝いた傑作ロードムービー『サイドウェイ』を、日本人キャストを迎えて新たに誕生させた『サイドウェイズ』。映画の公開に先駆けて10月5日(月)に完成披露試写会が開催され、主演の小日向文世、生瀬勝久、菊地凛子、鈴木京香の4人と、チェリン・グラック監督、そして本作の音楽を手がけたウクレレ・プレイヤーのジェイク・シマブクロが登壇し、和やかな雰囲気のもと舞台挨拶が行われた。キャストの登壇前には、ジェイクさんによる本作の主題曲「サイドウェイズ」を含むオリジナル・スコア3曲が生演奏で披露された。映画の舞台となるワインの本場・ナパの情景を想起させるような、素晴らしい演奏にたちまち観客は釘付けになり、拍手喝采が贈られた。作曲に際して映画を100回以上も観たというジェイクさんは、「観るたびに発見がありました。才能ある方々と競演できて感謝しています」と笑顔で語った。約1か月にわたり、全編カリフォルニアで現地のスタッフによって撮影された本作。主人公・道雄役の小日向さんは、実は海外は苦手のようで、「家が好きなもので、海外旅行はあまり好きじゃないんです。スタッフの英語が全く分からず、『OK』ってとりあえずニコニコ笑ってました。それがかなりのストレスだったらしく、1週間完璧に便秘になりました。顔では笑って、下はガチガチに…」と撮影時の苦労を明かし、会場を沸かせた。一方、積極的に英語で交流を図っていたという生瀬さんは、1か月の間にいろんな思い出ができたようで、「(男性の)助監督が、ラコステのポロシャツを見て『このワニは噛むんだよ』って胸をつまんできまして…、それ以来ホテルのドアを閉めるようになりました」と現地スタッフとの楽しい(?)交流をふり返った。キャスト4人だけという状況で、のどかな風景の中で結束を深めた様子の一同。菊地さんが「末っ子根性丸出しで、みなさんに甘えさせていただいて楽しい思い出でいっぱいです」と言えば、鈴木さんも「ワインも好きで、海外旅行も好きで、お仕事を忘れてエンジョイしてました」と満面の笑みを見せた。菊地さんによると、鈴木さんはご飯を全員にふるまっていたとのこと。またこの日、赤と白のぶどうの画が入った、自前の着物を身にまとって登場した鈴木さんだったが、菊地さんはそれを見て思い出したかのように、「ちなみに、アンダーウェアはぶどうです。何なら…」と大胆にも見せるふりをし、男性陣をドキッとさせた。このユニークなキャスト陣とスタッフの架け橋となったグラック監督は、「僕は添乗員みたいな気分で、これはみんなで作った手作りの映画です」と満足の出来栄えをうかがわせた。小日向さんが「アメリカ版『サイドウェイ』よりも本当に素敵な映画になったと自信を持って言える」と胸を張る『サイドウェイズ』。公開は10月31日(土)より全国にて。■関連作品:サイドウェイズ 2009年10月31日より全国にて公開© 2009 Twentieth Century Fox Film Corporation and Fuji Television Network, Inc.■関連記事:菊地凛子、流暢な英語で「ワイン大好き」『サイドウェイズ』、本場ナパで大盛況舞台挨拶&生演奏付き!『サイドウェイズ』プレミア試写会に25組50名様ご招待ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!
2009年10月06日第33回モントリオール世界映画祭において、日本から出品されていた『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』の根岸吉太郎監督が最優秀監督賞受賞という嬉しいニュースが飛び込んできたが、この快挙について、監督と共に現地入りしていた主演の浅野忠信、および日本国内で、浅野さんから受賞のニュースをメールで知らされたという松たか子の両名のコメントが到着した。並外れた文才を持ちつつも、大酒飲みで借金持ち、おまけに浮気を繰り返すという、放蕩の限りを尽くす大谷役の浅野さんは「この映画の撮影中に監督と一緒に過ごした時間は、うそのない時間だった。そういう時間も全てひっくるめて演出していただいたことで、自分でも完璧と思える芝居を引き出していただいた。この賞をいただいたことで、その“答え”が出たと思う。監督には『おめでとうございます』だけじゃ言い尽くせない。僕は、勝手に自分のことのように思って嬉しいので『ありがとうございました』という気持ちです」とストレートに喜びを口にした。大谷に翻弄されながらも明るくしなやかに、力強く生きていく妻・佐知を演じた松さんは「監督、おめでとうございます」とまずは祝福。さらに「本当にこだわって、徹底して、この『ヴィヨンの妻』の世界を、太宰の世界を突き詰めていった監督の努力の結果であり、素晴らしい栄誉だと思います。(現地の浅野さんから)今朝、本当に『やりました』っていうメールをいただきまして、本当に何か分かち合いたいという気持ちが一番ではありますが、(浅野さんと)一緒に初めて向き合ってやった作品で、こんなプレゼントをもらえて、すごく嬉しいですし『やったね』っていう感じです」と喜びを語った。すでに海外作品に数多く出演している浅野さんはもちろん、松さんにとっても本作が海外進出のきっかけとなる可能性も!『ヴィヨンの妻』は10月10日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜 2009年10月10日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョンパパドゥ新潮社日本衛星放送■関連記事:根岸吉太郎監督『ヴィヨンの妻』がモントリオール映画祭で監督賞受賞!ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!松たか子×浅野忠信『ヴィヨンの妻』がモントリオール出品で、太宰イヤーを飾る!
2009年09月08日昨年『おくりびと』がグランプリを制し、アカデミー賞に向けた前哨戦としても注目を浴びるようになった、国際映画祭の最高峰のひとつ、モントリオール世界映画祭。8月27日(現地時間)より開催されていた、今年で第33回目を迎える本映画祭にて、ワールド・コンペティション部門に出品されていた、根岸吉太郎監督作『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』が最優秀監督賞を獲得した。日本文学史の代表的作家・太宰治の遺した数々の作品の中でも、異彩を放つ恋愛小説を原作に、松たか子と浅野忠信を主演に迎えて夫婦の愛を綴った本作。ほかにも広末涼子、妻夫木聡、堤真一といった豪華俳優陣が根岸監督の下、華麗な競演を遂げている。授賞式の壇上に立った根岸監督は、フランス語で「メルシー・ボク(=ありがとうございます)、メルシー・ボク、メルシー・ボク、メルシー・ボク、メルシー・ボク。何度お礼を言っていいかわかりません。モントリオールと言う映画が大好きな人々の映画祭でこの映画の第一歩を歩むことができました。本当にありがとうございます」と興奮を隠しきれない様子で感謝のコメント。さらに、「個人で撮った賞ですが、日本映画全体の名誉だと思っています。自分の名前が呼ばれたときは、自分の名前ってフランス語っぽいなぁ(笑)と感じていました。地味な演出の作品なので、賞を獲れるなんて思っていませんでした。この映画の東洋的なニュアンスをきちんと読みとってもらえて大変嬉しく思います」と並々ならぬ喜びを表した。今後の賞レース、さらに日本への凱旋も楽しみな『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』は10月10日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜 2009年10月10日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョンパパドゥ新潮社日本衛星放送■関連記事:『ヴィヨンの妻』モントリオール監督賞受賞で浅野忠信、松たか子からも喜びの声が到着ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!松たか子×浅野忠信『ヴィヨンの妻』がモントリオール出品で、太宰イヤーを飾る!
2009年09月08日