あなたの周りには「この人とはあまり話したくないな」と思う人はいませんか。顧客や上司など重要な相手であっても、そんな人との付き合いは避けたいものです。でも、もしかしたら自分も誰かにそう思われているかもしれません。そこで、反面教師にするべく、「話したくない人の言動」について、ビジネスコミュニケーション講師の大嶋利佳さんにお話を伺いました。■知らないうちに自分勝手に!?――「この人とは話したくない」と、相手に思われがちな言動とはどういうものでしょうか。大嶋先生話したくないと思われてしまう原因の多くは「自分勝手」です。自分の言いたいこと、聞きたいことにしか関心を示さないと楽しい会話にはならず、相手に好ましく思われません。そんな言動を、5つほど具体例を挙げてご説明しましょう。1.なげやりな相づち、反応話をしている相手に対して、「うん、うん」、「はい、はい」とうなずくだけだったり、「ふうーん」とつまらなそうに受けたり、あるいは「よくあることだよね」と軽んじるような反応しか示さないと、会話は盛り上がりません。上手な相づちのポイントは、バリエーションを多く、かつ感情を込めることです。同じ「はい」でも、声の高さやトーンを変えると驚きや感心、同情などいろいろな感情を伝えることができます。さらに「それで?」などと短い質問で話を促すのもよいでしょう。2.すぐに自分の話を持ち出す「昨日の日曜日、ショッピング行ったんだ」、「ふーん、私はうちにいたよ。私ってあんまり外出するの好きじゃないのよね」こんなふうに、相手の話題に対して、すぐに「私は」を持ち出すのも嫌われます。一見、話題を合わせているように見えますが、実は自分の言いたいことを言っているだけです。「私は」と言いたくなったらぐっと押さえ、「何を買いに行ったの?」など、相手に先に話をさせてあげるようにしましょう。3.否定的なリアクション「今度の休み、ハワイに行こうと思って!」、「えー?この時期って高いでしょう。国内旅行の方がいいのに」このように、自分ではアドバイスをしているつもりでも、つい相手の言うことを否定していることもあります。ちょっとした日常の雑談であれば、「この人はそう思っているのだからそれでいい」とおおらかに受け止めてあげましょう。4.一方的な決めつけ「あなたって優柔不断なところがあるよね。AB型だもんね」、「彼女はしっかりしているよね、弟がいるから」こんなふうに、あやふやな根拠をたてに決めつけてものを言う人もいます。自分の意見をはっきりと言うことは悪いことではありません。しかし、常に「本当に根拠があるのかな?」、「違う考え方もあるかも」と考えてみる柔軟性も失わないようにしたいものです。5.気が散っている態度相手の話に関心があるかどうかは、はっきりと態度に表れます。例えば、「携帯電話を出して、気にしている」、「時計をちらちら見る」、「ひんぱんに髪の毛や服に触る」、「周囲を見ることが多く、話し手とあまり視線を合わせない」といった態度は、無意識に行っていることが多いものです。それだけに注意して、話に集中するようにしましょう。5つの例を挙げてきましたが、いずれも「自分がこう言いたい、こうしたい」という気持ちばかりで、「どうしたら相手が気持ちよく話を続けられるか」を考えていない言動です。会話は相手があってのことですから、常に思いやりの気持ちを忘れないようにしましょう。そうすれば相手もあなたの話をしっかりと受け止めてくれるはずです。――ありがとうございました。自分を振り返ると、「当てはまるかも……」と思うことがあります。気づかないうちに自分の言動が嫌われていては残念です。ちょっとした相づちや応対から見直してみようと思います。監修:大嶋利佳氏。『営業のあなた、これだけは知りなさい』(河出書房新社)、『The Business Mail メール力』(産業能率大学)など30冊以上のビジネス書を刊行、最新刊は『ビジネス電話のマナー&技術』(同)。本を書きたい人のための『出版実現講座』(通信制)も主宰している。岩田なつき/ユンブル)
2012年05月30日