英国映画協会(以下、BFI)が、ファッションブランドの「シャネル(CHANEL)」と共同で新たなフィルムメーカー賞「BFI&Chanel Filmmaker Awards」を創設したことを明らかにした。対象は「独創的なアイディアを持ち、リスクを取って新しい切り口を見出そうとしているイギリスの新進映画クリエイター」。候補者は最大7人が選ばれ、その後選出された3人にそれぞれ2万ポンドずつが贈られる。3人のうち、少なくとも1人は女性、あるいは自身をノンバイナリーと認識している人物が選ばれる。2020年にBFIから栄誉ある「BFIフェローシップ」を授与され、シャネルのアンバサダーでもあるティルダ・スウィントンが、BFIのCEOベン・ロバーツやイギリス版「VOGUE」誌の編集長らと審査員長を務めるという。ロバーツは「シャネルをBFIの新しいパートナーに迎えることができてとてもうれしいです」「この賞のために時間を作ってくれたティルダたちに感謝します」「この賞は、英国の映画クリエイターにとって重要なプラットフォームです」とコメント。ティルダは9月29日に開催されるBFIのガラ「ルミナス」のステージで受賞者を発表する。「ルミナス」は、BFIの活動資金を集めるために行われる華々しい映画の祭典で、イギリスのスターや業界の著名人が多数参加する。(賀来比呂美)
2022年08月05日BFIロンドン映画祭で、マギー・ギレンホールの長編監督デビュー作『ロスト・ドーター』が上映された。イタリアの作家エレナ・フェッランテの小説を映画化したもので、大学教授の女性(オリヴィア・コールマン)が休暇中にある女性とその娘に出会ったことをきっかけに、自身が若き母親だったころの思い出と対峙するという物語。Photo by Lia Toby/Getty Images for BFI脚本も手がけているマギーは、「世界中で、女性として経験することというのは本当にいろんなことがありますよね。自分自身、気付いてさえもいないかもしれない。私たち(女性)は、生まれながらにして黙っていることを求められているような気がします」と語った。「エレナ・フェッランテはその合意を破り、すべてを書き留めたのです。彼女がこのようにはっきりと伝えてくれるまで、私自身気付かなかったこともありました」と原作者を称えた。「私は俳優として常に、真実を伝えようとしてきました」「私は断然(ファンタジーより)現実の方に興味があるのです。ほとんどの人がリアリティーに心を動かされるのではないでしょうか?」と抽象的に『ロスト・ドーター』をアピール。オリヴィア演じる主人公の女性がどのように描かれているのか、興味をかき立てた。Photo by Lia Toby/Getty Images for BFI(Hiromi Kaku)
2021年10月14日