新演出で生まれ変わったミュージカル『RENT』が、この秋、日本に初登場する。オーディションで主役のマークに抜擢された俳優・賀来賢人にインタビューした。1996年から2008年までブロードウェイでロングランした『RENT』が、原点のオフ・ブロードウェイで再出発したのは、昨年のこと。オリジナル版の演出家マイケル・グライフ自らがリメイクしたその最新版を、賀来はNYに渡って観劇してきたという。「観て良かったです! グチャッとした狭い空間でキャストのエネルギーに圧倒されて。この感じを日本に持って行けたらいいなと思いましたね」。劇中に登場するのは、レント(家賃)を支払う余裕がない現代の若者たちだ。賀来が演じるマークは、映像作家を自称しながらも仕事に恵まれない。一方、元ミュージシャンのロジャーはHIV陽性で、明日に対する不安からミミとの恋愛に踏み出せないでいる。作者ジョナサン・ラーソンの筆先は、彼らの苦悩を真正面からとらえた上で、今を生きることの大切さに希望をつなぐ。奇跡のような展開を見せるが、『Seasons of Love』など心に響く楽曲が物語を不自然に感じさせない。「曲が全部、メチャクチャかっこいいですよね。いろんなジャンルの曲調があるし、何より、歌ってて楽しいんです。アメリカ人キャストの歌を聴くと、うますぎてびっくりしますね、やっぱり。でも自分はうまく歌うというより、気持ちを大切に、かっこよく歌えたらいいなと思います」。昨年10月に『スマートモテリーマン講座 vol.2』で初舞台を踏み、『モンティ・パイソンのスパマロット』『ロミオ&ジュリエット』とジャンルやテイストの異なる舞台への挑戦が続いた。今回は人気作への主演となるが、「マークはできごとを端から見ているタイプなので、そんなスタンスでいられればいいですね」と気負いがなく、「全編が歌なので喉は心配ですけど、不安はほとんどないんです」と度胸の良さを感じさせる。「今すごく燃えていて、早く稽古がしたいんです。自分にとって絶対に一生残る作品だし、後悔はしたくないので。今まで観た中で一番の『RENT』だと言ってもらえるよう、がんばります」。『RENT』は10月30日(火)から12月2日(日)まで東京・シアタークリエにて上演。チケットは8月25日(土)より一般発売開始。チケットぴあでは、インターネット先着先行(プリセール)を8月24日(金)18:00まで受付中。兵庫公演あり。
2012年08月22日1996年の初演以来ブロードウェイで12年4か月にわたってロングラン上演され、2006年には映画化もされたミュージカル『RENT』。現在、オリジナル版の演出を手掛けたマイケル・グライフによる新演出版がオフ・ブロードウェイで上演中だが、この新演出版が東京・シアタークリエで10月に上演されることがわかった。世界15か国で各国版が上演され、日本でも人気の高い本作は、プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』をベースに、20世紀末のニューヨーク、イースト・ヴィレッジに舞台を置き換え、当時の若者の生き方や世相をドラマティックに描いた作品。若き芸術家、音楽家たちが、貧困、エイズ、ドラッグ、同性愛、といった死と隣り合わせの生々しい問題に直面しながらも、愛や友情を信じ、夢に向かって輝き続けようとする若者たちの姿が、心を打つミュージカルナンバーによって感動的に描き出されている。また、作詞・作曲・脚本を担当したジョナサン・ラーソンは1996年1月、プレビュー公演の前日に35歳の若さで死亡。その翌日に初日を迎え、センセーショナルでドラマティックな内容と音楽も話題となった。今回、新演出版の日本での上演では、主役の映像作家志望のマーク役に映画やドラマ、舞台で目覚しい活躍をみせる賀来賢人が抜擢された。賀来は「これだけ世界各地で上演され、支持されているミュージカル『RENT』に出演させていただくことを大変光栄に思っています。稽古はこれからですが、キャストやスタッフのみなさんと素晴らしい舞台を作っていけるよう、精一杯がんばります」とコメントを寄せた。公演は10月30日(火)から12月2日(日)まで東京・シアタークリエで開催する。チケットは8月25日(土)より一般発売開始。
2012年05月11日