アパレル会社のプレスを経てフリーに。 いくつになっても休日のカフェめぐりがやめられない。 おひとりさま、ときどきワンコのカフェ時間をこよなく愛する。
いくつになっても休日のカフェめぐりがやめられないvingt_deuxの、癒しのカフェめぐり。きっとあなたの“おきにいり”が見つかる。ふっとひと息つきたい時に、のぞいてみてください。
寒日和、ちょっと足を伸ばして葉山方面へ向かいます。 人気のない冬の海は静かで、空は青く澄み、海面はキラキラと光が乱反射してまぶしい、富士山も拝めました。 御用邸を過ぎて車で5分ほどの葉山の南端、秋谷の長者ヶ崎を見下ろす山の中腹に現れる洋館が「c:hord hayama antiques & book cafe」です。 ここは赤坂のヨーロッパ系のアンティークを扱うショップ「c:hord」のショールーム兼ハウススタジオで、曜日限定でカフェとしてオープンしています。 石畳のエントランスがある緑の中の一軒家は、個人宅として建てられたもの。 入口にはマスタードイエローのシルクのカーテンが下がり、アジアのリゾート地の雰囲気、ドキドキするたたずまいです。 フロアは上下階に分かれており、テラスを含むカフェがある上階は、壁を塗って棚を取り付け、だいぶ改装したそう。 三角屋根の高い天井と、アーチ型の窓が印象的です。 店内を彩るのはヨーロッパ各地から取り寄せたアンティーク家具や照明、ラグ、雑貨など。ほとんどが購入可能で、インテリア好きには見逃せないアイテムがずらりと並んでいます。 テーブル席でもソファーでも、どこでも好きな場所に腰を下ろして食事やお茶が楽しめます。 ディスプレイも兼ねてあちこちに置かれた本は、写真集や美術書の他にも料理本、江戸川乱歩シリーズや漫画「ブラックジャック」などが並び、個人の書棚を思わせるユニークなセレクト。 自由に手に取って読むことができます。 葉山や鎌倉の地元で採れた色鮮やかな野菜や、放し飼いにしたニワトリの新鮮な卵を使い、パスタ、カレー、自家製のアイスクリームやケーキなど、体に優しい料理がいただけます。 オーダーしたのは、本日のデリプレート(自家製パンとスープ付き)とコーヒー。 かぼちゃのポタージュスープに冬野菜のグリエ、カブと吉野しめじのアグロドルチェ(甘酢煮込み)、岩清水豚のハンバーグ。オーガニック野菜は味が濃く、彩りも美しいのが特徴です。 葉山の自家焙煎専門店「THE FIVE BEANS」のフレンチロースト豆を使ったコーヒーは、香り高くとてもおいしいです。 別荘に遊びに来たような自由な空気感の中で、食後は秋谷の海を見ながらのんびり読書。 ガラス越しの冬の淡い日差しを受けて、緑に囲まれた席はまるで温室のようで、ついウトウトしてしまいました。 c:hord hayama antiques & book cafe tel.046-854-7270 神奈川県横須賀市秋谷5611 11:00~19:00 水・木・金 休
2015年12月26日“フランス菓子の博物館” と評される「AU BON VIEUX TEMPS(オーボンヴュータン)」は、1981年創業の老舗のパティスリーです。 尾山台の商店街に30年以上続いた以前の店から徒歩2分の場所に、2015年4月にリニューアルオープンしました。 赤いテントが目印の新店は、クラッシックな雰囲気がまるでパリのよう。9時の開店と同時に買い物客でにぎわいます。 店頭に並ぶのは、生ケーキに焼き菓子、コンフィチュール、ショコラ、コンフィズリー、フランス各地の郷土菓子など約300種。丁寧に作られた表情豊かなケーキの数に圧倒されます。 オーナーパティシエ河田勝彦氏は、本場そのままのフランス菓子を日本にもたらした先駆者で、多くの優れたパティシエを育てた、フランス菓子界の神様のような方です。 甘いものは容赦なくがつんと甘く、焼き色はしっかり、コクと甘みが口の中に広がる焼き菓子は一度食べたらとりこになります。 季節の果物と砂糖を煮詰めて作るカラフルなパート ド フリュイ。フルーツピューレを固めたジューシーなゼリーは、香りとうまみがとじこめられ、1個でも大満足のぜいたくさです。 オーボンヴュータンの新しい顔は、フランスで修行をした次男の力也さんが作るシャルキュトリー(肉の加工品)、トレトゥール(総菜)部門ができたこと。 自家製のパテやテリーヌ、リエットやソーセージ、サラダやグラタン、キッシュなど、フランスの顔をしたトレトゥールは美しく、本格的でおいしそう。 日本では取り扱いが珍しいブラッドソーセージ(豚の血が入ったもの)も並んでいました。 1杯飲みに立ち寄れるカウンターがあるのは以前のまま、テーブルは14席に増えました。好みの総菜を盛り合わせてもらい、プチぜいたくな朝食もOK。 12~14時は数量限定ですが、ワンプレートランチ“本日の一皿”もいただけます。 蒸したアンディーブにハムを巻きつけ、ベシャメルソースをかけてオーブンで焼いたグラタンはフランスの冬の家庭料理を代表する一品。 フランスに長年住んでいた友人は、懐かしの味に出会えて大感激していました。 レーズンたっぷりのキャロット ラペ 、レンズ豆のサラダ、パテ ド カンパーニュ(豚肉の田舎風パテ)、ブリオッシュ。 地味な色合いのワンプレートですが、レバーを使った田舎風パテは、スパイスがきいた深い味わい。ワインがすすんで…大変です! デザートは、ボンブ オー マロン (2種類のマロンクリームをキャラメルでデコレーション)。 自分へのご褒美用に購入したのは、トマトファルシー、エポゥル ド コション (豚肩肉の蒸煮、オレンジ風味)。 豚肩肉はナイフがいらないほど柔らかく、やっぱりプロの味です。しかも、温めてお皿に並べるだけでテーブルがちょっと豪華になります。 これからホームパーティーも多い季節、ワイン好きな方への手土産にもおススメです。 そして気になっていたのが、オーボンヴュータンのショッピングバッグ、看板、カフェで使用されるお皿のワンポイントにすべて、洋梨が使われていること。 「なぜ洋梨なんですか?」と尋ねたら、「河田が一番好きなものだからです」と、かわいい答えが返ってきました。 オーボンヴュータン 尾山台店 tel.03-3703-8428 東京都世田谷区等々力2-1-3 9:00~18:30 火・水 休
2015年12月16日2015年9月、蔵前と浅草の間にひっそりとオープンした「from afar 倉庫01」は、カフェとギャラリーのお店。 店内では中国茶と台湾茶、コーヒーに焼き菓子、トーストなどの軽食が楽しめ、陶器やガラスの食器も並びます。 写真を学ぶ大学の同級生だった3人で経営されていて、店頭に立つのは陳 程(チン テイ)さんと毛 宣惠(マオ シュエンホェイ)さん、チャーミングな20代のおふたりです。 もとは木材倉庫だった場所に仲間の力を借りて、床や壁にペンキを塗り、化粧室やテーブルまでも手作り、完成度の高さにおどろきます。 テイさんの前職が茶葉の輸出入業だった経験をいかして、中国茶、台湾茶などにも力を入れています。 従来台湾は、小さな器にお茶をいれますが、日本の茶道のように器を愛で、お茶を見て、ワインのように香りを嗅ぐ、そして飲み味わう、4つの過程を楽しんでもらいたいそう。 そのために現在、日本の作家にオリジナルの器をオーダー中、少しずつそろう予定です。 定番の台湾茶、文山包種茶の他にも季節変わりのお茶、ほうじ茶ラテ、ウーロン茶ラテ、健康ラテなど、飲んだことがないメニューに興味がわきます。 濃い目の紅茶になめらかなミルクを入れた香港ミルクティーは、深い味わいでとてもおいしいです。 香港ではポピュラーなものだそうですが、この味を再現するのに茶葉探しが大変だったそう。有田焼きの器は、テイさんのコレクションです。 ペリカンのシュガーバタートーストに台湾の季節の果物を使った手作りジャムを2種類選びます。 グァバ、マンゴーライム、パッションとパイン、レッドプラムとラズベリー、ラズベリーとライムなど珍しいものばかりで、香りが高く濃く、亜熱帯の味です。 壁面のレイアウトはマオさんによるもの。彼女の撮った写真や集めていたポストカードが貼られたシンボリックですてきなコーナーです。 お花のアレンジも抜群にセンスがよく、参考にしたいところがたくさん。 来年には店半分を白いのれんで区切り、オリジナルの器などを販売展示、時にはワークショップを開催、奥がカフェスペースになります。 じつはこの記事に使用した写真はすべて、テイさんとマオさんが撮った写真。雰囲気がありとてもすてきです。 「お店の場所をここを決めたきっかけは、中から見た外の景色がおもしろかったから。窓が大きいからスクリーンのような感じで、前を通る人を見るのも楽しい」と語るおふたりは、「たくさんのものを見て、自分のものにする」ということを大切にしているのだとか。 ご近所さんも親切で、とても居心地がよいそうです。 「日本の作家の器も台湾で紹介して、日本と台湾の架け橋になりたい」と、奮闘しながら熱く夢を語る姿勢に圧倒され、背筋が伸びる思いでした。 from afar 倉庫01 tel.非公開 東京都墨田区東駒形1-1-9 11:00~19:00 月休
2015年12月09日忙しい働き女子でも、クリスマスを楽しみたい! そんな願望をかなえるべく、“平日21時からでも予約OKなお店”を 王道編 と、隠れ家編に分けてご紹介します。 本格的だけど格式張らず、シェフの独自性がキラリと光るような料理。 今回は作り手との距離が近く、自由な雰囲気のなかで食事を堪能できる、隠れ家レストランを厳選しました。 ■南青山「L'AS」 青山通りの裏手にある「L'AS(ラス)」はいつも活気にあふれています。 スタイリッシュな空間に開放的なオープンキッチン。テーブルの引きだしにはカトラリーが収納され、客みずからが取りだすというユニークなスタイルのフレンチレストランです。 通常は5,400円のおまかせコースのみですが、2015年12月22日(火)~12月25日(金)のディナーは「クリスマス特別コース」8,640円に変更。2部制で営業するそうです。 クリスマス特別コースは「国産牛ホホ肉のパイ包み焼き」をメインにした9品構成。ほかのメニューは、当日までのお楽しみです。 前菜からデザートまで、完成度の高さにただただ感動します。 こちらでとくに有名なのは、手づかみで食べる「フォアグラのクリスピーサンド」。ラズベリーやいちごなど、ソースに使われる食材は季節によって変化し、濃厚な味わいと遊び心がある提案が食通をうならせます。 ぜいたくな食材を大胆に使って表現する発想の豊かさとサプライズ感のある演出に、ファンも多い「ラス」。 料理に合わせた4種類のグラスワインとシャンパーニュ1杯を堪能できる5,000円のアプローチにも定評があり、席は早い者勝ちです。 ラス 東京都港区南青山4-16-3 南青山コトリビル 1F tel.080-3310-4058(予約受付時間 14:00〜18:00 / 22:00〜24:00) 12月22日(火)~12月25日(金) ディナー第1部 17:30~20:00、18:00~20:30 / 第2部 20:30~、21:00~ ※金額はすべて税別 ■中目黒「Au Coin du Feu」 中目黒駅から徒歩5分の「Au Coin du Feu(オーコアンドゥフー)」。店内には、シャンソンが流れています。 壁にはメニューが書かれた黒板、テーブルの上にはランチョンマットと、カジュアルな印象を受けるものの、料理は本格派。 近海でとれた新鮮な魚介類やフランス料理の醍醐味、ジビエや内臓料理も味わえます。 通常のディナーはアラカルトと5,000円と6,800円の2種のコースですが、2015年12月22日(火)~12月25日(金)は特別コースを提供。 「オーコアンドゥフー」とはフランス語で「暖炉」を意味するそう。あたたかい空間をあらわす店名は、肩ひじ張らずにできたての料理を楽しんでもらいたいと名づけられたそう。 接客もすばらしく、友人の家に招かれたような居心地のよさを感じます。くつろぎの空間で、満足なディナーになることでしょう。 オーコアンドゥフー 東京都目黒区上目黒2-7-2 tel.03-6412-8212 ディナー18:30~23:30(LO 22:30) ※金額はすべて税別 ■代々木上原「Gris」 代々木上原駅から徒歩3分のフレンチレストラン「Gris(グリ)」。 店名はフランス語でグレーを意味します。既存のフランス料理のイメージを取っぱらい、ゲストが自由に楽しめるようにと名づけられたそう。 ハーブやスパイスを効かせた独創的なグリの料理は、“イマドキのパリ風”といわれ、皿の上は斬新なアートのよう。 本格的な料理が楽しめるおしゃれな隠れ家レストランです。 2015年12月23日(水)~12月25日(金)は、8皿(アミューズ2皿、前菜2皿、魚料理、肉料理、デザート2皿)のスペシャルなディナーコースが9,000円で楽しめます。 クリスマスメニューには、フォアグラやカモ、オマール海老といった食材をぜいたくに使用。絶妙な火加減で提供される肉料理は絶品です。 自家製パンもおいしいので、つい食べすぎてしまいそう。料理に合わせたアルコールペアリングやノンアルコールペアリングと一緒に味わって。 日常に溶けこんだ雰囲気で訪ねやすい「グリ」は、個性が光る玄人好みのお店です。 グリ tel.050-5571-1974(予約専用)/03-6804-7607(問いあわせ専用) 東京都渋谷区上原1-35-3 ディナー18:00~22:00(LO) ※金額はすべて税別 “知る人ぞ知る”隠れ家レストランは、リラックスした雰囲気で料理が楽しめるお店ばかり。くつろぎの時間を過ごしたい人にオススメです。 どうぞ、すてきなクリスマスを、お過ごしください。
2015年11月20日忙しい働き女子でも、クリスマスを楽しみたい! そんな願望をかなえるべく、“平日21時からでも予約OKなお店”を王道編と、隠れ家編に分けてご紹介します。 イルミネーションが点灯し、いよいよクリスマスが近づいてきましたが、ディナーのお店はお決まりですか? 特別なコースを用意しているレストランもたくさんありますが、今年のクリスマスは平日。今回は、いつもと違う特別感がしっかり味わえつつも、遅くからでも入店できる憧れのお店ディナーをご紹介します! ■六本木一丁目「エディション・コウジ シモムラ」 やっぱりクリスマスはフレンチ! というあなたには、エレガントで創造性豊かな「エディション・コウジ シモムラ」がオススメです。 六本木一丁目駅直結、ティーキューブの1階という好アクセスも魅力。目立たない場所にありますが、エンターテインメント性にあふれる料理ばかりで、どの皿にも小さな驚きがあります。 『ミシュランガイド東京2015』 で二つ星を獲得したオーナーシェフの下村浩司氏は、JAL国際線ファーストクラスとビジネスクラスの機内食のプロデュースや、クルーズトレイン「ななつ星in九州」のデザートを担当した経歴の持ち主です。 下村シェフが手がける料理はどれも、素材本来のおいしさを引きだすために、バターや生クリームをひかえた軽やかな味わい。 厳選したシャンパンとワインを組みあわせた「クリスマスプレステージディナー」コースは2名で100,000円~150,000円。通常のコースは18,000円と24,000円です。 プレステージコースの一品「海水で軽く火を通した真牡蠣の冷製 海水と柑橘のジュレ 海苔風味」は、下村氏のスペシャリテ。 水面の揺らぎのようなジュレが美しく、磯の香りが口いっぱいに広がります。大切な夜の忘れられない味になることでしょう。 帰り道は、ミッドタウンのスターライトガーデンへ。星くずや惑星がきらめくなかで、宇宙遊泳を堪能してみては。 エディション・コウジ シモムラ 東京都港区六本木3-1-1六本木ティーキューブ1F tel. 03-5549-4562 ランチ12:00~15:30(LO 13:30) ディナー18:00~23:30(LO 21:00) 不定休 ※金額はすべて税別 ■恵比寿「ロウリーズ・ザ・プライムリブ 東京」 大人の街、恵比寿。恵比寿ガーデンプレイスへ足を踏みいれると、「バカラの歴史上最大級の大きさ」といわれるシャンデリアが輝いています。 肉派のあなたには、アメリカンスタイルのローストビーフがいただける「ロウリーズ・ザ・プライムリブ 東京」がぴったり。アメリカのロサンゼルスで1938年に創業した、プライムリブ専門店です。 メインメニューのローストビーフは、特製スパイスを塗った上質な骨付き牛肉を、低温でじっくり焼いてジューシーに仕上げたもの。ボリューム満点の一品です。 肉はシルバーカートでテーブルまで運ばれ、目の前で好みのサイズにカット。パフォーマンスも楽しめます。 ワインは、カリフォルニア産を中心に70種類以上、食事は10,000円と15,000円の特別なコースのみです。 メインダイニングは天井が高く、雰囲気満点の間接照明がほどこされています。レンガを使った店内は高級感はあるものの、堅苦しさは感じられません。 店内にはアメリカらしいボックスシートも。特別な日の彼とのディナーにぴったりです。 ロウリーズ・ザ・プライムリブ 東京 東京都渋谷区恵比寿4-20-3恵比寿ガーデンプレイスタワーB2F tel. 03-5488-8088 クリスマスランチ11:00~14:00(LO 12:30) クリスマスディナー16:00~23:00(LO 21:30) ※クリスマスは通常と営業時間が変わります ※金額はすべて税別 ■ディナーにまにあわない人は…夜景をのぞむバーへ 都会の大人の夜を彩るなら、ホテルのバーへ。 パーク ハイアット 東京の「ニューヨークバー」は、外資系ラグジュアリーホテルの先がけとして1994年に開業しました。 そのデザイン性はいまもなお古びず、目の前に広がる夜景はまるで、マンハッタンの摩天楼のようです。 このニューヨークバーは、2004年に公開された映画「ロスト・イン・トランスレーション」の舞台となったことでも話題になりました。 監督のソフィア・コッポラは、「一歩足を踏み入れるとまるで空中に浮かぶ島にいるよう」と表現したそう。映画ファンも世界各国から訪れています。 ニューヨークがテーマのオリジナルカクテルや旬の食材を使ったドリンクをいただきながら、エキサイティングなジャズライブを楽しんで、とびきりの時間をお過ごしください。 ニューヨークバー tel.03-5323-3458(直通) 東京都新宿区西新宿3-7-1-2 パーク ハイアット 東京52F 17:00~24:00(LO 24:00、フードはLO 23:30) 木・金・土曜のみ17:00~25:00(LO 24:00、フードはLO 24:30) 無休 ※予約不可 ※金額はすべて税別 「どうせ仕事だから…」とあきらめずに、平日だと忘れてしまうほどのすてきな夜をお過ごしください。
2015年11月20日祐天寺駅から徒歩15分ぐらいの三宿通りに面した古いビルの2階にある「torse(トルス)」は、ブルーと白のタイルの階段が目印の隠れ家カフェです。 覗き窓付きのスライド式ドアを開けると、意外にも奥行きがある広い店内に驚きます。 店名のトルスはフランス語で半身の意味、お客様がいらっしゃって、はじめてひとつの店ができあがるという思いで名づけたそうです。 鉄製の脚をオーダーし、板を探して作ったという味わいのあるテーブルとアンティークの椅子。天井から下がる小さな電球に使い込まれた飴色の床、シンプルで男前の内装です。 お隣の会話も気にならない、ゆったりとしたテーブルの距離感は、落ち着きます。 12時から15時のランチタイムのメニューはアマトリチャーナ、オムライス、カレーライス、日替わりのパスタかスコーンで、すべてのメニューにスープ、ドリンク、惣菜がつきます。 イチオシはオムライス! ケチャップ味と和風ツナの2種類ありますがランチはそのどちらか、トッピングでデミソースやチーズを追加できます。 この日はお気に入りの和風ツナでした。まずは、キャベツ、ベーコンのスープ。 薄く焼いた黄色い卵に、たっぷりケチャップ。ご飯をふんわり包みこんだ、正統派のオムライスは見るからにおいしそうでしょう! ご飯は醤油とツナの和風の味つけですが、ケチャップとも相性抜群で、だれの顔もほころびます。 なめらかプリンはフランスのアスティエ・ド・ヴィラットの器入り。 ビターなカラメルソースと、口の中でふるりと溶けるプリンを舐めるように器からすくい、銀のテーブルスプーンでいただく贅沢。丁寧にネルドリップで煎れたコーヒーもおいしいです。 大きな窓から差しこむ秋の黄色っぽい日差しと、控えめな光を放つ吊り下げの電球、店内に流れる旧東ドイツ出身のヘミング・シュミートの心地よいピアノ…。 音楽に耳を傾けながら本を読むでもなく、ぼんやりとしばらく遠い記憶の中で遊んでいました。 また、こちらのカフェ、ワンコもお行儀がよければ入店OK! 深夜26時までの営業なので、夜カフェとしても使える頼もしい存在です。 torse tel.03-6453-2418 東京都世田谷区下馬5-35-5-2F 12:00~26:00 火曜定休 公式サイト
2015年10月28日鎌倉小町通りの「OXYMORON (オクシモロン)」は、行列ができるほどの人気店。店主の村上愛子さんがつくり出すカレーは、スパイスと旬の野菜をたっぷり使ったここにしかないもので、いつ頂いてもブレのないおいしさです。 そして、スタッフのみなさんがテキパキと働く姿を眺めていると、清々しい気分になれる癒しの場でもあります。 鎌倉小町通りの店舗は、チーズケーキやプリンなどのケーキ類も充実していたことから、人気が高まり、ついには製造が追いつかなくなったそう。そこで別にラボをつくりたいと見つけたのが鎌倉駅西口から3分の「御成」。 そこは、地元の方に30年間親しまれていたフランス料理の「丸山亭」があった広い場所で、カフェを併設したオクシモロン オナリが誕生しました。 小町通りの店は「コマチ」、御成は「オナリ」と呼びわけます。 観光客で賑わう小町通り商店街と駅を挟んだ反対側というだけで街の印象がこんなにも変わるのかと思うほど御成は静かで、しっとりとしています。 外を眺めることができるカウンター、中央に大きなテーブルと2人がけのテーブルがあり、おひとりさまでも気軽に利用できる雰囲気です。 同じ建物内には、体に心地よい素材だけを使ったやさしいテイストの服が並ぶ「Lisette(リゼッタ)」があります。こちらはカフェと繋がっていて、行き来ができるため、食事の準備が整うまで洋服を見て過ごせるのも、うれしいところ。 人気のカレーは、キーマカリーとエスニックそぼろカリーの2種類のみですが、オナリだけの限定ケーキとドリンクの種類が増え、一部のケーキがテイクアウトできるようになりました。 季節のケーキは常時2種類ほどあり、この日の季節のケーキは、いちじくとレモンのタルト。 いちじくのジャムにレモンコンフィの組み合わせは、甘さと苦味のバランスが絶妙で、ストロングコーヒーにとても良く合いました。 こちらはどっしりとしたチョコレート生地に濃厚なチョコレートをかけ、杏ジャムを挟んでホイップクリームを添えた、オーストリアの伝統なチョコレートケーキのザッハトルテ。 赤ワインと合わせて、大人の贅沢を味わいたいものです。 使用される器はイイホシユミコさんにオーダーしたもので、どのケーキにもシックに映えます。 また、甘さをぐっと抑えた昔風の固めのカスタードプリンは定番で、不動の人気です。 こちらは、黄色と白色の生地の間にコーヒーカスタードと生クリームをたっぷりサンドしたオーストリアの伝統菓子カーディナルシュニッテン。 ふんわりと口当たりが良いスポンジにカリッとした食感のシリアルを挟んだのがオクシモロン流で、とっても美味しいです。 コマチでは友人とシェアしながらカレーを味わい、オナリではケーキを食べながらゆっくりと本を読むなど、店を使いわけることもできますが、思い切ってハシゴするのもいいでしょう。 どうしても鎌倉まで足を運べない方は、村上愛子さんの著書「鎌倉OXYMORONのスパイスカレー」をどうぞ。 みんなの胃袋をつかんで離さないおいしい秘密が少しだけわかりますよ。 オクシモロン オナリ tel.0467-40-5633 神奈川県鎌倉市御成町14-1御成ビル1階 11:00~19:00(LO18:30) 火曜定休(祝日の場合は営業) 公式サイト
2015年10月23日鎌倉の「POMPONCAKES BLVD.(ポンポンケークス・ブールヴァード)」でテイクアウトしたケーキを、ひとりで一気に4個も食べてしまいました。 ポンポンケークスのケーキをフレンチアメリカン風と呼ぶ方もいるそうで、甘さを究極までおさえ、主張しすぎないケーキは繊細で軽く、とてもおいしいです! 店主の立道嶺央(れお)さん、着ているユニホームは自らデザイン、さりげなくおしゃれ。 ポンポンケークス・ブールヴァードの出発点は4年前。 鎌倉の路上でカーゴバイクを使って移動販売したのが始まりです。 行列ができ、あっという間に売れきれてしまうほどの人気でしたが、できるだけフレッシュな状態で召し上がってもらいたい! と鎌倉市梶原に店を構えました。 鎌倉梶原は、鎌倉駅からバスで20分ほど、山沿いの静かな住宅街で、嶺央さんが育った場所でもあります。 風通しが良く、窓がたくさんある店内は、隅にはレコードプレーヤーが置かれ、友人宅のリビングルームにいるようなリラックスできる空気感。 小窓からはケーキをつくっているスタッフの様子を見ることもできます。 ポンポンケークスのケーキは、フランス菓子の先生でもあるお母さんのレシピを一部受け継いでいるそう。 信頼できる生産者がつくるフレッシュなこだわり素材で、オーガニックなものを中心に、毎日ぱくぱく食べられるお菓子をつくっています。 爽やかでサクサクのレモンチーズパイ。 見た目も美しい季節のブルベリータルトはこのうれしいボリューム! つやつやでふわ~っと口の中でとろけたNYチーズケーキ。 季節のパイナップルのタルトは甘さと酸味が絶妙。 シロップとラム酒がたっぷり染み込んだサバランは大人の味で、ころんとした形もかわいい。 お子さま連れのお母さん、誕生日ケーキをオーダーする家族、ご近所はもちろん、遠方からもたくさんの方が訪れます。 嶺央さんは、ケーキを買ったお客さまに「良い一日を!」「お気をつけて~」と声をかけ笑顔で送り出しますが、その風景が外国のようでもあり、何とも爽やか。 「鎌倉の中心地から離れたこの一角に本屋さんやデリショップなどができて、新たに発展していくといいな」と嶺央さんは目を輝かせます。 鎌倉までお出かけの際には、おいしくて優しいケーキを食べに、ちょっと足を伸ばしてみてくださいね。 ポンポンケークス ブールヴァード tel.0467-33-4746 神奈川県鎌倉市梶原4-1-5 助川ビル 10:00~18:00 水曜・不定休 公式facebookページ
2015年10月01日9月3日、ウーマンエキサイト主催、鏡リュウジ先生の「月と運命」のイベントに参加しました。 筆者自身、新月や満月のときに願いごとをすることもあり、もともと月に興味があったので、鏡リュウジ先生のお話を直接おうかがいできる貴重な機会をいただけてうれしかったです。 会場はNYカフェ風のインテリアにしたエキサイト株式会社の中にあるイベントスペースで、参加者は100名ほどでした。 間接照明でリラックスできる雰囲気の中、いよいよイベントがスタート! 今回のイベントでは、グリム童話の「いばら姫」を鏡リュウジ先生の豊かな知恵と解釈で読み解いていただきました。 なんでも深層心理学の世界では「運命」の話をするときに、おとぎ話や神話を例にすることが多いとか…。 カニは“月の象徴”で、12枚の金の皿は“太陽を表し”、糸車は“運命の象徴”とのこと。 そして「12」と「13」の数字の持つ意味の深さといったらありませんでした。この宇宙はすべて計算されてつくられたのでは? と思えたほどです。 太陽が理性や思考だとすると、月は無意識で自分では気づかない感情の一面や自然の摂理を表しているそうです。 エロール・ル・カインの美しい絵の中にちりばめられたメッセージも、子供の頃に知るはずもない奥深いもので、イベントが進むにつれて、どんどん明らかになる神秘の世界に胸がドキドキしました。 イベント後半に行われたレクチャーでは、月齢サイクル図(8つにわけた月の満ち欠け)を使って、生まれたときの月のかたちで、自分のパーソナリティーを知ることができました。 たとえば、ニュームーン生まれは子供のように純粋で素直、80年代に活躍した男性アイドルに多く、フルムーン生まれは、矛盾を抱えながら客観的に自分を見ることができるので女優に多いそうです。 みんな、自分の隠れた本質を知ろうとメモを取りながら、熱心に耳を傾けていましたよ。 また、大きな運命の転換は、月が新月から満月に変わるときに起こりやすいそう。 参加者の中には両親の離婚、留学、結婚をしたという方もいましたが、私も人生の岐路ともいう厳しい現実にぶち当たったのが、まさにそのときでビックリ! あれも運命だったのかと思うと背中がゾクっとしました。 とてもエレガントで美ボイスな鏡リュウジ先生…お話をずっと聞いていたくなりましたが、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうもの。 今回のイベントに参加したことで、神秘の月についてもっと知りたくなりました。 <鏡リュウジ・プロフィール> 1968年、京都生まれ。心理占星術研究家、翻訳家。国際基督教大学卒業、同大学院修士課程修了(比較文化)。英国占星術協会、英国職業占星術協会会員、日本トランスパーソナル学会理、平安女学院大学客員教授、京都文教大学客員教授など歴任。趣味は料理と古書蒐集。好きなものは赤ワインと肉、イギリス 鏡リュウジの恋愛月占術 ウーマンエキサイト占い
2015年09月09日今年の5月に吉祥寺にオープンしたばかりの「宵の実」は、早くもカフェ好きには知られた存在。吉祥寺駅から北東に徒歩5分、五日市街道沿いの交差点角に建つ、古いマンションの2階の奥にあります。 店内の大きな窓からは陽光が差し込み、目立たない場所ならではのマイペースな空気感です。ドアを開けた瞬間から、食欲をかきたてるスパイスの香りにグゥ~ッとお腹の虫が鳴きました。 床の一部は星恵さん自らが敷いたという石、ヴィンテージの扉、壁には白サンゴ、うわ薬のついた石板が床に並び、テーブルには川で拾った石が置かれ、しっとりとした甘すぎない空間で、落ち着きます。 食事は、週替わりのスパイスのプレートと野菜のプレートの2種類(野菜ジュース付き)。おかずがお皿の上で混ざってもおいしく食べられるように工夫されています。 スパイスのプレート1,080円。アメジスト色の皿は野菜の色をひきたてます。 トルコ料理風のチキンとピーマンのヨーグルト煮。チキンはしっとり、ミントの清涼感に、くったりとしたピーマンの風味が何とも言えずおいしい! 付け合わせは蒸したとうもろこしにクミン、砕いたカボチャの種とキャベツのサラダ、人参のマリネ、リーフサラダ、ジャスミンライス。バランス満点のプレートです。 カシューアイスケーキ 550円に、南方郵便機のマンデリンフレンチ豆使ったコーヒー 450円。レーズン、くるみ、ココナッツがぜいたくに使われ、こっくりとした味と食感が楽しめます。 おひとりで切り盛りされている店主の星恵さんは、吉祥寺にあった「カフェ アマル」のご出身。壁の乾いた笹の葉はアマル時代の七夕に使用したもので、大事に飾られていました。 宵の実を日常の一時を過ごす場所にしたいと話す星恵さん。真夏でも入口が少し開けられ、今日もやさしくお客様を待っています。 宵の実 tel.非公開 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-34-10 ヤマキ第6ユニアス204 11:00~18:00(L.O. 17:30) 日、月曜日定休(臨時休業あり) 公式サイト
2015年08月31日「MATTERHORN(マッターホーン)」は学芸大学駅から3分、今年で創業63年を迎える老舗洋菓子店です。バウムクーヘンはマッターホーン! と言われるぐらい評判が高く、鈴木信太郎画伯の絵を使った包装紙や焼き菓子の缶も人気です。 マッターホーンのモカソフト630円は、10月中旬ごろまでの数量限定販売。 コーヒーゼリーと甘味をおさえたコーヒーソフトクリームの組み合わせはムフフなおいしさ、コーンが突き刺さった斬新なビジュアルも最高です。 ショーケースの中には手頃な値段で買える300円代のケーキも多数、朝9時のオープンから出来たてのケーキやクッキーを求めるお客さまでいっぱいです。 マッターホーンは、自由が丘のモンブランと創業者が兄弟同士だそう、レトロな店構えもなんとなく似ています。 喫茶室は10時にオープン、男性おひとりから子供連れまで気軽に利用できるのが魅力。 店員さんの制服は、白のシャツにすみれ色のエプロンと三角巾、白い靴に白いハイソックスとクラシカルでかわいい! 観葉植物は今ではあまり見かけないポトス、テーブルの花のしつらえを見ても、すべてが良き昭和スタイルですね。 薄くカットされたバウムクーヘン300円は、年輪も細やかでしっとりして、もっちり。ラム酒の香りと卵の風味が口の中で広がり、とてもおいしい。 テイクアウトするとこんなにかわいい袋に入れてくれるので、ちょっとしたプレゼントにも大変喜ばれます。 創業当初から販売している市松模様が特徴のダミエ(チェッカー盤のこと)300円、これもマッターホーンを代表するケーキです。 ショコラとプレーンの2色のスポンジの全体をチョコで薄くコーティング。スポンジの間のバタークリームは、高級なカルピスバターを使用したもので、生クリームとはまた違う上等な味わいがあり、大好きです。 おまけの情報! ご近所の製菓材料店のフォンテーヌはマッターホーンの経営で、バウムクーヘンやダミエの切り落としなどが、お得な価格で手に入ります。 マッターホーン tel. 03-3716-3311 東京都目黒区鷹番3-5-1 ショップ 9:00~19:30 / 喫茶室 10:00~19:30 火曜日定休(祝日の場合は営業) 公式サイト
2015年08月30日全国にファンを持つ、料理家なかしましほさんのお菓子の店「foodmood(フードムード)」は国立にあります。 店頭販売が中心でしたが、移転してカフェスペースができ、作りたてのシフォンケーキサンドや季節のケーキ、おやきなどを楽しめるようになりました。 国立駅から歩くと15分ぐらい、少々不便でも10時のオープンを待ってたくさんの方が足を運びます。 高い天井、真っ白い壁、テーブルの上には小さな季節の花、おやすみソングが流れる、ゆったりとしたやさしい空間です。 焼き菓子のほかに、teteriaに注文したオリジナルの紅茶や、なかしましほさんの地元、新潟県のワイナリーで造られる微発泡ワイン1800円なども販売されていました。 作りたてのシフォンサンドとストレートの紅茶。 シフォンサンドは手で優しく持ち、ちぎるようにして食べます。 少し苦みがある夏みかんのジャムと生クリームはバニラの香るシフォンによく合い、ふんわりと軽くとてもおいしい。 手作りジャムは季節によって変わります。 予約して購入するナチュラルクッキーボックス。絵文字のかわいい箱のデザインは、なかしましほさんのご主人、中島基文さんによるものです。 内容は月ごとにかわりますが、この時は黒ごまスティック、レモンココナツ、チョコグラノーラ、ピーナツバタークッキー、青のりカシューナッツ、ジンジャービスケットでした。 粉の風味を生かしてじっくり焼き上げたクッキーは、卵、乳製品不使用。ザクザク、サクッと種類によって食感が異なり、どれもスキップしたくなるほどのおいしさ。 フードムードのお菓子は、一度食べたら忘れられない、おなかだけではなく、心も満足する愛されおやつです。 foodmood tel. 042-573-0244 東京都国立市西2-19-2 10:00~17:00(LO16:30)日・月曜定休 公式サイト
2015年08月10日9月14日、クイシンボウの日にオープンした「circus(サーカス)」は、国立駅南口を出て線路沿いを西に7分、マンションの1階です。店名のサーカスは、単純で覚えやすく明るいイメージにしたいという思いから、オーナーのセキグチさんが付けました。 整備工場などに使われていたような鉄製のガラスサッシが目印、外国の下町にありそうな店構えです。入り口の花はナツシオン、店内には桔梗、ヨウシュヤマゴボウなどが自然な形で生けられていました。花は国立の無人スタンドで購入するそうで、店の雰囲気によく合っています。 存在感のある美しいトワイライトの壁は、画家パウル・クレーの「金色の魚」を想像させ、小さな明かり取りから入る柔らかな光は、時間とともに壁の色を微妙に変化させます。 壁から下がるドライフラワー、エアプランツ、コラージュ作品、古道具、棚に置かれた石ころ。小さい頃の思い出を並べたような懐かしい雰囲気を持つものがあちこちに見られます。 食事は茹で鶏のせご飯、茹で鶏のフォー、お惣菜セット、トーストとスープ、バタートースト。 そのなかでも茹で鶏のせご飯はセキグチさんの思いがこもっています。19歳の時に食べた海南チキンライスのおいしさに衝撃を受け、いつかカフェをするならこんな海南チキンライスを出したいと心に決めたそうです。 茹で鶏のせご飯(スープ、小鉢、漬物付き)1000円。大根にシソ、隠し味のマーマレードを使った小鉢はしゃれた味で真似したいアイディア。干しエビともやしのスープもとてもおいしい。 うまみ豊かな大山鶏(だいせんどり)は弾力があり、肉厚でやわらか。たっぷりの野菜とキャベツの甘酢漬け、パクチーにレモン、中国醤油ベースのソースをかけて、鶏スープと生姜の炊き込みご飯といただく。お肌もぷるぷるになる、間違いなしのおいしさです。 濃厚なアイスチャイのアクセントには、ピンクペッパー。季節のケーキは、梅とクリームチーズのパウンドケーキ。素材の組み合わせにセキグチさんの遊び心を感じます。 自由でアート性を感じるサーカスは、イネル(高山なおみさんがスタッフだったカルマの姉妹店)などのカフェで働き、写真を学んでいたセキグチさんならではの個性を感じます。 おいしいごはんを楽しめるのはもちろん、セキグチさんの気さくで柔らかな接客が心地よく、アルコールもあるので夜ご飯使いにもおすすめしたいサーカスです。 circus tel. 080-8161-9889 東京都国立市中1-1-17 セントラルハイツ106 12:00~21:00(LO20:30) 火・水曜定休 公式サイト
2015年07月26日「Cafe Lisette(カフェリゼッタ)」の自由が丘店は、駅から5分の深い緑の中に立つ熊野神社の隣にあり、大人の女性が似合う静かなカフェです。 ブティックを併設しているのでメニューは、チーズケーキなどの焼き菓子が中心ですが、熊野神社に集まる鳥のさえずりを聞きながら、ゆっくりとお茶時間を楽しむことができます。 オススメは、ドリンク付きの季節の素材を使ったタルティーヌランチで、1,300円。ハンドドリップコーヒー、アイスコーヒー、紅茶、りんごジュース、なんと白ワインや赤ワインも選ぶこともできます。 このときは、フルーツを使った美しいタルティーヌを味わいました。春に出版した「オープンサンド レシピブック」の中の一品です。 メロンのタルティーヌ。メロン、アボガド、セロリ、モッツァレラチーズ、芝エビにミント。シャキッとしたセロリとねっとりしたアボガド、塩ゆでの芝エビにメロンという組み合わせは見た目も涼しげで爽やか、白ワインにぴったりです。 カラフルな色彩が食欲をそそるスイカのタルティーヌはデザートにもなりそう。白ワインビネガーでマリネしたスイカにクレソン、フェッタチーズ、プロシュートを合わせます。プロシュートとフェッタチーズの塩気、甘くジューシーなスイカはとてもよいハーモニー、やみつきなりそうです。 気がつくと、パナマ帽を被った初老の男性や、白い麻のブラウスにネイビーのパンツをコーディネイトしたおしゃれな女性がいらっしゃいました。どのテーブルにもカンパーニュと白ワインが置かれ、まるで避暑地の昼下がりのよう、本を持ってふらりと訪ねたい自分時間が持てるカフェリゼッタです。 Cafe Lisette tel.03-5726-9591 東京都目黒区自由が丘1-24-6 11:00~19:00(LO18:30)水曜定休 公式サイト
2015年07月08日「南町テラス」は、土日限定でオープン、デリランチと煎れたてのコーヒー、スイーツが楽しめるカフェです。場所は逗子市の小坪ですが、以前は南町(みなみちょう)といわれていたことから、店名が南町テラスになりました。 車の入ることができない漁村集落に建つ、もと漁師さんの住まいをリノベーション。1階はテラスと座敷のカフェスペースで、2階は住居です。 営業時間は季節によって変わり、6月から9月は朝9時にオープン。目の前の屋根瓦と海を眺め、ポポポポッという漁船のエンジン音を聞きながら、テラス席で食事を待ちます。 ランチは1種類で1,000円。プラス200円で紅茶、コーヒー、ジュースのいずれかをつけることができます。 蕪のポタージュは、少し癖のある葉っぱの風味を活かした豆乳仕立てで、蕪を丸ごと味わっているようでした。 砂糖と乳製品を使わない自家製の天然酵母パンは、シンプルで力強いおいしさ、黄色っぽいのはカボチャとレーズンです。 白い皿に盛りつけられた色とりどりのプレートは野菜中心。旬の無農薬野菜と小坪で取れた海の幸が使われています。 左上から、カボチャとオカヒジキにレンズ豆。新じゃがいもとヤリイカ、アスパラのソテー。トマトとビーツのサラダ。ルッコラの花を添えた水菜、シラスのサラダ。3種の人参のマリネ。 新鮮な地元野菜は味が濃く、素材を生かした調理法と味付けで、とてもおいしい。 自家製焙煎の煎れたてコーヒーと香ばしい焼きキウイのタルト。 逗子マリーナや江ノ島を望むテラス席は、天気が良ければ富士山まで見えます。空と海がひとつになった風景の中で、聞こえてくるのは、ピーヒョロロと鳴くトンビの声だけ。 この景色を見るだけでも南町テラスに足を運ぶ価値があると思える、本当はだれにも教えたくない特別なカフェです。 南町テラス tel.0467-84-7162 神奈川県逗子市小坪4-12-15 6月~9月9:00~12:00 (L.O.11:30) 15:00~18:00(L.O.17:30) 10月~5月12:00~17:00(日没まで) 月~金曜定休 公式サイト
2015年07月02日新しくオープンする店舗の、植裁はすべて「SOLSO(ソルソ)」が手がけていると言われるほど大人気。そのソルソが4月~12月の間、週末限定で一般開放しているのが、川崎市の「SOLSO FARM(ソルソ ファーム)」です。 星野リゾートや公共施設などで使う植物や、「BIOTOP」で販売している植物を管理している農園ですが、植物を鑑賞して購入、遊びや食べることも体験できる場所にしたいとオープンしました。 小高い土地には珍しいたくさんの植物が植えられ、植物を種類ごとに分けた温室が建ちます。あちこちにフラッグ・ガーランドがかけられ、外のスピーカーからは、ゆるーく音楽が流れてのどかな外国のような風景。マナーを守れば犬も入店OKです。 木に吊るした藤の揺りかごやブランコ、顔を入れて記念撮影ができるサボテンの立て看板など、友人の子供と一緒というシーンでもあきないように工夫されていました。 ビニールハウスの前の立看板もおしゃれ、庭造りのアイディアをもらえます。 ワーゲンのワゴンはキッチンカーで、地元で愛されているタイカレー店「イムイェム」が出張営業しています。その日によってメニューは変わりますが、フードは2種類のセットメニューで¥1,300。珈琲、チャイ、アルコール、ジュースもあります。 ファームで育てられたハーブを使ったノンアルコール・モヒート、暑い日には最高です。 人気のパン屋「ベッカライ徳多朗」のチャバッタを使用したチキンサンドイッチはボリューム満点。のびのびと育っている植物の中を歩き、ブランコに揺られ、緑の天井のカフェテラスでピクニック気分。ソルソ ファームは、緑に癒され元気になれるパワースポットです。 SOLSO FARM tel.044-740-3770 神奈川県川崎市宮前区野川3414 土~日10:00~17:00 飲食物の持込不可 公式サイト
2015年06月15日パンと珈琲と雑貨を扱うお店「うぐいすと穀雨」は、2015年1月17日に店主の鈴木菜々さんが育った雑司が谷に店を構えました。駅から3分ほどですが、2階にあり、うっかりすると通り過ぎてしまうので、表の手書き看板を目指して階段を上がると、ガラス窓の向こうにパンが並んでいます。 内装のプロデュースは表参道のアンティーク雑貨店「はいいろオオカミ+花屋 西別府商店」によるもの、カウンター4席と2つのテーブル席、お友達と塗ったという白い壁に古物をうまく取り入れ、センスの良いお友達の部屋に招かれたような雰囲気です。 パンは、シナモンロール、ハーブ、あんぱん、キッシュ、チョコスコーン、コーンパン、まいにち(食パン)、わっか(ベーグル)、いなほ(ベーコンエピ)など、この日は10種類ほど。毎日食べてもあきない食パンの名前は“まいにち”、丸いベーグルは、“わっか”ネーミングもユニークで、こんなところからも鈴木さんのチャーミングさを感じることができます。 トーストセット(サラダ、デリ、ドリンク付き)700円をいただきました。6時間かけて作る“まいにち”のトーストは、耳はカリッとして、中はもっちりで甘くおいしい。キャロットラペやサラダのドレッシングの味付けも好き、満足できるセットです。 豊かな香りの紅茶とオレンジピールのケーキ、たっぷりのアイシングが魅力。 コーヒーは、川越の自家焙煎珈琲店「tango(タンゴ)」に作ってもらったオリジナルブレンド。「SoK(oの上に横棒・ソーク)」のカップは口当たりもよく軽く、珈琲をよりおいしく味わえるようでした。 何を買おうかママに相談しながらうれしそうにパンをトレイに乗せるお子さん、子供でも手に届く高さに並べられたパン、色んなところに優しさが見えます。ガラス越しに笑顔で手を振りながら入店して来るお客さまに「こんにちは~」 と鈴木さんの声が店内に明るく響いていました。 入口から店内まで花がいっぱい、お客様が持ってきてくださるのだそう、どんなに鈴木さんは愛されているのでしょう…。お友達への差し入れにたくさんパンを買って帰りましたが、どれもおいしい! と喜ばれ、ここでも大きな笑顔に会えました。「うぐいすと穀雨」は早くも皆に愛されている店になっているようです。 うぐいすと穀雨 tel.03-3982-9223 東京都豊島区雑司が谷3-8-1 木村ビル2階 木~土曜11:00~19:00(LO18:00)、日曜11:00~16:00(LO15:00) 月~水曜定休 公式サイト
2015年05月16日焼き菓子とタルトのカフェとして4年前にオープンした自由が丘の「BLOOM'S(ブルームス)」がうす焼きパイとアイスクリームのカフェとして場所を移して3月31日にリニューアルオープンしました。自由が丘駅南口を出て徒歩1~2分、マリ・クレール通りのGAPの裏通り、外観はシックなブルーで窓にはブルームスのシンボルのりすが木陰から覗いています。 店内はカウンターと二人がけのテーブルが4つとコンパクト、明るくシンプルな内装はひとりでも気兼ねなく利用できそうです。 入口正面のショーケースにはうす焼きパイ6種類が並んでいます。りんご、オレンジ、バナナとチョコレート、洋梨と紅茶、抹茶とダークチェリー、ダークチェリーとラズベリー、大きさは12cmほどでしょうか、どれもおいしそうです。 手作りのアイスクリームはココナッツミルク、苺ミルク、アールグレイ、桜あずき、グリーンティー、ソルト、フレンチバニラ、生チョコレート、ブラッドオレンジのシャーベット、マンゴーシャーベットの10種類、気になるものは試食ができます。 イートインメニューはパイ、アイスクリームの他に日替わりのキッシュやタルトがありました。今日いただくのは、パイ+アイスクリーム800円。アイスクリームを決め、キャラメル、チョコレート、ラズベリーソースの中から1種選びます。 ダークチェリーとラズベリーのパイ+ソルトアイスクリーム+キャラメルソースにしました。温められたパイは軽~く、サクッサクで程よい甘さ、さっぱりしたソルトのアイスクリームとよく合います。自由が丘散策に疲れたら、マリ・クレール通りの木陰のベンチでテイクアウトしたアイスクリームをいただくのもいいですね。 BLOOM'S Pie&Icecream tel.03-3725-0705 東京都世田谷区奥沢5-26-2 11:00~19:00、無休 Facebook
2015年05月02日ふわふわのパンケーキが評判の「toile de liberte(トワル ド リベルテ)」にペシャリティコーヒーの飲み比べというメニューが登場、コーヒー好きには見逃せません。 トワル ド リベルテは、祐天寺の駅から15分ほど、畳屋さんをリノベーションした青いタイルの一軒家で、1階がカフェ、2階はインテリア用品や雑貨を扱うショップになっています。 入口の青いドアを開けると柔らかな自然光が注ぐ、奥に深いおしゃれな空間がありました。 インテリアデザイナーとして活躍するオーナーの笠原英治さんが世界中から集めたアンティークの家具やヴィンテージの照明などを使ったこだわりの世界観は、舞台セットのようでおもしろく、ときめきます。 メニューは終日朝ごはんがテーマ、その中でも人気のパンケーキプレート1,360円、平日のランチはスープ付きをいただきました。 カトラリーやお皿が描かれたトロンプルイユのランチョンマットがセッティングされ、焼けるベーコンと甘い香りに鼻をくんくんさせながらパンケーキの焼き上がりを待ちます。 この素晴らしいボリュームに感激!厚切りベーコン、骨付きソーセージ、グリーンサラダ、日替わりのさつまいものサラダ、濃厚なエビのスープにメープルシロップ付き。りんごのコンポート入りパンケーキはメレンゲ入りで、口当たりも軽く、食事系とスイーツ系の味が楽しめ、大満足。 パンケーキに合わせるのは、ドーナツドリッパーで煎れたコーヒーのチョイスティスティングセット(1,150円)。3種のコーヒー豆からグラテマラ、イルガチャフィの2種類を選びました。えぐみや雑味がなくしっかりと濃く、すっきりしてとてもおいしい。香りも風味も酸味もまったく違う、ふたつの個性を味わえます。 2階はフランス、ベルギー、モロッコなどを中心に世界中から届いたもの、ラグ、クッション、雑貨、全体的に可愛いテイストのものが多く、購入できます。 ちょっと気持ちが疲れたときは、隠れ家カフェでゆっくり時間を過ごしてリセットできそう。お料理もおいしくて、スタッフの方が親しみやすい、それもトワル ド リベルテの魅力です。 toile de liberte tel. 03-5708-5931 東京都目黒区中町2-1-1 10:00〜20:00(LO19:15) 日曜日、月曜日定休 公式サイト
2015年04月25日学芸大学にオープンした「8ablish(エイタブリッシュ」は、東京を代表するヴィーガンカフェ、「PURE CAFE(ピュアカフェ)」のお菓子の工房で、カウンターでつくりたての焼き菓子とコーヒーを味わうことができます。 ヴィーガンは純菜食主義者という意味。エイタブリッシュの店内にはオーガニック食材やオリジナルのスパイス、オリジナルデザインのファブリックやポストカードなどを販売、経営者のダブルオーエイト(デザイン会社)のおふたりがデザインなさっているパッケージはおしゃれです。 オリジナルのグラノーラと挽きたてのピーナツバター。 ピュアカフェで提供されているレシピが惜しげもなく公開されているヴェジブックはスパイスの使い方など、とても参考になります。 ダブルオーエイトがパッケージデザインした、ナチュラルなペットフードを販売。 毎週金曜日には、京都から届く「KARUNA(カルナー)」の天然酵母を使ったこだわりのテーブルロールや食パンが並びます。 北海道産の小麦、オーガニックのメープルシロップやデーツシロップ、ココナッツミルク、カンホアの塩など素材にこだわった日替わりマフィン2種。 ストロベリー&ローズマフィンはダマスクローズの華やかな香りが抜群で、ストロベリーの甘酸っぱさがおいしい。チョコラムレーズンマフィンは、ビターな大人フレーバーで、男性にも好評です。 挽きたての豆を使ったドリップコーヒーのお供は、干し柿とローストココナッツ入のパンに無糖のピーナツバター&チョコとバナナのサンドイッチ。プレスリーも愛したというピーナツとバナナは最強の組み合わせ、アメリカ的ですがとてもおいしい。 ヘルシーで美味しいものがたくさん、ヴィーガンでなくても、気軽に立ち寄って欲しい場所です。 Eightablish tel. 03-6753-3316 東京都目黒区鷹番1-7-11 1F 8:30-18:00 日曜日定休 公式サイト
2015年04月18日国内外の5000冊の写真集、おいしいごはん、ワクワクできるイベントをときどき開催。3つの要素を持つ「写真集食堂 めぐたま」は、写真評論家の飯沢耕太郎さん、ごはん屋さんを営んでいたおかどめぐみこさん、コミュケーションアーティストのときたまさんの3人によるお店です。 恵比寿駅西口から青山方面に徒歩7分。村井正さんが設計した箱型の建物は、柱がないエアロハウスという木造建築。内装はザ・ペニンシュラ東京の内装などを手がけた橋本夕紀夫さん、床の白いペンキで大胆に描かれた「いのちの樹」は、飯沢耕太郎さんによるものです。 洋書を使って作ったライトは「写真集食堂 めぐたま」オリジナル、遊び心があります。 テラス席のある店内、中央にはカウンターと厨房、入口には食品や生活雑貨、ときたまさんが発信するアート関連もの、壁一面に飯沢さん所蔵の貴重な初版本などを含む写真集5000冊が収められ、自由に閲覧できます。本は人の手に触れられるほど傷むものですが、飯沢さんはしまい込むことなくテープで修繕なさっているとうかがい、胸がいっぱいになりました。 写真家、荒木経惟(のぶよし)さんが自費出版した作品「センチメンタルな旅」とても好きな1冊! 「写真集食堂 めぐたま」のもうひとつの魅力は、おかどめぐみこさんの旬の食材を使ったおいしい日本のおうちごはんやおやつをいただくことができること。和・洋・中なんでもあり、お母さんが作ってくれるような野菜たっぷりのお惣菜が並びます。この日のランチは一汁三菜の定食、ハムカツ、切干大根、さつまいも、菜の花の煮物、れんこんとセロリ、ブロッコリーの胡麻クリームサラダ、白菜の浅づけ、味噌汁、黒米入り玄米でした。 人気のハムカツ。 元気が出る青レモンの酵素ジュース。酵素ジュースは季節の材料を使って作っているので飲みきったらおしまいです。 また、ときたまさんが担当で、アートやお料理にまつわる面白いイベントを開催しています。ランチは定食、オヤツ時間は江戸のお菓子を再現した糠ケーキを頬張りながら写真集を眺め、夜はお酒を飲みながら一品料理を楽しむことができます。写真好きの方はもちろん、お子さん連れのママさんや家族、誰をもやさしく迎えてくれる雰囲気…。「ただいまー」と帰りたくなる場所です。 写真集食堂めぐたま tel.03-6805-1838 東京都渋谷区東3-2-7-1F 平日11:30~23:00(L.O22:00) 土日祭日12:00~22:00(L.O21:30) 月曜日定休(祭日の場合は、火曜定休) 公式サイト
2015年03月28日いつも人が多い横浜ですが、元町仲通りのはしっこにある「Cafe de LENTO(カフェ・ド・レント)」の辺りは少し静かです。黒いテントと白いカフェカーテンが目印のパリ風のシックなこちらのカフェの店主は堀川学さん。下北沢で惜しまれつつ店をしめた「CICOUTE CAFE(チクテカフェ)」のご出身で、物腰のやわらかな素敵な方です。 ぬくもりのある木の床に白の壁…。アンティークのライトがインテリアのアクセントになっています。見覚えがあるチクテカフェから譲り受けられた椅子も新しい場所に溶け込んでいました。 メニューはビーフシチュー、ニース風サラダ、ライ麦パンを使ったハムチーズサンド、数種類のタルトにカフェ、ベルギービール、シードル、ホットワインなど、種類は多くありませんが、満足度が高いものばかり。時間帯によってお得なセットメニューもあります。 今日はニース風サラダとライ麦のバターはちみつ、焼きいちごのタルトとミルクティーをお願いしました。ニース風サラダは、チクテカフェを代表する一品でしたが、ほっこりしたジャガイモ、いんげん、シャキシャキのつややかな野菜、絶妙な茹で加減の半熟卵にツナとオリーブの美しいひと皿は健在。ピンクペッパーとタプナードソースを添えてレント風に変化させるとさらにおいしさが増します。カリッと焼かれたライ麦パンと、スペイン産のレモンはちみつとバターの組み合わせは魅力的です。 アイスクリーム添えの自家製タルトは、りんごのキャラメリーゼ、チーズ、焼きいちごの3種類がありました。しっかりと焼き込んだタルト生地は香ばしく、甘くて酸味があるいちごとアーモンドクリームの組み合わせが抜群。フレッシュいちごとはひと味違ったおいしさです。 ダブル焙煎のすっきりしたフレンチコーヒーもオススメですが、マルコ・ポーロを使ったロイヤルミルクティーは、香りも豊かでびっくりするおいしさでした。 レトロ感のあるおしゃれなパッケージの中身はお土産用のタルトです。 堀川さんが作り上げたレントは、ファンが多かったチクテカフェの遺伝子をしっかりと受け継いでいました。きちんとした空気感、丁寧な接客、ぶれないおいしさ…。これから年月を経てもずっと愛されるカフェであり続けるに違いないお店です。 CAFE DE LENTO tel.045-263-6063 神奈川県横浜市元町5-213 駒形ビル101 11:00~20:00(LO19:00) 水曜日定休 公式サイト
2015年03月21日鎌倉方面にお出かけ! 江ノ電に乗って長谷駅で下車。キラキラ光る春の海沿いを歩き、1本路地に入るとそこは静かな住宅地。「ここかしら?」と不安になりながらも見えてきたのは、三角屋根とRのロゴ。外まで甘い香りが漂っていました。 「cafe recette 鎌倉 (カフェルセット)」は、日本初のパンスイーツ専門カフェ。ネット予約販売でしか買えない最高級食パン専門店の「recette(ルセット)」が運営しています。 1999年に誕生したルセットは、厳選した食材と天然酵母を使い、パン種にクラシックを聴かせて発酵させることで話題になりました。長時間熟成して焼き上げたパンは、1斤数千円しますが、一時期は通信販売で13ヵ月待ちになるほどの人気に。 カフェルセット鎌倉は、“古い物と新しい物”“和と洋”の融合をコンセプトに、大正時代に作られた古民家をリノベーションしています。ウォールナットのテーブル、椅子、棚はすべて「KOMA」。なめらかで磨き込まれた肌触り、後ろ姿が美しい椅子は、柔らかいカーブが体を包む優れものです。 BLTサンドは1,200円。鎌倉ハム工房「アルトシュタット」のスモークベーコン、レタス、トマトを粒マスタード入りの自家製マヨネーズでいただきます。ジューシーに焼かれたベーコンは絶品! 食パンのおいしさをストレートに味わえます。 自家製ジンジャーオレンジは、スパイスが刺激的でとてもおいしい! 一番人気のフレンチトーストは単品で1,400円、ドリンク付きで1,800円。食パンはアパレイユにひと晩浸してフライパンで焼いたあと、グラニュー糖をふりかけ、バーナーでキャラメリゼ。粉糖とアーモンドスライスとピスタチオでお化粧し、さらに自家製カラメルハチミツ、メイプルシロップをかけていただきます。 表面はカリッ、なかはぷるん、ローストしたアーモンドはパリッ。いくつもの違った食感が楽しい贅沢なフレンチトーストは、ここ鎌倉でしか味わえません。 cafe recette 鎌倉 tel. 0467-38-5700 神奈川県鎌倉市坂ノ下22-5 8:30~17:00 ・公式サイト
2015年03月14日ここにいると包まれるような感覚になる…白い壁、深い藍色の壁、まちまちの電球が照らすやわらかな光、天井から降り注ぐハープの音はtico moon。インテリアも音もすべてがひとつになって、森の中にいるような清々しさを感じる、気持ちがゆるむカフェ「trim(トリム)」は西荻窪にあります。 「trim(トリム)」は、卵と乳製品を使わないお菓子を販売している「Khanam(カナム)」の姉妹店。おいしいお菓子をいただけるだけでなく、店主の石橋加奈さんのアンテナに引っかかった作家さんたちの絵を展示したり、ワークショップなどを開催するなど、「trim(トリム)」を通して暮らしが豊かになる情報を発信しています。ときには冬の夜空のような藍色の壁の前がライブステージになることも。 お菓子のメニューは、マフィン、スコーン、アイス、パフェ、クッキーなど。どれも葛粉、双糖、メープルシロップを使った安心のやさしい味です。 ガトーショコラ 抹茶あずきプリンに黒蜜を添えて。 カップルはもちろん、ベビーカーのママさんやひとりでゆっくりと本を読む人も多いそう。心を込めて作られたお菓子をいただいて心も体もほっとひと息、ひょっこり時間が空いたら立ち寄りたいカフェです。 trim tel.03-3332-0051 東京都杉並区西荻南1-19-20 ライオンズマンション1F 12:00-19:00(LO18:30) 不定休(ホームページでお知らせ) ・公式サイト
2015年02月28日イタリア人のシルバさんが手がけた「La vie a la Campagne(ラ・ヴィ・ア・ラ・カンパーニュ)」は、自分で作ることをカタチにした“ヨーロッパの田舎”をコンセプトにした一軒家のカフェ&レストラン。モーニング、ランチ、ディナーと活用できます。日本の古い家を改装して作られた内装は、壁、棚、階段、どこを切り取っても詩的で外国の雰囲気、ため息がでるほど魅力的です。 1階は食パン、ブルーベリーロール、カンパーニュ、オリーブやチーズのパン、フォッカチャ、ドライフルーツパンなど、ここにしかない顔をしたパンが並びます。また、季節の手作りジャムは、いちごとバナナ、パインとキウィ、みかんとキウィ、マンゴとキウィ、いちごとシトラスと、意外な組み合わせでどれにしようか迷ってしまうくらい豊富です。 2階のカフェは、ヨーロッパのアンティーク、長テーブル、教会の椅子、大きなガラス瓶が並び、飾られたドライフラワーまで西洋絵画のようですべてが愛おしいと思えるほどです。 この光と影が創りだす美しい場所が朝の9時にはオープン。長テーブルに9席、テーブルが4卓、カウンターが5席と十分に席が用意されています。 ブランチとしていただいたのは、店名でもあるラ・ヴィ・ア・ラ・カンパーニュ、ダイナミックに半斤分の食パンを使ったピザトーストで、他にはひよこ豆と野菜のスープとグラタン、チキンとポテトのバルサミコ煮がありました。田舎風のどっしりとした食パンをくり抜いた中には、ラタトゥーユとたっぷりのチーズ、ナイフを入れると湯気が上がりました。 シナモンの香りが効いたスパイシーなキャロットケーキとコーヒー。 オーナーのシルバさんの作り出す世界は豊かで遊び心があり、インテリアのお手本にしたい要素がいっぱい。心のままに過ごせる場所です。 La vie a la Campagne tel.03-6412-7350 東京都目黒区上目黒2-24-12 モーニング9:00~11:30 ランチ11:30~14:30 ティータイム15:00~18:00 ディナー18:00~22:00 不定休 ・公式サイト
2015年02月22日1855年にイタリア・ローマで生まれたカフェ・バール「Bondolfi boncaffe(ボンドルフィ・ボンカフェ)」が「TENOHA DAIKANYAMA(テノハ代官山)」内にオープンしました。 ローマから空輸されるコーヒー豆を使ったエスプレッソは苦みが少ないのが特徴です。20席ある店内には、1958年に撮影されたローマ店の写真が飾られ、まるでイタリアにいるような雰囲気。 チョコレートや苺のシュークリーム、ナポリ名物のラム酒をたっぷり使ったババ、一口サイズのクッキーなど、エスプレッソに合うイタリア菓子がずらりと並びます。テラス席では、SOLSOFARM(ソルソファーム)が手がけた中庭のグリーンを見ながらお茶もできる、居心地のよいカフェ・バールです。 この時期オススメなのは、カポッチョーネ。チョコレートソースにエスプレッソを注ぎ入れ、カカオをトッピングしたバレンタイン向きの代官山限定のドリンクです。 日本限定のチョコレートも並び、エスプレッソのお供にはかかせません。 そして一緒に食べたいのはカンノーロ。フランシス・フォード・コッポラ監督作の『ゴッドファーザー』では毎回登場し、敵のドンを暗殺するために、マイケルの妹コニーは毒入りのカンノーロを用意。 警戒心を解くために、まずはコニーが毒の入っていない側をひと口食べ、その残りを食べた相手は毒殺されたというシーンでも使われたシチリアを代表するお菓子です。サクサクに揚がった筒状のパイにリコッタチーズを詰め、ピスタチオと香りの高いオレンジピールを飾り、軽く爽やかでとてもおいしい、手づかみでいただくのがイタリア流だそうです。 「TENOHA DAIKANYAMA(テノハ代官山)」は、インテリア、食品、雑貨、植物などを扱うライフスタイルショップ「TENOHA & STYLE STORE」、キッチンスタジオを持つイタリアンレストラン「TENOHA &STYLE RESTAURANT」、バール「Bondolfi boncaffe」、会員制のワーキングスペースの「TENOHA LAB」の4つで構成された複合施設です。 ランチからディナー、ウエディングまで様々なシーンで利用できる「TENOHA &STYLE RESTAURANT」は、2014年版ミシュランガイドのビブグルマンに選ばれたイルチルコロのメンバーが参加した140席のイタリアンレストラン。個室やキッチンスタジオ、テラス席があり、内装は大人っぽく、ゆっくりできる場所が少ない代官山では便利に使えそう! 駅から3分と近いのも魅力です。 Bondolfi boncaffe tel.03-3464-3720 東京都渋谷区代官山町20-23 TENOHA代官山 11:00~23:00 無休 ・公式サイト
2015年02月11日スイーツの街と言われる自由が丘の新しい顔は北海道からやってきた焼きたてチーズタルトが大人気の「BAKE(ベイク)」。自由が丘駅からすぐ、外まで広がる香ばしい香りに誘われるように11時のオープン前から列ができ、1日5,000個ほど売れているそうです。 自由が丘店は工場直売がコンセプト、チーズタルトは作りおきせず、チーズムースを流し込むところからオーブンで焼きあがるまで製造中の様子を見ながら買い求めることができます。 2階がカフェスペース、利用する場合は席をキープし、1階で購入。チーズタルトの他にもソフトクリームやコーヒーなどのドリンクをいただくことができます。 焼きたてチーズタルトは、まるで小さなお月様。サクッとしたクッキー生地に、ふんわり感のとろけるチーズムースはスフレとクリームの中間のよう。いくつでも食べられそうです。 サクッとしたクッキー生地の秘密は2度焼きだそう。使用するクリームチーズは美味しさを引き出すために軽い風味の函館産とコクのある別海産、塩味が強めのフランス産の3種類をブレンドしたというこだわり。 テイクアウトした当日はそのまま常温でOK 、焼きたて感を味わいたい時はオーブンで焦げないように2~3分温めると甘い香りと共にサクッ、しゅわっ食感がよみがえります。 冷やしたり、冷凍してチーズクリームアイスのようにと、幾通りの味わい方も楽しめます。 そして自由が丘店に足を運んだなら絶対に食べていただきたいのがこの巻きも美しいソフトクリーム。北海道産の生クリームと牛乳で作られ濃厚ですが、空気を含ませて作られているのでとても軽くなめらかでおいしいです。 北海道発の「BAKE」のチーズタルトは常温で持ち運びできるお手軽さ。女の子のスカートのような模様の紙袋はハッピー色。自由が丘の手土産の新定番に決定です。 BAKE CHEESE TART 自由が丘店 tel.03-5731-8450 東京都目黒区自由が丘1丁目31番10号 BAKEビル 11:00~20:00(LO19:30) 公式サイト
2015年01月31日泣き出しそうな空模様の日曜日、祖師ヶ谷大蔵のウルトラマン商店街にある「ごはん屋 ヒバリ」にいました。 「旬のお野菜やからだに優しい食材をつかって、ほくほくのごはんを作ります。ヒバリは春を告げる鳥。みなさまのこころに、春のようなあたたかい気持ちをお届けします。」それが「ごはん屋 ヒバリ」です。 通りから入ったところが入口、古い建物の1階にひっそりと看板があり階段を上がった2階が店になります。木の天井、布と漆喰で作られた壁、自然光が差す3卓のテーブルと高めのカウンターの椅子、静かに流れる音楽が店内を照らす柔らかな灯りと調和して、居心地がいい空間を作っています。 昨年の12月1日で2年を迎えた「ごはん屋 ヒバリ」は木曜日から土曜日は夜のみの営業ですが、日曜日は12時から16時まで1週間分の野菜を食べてもらおうと野菜がいっぱいのランチを提供しています。 この日の野菜のランチプレートは、にんじんラペサラダ、高菜しょうが、ターサイおろしあえ、れんこんサラダ、かぶグリル、カリフラワーのサブジ、ひじきサラダ、きんぴらごぼう、パプリカバルサミコマリネ、じゃがいものコロッケ、りんごとハヤトウリのサラダ、原木しいたけローズマリーなどの野菜づくしの15品と玄米ご飯、寒い季節は味噌汁つき、季節を感じる贅沢なランチです。 目の前に置かれた野菜のお皿は、はっとする美しさ、「わぁ、素晴らしい」とうっとりした声も聞こえてきます。 甘み、酸味を加えたもの、野菜の切り方ひとつ、火の通し方も素材がいかされた調理法で、噛んで味わう野菜達はしみじみおいしいです。 鉄の繊細な箸置き、先が細い華奢な竹のお箸はきっと口に入ったときによりおいしく料理を味わうため。決して大きくはない厨房も整頓され使いやすそうで、料理はもちろん、空間や道具、物のひとつひとつにも店主が慈しんでいるもの、こだわりを感じます。手間隙かけた愛情たっぷりの野菜づくしのランチに遠方からも足を運ぶ人が多いのも納得。憂鬱なお天気も吹き飛ばすおいしい幸せな日曜日の始まりになりました。 ごはん屋 ヒバリ tel.03-3415-4122 東京都世田谷区砧8-7-1 2F 日曜日12:00-16:00、水~土曜日8:00-23:00(LO22:30) 公式サイト
2015年01月17日モロッコらしさが凝縮されたアラブの旧市街のフェズ。細い路地が入り組むスークには小さな露店が並び、行き交う人々の間をロバで荷物を届けているような場所。渋谷から東急田園都市線に乗って5分の三軒茶屋、駅近くのエコー仲見世という小さな商店街をフェズに重ね合わせ覗いたのは、モロッコレストランの「Dar Roiseau(ダール・ロワゾー)」。 モロッコ料理は、クミン、ジンジャー、シナモン、コリアンダー、ターメリック、カイエンペッパーなど多数のスパイスを使いますが辛さはなく、素材を生かした味わい深い料理です。宗教上アルコールと豚肉を禁じているモロッコですが、ダール・ロワゾーは日本流にゆるく枠を広げたお料理を堪能することができます。 ペンダントライトが照らす魅惑的な光、12席のこじんまりしたスペースは、ラピスラズリ色のモロッコタイルが印象的で、昼でも少し暗く夜の匂いが漂います。 店主の石崎まみさんは「クスクスとモロッコの料理」という本も出版なさっているモロッコ料理のエキスパート、カウンター席には看板犬のクロちゃんがおとなしく座っています。 クスクスとはセモリナ粉をこねて小さく丸い粒状にした物で、具材を盛り付けたクスクスに、スープをかけていただきます。最初はそのままで、次には辛いハリサを混ぜるとより味わい深いものになります。ブルーフェズ柄の平皿に盛られたサラダ。 ランチはクスクスと日替わりの2品。トマートスープ、ミートボール、チキンケバブ、ラムケバブ、メルゲーズ、ラムチョップと全部を乗せた王様のクスクスの7種類。基本のスープはすべて同じ、トマトスープとチキンスープを合わせて4~5時間煮込んだもの、大根、ズッキーニ、人参などが入っています。 クスクス メルゲーズは人気の一品、自慢のメルゲーズは香辛料を効かせた羊肉や牛肉を仔羊の腸に詰めて作るソーセージのこと、自家製です。 ラムケバブ、スパイスを効かせたケバブはとてもおいしい。 これは夜メニューの、牛肉のミートボールと落とした卵のタジン。玉子をソースにして食べるモロッコの定番のタジンです。昼から召し上がりたい時は予約してご相談ください。 食後はデザートのレモンケーキとミントティー。ポットにたっぷりのミントと緑茶を入れ、ポットを高く持ち上げ、小さなモロッコグラスに勢いよく注ぐのがモロッコ流。フレッシュな香りと口に広がるミントのほのかな苦みとまろやかな甘さ、食後にほっとできるおいしい飲み物です。 珍しいモロッコワインを片手に豆や野菜のモロカンサラダ6品、前菜とメインが各2種にドリンク付きの2,500円のお得なコース料理もある夜もオススメ、美味しいモロッコ料理に舌づつみ、話が盛り上がること間違いなしです。 Dar Roiseau tel.03-3418-8603 東京都世田谷区三軒茶屋2-13-17 エコー仲見世商店街内 12:00-15:00 18:00-24:00 日・月一月不定休 ・ 公式サイト
2014年12月27日もとは和菓子屋さんだった下町の一軒家を改装した「カフェ オトノヴァ」。住所は西浅草、つくばエキスプレス浅草駅、田原駅、入谷駅の3つの駅を利用できるので遠回りしても訪ねたいカフェです。 黒いテント、ガラス窓に書かれた文字、ステンドグラスがはめ込まれたドア、店内を包む暖かなオレンジ色の光、「カフェ オトノヴァ」の外観はパリを思わせます。 ドアを開けると中央の吹き抜けに圧倒され、大きなテーブルの上にはガラス器に入ったアセビが葉を伸ばし2階に届く勢い、レコード店に勤務なさっていたオーナーの渋谷さんならではのDJブースも存在感があります。棚には趣味で集められたアナログ盤がずらり、ワールドミュージックを中心に真空管を通して音楽が流れます。 店名の「オトノヴァ」は“音の場” と“ボサノヴァ”をかけて作った造語だそう、店内にはピアノや蓄音機、楽譜プリントのメニューなど、音を感じるものがたくさんあります。 日が暮れ始めた時間帯、2階フロアは美しい青色に染まり始めていました。大きな窓から入り込む自然光は季節の移ろいを感じさせてくれそうです。 黒いアイアンの手すりに吹き抜けのティアドロップ型のシャンデリア。 1階で注文をしてお金を払うシステム、お水はセルフサービスです。テーブルの上にはお花、お隣の方を気にしなくて良いテーブルの距離感は、うれしい気配りです。 メニュー構成はイタリアンが中心、ディナーをいただきました。ニース風サラダのツナは自家製、野菜もたっぷりでドレッシングもおいしい。 パンチェッタとポルチーニのパスタ。パンチェッタのうまみと芳しいポルチーニの香り、濃厚なソースが、もちもちした太めのパスタ麺に絡んで抜群においしい。パスタ麺は浅草の「開化楼」がイタリアの低下水麺を再現したというもの、ラーメン好きに知られた開化楼ですが、このパスタ麺も素晴らしい出来です。 イタリアのマンマ直伝の豚肉の赤ワイン煮は、とろけるほど柔らかく、何とも言えない香りが鼻にぬけ、フェンネルなどが使われているそう、赤ワインにもとても良く合います。 スウィーツは美しい奥様担当、テラコーヒーの豆を使ったコーヒーといただいたのは、見た目もかわいい苺のショートケーキとクリームがたっぷり詰まったシュークリームで、どちらもおいしくいただきました。 渋谷さんご夫妻が作り上げた空間はどこを切っても絵になるほど素敵ですが、カフェ飯か…とあなどるなかれ、お料理もスウィーツも本格的で、真剣に愛情を込めて作っていらっしゃるのを感じます。 ランチタイムはもちろんですが、ディナーにも心地よい音楽に耳を傾けながらゆっくり食事を楽しんでいただきたい「カフェ オトノヴァ」です。友人とふたり、私たちはご夫妻に笑顔で見送られ、お腹もいっぱい幸せな帰り道になりました。 cafe otonova tel. 03-5830-7663 東京都台東区西浅草 3-10-4 12:00-23:00 日・12:00-21:00、木定休 ・公式サイト
2014年12月20日