ついに社会の窓のありかを見つけた子ども【新米ママ歴14年 紫原明子の家族日記 第4話】
「ママってさあ、よく突然独り言を言うでしょ。それにしょっちゅう鼻をすする。ネットで調べたんだけど、それってチックっていう病気らしいよ?」
ある日突然こんなことを最近娘に言われて、ドキっとした。
確かに私は独り言が多い。そこには20年以上前から自覚がある。ふと過去の恥ずかしい失敗を思い出したり、目先に締め切りの迫った原稿が1行も書けていなかったりするとつい、「あああっ」と声をあげて、現実から気をそらそうとしてしまうのだ。
もっとライトに、「うん」とか「あっ」とかも言うけど、もっとエモーショナルに「もうだめだ~!」と言ったりもする。でもそれだとあまりに破滅的で救いがないので、最近では「いや、でも大丈夫!」とか、「でも、頑張ろう!」とか、過去の恥ずかしい場に居合わせた他人のような気持ちで、自分に励ましの声をかけるようにしている。
自己救済措置。……と本人は一件落着、みたいな気持ちでいても、そばで聞いている子どもの気には当然触るだろう。黙って台所に立っていた母親が、急に一人で喋り出すのだから、子どもたちは気の毒だな、と思う。
しかし、それはチックなのだろうか。ただ単に独り言のうるさい人とは違うのだろうか。鼻をすする、についても、単なる慢性鼻炎のせいではないのか……と思っていたものの、娘に言われた翌日、私はついに気付いてしまったのだ。「はあああもうだめだ、仕事終わらない……いや、まだ頑張ろう!」という思考の延長で、言うならば気持ちを切り替えるリフレッシュのために、確かに私、すうううっと、大げさに息を吸い込んでいたのだ。
娘のみならず息子に至っては「俺はドアの外のヒールの足音と鼻をすする音で、母さんかそうじゃないかを見分けられる」とまで言うくらいだから、きっと私は無意識でも、その必要もなく何度も鼻をすすっている。
そうか、これか。これだったのかと。チックなのかどうなのかはさておきギョッとした。何しろ自分がほぼ無自覚にやってきたこと、たとえ気付いたとしても生理現象の一つだと扱ってきたことに、実は全然別の意味があったかもしれないのだ。自分のちょっとしたストレスを逃そうと、無意識の私が暗躍していたかもしれない。自分の知らない自分と、思いがけず出会ってしまったような気持ちになった。
しかし、そんなことよりもっと怖いのは、そんな私の無自覚な私に気付き、その違和感を指摘したのが娘の夢見だったということだ。おそらく彼女はあるときふと何かでチックを知って、「ママのあれはもしや」と疑問を持ったのだろう。
そしてさらに深く調べ、うん、やっぱりそうだ、と思い至ったんだろう。
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