コミックエッセイ:こうして赤子を授かった~中村こてつ不妊治療体験記~
落とさなかった赤ちゃんに会えるか【こうして赤子を授かった~中村こてつ不妊治療体験記~ 第28話】
夢は時として不思議な体験を与えてくれます。いよいよ体外授精で移植が決定。中村こてつさんは赤ちゃんが出てくる不思議な夢を見ました。不妊治療を2005~8年に受けた中村こてつさんの体験談。
落とさなかった赤ちゃんに会えるか
『私は赤ちゃんを落とさなかった』
いつ頃からそういう類の夢を見るようになったのか、定かではありません。
不妊治療を始めてから? いや、それよりもずっと前から?
毎日の夢を覚えているわけではないのですが。
でも夢の中で、自分が赤ちゃんを抱いたシーンがあると必ずそうなっていました。抱いた瞬間、足に力が入らなくなってフニャフニャになる私。
そしてとうとう踏ん張りきれなくなって、赤ちゃんを抱っこしたまま前のめりに倒れてしまうのです。
「あ~!赤ちゃんがつぶれちゃう!」
そう思ってガードしたいのに、体はいうことを聞かず、結構な勢いで倒れます。その後どうなるかは覚えていません。
もう今までに何度も見た夢。
始めの頃は「あーぁ。赤ちゃん、落としちゃったな…」という感想だけで気にも留めていませんでした。
でも、あるとき、その夢と不妊を結びつけてしまいハッとしました。
これは何かの暗示? または願望、それとも不安? 夢の真意(があるのかも分かりませんが)を読めなくて、その夢を見るたびに困惑していました。