コミックエッセイ:子育ては毎日がたからもの☆
もし子どもに後遺症が残ったら…安全が守られるなら“口うるさい母”でいい【子育ては毎日がたからもの☆ 第30話】
前回、頭のけがをした息子が救急で病院に駆け込んだときの話の続きです。
「車の運転中に突然、子どもが消えた! 号泣する子に何が起こったの」
病院で簡単な検査をしてもらい、「また明日、脳外科を受診して」(救急には脳外科医がいなかったため)と言われ、さあ帰ろうかと思ったところ…。
縫うんだったら、今から麻酔して…まだまだかかりそうだな。そう思っている間に、先生が出してきたものは…。
息子の頭には、少し大きいホチキスの芯のようなものが2つついていました。
「え…まさか、これ、頭に刺さってるの…?」
想像しただけで冷や汗が出そうなんだけど…。でも、当の息子は痛がる様子もなく、何をされたかわかっていないよう。
「これ…なんですか?」
おそるおそるきくと、これは
皮膚用ステープラー(医療用のホチキス)だそうで、最近では、糸で縫う方法よりも手軽にできるこちらを縫合に使うことが多いとのこと。
メリットは、縫合の時間短縮ができたり、糸縫合に比べて傷が残りにくかったりするそうです。ちなみに痛みはというと、施術場所にもよるし施術者によって異なるとのこと。
息子に「大丈夫? 痛くない?」ときいてみると、いつもと変わらない様子で「うん、大丈夫だよ!」と答えたので、痛みは感じていないようだったのは不幸中の幸いでした(無理をして「大丈夫」というタイプでもないので、真実だと思います)。
「では、また明日、脳外科に来てくださいね」
こうして、その日の診察は終わりました。
すっかり元気になった息子は、会計を待っている間も娘や他のお友だちと、楽しそうにおしゃべりしたり、遊びに行こうとしたり…。
「けがしてるいるし、病院なんだから静かに待とうね」
「はーい」
元気な息子の様子を見て、なんとか一大事にならずにすんだとホッと胸をなでおろしました。Tシャツについた血を見たときからずっと、胸をわしづかみにされている気分だったので、ここでふっと気が軽くなりました。
ただ、頭のことなのでしばらくはしっかりと様子を
観察しておかないと…。その日は夜ごはんもいつものようにたくさん食べ、いつものように遊んで、いつものように眠りにつきました。