むすめを胸に抱き、感動を噛みしめる…間も無く、更なる試練が訪れます。
お産の後処理をしていた先生と助産士さんがザワついていました。本来自然と出るはずの胎盤が出ないそうです。お腹を強めにマッサージされてもうんともすんともいわず引きこもる私の胎盤。むすめは早々に助産師さんに連れて行かれてしまいました。
「よし、手ではがしちゃうからね」 …って先生…今何と?
これから先は男性でもショックを起こしてしまうことがあるから、と前置きされて夫も退室させられてしまいました。嫌な予感しかしません。動かないようにと大人3人で押さえつけられる私。
「出産より痛いから頑張るんだよ」と前置きの上、先生が手で私の胎盤を引き剥がしてくださいました。
これが痛いなんてものじゃなく、お産の記憶がほとんど飛ぶようなものでした。
胎盤も引き剥がし、めでたしめでたし…と締めたいところでしたが、今度は出血が止まりません。子宮を収縮させるためのマッサージでお腹を押されるたびポンプのように血が出ていたのを覚えています。
血圧はどんどん下り、体温も下り、凍えそうに寒い。毛布でくるまれながら意識が朦朧としてきます。
先生たちが焦りながら点滴やらの処置をしてくださるので、「これ死ぬやつですか?」と聞いてしまいました。
結局輸血の代わりになる点滴でなんとか生きたのですが、極度の貧血状態で産後一週間ほどは寝たきりで過ごすことになりました。
むすめとの対面は授乳のタイミングのみ。寝たままおっぱいを吸ってもらっていました。
思い出すだけでゾッとするようなお産でした。これから出産が待っている方を不安にさせてしまったかもしれませんが、このようなお産はごく稀らしいのでご安心を…。私自身も次の出産(まだ予定はありませんが)がとても怖くなってしまったのですが、最初のお産がこうだったからといって次のお産も同じようになるとは限らないということを先生から伺い、なんとか心を落ち着かせているところです。
そんなこんなで大変なお産をしましたが、その結果産まれたむすめはとても可愛らしく、毎日新鮮で楽しい日々を過ごしています。
これから連載の中で色々楽しい話もしていきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願いします!
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