“母は助けてくれてあたり前”と信じてた『さよならわたしのおかあさん』(前編)



■おかあさんのガンがわかってから迎えた妊娠と出産

――産前に里帰りしたときは、どんな気持ちでしたか。

出産は自分にとって、思っていたよりも前代未聞なことで自分の生活が根底から変わることへの不安がすごく大きかったんです。

自分だけがその立場に立たされていて、こんなに大変なんだと思ったら、今まで築きあげてきた「大人っぽい自分」という外側がなくなって、わがままな自分が出てきました。そのときにおかあさんがちょうど病気で、甘えるに甘えられない、不安な気持ちもぶつけるにぶつけられないと感じた時期でしたね。

なんで? おかあさんががんで大変なのはわかってる。でも、おかあさんはわたしのおかあさんなのに、なんでわたしが大変なときに元気がないの

『さよならわたしのおかあさん』より


「おかあさんは元気で当然で、助けてくれてあたりまえと感じっていることにきがついた。それ以外はありえないのだ」『さよならわたしのおかあさん』より

『さよならわたしのおかあさん』より


――お互いにつらかったでしょうね…産後はどうでしたか。
産後1~2ヶ月で仕事を再開したのでいっぱいいっぱいで、同時におかあさんの病状がだんだん悪くなっていって。
おかあさんの状態を受け入れられない自分と初めての子育てで大変な自分というのがごちゃごちゃになっていて、余裕がありませんでした。

「その時期もっと実家に帰ればよかった」って今は思うけど、当時はそれどころじゃなかったですね…。


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