“母は助けてくれてあたり前”と信じてた『さよならわたしのおかあさん』(前編)



■みんな後悔を抱えながら生きていく

――最期の日々、おかあさんはどんな様子でしたか。

ホスピスに入ってからも、私たちにはつらい表情はほとんど見せなかったです。ただ、一度だけ「くるしい」って電話を掛けてきたことがあって、よっぽどやりきれなかったんだろうって思います。

大急ぎで病室に行ったら、やっぱりまたいつも通り「大丈夫。さっきはごめんね」って言うんですよね。

「大丈夫、大丈夫」と言い続けたおかあさんが、長く続いた闘病生活のなかで一度だけ聞いた「弱音」だった『さよならわたしのおかあさん』より

『さよならわたしのおかあさん』より


おかあさんが闘病で苦しいときに、そばにいけない娘のつらさとは『さよならわたしのおかあさん』より

『さよならわたしのおかあさん』より



――おかあさんとの最期の日々について、今思うことはありますか。

私は実家から少し距離があったところで暮らしていたので、「もっと会いに行けばよかった」という思いは、亡くなってからずっとありました。ただ、後悔って家族全員に何かしらあって、一番近くにいた父も、姉や妹たちもそれぞれ「もっとできることがあった」と思っているんですよね。

そう考えてみると、「全部やりきったぞ」と言って終われることなんてないんだろうなとは感じています。みんなある程度の後悔を抱えながら生きていくのかなって。


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