■普段食べられないものを食べさせたい親心と子どもの気持ち
「ってめちゃくちゃ叱られた。『なんでも
好きなもの食べていい』って言ったのになぁ」と、夫は言うのだ。
結局、そのときうどんを食べることができず、父親が選んだメニューを食べさせられたという夫。おそらく30年以上前の、夫が子どものときの話。それをいまだに覚えているということは、「相当ショックだったんだね」と2人で笑い合った。
好きなものを選んでいいと言われたのに怒られ、しかも勝手に違うメニューを食べさせられるなんて。でもお義父さんの気持ちもわかる。いつも食べられるものより、せっかく外食に来たのだから「普段食べられないものを食べさせたい」という
親心だったんだろう。
「だからさ、パパは、娘たちが食べたいって言ったんなら、べらぼうに高い冷凍うどんでも食べさせてあげたいんだよね」
旅行先の食べ物の価値は、値段ではないのだ。
家族一緒に楽しく食べること。その思い出こそが、値段以上の価値になるのかもしれない。
みんなの親子旅行記