コミックエッセイ:たんこんちは ボロボロゆかい
雨にぬれる女の子を発見…! “誘拐犯”になりかけた私と、娘に伝えたい教訓【たんこんちは ボロボロゆかい Vol.11】
わが家の娘も、この四月から小学一年生。
入学式が延期され、学校が始まるのもいつになるのかまだ未定ではありますが、生きていれば何でもやり直せる! をモットーに、ゆっくり過ごしています。
そんな私が、娘のピカピカのランドセルを見ると、ふと思い出す出来事があります。
それは娘が年長さんだった、昨年の出来事でした。
昨年は大雨の多い一年で、私の住んでいた地域でも突然の豪雨や冠水がたびたび起こっていました。
幸いにも車通勤だった私は娘の送り迎えも自家用車だったのですが、その日は突然のゲリラ豪雨で車への乗り降りだけでびしょびしょになってしまうほどでした。
そんな保育園からの帰り道、
ふと歩道を見ると、ひとりで傘もささずに走っている女の子がいました。
■雨の中、転んでしまった女の子
傘を学校に忘れてしまったのか、それとも、持っていなかったのか、天気予報でも「一雨降るかも?」程度の忠告だったので、持ってこなかったのかもしれません。
つい、娘と同じくらいの背丈の女の子に、注意をひかれていると…
派手に転ぶ女の子。
ただでさえ雨にぬれているところを、泣きっ面に蜂です。
もし娘がこんな状況だったら……絶対に寂しくて悲しくて、泣いてしまうはず。
私は急ぎ路肩に車を止めて、女の子に声をかけました。
「大丈夫!?」
女の子は必死に涙をこらえている様子で、逆に私の声掛けでビクッとさせてしまったようでした。
けなげなその様子に、私はつい、お節介心を出してしまい…
「おうち、近く?車、乗ってく?」
車には既に娘と息子が乗っていましたが、もう一人乗ることができます。
私は、これ以上女の子を雨にぬらしてしまうのもかわいそうで、必死に手招きしました。
しかし、女の子の返答は…
「だ、大丈夫です…歩いて帰ります!」
確かにこの時の私は、送迎時にぬれた髪は乱れ、持病治療の免疫抑制剤により夏場も外せないマスク、そして湿気で曇った眼鏡と、焦りで荒い鼻息……と、完全に不審者丸出しでした。