性教育っていつから何をどう教えるべき? 【産婦人科医 サッコ先生に聞く!】(前編)


■子どもからのドキッとする質問への答え方

性教育っていつから何をどう教えるべき? 【産婦人科医 サッコ先生に聞く!】(前編)

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—— たしかに2~3歳になると自分の体への興味も出てきて、おちんちんを触ったりすることも出てきますよね。その場合、親はどう声がけをしたらいいのでしょう?

恥ずかしいから触ってはいけないというのではなく、自分の体を触るのが気持ちいいことはわかっているけれど、プライベートなところだから人前ではしないんだよと伝えることが大事です。

というのも、小さな頃に親から性器を触ってはいけないといわれて育ったために、中学生になってもマスターベーションできないという子もいるんです。著書ではマスターベーションのことを“セルフプレジャー”といっていますが、悪いことでも恥ずかしいことでもないので、触ってはいけないという伝え方はNG。

手をキレイにしてから、誰もいないところで自分の体を触るのは自由だよと伝えるといいですね。

—— プライベートゾーンは他人に許可なく見られてもいけないし、見せてもいけないということですね。子どもが面白がって人前でおちんちん!と叫んでしまうのも当然NGですよね?

これも先ほどと同じように、プライベートゾーンのことを話したり聞いたりすることはいけないことや恥ずかしいことではないけれど、プライベートなことだから人前でするとイヤな気持ちになる人もいるし、マナー違反だよと伝える必要があります。

幼い子の軽口くらい別にいいじゃないかと思うかもしれませんが、小児性愛者はこういう無防備な子どもを狙います。
なぜならそういう発言をしている子に 対して「おちんちんがどうしたの?」と話しかけやすくなるからです。親御さんはこういう些細なことから性被害にあう可能性が高くなることを知っておいた方がいいですね。

子どもにプライベートゾーンについての認識を持たせることは、一度で習慣づけられることではありません。日常の中で何度も繰り返し伝えてみてください。

■幼い子に性交についてどこまで伝えるか問題

—— お話が上手になったり、ママが下の子を妊娠したりすると、「赤ちゃんってどういう風にできるの?」と質問される機会も増えます。どう答えればいいでしょう?

早い子だと2~3歳で聞いてくると伺います。一番いけないのは、橋の下で拾ってきたとか、コウノトリが運んできたとかごまかしてしまうこと。ゆくゆく事実と違うとわかったときに、こういう話は親の前でしちゃいけないんだと考え、思春期を迎えてから何かあったときに親に性について相談しづらくなってしまいます。


2~3歳なら、パパの体の中に赤ちゃんのもとが半分あって、ママの体の中にもう半分あって、それがくっついてできたんだよ、というくらいでいいと思います。

性教育っていつから何をどう教えるべき? 【産婦人科医 サッコ先生に聞く!】(前編)

著書の中では「赤ちゃんが生まれる3つの科学」のパートで、赤ちゃんの通り道である膣や性交についてもわかりやすく説明しています。


—— その先に「赤ちゃんのもとはどうやって届けるの?」と聞かれたときにはどう答えればいいでしょうか?

それは、性交について伝えるかどうかということですよね。そもそも聞かれたときに戸惑うのは、親御さん自身が性交(=ここでは性器の挿入)を恥ずかしいこと、伝えちゃいけないことという先入観があるから。赤ちゃんができるしくみを伝えるときに性的な興奮について説明する必要はないので、パパのおちんちんを使ってママの膣(ちつ)というところに届けるんだよ、と答えて問題はありません。

もし「それって気持ちいいの?」と聞かれたときは、「お風呂の湯船に入るのは気持ちいいよね」などの前置きをして、「安心できるパートナーとだったら、とっても気持ちいいことなんだよ」と付け足します。

もし、何の準備もしていなくて返答に困ったら「必ず答えてあげるからちょっと待っていてね」と先延ばしにしても大丈夫。いまはいい絵本なども出ているので、後でそういうものを用意していっしょに読んでもいいですね。


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性教育=自分らしく生きることを学ぶというのは目からうろこでした。そして、できるだけ早いうちからプライベートゾーンについて知ることが大切だということがわかりました。

では、幼少期を過ぎてしまっていたらどうしたらいいのでしょう? また、性被害にあわないために親ができることや、万が一、わが子が性被害にあってしまったときにすべきこととは? 後編に続きます。

サッコ先生と! からだこころ研究所 小学生と考える『性ってなに?』(リトルモア刊)
性教育っていつから何をどう教えるべき? 【産婦人科医 サッコ先生に聞く!】(前編)

小学生が自分で読んで学べる性教育の新しい教科書。サッコ先生がときどき質問を投げかけたりしながら、体のしくみや性について楽しくポイジティブに学べます。ミッションでは、“自分の脈をはかってみよう!”“自分の性器を見て見よう”などチャレンジしながら自分の体を正しく知ることができ、コラムでは“性器の洗い方”など役立つノウハウもわかりやすく解説しています。

【お知らせ】


サッコ先生と!みんなで学ぼう「性ってなに?」
~小学生向け・はじめての性教育ワークショップ~
高橋幸子先生
●講師
高橋幸子(産婦人科医、『サッコ先生と!からだこころ研究所』著者)
●日時
2021年5月9日(日) 1回目 11:00~/2回目 13:30~
※1回目、2回目は同じ内容です。
●会場・お申し込み
詳細はリトルモア HPをご覧ください。

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