コミックエッセイ:なんとかなるから大丈夫!
産後うつ状態になった私が、子育ての「思い込み」から解放されるまで【なんとかなるから大丈夫! Vol.47】
■育児に失敗も完璧もない
そんなことを思っては、ひとりで泣いていました。
何度も出て行こうと思いましたが、それを思いとどまったのはやはり息子と離れたくなかったからです。
母親の資格がないと思いながら、息子の母親でいたいと強く思いました。
罪悪感でいっぱいになりながらも、明日からは、優しく穏やかな気持ちで笑顔で過ごそうと誓う…その繰り返しでした。
私の精神状態などお構いなしに、息子はどんどん成長していきました。
だんだん手がかからなくなり、楽になっていき、
私の気持ちは時間が解決してくれました。
私は、親が子どもを育てるものだと思っていました。
ですが、実際には私や夫だけで育てることなんて、とてもできませんでした。
家族だけでなく、今まで出会ったすべての人から、息子はたくさんの影響を受けて育ってきました。
親には子どもを育てていく責任があり、完璧に育てなければいけない、失敗は許されない、そう思い込んでいましたが、そもそも子育てに、完璧も、失敗なんてものもなかったのです。
親ですら、完璧ではないのに、完璧な人間など存在しないのに、完璧を求めること自体が間違っていたのです。
子育てに”失敗”も”成功”もありません。
そんなことを考えるのは、子どもに対して失礼なことです。
失敗と思うのも、成功と思うのも、個人の価値観の問題であって、どちらが正しいなんてありません。
時にはイライラしてしまったり、怒ってしまうこともあるけれど、愛情を持って育てていれば、子どもは勝手に大きくなっていきます。
私は成長していく息子を見て、思い込みから解放されました。
これからも、息子は出会っていく人たちから、たくさんの影響を受けて育っていくでしょう。
息子がこれからの人生で何を感じ、何を選択していくのか、それが楽しみで仕方がありません。
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