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コミックエッセイ 夫婦・子育ていまむかし

12人産んで仕事も育児も全部やった?! 与謝野晶子が最強ワーママ説【夫婦・子育ていまむかし Vol.33】

ウーマンエキサイト

なんと…! 12人産んでます!!


12人産んで仕事も育児も全部やった?! 与謝野晶子が最強ワーママ説【夫婦・子育ていまむかし Vol.33】
時代的には1人の女性が10人以上産むのは珍しくないのですけど…。

ちょうど前回紹介したマリア・テレジア16人出産にも驚嘆したとこですが、女王さまだし…育てるのは乳母任せで、実質は産むまでしかしていない、それだって妊娠期間長いのに…と思ったのですが!

与謝野鉄幹・晶子夫妻は文壇・歌壇で活躍していましたが、家計は鉄幹の原稿料があまり入らず、なかなか苦しい一般庶民同等の家計だったようです。

つまり子育てと畑仕事だけの明治日本の専業おっかさんとも、産んだら後はお任せのバリキャリ女帝とも違い、晶子は子育ても仕事も全て自分でやらねばならなかったんです!!

ふぅ…3人兄弟の平日ワンオペ、在宅フリーランスでも毎日ヒーヒー言ってるのに…この連載だって正直…いっつも原稿間に合わなくてごめんなさいしてるのに…。

当時と現代では子育てへの世間の目も全然違うので、岡本かの子のように子を柱に縛りつけて(覚えてますか?)…なんて現代なら通報レベルなこともまかり通って成り立っていたのかもしれませんが、親族や上の子たちの協力もかなり得ながら晶子は合間を縫って執筆活動のスピードを緩めず走り抜けました。凄すぎる…。
12人産んで仕事も育児も全部やった?! 与謝野晶子が最強ワーママ説【夫婦・子育ていまむかし Vol.33】
授乳の合間に短歌を書き、寝かしつけたら執筆し、赤ちゃんをおんぶしながら出版前のゲラチェックをし…。

子育てと仕事の両立は夫・鉄幹も認めるところで、「晶子は乳児をおんぶして筆を走らせていた」と回想しています。

大天才のやることに気軽に「わかるー」なんて言えませんが、実際私自身も子育て絵日記がきっかけで執筆のお仕事をするようになったので、子育てという経験がインスピレーションや感性の広がりに良い影響があることは間違いないと思うんです。
元々リアルな体験を情熱を持って率直に表現するのが与謝野晶子。そのテーマが恋愛から子育てに変わっていくのは自然なことですね。


子育ての苦悩、思春期の子との距離感もリアルだからこそ共感を産む。現代の子育て系SNSも、誰もが経験するけれどうまく言語化できない出来事を代弁してくれるような投稿がバズります。自分の心の中を整理してもらえたような爽快な読後感が支持されるのは、きっと昔も今も変わらないということなんですね…!


圧倒的なバイタリティ…! 全部諦めないから全部叶う!


家で子育てをしながら仕事をするだけでなく、与謝野家は夫婦で若い文学者たちが集まる文化サロンのような環境も作りました。これも多くの文豪が刺激を受け合いながら切磋琢磨したこの時代ならではの良さですね。現代はその環境がインターネット空間になっているのかな。

しかし…この圧倒的なバイタリティ、並大抵の体力と精神力では太刀打ちできません〜!
12人産んで仕事も育児も全部やった?! 与謝野晶子が最強ワーママ説【夫婦・子育ていまむかし Vol.33】
だって家庭のサロン化までしたら、ずっとパワーONじゃない?いつ心休まる時間があるんだろうって思っちゃいません?基本OFFで外出る時だけ無理にONにしてる陰キャには理解できません…。

前述の通り同時期に女性活動家も〜という話をしましたが、実はその女性活動家たちの多くが、活動期間が限られていたり家庭生活を選択しなかったり(できなかったり)と、与謝野晶子ほど家庭と仕事を両立しながら生涯に渡り活躍した人はいないのです。(もちろん両立については周りの環境や思想にもよるので、できたから素晴らしいというわけではありません。)
12人産んで仕事も育児も全部やった?! 与謝野晶子が最強ワーママ説【夫婦・子育ていまむかし Vol.33】
残された与謝野晶子の写真を見ると、どれも静かながらキッとまっすぐな視線を感じます。黙ってやりたいことは何がなんでも絶対にやり抜く、そんな強い意志の火を死ぬまで弱めずに駆け抜ける人生って、かっこいいですね。

裕福な家庭に生まれたり、何かの才能を持っていたり、生まれつき恵まれている人はいます。でもそれだけで全てがうまくいくことはないと思います。運を努力で増幅させて生きるには本人の力強さと意思ゆえの結果…!
毎日心身ともに自転車操業のような私ですが、せめてその前向きさだけでも見習って、今日のやるべきことに向かいたいと思います!

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