2021年9月5日 14:15
自閉症は障害ではなく個性なのか。母親として感じる違和感
障害ではなく個性なのか。発達障害のある子どもを育てる親の思い
お子さんに障害がある親御さんが、「うちの子には障害はない、個性的なだけ」と言っているのを耳にしました。
このように話す背景には、わが子の発達の凸凹を障害ではなく個性と捉えて、「前向きに育てていこう」という気持ちから出ている言葉かもしれないと感じました。
個性だから特別視はしない!? 園での対応
知り合いが、わが子が通う保育園に「うちの子は発達障害があるかもしれないので、特別な配慮をしてほしい」とお願いしました。
すると、園側から「それは個性の一つですよ。どの子も性格も違い個性があるのですからお宅のお子さんだけ特別扱いは出来ません。みんなと一緒に分け隔てなく保育をしていきますから」と言われたそうです。
この場合は、「個性」という言葉が、「特別視せずに平等に見る」とか、「配慮をしない」という意味で使われています。
「個性」という言葉を使うとき、その背景にある思い・考えは、人や場面によって異なっているようです。
自閉症の息子を育てる、私の思い
私自身は「障害か個性か」の論争にはあまり関心がありません。
あえて言うならば、「障害そのもの=個性」ではなく、障害によって、むしろ自閉症や知的障害によって、息子の個性が見えづらくなっているような気がします。
こんな絵を描いてみました。私は、個性の上に大きく障害が被さっているように感じています。
Upload By 立石美津子
もしわが子に障害がなかったら…妄想する
息子に障害がなかったら、あなたはどんな性格、個性をしていたの?
お母さんと普段どんな会話をしていたの?
定型発達の20歳だったら、彼女くらいはできていたかな?
友達と週末は出かけたりしていたのかな?
こんな風に思い始めると切なくなります。
けれども、息子から知的障害と自閉症を取り去ったら、息子ではなくなってしまうのでそれはそれで嫌だと思うわがままな母親です。
Upload By 立石美津子
障害=個性、ではないと思うから
現代の医学では発達障害について、採血などの検査で明確に数値が出て、それだけで客観的に「はい、発達障害です」とわかるような生物学的マーカー(指標)はありません。
そのため、どこまでが個性でどこからが障害か、の線引きが難しいのかもしませんし、育てている親にとっても分かりにくい部分です。