子育て情報『「模倣となりきり」で想像力が伸びる――感覚がフル稼働する「シュタイナー教育の1日」』

2018年12月10日 10:48

「模倣となりきり」で想像力が伸びる――感覚がフル稼働する「シュタイナー教育の1日」

目次

・紙芝居や絵本でなく「素話」である意味
・決まったリズムと繰り返しが健康な体をつくる
・スケジュールはただの時間の区切りではない
「模倣となりきり」で想像力が伸びる――感覚がフル稼働する「シュタイナー教育の1日」

ドイツで生まれた「シュタイナー教育」(インタビュー第1回参照)を、幼稚園から一般の高校にあたる高等部まで、15年間の一貫教育でおこなう東京賢治シュタイナー学校。その幼児部「たんぽぽこどもの園」ではどのような活動をしていて、それらは一般の幼稚園とどうちがうのでしょうか。幼児部教師の池田真紀先生に、まずは1日のスケジュールから教えてもらいました。

構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/石塚雅人(インタビュー・校内撮影のみ)
記事冒頭画像:東京賢治シュタイナー学校 校内

紙芝居や絵本でなく「素話」である意味

――たんぽぽこどもの園では、子どもたちがどんな活動をしているのか、1日のスケジュールを教えてください。

池田先生:
8時15分から8時半までの間が登園時間で、その後、室内で「自由遊び」があります。お絵描きやごっこ遊び、積み木遊び、それから針でなにかを縫うといった手仕事など、さまざまな遊びをします。

この時間では、大人から指示されて決められた遊びをするのではなく、子どもが遊びを生み出していくことが大切です。子どもたちは、自分が想像したものを、丸太、積み木、布、木、木の実といった、お部屋にあるさまざまな素材を使ってかたちにしていき、さらに友だちと一緒におこなう体験をしていきます。
たとえば、おうちをつくって家族ごっこ、オリジナルの物語による人形劇ごっこといった具合です。

代々、子どもたちの中で伝承されて、毎年やるのはお祭りごっこですね。お囃子や獅子、白狐の格好をした子どもたちが、テーブルの上に乗って演じます。まるで本当のお祭りを見ているみたいでとても楽しいですよ。

また、3歳から6歳までの子どもが同じ部屋で過ごしますから、兄弟のように関わり合う姿には温かいものがあります。10時になったら、おもちゃなど使ったものの「お片づけ」。その後は「ライゲン」という活動をします。

――そのライゲンというのはどんなものですか?

池田先生:
一般の幼稚園でいうところの、「リズム遊び」に近いものですね。
内容は季節を取り入れたもので、歌や音、言葉とともにその物語のなかで想像しながら教師とともに動きます。たとえば、教師がハトになったらハトに、ネズミになったらネズミにと、みんなで輪になって教師の模倣をします。7歳までの子どもは、模倣することであらゆることを身につけることができます。

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