しっかり「甘えさせ」できてる? 0歳から9歳までの「甘えさせ」完全ガイド

「抱っこ、抱っこ」
保育園へ行く朝の支度の真っ最中。3歳の息子が靴下を手に、目に涙をためて追いかけてきます。私は仕事に遅れそう。息子も靴下も自分で履けるはずなのに……。「甘やかしすぎ?でも突き放すのもかわいそう」。時間に追われる現代の子育て。そんななかで葛藤を抱えながら、毎朝イライラと焦りを感じている方も多いのではないでしょうか。
発達心理学の最新研究によると、子どもの心の成長には「甘え」が重要な役割を果たしているといいます。
甘えを上手に受け止めることで、子どもは安心して新しいことに挑戦できるようになることがわかっています。しかし、その受け止め方を間違え甘やかすと、かえって子どもの自立を妨げることも。
では、子どもの健やかな成長を支える「甘えさせ」と、逆効果になりかねない「甘やかし」は、どう違うのでしょうか。また、限られた時間のなかで、どのように子どもの甘えに向き合えばよいのでしょうか。最新の研究と専門家の知見をもとに、子どもの健やかな成長を支える「甘えさせ」の具体的な方法を年齢別でご紹介します。
「甘え」は子どもの心を育てる重要なサイン
カリスマ保育士として知られるてぃ先生は、子どもの「甘え」は基地確認行動だと指摘します。子どもにとって親は安全基地。その基地が安全であることを確認できれば、子どもは安心して新しいことに挑戦できるようになるのです。
逆に、基地の安全が確認できないと、子どもは不安から新しい体験を避けるようになってしまいます。またてぃ先生は、保育現場での長年の観察から、子どもの「甘え」には3つの重要な役割があると指摘します。
「甘え」が育む3つの力
「心の安全確認」
→子どもは甘えることで、親や保育者との関係が安全であることを確かめる「チャレンジ精神の土台」
→安全な関係が確認できると、子どもは新しいことに挑戦する勇気を得られる「感情コントロールの学習」
→甘えを通じて、自分の感情を表現し受け止めてもらう経験を積み重ねていく実際の保育現場では、安心して甘えられる環境があることで、子どもたちの行動が大きく変化する様子が見られると言います。たとえば、新しい遊びに挑戦するとき、保育者に甘えることで安心感を得た子どもは、より積極的に取り組めるように。また、友だちとのトラブルの場面でも、保育者に気持ちを受け止めてもらえることで、徐々に自分で感情をコントロールできるようになるそうです。