「学校行きたくない」は9月1日だけじゃない。最初の2週間に子どもが出すSOSサイン

「学校行きたくない」は9月1日だけじゃない。最初の2週間に子どもが出すSOSサイン

長かった夏休みも、いよいよ残りわずか。新学期の準備を進めながら、「2学期、大丈夫かな」と、そっと胸のなかで祈る。そんな夏の終わりを過ごしているママは、きっと少なくないはずです。

「学校行きたくない」という言葉は、登校の朝にだけ聞こえてくるものではありません。むしろ本当の勝負どころは、新学期が始まってからの「最初の2週間」。初日は緊張感で乗り切れても、疲れがたまってくる2週目あたりから、子どもは少しずつサインを出し始めます。

この記事では、2学期最初の2週間に子どもが出しやすい、言葉になる前の4つの行動サインと、それぞれに合った親の声かけをご紹介します。「気づいてあげられなかったらどうしよう」と不安になる必要はありません。
サインを知っておくだけで、親の心にはゆとりが生まれます。そのゆとりこそが、子どもにとっていちばんの安心材料になるのです。

なぜ「最初の2週間」が大切なのか


登校しぶりというと、「行きたくない」とはっきり口にする姿を想像するかもしれません。でも、じつは多くの子どもは、言葉になる前に行動でサインを出しています。

登校しぶりが本格化する前の段階では、欠席の増加や体調不良の訴え、気分の落ち込みといった早期サインが現れる傾向が見られたことが報告されています。(ノルウェー科学技術大学、ジョー・マグネ・インギュル准教授らの研究チーム)*1つまり、サインの段階で気づいて受け止めてあげられれば、こじれる前に子どもの心を軽くしてあげられる可能性が高まるということ。

新学期最初の2週間は、子どもにとって「久しぶりの集団生活」と「新しい学期への緊張」が重なる時期です。大人だって、長い連休明けの出勤はしんどいもの。
子どもの「なんとなく元気がない」は、怠けではなく、心がフル稼働している証拠なのです。


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2学期最初の2週間、子どもが出す4つのサイン

サイン1寝つきが悪くなる、夜ふかしが増える
「もうすぐ学校か……」という気持ちは、夜にふくらみます。布団に入ってからなかなか眠れない、何度もトイレに起きてくる、朝起こしても起きられない。こうした睡眠の変化は、心の緊張の表れであることが少なくありません。

さらに、夏休み期間についた「週末型」の睡眠リズムも影響します。10代の子どもを対象とした分析では、平日と休日の睡眠リズムのズレが大きい子ほど、不安が強い傾向が見られたことが報告されています。(サウサンプトン大学、心理学研究者ハンナ・レイブンホール氏らの研究チーム)*2眠りの乱れは、心の揺れとつながっているのです。

【声かけのポイント】
△ 「早く寝なさい!」
◎ 寝る前の10分を「安心タイム」に絵本を読んだり、今日あったことをぽつぽつ話したり。
眠りの入口に「ママとの穏やかな時間」があるだけで、夜の不安はぐっと小さくなります。サイン2学校の話をしなくなる
1学期はあんなに「今日ね、あのね」と話してくれたのに、「学校どうだった?」と聞いても「べつに」「忘れた」。

話したくないのは、学校で心のエネルギーを使い果たしているから。家では思い出したくない、というサインかもしれません。

【声かけのポイント】
△ 「今日は何があったの? ねえ、どうだったの?」と質問攻め
◎ 「話したくなったらいつでも聞くよ」と伝えて、隣にいる一緒におやつを食べる、並んで散歩する。言葉を引き出すより、隣にいる時間を増やすほうが、子どもの口は自然に開きます。サイン3急に甘えん坊になる、イライラをぶつけてくる
「抱っこして」「一緒に寝て」と赤ちゃん返りのように甘えてきたり、逆にささいなことで怒って弟や妹に八つ当たりしたり。正反対に見えるふたつの行動は、どちらも「気持ちの処理が追いついていない」というサインです。


登校しぶりのある子どもは、そうでない子どもと比べて、自分の感情をうまく扱うことが苦手な傾向が見られたことが報告されています。(モナシュ大学、エリザベス・ヒューズ氏らの研究チーム)*3感情があふれてしまうのは、わがままではなく、心がいっぱいいっぱいだから。安心できる家だからこそ、あふれた気持ちが出てくるのです。

【声かけのポイント】
△ 「もうお兄ちゃん(お姉ちゃん)でしょ!」
◎ 甘えは受け止め、イライラには「嫌なことがあったんだね」行動は止めつつ、気持ちだけは認める。「気持ちはOK、行動はストップ」が合言葉です。サイン4朝の支度が極端に遅くなる
着替えの途中で止まっている、朝ごはんをいつまでも食べている、忘れ物を何度も確認する。「早くして!」と言いたくなる朝のスローペースは、体が「行きたくない」とブレーキをかけている状態かもしれません。

日曜の夕方から元気がなくなる子も、同じサインの仲間です。


【声かけのポイント】
△ 「早くして! 遅刻するよ!」
◎ 5分早起きして時間の余白をつくり、「今日の給食なんだろうね」朝は叱る時間ではなく、送り出す時間。学校の楽しみに目を向ける声かけが、重たい朝の空気をふわっと軽くしてくれます。
「学校行きたくない」は9月1日だけじゃない。最初の2週間に子どもが出すSOSサイン


「行きたくない」と言われたら。覚えておきたいふたつのこと


サインが言葉になって、「学校行きたくない」とはっきり言われたら。そのときはまず、深呼吸をひとつ。そして、ふたつのことを思い出してください。

ひとつめは、「そっか、行きたくないんだね」と受け止めること。説得も励ましも、そのあとで大丈夫。子どもがほしいのは正論ではなく、「気持ちをわかってくれた」という実感です。


ふたつめは、ゼロか100かで考えないこと。たとえば、「送り迎えつきで」など、行くと行かないのあいだの選択肢はいくらでもあります。子ども自身に選ばせてあげると、「自分で決めた」という気持ちが小さな自信になります。


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そして、2週間以上サインが続く、身体症状が強い、食欲が落ちているといった場合は、外の力を借りるタイミングです。担任の先生やスクールカウンセラー、小児科などに相談しましょう。親子だけで抱え込まないことも、大切な対応のひとつです。

***

もうすぐ始まる2学期。わが子の小さな変化に気づいてあげたいと願うのは、毎日そばで見守っているママだからこその、自然であたたかい気持ちです。
サインのすべてに完璧に対応できなくても大丈夫。「ママは気づいているよ、味方だよ」が伝わるだけで、子どもの2学期はずっと歩きやすくなります。まずは今夜、寝る前の10分を、親子の安心タイムにするところから始めてみませんか。

FAQ(よくある質問)
Q. サインに気づいたら、学校を休ませたほうがよいのでしょうか?

A. サインの段階では、休ませるかどうかよりも、まず気持ちを受け止めることが優先です。そのうえで疲れが強そうなら、1日休んで充電するのも選択肢のひとつ。「1時間目だけ」「保健室まで」など、休むと行くのあいだの選択肢を子どもと一緒に考えてみてください。


Q. 夏休みで乱れた睡眠リズムは、どう戻せばよいですか?

A. 一気に戻そうとせず、起きる時間を毎日15分ずつ前倒しするのがおすすめです。朝カーテンを開けて光を浴びる、朝ごはんを一緒に食べるだけでも体内時計は動き始めます。週末も平日と近いリズムを保つと、月曜の朝がぐっと楽になります。


Q. どのくらい続いたら専門家に相談すべきですか?

A. 目安は2週間です。「行きたくない」やサインが2週間以上続く、腹痛や頭痛などの身体症状が強い、食欲や睡眠が大きく乱れている場合は、担任の先生、スクールカウンセラー、小児科などに相談しましょう。早めの相談は、決して大げさなことではありません。


(参考)

*1 Ingul, J. M., Havik, T., & Heyne, D. (2019)|Emerging School Refusal: A School-Based Framework for Identifying Early Signs and Risk Factors. Cognitive and Behavioral Practice, 26(1), 46-62.
*2 Ravenhall, H., Bellato, A., Chellappa, S. L., & Garner, M. (2026)|“Out of Sync and Overlooked” – Relationship between Social Jetlag and Anxiety in Adolescents: Systematic Review and Meta-Analysis. Sleep Medicine Reviews, 89, 102345.
*3 Hughes, E. K., Gullone, E., Dudley, A., & Tonge, B. (2010)|A Case-Control Study of Emotion Regulation and School Refusal in Children and Adolescents. Journal of Early Adolescence, 30(5), 691-706.
 

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