2015年6月18日 12:00
ロシアの「プラグリェースM-27M」補給船は、なぜ制御不能に陥ったのか (5) 新型のロケットと補給船の組み合わせが生んだ悪夢
2015年4月28日に打ち上げられた無人補給船「プラグリェースM-27M」は、ロケットからの分離直後に原因不明の問題に襲われ、制御不能に陥った。プラグリェースM-27Mには国際宇宙ステーションに補給するための物資が搭載されていたが、復旧できずにドッキングを断念、そのまま高度を落とし、5月8日に地球の大気圏に再突入して消滅した。
プラグリェースM-27Mは、いったいなぜ制御不能に陥ったのだろうか。
この連載の第1回では、事故の簡単な経緯と、今後の影響について紹介した。また第2回、第3回では、事故が発生した4月28日から、大気圏に再突入して消滅するまでの経緯について紹介した。そして第4回ででは、その5月31日までに発表されていた今後の打ち上げ予定や、事故調査の進み具合について紹介した。
第5回となる今回は、ついに明らかにされた事故調査結果について見ていきたい。
○サユース2.1aとプラグリェースM-27Mの組み合わせが失敗を呼んだ
ロシア連邦宇宙庁(ロスコースマス)は6月1日に、事故原因を特定したと発表した。
事故の際に得られたデータや、また実機を使った地上での試験の結果、プラグリェースM-27Mと、それを打ち上げたサユース2.1aロケットの第3段機体とが結合した状態における動特性に問題があったことがわかったという。