怖がる前に知っておきたい、食品添加物のリスクとは?


■食品添加物のリスク(1)複数の食品添加物を同時に摂取することのリスクが調べられていない厚生労働省のホームページによると、現在日本で認可されている添加物は、厚生労働大臣が指定した「指定添加物」が445品目、長年使用されてきた天然添加物として品目が決められている「既存添加物」が365品目、このほかに、「天然香料」や「一般飲食物添加物」も合わせると約1,500品目あります(2015年2月時点)。このうち、「指定添加物」は、年々増え続けています。

食品添加物の安全性は、ひとつずつ動物を使って毒性を検査し、その結果に基づいて、それぞれの食品添加物に、健康への悪影響がないとされる「許容一日摂取量」(ADI)が設定されます。

ここで問題なのは、各食品添加物を単体で摂取する場合についての安全性は調査されているものの、複数の添加物を同時に摂る場合については調べられていないことです。実際には、ひとつの食品の中にいくつもの添加物が使われていますが、それらを同時に摂取してよいかどうかについては、調べられていないのが現状なのです。

食品添加物に詳しい安部司氏も、著書『食品の裏側2 実態編: やっぱり大好き食品添加物』の中で、「複数のものが1つの食品の中で混ざり合うことで、化学反応を起こす可能性は否定できません。」と述べています。

■食品添加物のリスク(2)一度は安全とされたものでも、リスクが見つかる場合がある一度は安全といわれた食品添加物でも、危険性が報告される例もあります。

・タール系色素
お菓子などの着色に使われている「タール系色素」は、子どもの活動や注意力に悪影響を与える危険性があると指摘され、それを受けて最近では「合成着色料不使用」と表示された商品を見かけます。


・コチニール色素
食品化粧品に使われることの多い「コチニール色素」は、サボテンに寄生する虫から作られる天然色素で、安全と見られていましたが、急性アレルギー症状の発症例が報告されたことから、2012年に消費者庁が注意を呼びかけました。

・亜硝酸ナトリウム
ハムやたらこなどに使われる発色剤の亜硝酸ナトリウムは、「食肉に含まれるアミンという物質と結びついて、ニトロソアミンという発ガン性物質に変化する」(『食べてはいけない添加物 食べてもいい添加物』渡辺雄二・著)ことがわかっています。それゆえ、使用量は厳しく制限されていますが、毒性が強いとわかっている以上、なるべく避けたいものです。

上記の食品添加物のように、明らかに危険性が指摘されているものは、使用量などが制限されていますが、それ以外にも安全性が疑問視されているものが多くあります。

■食品添加物のリスク(3)表示を見ても使用されているのがわからないことがある製造過程で使用されていても、パッケージに表示されない食品添加物があることも、リスクを高める一因になっています。

消費者庁のホームページによると、「原則 使用した全ての食品添加物を「物質名」(名称別名、簡略名、類別名も可)で食品に表示する」、とありますが、同じ用途のものをいくつか使うと一括表示することができます。

また、加工に使われても、最終食品にその食品添加物の成分がほとんど残らない場合や、原材料に使われていても最終食品に効果が発揮されない場合(キャリーオーバー)など、表示が免除されるケースもあるため、実際には表示を見ても、使われているすべての食品添加物を特定することはできません。

そのほか、容器包装されていない、店頭でバラ売りされている食品や、対面で量り売りされている食品、店内で製造・調理された食品は、表示そのものが免除されているので、危険度の高い添加物が使われていても、わからないのが現状です。


食品添加物に詳しい中村幹雄氏は、『生活と自治』2013年12月号の中で、「いま切実に求められているのは、すべての添加物を物質名で表示する義務を製造販売者に課すこと。」であり、さらに「ヨーロッパ諸国の消費者のようにかかりつけの薬局を持ち、添加物のリスク教育を小中学校が導入すること」と述べています。

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