連載記事:法律で切るママトラブル
個人同士だから生じる落とし穴も! 流行のフリマアプリで起こりがちなトラブル(法律で切るママトラブル Vol.14)
■「正規品です」と言って偽のブランド品を売ったら詐欺になる?
「正規品です」と嘘をついて偽物を売ったら、詐欺罪にあたります。
正規品と同等の価格で売った場合はもちろん、正規品にしては異常に安い価格、偽物の原価として妥当な価格で売ったとしても、買主を騙して売っている以上、詐欺罪が成立します。
また、商標登録されているブランドのロゴ等を使って、偽のブランド品を作ったり売ったりした場合には、商標法違反となりますし、不正競争防止法にも反する可能性があります。
さらに、意匠登録されているバッグ等のデザインと同じデザインの偽のバッグを作ったり売ったりした場合には、意匠法違反となります。
■「即購入NG」って有効なの?
即購入NGとは、フリマアプリ「メルカリ」に存在する独自ルールのひとつで、購入前にコメント欄に「購入希望」などの書込みをして、出品者と交渉してから入札するよう求めるものです。
メルカリでは、買主の側にも評価や取引回数が記録されるようになっているので、売主としてもトラブルがないようにより評価の高いお客さんを選んで売りたい、ひとつの商品を他のサイトでも売りに出しているので在庫管理をきちんとしたい、という理由があるようです。
即購入NGは、メルカリの運営会社が定めているルールではなく、売主の都合で勝手に決めているルールなのですが、有効なのでしょうか?
法律の世界には、契約自由の原則というものがあります。これは、契約をする当事者が自由に契約内容を決めてよいというものです。メルカリを使って商品を買う場合も、売買契約当事者は出品者と購入者なので、メルカリの利用規約に反しない限り、当事者同士で契約内容を自由に決めることができます。
メルカリの利用規約には、今のところ(※)「即購入NG」を禁止する規定はありませんので、当事者同士が納得した上で、「即購入NG」というルールを設定すれば、それは有効ということになります。
(※)2016年5月13日時点