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『コウノドリ』第2話が10月20日に放送された。テーマとなったのは“がんと出産”。
妊娠中の検査で子宮頸部腺がんが発覚した妊婦が、がんの治療をせずに何週までおなかで赤ちゃんを成長させるかという葛藤が描かれた。なるべくおなかの中で赤ちゃんを育てたい、けれども治療を遅らせることで母体へのリスクが高まる…母親にとって、この上ない大きな決断が迫られた。
■母体優先のサクラVS胎児へのリスクを懸念した四宮
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鴻鳥サクラ(綾野剛)の担当妊婦・久保佐和子(土村芳)は、子宮頸部腺がんを患っていることが判明する。佐和子はまだ妊娠19週。症状からみて子宮全摘出は逃れられず、今回の妊娠が最初で最後のチャンスになる。産まないという選択肢も残されていたが、佐和子は妊娠継続を強く希望する。
少しでも早く子宮頸部腺がんの治療を開始するべきだが、妊娠中に抗がん剤治療はできない。ペルソナチームでは、在胎28週での帝王切開を望むサクラと32週まで待つべきだという
四宮(星野源)が真っ向対立。
母親を子宮頸がんで亡くしているだけに
母体のリスクを考えたサクラと、
ベビーへのリスクを懸念した四宮。この二つは、どちらも正解のないぶつかり合いだった。
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■思い詰める妻を救った夫の言葉とは
じつは筆者は次男を30週で出産した。私の場合は切迫早産で有無を言わせず出産となってしまった。しかし、発達障害などのリスクについて説明を受けた上で、自ら早産児を産むという決断は相当な勇気がいるだろう。そして、「28週で産んでも、私は死ぬかもしれないんだよ」という佐和子の本音には胸が締め付けられた。
たとえ28週で産んだとしても、自分の命が助かる保障はなく、赤ちゃんへのリスクも高い。それならば、自分の命を犠牲にしても、おなかの中で
“ちゃんと”赤ちゃんを育てたいという気持ちには強く共感できる。もしも自分が死んでしまったとき、自分のせいで障がいを持つことになった子どもを夫に託すわけにはいかないと思うからだ。
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そんななか、夫(福士誠治)が語ったのは「2人で育てるんだよ。俺たちの子だよ。
3人の人生だよ」という言葉。第1話で、ベビーに心室中隔欠損があり産後の不安を抱える彩加(高橋メアリージュン)の夫・康孝(ナオト・インティライミ)が発した
「育児を手伝う」というセリフとの対比が鮮やかで、より一層心に響いた。そして「自分のせいで」と思い悩む佐和子を救い出す言葉は、これ以外になかったのではないだろうか。
佐和子は、そんな夫の言葉に“3人で生きる”決意をして、28週で帝王切開に挑む。「私、ガンなんかに負けませんから」と力強く宣言して、子宮全摘出。予後は良好といううれしいハッピーエンドだった。
四宮の「運がよかった」というのはその通りなのかもしれないが、サクラの思いと親子の愛が奇跡をもたらしたようで心が温かくなった。
■赤ちゃんが“家族と生きるために選んだ誕生日”に感涙
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赤ちゃんを早く産んだ母として、佐和子が語った
「おなかの大きな妊婦さんに抱く劣等感」というのは痛いほどよくわかる。自分がおなかの中できちんと育ててあげられないことの罪悪感は、計り知れない。子どもに対して「小さく産んでしまってごめんね」という気持ちも当然芽生える。
だからこそ、
今橋(大森南朋)の「ちょっと早く産まれちゃったけど、赤ちゃんがご家族と一緒に生きていくために
この誕生日を選んだんです」という言葉には、涙があふれた。
自分を責める母たちは「ごめんね」ではなく、「大きくなってくれて、ありがとう」と言える日を信じて、小さなわが子が待つNICUへと通い続ける。だがそれは、母親が生きているからできること。命を失っては子どもに触れることも成長を見守ることもできない。
久保夫婦の決断は、出産の奇跡や命のありがたさを、私たちに思い出させてくれた。
そして娘のいるママたちにとって、第2話は子宮頸がんワクチンを接種するか否かについてあらためて考えるきっかけとなったはず。
小松(吉田羊)の言うように、予防接種を受ける受けないは個人の自由。けれども命に関わることだからこそ、メディアや周囲の言葉に流されるのではなく、自分なりの答えを導く必要があると教えてくれたように思うのだ。
■四宮の私服&タメ口に視聴者ザワザワ!
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久保夫婦が新たなスタートを切った一方で、彩加は
産後うつに陥っていた。体調も万全じゃない中で行う赤ちゃんのお世話、だれにも助けを求めることができずにどんどん追い込まれていく。
仕事に復帰したいのに、保育園に入れることができず…。次週予告で、そんな彩加に「なんでイライラしてんの」と声をかけた夫を批判する声が、早くもSNSで続出中。
再び四宮がガツンと一喝してくれるようだが、彩加に心からの笑顔は戻るのだろうか…。
四宮先生といえば、忘れてはいけないのが今世紀最大のスクープ! あの女性は一体だれなんだ!? 2シーズン目にして初披露となった私服姿&敬語を使っていなかったことから、相手が単なる患者ではないのは明らか。前回から気になってはいたが、このシーンで視聴者たちはますます困惑することに。彼女は誰なの、ねぇだれなのよ、四宮先生っ!!
10月27日放送の第3話で描かれるのは
「無痛分娩」。「痛いのがイヤ」という理由ではなく、麗子(川栄李奈)は心臓病を抱えており、負担を減らすためにもサクラから無痛分娩を勧められているのだった。さまざまなイメージが飛び交う無痛分娩について、医療的観点からその必要性を私たちに訴える。
TBSテレビ 金曜ドラマ『コウノドリ』
金曜よる10時から
「警告を発していると思ってくれたら」『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』脚本家&監督がコメント