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コミックエッセイ ママ友トラブル図鑑

「服売ったくらいで…」お下がりを転売したママ友の本音は?<お下がりあげたら 5>【ママ友トラブル図鑑 Vol.62】

■合理的で、悪びれる様子はないけれど…



昼過ぎ、園の帰り道。

門の前で、えりかさんが娘と手をつないで立っていた。

「あ、彩香さん〜」

いつもと変わらぬ笑顔。明るい声。

その姿を見た瞬間、喉の奥に何かが引っかかるような感覚が走った。

(今、言わなかったら……きっと、ずっと言えない)

私は歩み寄りながら、自然を装って声をかけた。

「ねえ……この前のカーディガン、どうしたの?」

えりかさんは一瞬ぽかんとした顔をしたあと、すぐに「ああ〜」と笑った。

「服売ったくらいで…」お下がりを転売したママ友の本音は?<お下がりあげたら 5>【ママ友トラブル図鑑 Vol.62】

その一言に、胸の奥がずきんと痛んだ。

「……処分って、リユースショップに?」

私の声が少しだけ硬くなったのを、自分でも感じた。

「うん。誰かに使ってもらえたらいいな〜と思ってさ。もったいないし? 捨てるのもアレだし」

さらっと言うその口調に、“悪びれた様子”はまるでなかった。むしろ、合理的で正しいことをしたような顔だった。

「……ごめんね。私、その服、たまたま見つけちゃって」
「え、そうなんだ?すごい偶然じゃない?」
「うん、でも――少し、ショックだったよ」

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