愛も未来もなければ、別れる理由もない…「ズルズル」な関係【カレー沢薫 アクマの辞典】
と思われるのが嫌という「見栄」がある。
それらのコストを考えると退会より会費を払い続けたほうが「安い」と感じてしまうのが「おわれない人」である。
おわれない人はとにかく「終わり」をマイナスなことと思っている。
よって恋愛もなかなか終わらせることができない。
恋愛には、愛情もなければ未来もない、バッグでずっとセックスピストルズが「ノーフュ―チャー ノーフュ―チャー」と歌っているような状況に陥るときがある。
そういうときに限って、愛も未来もなければ「別れる理由もない」。
つまり真の意味での「虚無」であり、この関係がラブホのポイントカード以外なにも生み出さないのは明白だ。
これ以上の時間的損失を出さないために、多くの投資家が「損切り」のサインを出すところである。
しかし、おわれない人は未来の時間より「これまで使った時間」が無駄になることを厭う。
そして「こいつと別れても、次が見つかる気がしない」など終わることによるデメリットばかりに目を向け、「つきあい続ければ好転の可能性がある」と続けることのメリットを無理にでも作り出そうとする。つまり、終わることにより次が始められる、というポジティブな気持ちになれない、己の未来に悲観的でネガティブな人が「おわれない人」