「やられるほうが悪い」と、簡単に言ってはいけない理由…【石井ゆかりの幸福論】
の判断だけです。
オレオレ詐欺の被害に遭った人や、性犯罪の被害者などに「警戒が足りなかった」「やられるほうが悪い」という言葉を投げかける人がいます。
「自分さえしっかりしていれば大丈夫」「他の人が引っかかっても、自分は冷静で賢いから、決して引っかからない」と考える人は、驚くほどたくさんいます。
でも現実には、そうではありません。
人生の「ゲート」を自ら開くとき、私たちは一様にリスクを負うのです。
そして、人生の「ゲート」を開かないときも、私たちは人生のチャンスを逃し、ひとりぼっちで苦しみながら生きることになるリスクを負うのです。
リスクは、どちらにも存在します。
「ノーリスク」で生きることはできないのです。
第8ハウスから「幸福」を考えたとき、まず「リスク」というテーマが浮かびます。
自分の人生に何を容れ、何を拒絶するか、という判断がそこにあるからです。
たとえば、親族からの莫大な遺産を、あえて「受けとらない」という判断をする人がいます。全額を寄付したり、誰かに譲ったりする人は、少なくありません。「受けとることによる、なんらかのリスク」を回避するための判断だったのでしょう。
厳しい親の言うことを聞いて、恋愛を一切拒否して育ち、大人になった人がいます。