ピュアな心を取り戻したいあなたへ 【結婚式の泣けるストーリー:前編】
「一刻も早く式を挙げたいの。もう1か月もたないだろうって言われてしまって……」
「1か月……」
私は言葉を失いました。慌てて式場を押さえるとしても。病身のお父さまは参列できるのだろうか。それより何より、きちんと成功させることができるのだろうか?一瞬にして様々な「?」が頭をめぐりました。私は自分に「落ち着いて」と言い聞かせ、1回大きく深呼吸をし、言葉を続けました。
「できないことはないと思うけれど、お父さまはどのくらいの時間、外にいても大丈夫? 今どんな状態なの? それに、ほかの参列してもらう方たちはどうする? お招きするのは間に合うかしら」
「意識ははっきりしているんだけど、ずっとベッドにいるわ。ベッドごと、父を運ぶことはできないかしら。
ねえ、どう? どうしたら、どうしたら参列してもらえる?」