オトコを褒めて伸ばす「 ピグマリオン効果」を得るための正しい方法って?
話は変わりますが、最近、転職アドバイザーをしている友人と会いました。今は男女ともに転職が当たり前ですから、彼女も毎日いろいろな方のご相談を受け、とても忙しいそう。そんな中で、今でも記憶に残る数年前のできごとを話してくれました。
外資系企業でバリバリと仕事をしたいという男性の転職相談。そこそこのキャリアも語学力もある方で、おそらく転職先は見つかるだろうということで面会のアポを入れたら、ご夫婦でいらしたとのこと。
面談が始まり、具体的な転職先の話をしだした途端、奥さまが「もっと高給な仕事がいい」と言い出したそうです。違う業界の会社ならばより高給な仕事はありましたが、ご主人様の考えているキャリアパスと照らし合わせると合致しないのでは…と話し、男性は納得。しかし、奥さまは「あなたはもっと稼げる力がある!」「あなたはすごい事務処理能力があるんだから、仕事選びで遠慮しちゃダメ!」と、終始夫を鼓舞し続け、結局その日は何も決まらず帰ったそうです。
「その男性は何を目標に、どうなりたくて仕事に臨んでいるのかさっぱりわからなかった。奥さまがご主人様をすごく尊敬していることは理解できるし、実際、仕事する能力は高い男性なんだと思うけど、あれじゃ転職が決まらない気がした」と彼女は言っていました。
「男性をホメて伸ばす」ときに、気をつけなくてはならない点がここにあると、私は思いました。具体的にまとめると、次のようになります。
1.自分の期待と相手の意思を混同しない例えばあなたが「将来はセレブと結婚して優雅な専業主婦になりたい」という願いを持っていたとします。そこに彼が「僕は将来、金持ちになって早期リタイアしたい」と言ったとしたら…。
表面上はお互いの目指すところが合致しているので、「彼の目標=自分の目標」と思い込みがちです。すると、いつのまにか彼は自分の願いを叶えるための「手段」となり、前述の奥さまのように、彼が仕事で何を成しえたいかということは置いておいて、「収入を上げる」ことだけに執着してしまうようになります。
彼の願望と自分の期待は別物と心得ておく冷静さが必要です。