Be inspired!がお届けする新着記事一覧 (19/30)
Biでは、これまで「#FreeTheNipple(女性が公共の場で乳首を見せる権利を訴える運動)」や「#FreeTheFeed(公共の場での授乳の権利を訴える運動)」、「Genderless Nipples(女性の乳首を不適切だとするインスタグラムの規約に抗議するアカウント)」など、おっぱいで公共の場のタブーを撃ち破ろうとする活動を紹介してきた。今回紹介するのは、そんな「女性の乳房」につきまとうタブーに挑戦する新たなアーティスト、Andre Levy a.k.a. Zhion(アンドル・レヴィまたの名をジオン、以下ジオン)だ。
2017年05月08日「FGM(Female genital mutilation)」という言葉を聞いたことがあるだろうか。「女子割礼」または「女性器切除」などと呼ばれることもある。一部の地域で現在まで続く風習だが、国際社会から女性の権利を侵害しているという理由で批判されている。実際のところ、FGMとはどのようなものなのだろうか。
2017年05月08日気温も次第に暖かくなり、今年もついに夏フェスのことを考え始めるシーズンに差し掛かってきた。「どのフェスに行こうか」と迷っているあなたに今回はBe inspired!がオススメしたいニューヨーク発のユニークな都市型音楽フェスを紹介したい。“いくらお金をかけても参加できない”そのフェスには、他のフェスでは味わえない満足感&一体感が得られるのだとか。Photo by ⓒRockCorps supported by JT過去、世界10カ国で17万人以上を動員。しかも、レディ・ガガやウィル・アイ・アム、カーリー・レイ・ジェプセンなどのビッグネームのアーティストも参加したフェスに行くために必要なもの。それは、「お金」ではなく誰もが平等に持っている「時間」。そして、今年も去年に引き続き、RockCorpsのプロジェクトの理念や活動を広める「公式アンバサダー」として高橋みなみ氏も参加することが決定している。美竹公園では、花壇に新しい花の植え替えを行い、最後に、参加者一人ずつ、 ひまわりの種を植えて、4時間のボランティア活動を終了。RockCorpsには、共にボランティア活動に参加した仲間たちとセレブレーションで再会できるからこそ、他の音楽フェスでは味わえない特別な満足感や一体感がある。ただ音楽や有名アーティストに会うことを楽しむのではなく、同じボランティア活動に参加した者同士のコミュニティ形成を可能にしているのだ。ミレニアルズにはちょうどいい。時代の空気に合ったフェス。RockCorpsの基本理念は「Give, Get Given.(与えて、はじめて与えられる)」。自分のできること、持っているもの。時間、体力、頭脳、アイデア、歌唱力。各々が何かを誰かに与え、誰かから何かを与えられる。そんな最近よく耳にするようになった、モノ、お金、サービス等の交換・共有により成り立つ経済のしくみ「シェアリングエコノミー」という概念にも近しい理念を持っている。Photo by ⓒRockCorps supported by JTお金がないけど時間はある。社会のために何かしたい。新しい人に出会いたい。有名なアーティストを生で見たい。それぞれ様々な参加理由があるかもしれないが、時代の空気に合ったRockCorpsが、日本の若い世代の社会への関心を高めてくれるキッカケとなる夏フェスであると確信している。首都圏でのボランティアプログラムを拡大中。今後のボランティア活動スケジュールに関してはこちら。***RockCorps
2017年05月04日自分の性格はひとつであると思いこんでいないだろうか?「性格」とは物心ついたころから必ず向き合わされる事柄である。恥ずかしがり屋の自分が突然目立ちたがり屋になったり、おしゃべりな人が突然無口な人になったりする、なんて事はなかなか起きないような気がする。しかし、「違う性格の自分」を得ることができる方法がひとつある。Photo by Tyler Mullins「違う性格の自分」を得る方法その方法とは、「話す言語を増やす」ということだ。あなたが今日本語しか話せないならば、英語を話せるようになってみるといい。すると、英語を話しているときのあなたは、日本語を話している時とは違う性格のあなたになるという。まさか、と思うかもしれないがこれは社会言語学において証明されている。話す言語が変わると自分の性格も変わる?Photo by Sandeep Swarnkar「アメリカ文化人類学」において、社会言語学者のエルビン・トリップはサンフランシスコに住む日本人女性を対象にした実験結果を発表している。対象となった日本人女性の多くはアメリカ人と結婚しており、子供を持つ。日本人コミュニティからは離れ、日本語を話すのは日本に行った時と、バイリンガルの友人と話す時のみだ。ここからわかるのは、彼女たちは日本語を母語としているものの、現在の環境からほとんど英語を使って生活しているということだ。エルビン・トリップは彼女たちに英語と日本語で簡単なインタビューを行った。そこで明らかになったのは同じ質問に対して、言語が異なると回答も異なることがわかった。さらに回答の際の話し方も変化していたという。話し方に関しては、英語を話す人を見ているだけでも、表情の変化の具合やボディランゲージが使われていたりと違いがわかる。では彼女たちの回答の一部を見てみよう。1. 自分の将来の夢を巡って家族と揉め事になったら?(日本語での回答)それは本当に深刻(英語での回答)私のやりたいことをやるわ2.今後私がなりうるのは?(日本語での回答)主婦(英語での回答)先生3.あなたが彼女(彼)の本当の友達ならどうすべきか?(日本語での回答)お互いに助け合うべき(英語での回答)全く気を遣わずにいられる(参照元:New Prepublic)これが同一人物の回答であると信じられるだろうか?回答がほとんど真逆ともとれるほどには変化が見られる。1と2の回答を見てみると、日本語を話す時の彼女は消極的に感じる。一方で英語を話すときは我が強い印象だ。話す言語が増えれば自分の幅も広がるPhoto by Park Troopers話す言語によって違う性格になるということは、新たな自分がもうひとりいるようなものだ。しかし話す言語が増えるということは、世界中にコミュニケーションを取れる人々が増えるということにもなる。違った国の人々の考え方や価値観も入ってくるのだ。ということは、言語を習得したら自分も世界も広がるのだ。何か始めてみたいと思っている方は趣味として是非新たな言語を学んでみて欲しい。あなたも新たな言語を学んで未知の自分に出会ってみてはどうだろうか?Text by Hinako OhnoーBe inspired!
2017年04月28日日本では「ダメ。ゼッタイ。」のイメージしかないマリファナ。コカインやヘロインなどと並べて、所持しているのが見つかれば刑罰の対象とされる危険薬物のように扱われている。しかし、欧米では鬱やアルツハイマー、また難病のドラべ症候群に効くという研究結果が出され健康の視点から使用の許可が見直されたり、昨年アメリカの9つの州では娯楽での使用も含め、全面的に合法化された。近頃、世界のマリファナ事情は急速に変わってきているのかもしれない。そんな中、イスラエルではマリファナを意外なことに使用していた。イスラエル北部に所在するカルメル山沿いに、息を呑むほど美しい「マリファナ・ハウス」が存在するのだ。
2017年04月28日近年、人工知能(AI)の進歩が目まぐるしい。第三次AIブームと叫ばれ、ニュースではほぼ毎日人工知能関連の話題が流れる。人工知能が将棋で勝った、囲碁で勝った。AI搭載の自動運転の実験が本格化する。人工知能が人間の仕事を奪う、等々。その活躍ぶりは、もはやSFのフィクション映画ではない。とはいえ、筆者含め人工知能とは何かと問われても曖昧な答えしか出ないので、まずは定義を確認しておこう。学習・推論・判断といった人間の知能のもつ機能を備えたコンピューターシステム。(Weblioより)平たく言えば、人間ような知性や計算能力を持つ機械やロボットが私たちの生活をより便利に、合理的にしているのだ。そんな中、オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授が2013年に出したある論文が世界中で注目を集めた。「雇用の未来 コンピューター化によって仕事は失われるのか」だ。この論文は今後10から20年後に消えるだろう職業を挙げたもので、現在の仕事の約半数がコンピューターに奪われると主張している。この記事ではこの論文を受け、「便利さ」について考えると同時に「人工知能ができることをなんで人間がやっちゃだめなの?」という疑問を投げかけたい。Photo by Harald Johnsen人間の仕事の約半分が機械に奪われる!“今後10~20年で47%の仕事が機械に取って代わられる高いリスクがある”マイケル・オズボーン准教授の論文「雇用の未来 コンピューター化によって仕事は失われるのか」の言葉だ。なんと、今後人工知能やロボットがいまの仕事の約半分を奪うという研究結果が出たのだ。無人の自動運転車の出現によってトラックやタクシードライバーは仕事を失い、膨大なデータを処理するコンピューターの働きによって弁護士や警察といった専門職も消えるかもしれないという。他にも銀行窓口係や経理事務、スーパーの店員やビル清掃員など702もの職業を“消える職業”、“なくなる職業”にリストアップしている。これを聞いてあなたは「将来働かなくて済むようになる」「便利な世の中になった」といった感想を持つかもしれない。しかし、本当にこれはよいことなのだろうか。Photo byBarn Images人工知能は、わたしたちの仕事を奪えない。科学技術の躍進が効率化・合理化を促し、わたしたちの生活はますます便利になる。そして同時に仕事の時間が大幅に減る。たしかに、それにより企業全体の生産性は右肩上がりになり、経営コストは人件費とともに減少する。人間の“”労働”というものを経営の効率化という観点からのみ見れば、よいことのようにも思える。しかし、ちょっと待てよ、と思う。論文に従えば、例えば10年後には経理事務や瓶詰め工場の従業員は職を失う。しかし、経理という仕事が好きな人や工場勤務に愛を注ぐ人が存在すること、それぞれの仕事に生き甲斐を感じている人がいることを忘れてはいけない。人間が勝手に作り出した人工知能は、個人の自由を奪う権利をもたない。“やりたいこと”は人間がやればいいのだ(もちろん、やりたくないことに関しては科学技術を頼ればいい)。自動運転技術が発達しても運転したい人はすればよい。「人工知能も人間も両方できること」があったとして、なぜそれを人間がやってはダメなのだろうか。自由な“選択”のための人工知能であるべきだと思う。やるかやらないかは人間の選択の自由。科学技術は人間の選択の幅を広げるため、つまり、より自由になるための手段にすぎないからだ。それが逆転し、人間が合理化の奴隷となってしまった現代社会を、自由で幸福な社会とは呼べないだろう。Photo by Jeff Sheldon便利って本当にいいことなの?人工知能含め、現代の科学技術研究は「便利なほうがよりよい」「単純作業は人間がやるべきではない」という一定の価値観に基づいている。しかし「人間らしさ」は決して「便利さ」には回収できない。便利さの追求が人間の選択肢を狭めるとしたら、科学技術の“便利さ”は本当に“よい”ことなのか?一回立ち止まって考えたい。多様な“働き方”を受容する社会の実現を目指すためにも、不便でも直接お金にならないことでもやりたいことをする、やりたいように働くという、“便利さ”や“合理性”から離れた広い視点で世界を観ることが、いまだからこそ必要なのではないだろうか。All Text by Reina TashiroーBe inspired!
2017年04月28日4月に入り暖かい日が増え、徐々に服装も薄着になっていくこの季節。春夏物に衣替えをしワクワクする一方、自分の体型が気になって着たい服を諦めてしまう人も少なくないのでは?しかし先日、イギリス人モデル、チャーリー・ハワードさんがInstagramに投稿した1枚の写真が大きな話題となり、人々が持つ「体型」に関する価値観を大きく変えるきっかけとなった。今回は、私たち一人一人が持つ「体型の多様性」にフォーカスを当てた2つのハッシュタグアクティビズムをご紹介。彼女が投稿したのは自らの「セルライト」の写真。チャーリーはサイズ6(日本の9号、Mサイズ)の服を着ていた2015年、所属していたモデルエージェンシーから「太りすぎ」だと言われたことをきっかけに、制圧的なハイファッションの世界から離れ、人々の体の多様性を主張する「Body Positivity(ボディポジティビティ)」の考えを広めるアクティビストとなった。サイズ6は「太りすぎ」Photo by Charli Howard彼女はこの投稿の中で、「ファッション雑誌に乗るモデル達にはセルライトがなく、もし少しでもセルライトがある姿を見られたら彼女達はすぐにタブロイド紙で避難され、女性本来の自然な姿のイメージを歪ませている」と主張している。(参照元:Charli Howard)彼女のこの投稿をきっかけにSNS上で瞬く間に広がったのがハッシュタグ「#BOPO(body positivity)」。パンツからはみ出たお腹のお肉や、肉割れの線が入ったお尻など決して「スタイルがいい」とは言えないような写真ばかりだが、彼女達の自信に満ちた笑顔は「その人のあるべき姿」の美しさを物語っている。だってこれが私の体だから!プラスサイズモデルとして活動するモデルのデナイズ・メルセデスが「プラスサイズなんて不健康」で「魅力的ではない」など、様々な批判が投げかけられる中で作ったのが「#BecauseItsMyBody」というハッシュタグ。
2017年04月28日2017年4月29日〜5月7日はジェンダーやセクシュアルアイデンティティーに関係なく、すべての個人が自分らしく幸せに生きられるような社会を目指しイベントを行うレインボーウィークである。都内でもダンスパーティーやアート展など昼夜問わず様々なイベントが実地され、7日には大体的にレインボーパレードが開催される予定と盛り上がりを見せている。そんなレインボーウィークにこそ紹介したい一冊のフォトブックが存在する。
2017年04月28日そのハンバーガーレストランとは、今や10ヵ国以上の国で愛されている「シェイク シャック」。現在、日本には3店舗構えており、今年の夏には新宿に4号店がオープンする。彼らのハンバーガーのパティは、ホルモン剤フリーのアンガスビーフ100%を使用し、ビールは、ブルックリンブルワリーにオリジナルのクラフトビールを特注。ホットドッグやフレンチフライに、フローズンカスタード、シェイクなどの他のメニューにも言えることだが、高級レストランのルーツを引き継いでいる彼らは味にも、食材の質にもこだわり、それでいて手頃な価格で提供している。2014年には、歴史あるレストランガイドZagat NYCで「最も人気のあるニューヨークのレストラン」の中に選出され、今ではいつも行列ができるほど。美味しいハンバーガーが食べられる人気店としてだけではなく、地域の人々が気軽に集える“コミュニティーギャザリングプレイス”として幅広い人々に愛されているシェイク シャック。その理由は、彼らのブランドミッションである「ソーシャルグッドな取り組み」に隠れていた。Stand For Something Goodとは、「シェイク シャックに関わるあらゆる方々や企業、地域のために我々ができることを」というシェイク シャックが最も大切にしているブランドミッションのこと。その活動の中で特筆したいのは「GOOD NEIGHBOR(地域コミュニティーのために)」。彼らは、店舗近隣を「ホーム」と呼び、その地域コミュニティーの中で最良の市民でいつづけるよう常に心がけている。そして、各店舗でNPOとパートナーシップを組み、店舗限定デザート「コンクリート」の売り上げの5%をチャリティーパートナーに寄付をしたり、地域をより良く、楽しく過ごすためのボランティア活動を行っている。中央に穴が空いたフォルムが特徴的なシェイク シャックの人気デザート「コンクリート」具体的には、外苑いちょう並木店は「放課後NPOアフタースクール」と共に地域の子どもたちが安心で楽しい放課後を過ごせるサポートを行い、アトレ恵比寿店は、店舗のスタッフやお客さん、地域の人たち、そしてチャリティーパートナーの「グリーンバード」と共に店舗周辺の地域のゴミ拾いをしている。また、東京国際フォーラム店では、みんなで子どもたちを抱きしめ、子育てとともに何でも挑戦でき、いろんな家族の笑顔があふれる社会を目指す 「認定NPO法人フローレンス」とパートナーシップを組み、子供たちのアクティビティを作る活動のお手伝いをしている。家族や友人、恋人、新たに出会った仲間と、ランニングやクリーンナップの後に味わうハンバーガーやレモネードは、きっと格別だろう。他のハンバーガーレストランでは味わえない「旨み」がある。美味しいハンバーガーで空腹を満たすだけではなく、社会に貢献できる場や、新しい仲間に出会える場を作るなど、店舗の壁を越えてホスピタリティを広げることで「精神的な満足感」をもお客さんに提供しているシェイク シャック。そんな既存のレストランが取り組んでこなかった「Stand For Something Good」という活動がシェイク シャックの魅力であり、人気の秘訣なのかもしれない。もしあなたが東京にいるのなら、シェイク シャックのコミュニティー活動に参加してみてはどうだろうか?きっと他のハンバーガーレストランではできない体験が、そこに待っているはずだ。***Shake Shack●開催概要Great Japanese Shake Sale(GJSS)期間:5月1日(月)~31日(水) ※チケット交換は6月30日(金)まで店舗:外苑いちょう並木店、アトレ恵比寿店、東京国際フォーラム店内容:200円寄付いただいた方に、次回来店時にシェイク(スモール480円)と交換いただけるチケットをお渡しします。 パートナー(寄付先):ハタチ基金
2017年04月28日1980年代以降に生まれて2000年代に社会に出る、「ミレニアルズ」と呼ばれる世代。彼らは上の世代と比べ、自分のセクシュアリティにオープンな傾向があるという。それを教えてくれる研究結果がアメリカで発表された。Photo by Glenn Halog20%以上が「セクシャルマイノリティ」を自認するミレニアルズアメリカの「GLAAD(中傷と闘うゲイ&レズビアン同盟)」の調査によると、アメリカの18歳から34歳のミレニアルズのうち20%がLGBTQだと自認している。また、12%がトランスジェンダーまたは自分のジェンダーアイデンティティが「既存の性役割」に当てはまらないと答えている。したがってLGBTQを自認していなくても自らのジェンダーアイデンティティが「既存の性役割」に完全には当てはまらない人も存在し、2つのデータの人々は重なりあうため、それらを全てセクシャルマイノリティだとすると、のべ32%のミレニアルズがセクシュアルマイノリティであるという結果だ。ここからわかるのは、彼らが上の世代とは異なり、セクシュアリティの種類の多様性が認められていく社会の流れのなかで育ってきたということだ。人々は男性か女性、同性愛か異性愛など2つに分けられた選択肢のどちらかに自分を当てはめることなく、自分のアイデンティティを柔軟に捉えられるようになっているのだ。(参照元:GLAAD, Konbini)「ジェンダーフリー」な子供服売り場を求めた5歳の女の子5歳のアリス・ジェイコブちゃんは、スーパーヒーローや車、恐竜が大好きな女の子だ。彼女は母親とギャップキッズのオンラインショップを見ていたとき、「ピンク色」や「ディズニープリンセス」で溢れる“女の子向け”の洋服ページに違和感を感じた。そして、カジュアルアパレルブランド「GAP(ギャップ)」宛にメールを送ったという。Photo by Peter Roomieその内容は「女の子向けの服にはピンクやプリンセスのデザインばかりです。でも男の子の洋服にはスーパーマンやバッドマン、ロックンロール、スポーツのようなクールなデザインがあります。そういうのが好きな女の子はどうしたらいいですか?」「クールな女の子向けの服を作ってくれませんか?それから、男の子や女の子のコーナーに分けるのではなく全部キッズコーナーにしてくれませんか?」というものだった。ギャップのCEOは彼女のメールに「あなたの言う通り。私たちもあらゆる人を惹きつける選択肢を提供するべきです。デザイナーたちと話してもっと面白いものを作ることにもなりました。きっとあなたも気にいるでしょう」と返信している。多くの子供が少なからず抱いたかもしれない“女の子らしさ、男の子らしさって何?”という疑問をアリスちゃんがアパレルメーカーにぶつけたことが、子供服のジェンダーレス化を促進することになりそうだ。(参照元:Konbini, Fortune)トランスジェンダーの子供たちをサポート。#ProtectTransKids※動画が見られない方はこちら「トランスジェンダー(生物学的な性別と自認する性別が異なる)」の子供たちとその親が出演する心温まるような動画が、動画コンテンツの制作や配信を行なうThe Scene(ザ・シーン)により先日公開された。トランスジェンダーの子供たちは、自らの性別に対する確信を持てないだけでなく、それを理由にいじめや排除の対象となってしまうことで苦しむことが多いが、この動画ではそんな彼らが「私は希望だ」や「私は私のままで愛されている」などの親が伝えた言葉を復唱することで、自分に対する自信を持たせるねらいがある。当事者のために環境や法を整備するだけではなく、彼らの存在を「認める」ことも重要なサポートの1つなのだ。(参照元:GOOD, COURRIER JAPON)「偏見に打ち勝て」。セクシャルマイノリティを支援するブランドたち。いくつかのグローバルブランドがセクシャルマイノリティの支援しているのを知っているだろうか?今年も東京で行われるレインボープライドのスポンサーには、ギャップやディーゼル、ラッシュなどが参加している。また今季はLevi’s®(リーバイス)が「Fight Stigma(偏見に打ち勝て)」というメッセージを込めた「リーバイス® 2017プライドコレクション」を発売した。Photo by Levi’s®リーバイスはHIV/AIDSの分野を中心にLGBTQコミュニティに対しての支援を行なってきており、HIV/AIDSの患者やセクシュアルマイノリティの人々が立ち向かわなければならない偏見を取り除くことの難しさを知っているようだ。“問題の大きさに関係なく、不名誉なことや社会的な偏見に立ち向かうことは大事です。そして現代が抱える様々な問題に対して立ち上がることは、私たちの義務であると考えています”リーバイスのチーフ・マーチャンダイジングオフィサーであるグラント・バースの言葉(引用元:Levi’s®)Photo by Levi’s®東京でレインボープライドに参加しよう。#TRP2017性別やセクシュアリティが多様なものだという認識を持ちながら育ってきた若い世代。彼らは上の世代を巻き込みながら今後社会をどのように変えていくのだろうか。昨年も東京で盛り上がりを見せた「レインボープライドウィーク」が、今年は4月29日から5月7日まで開催される。最終日の5/7には代々木公園での「レインボープライドパレード」が予定されており、セクシャルマイノリティを支援するアパレルメーカーのアイテムを身につけて多様性を祝福したり、子供と一緒に参加したりして多様性について考えさせるのもいいかもしれない。その他にもセクシュアルマイノリティの歴史の展示から、セクシュアルマイノリティの若者向けのピクニック、中島美嘉らのシンガーが登場するスペシャルライブまでさまざまなイベントが用意されている。また、東京レインボープライドのキャンペーン参加協力店を2軒以上まわると、新宿2町目で開かれるクロージングパーティーの入場が無料になる。ゴールデンウィークには多様性の尊重を目指す東京を感じに、#TRP2017のイベントに参加してみてはいかがだろうか。(参照元:TOKYO RAINBOW PRIDE)詳しくはこちら。Text by Shiori Kirigaya ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!24杯目:オランダで「男性同士で手をつなぐ」ことがトレンドの理由。#allemannenhandinhand|「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会 世界初の同性婚が認められた国、オランダ。そのオランダ国内で起こった、手をつないでいた同性愛者の男性カップルが激しい暴行を受けた事件。この事件をキッカケにオランダの男性有名人たち...
2017年04月28日私たち人類はある「恐ろしい矛盾」を抱えてる。それは、現在の食料生産のペースでは2050年には世界の食料需要をまかなえなくなるという統計がある一方で、私たちは食糧生産の3分の1(約13億トン)を毎年食べずに廃棄しているからだ。食糧廃棄(フードロス)は様々な要因が絡み合い、食の生産から流通、消費の各段階に原因が点在する複雑な問題だが、実は日本ではこのフードロスの半分は一般家庭から出ているという。そんな食糧廃棄問題について、楽しく知ることができる画期的なイベントが、4月29日に世界70箇所で同時多発的に開催される。30ヵ国の人々がフードロスを“楽しむ日”世界中のより多くの人に「フードロス」の問題に危機感を持ってもらうために、 Slow Food Youth Networkは、今年から4月29日(土)を史上初の「ワールドディスコスープデー」と定め、世界30カ国以上にまたがる70以上の会場でディスコスープが同時多発的に開催する。日本にはじまり、ウガンダ、ケニア、ベナン、モザンビーク、タンザニア、イラン、ペルー、パラグアイ、ブラジル、メキシコ、米国、オランダ、フランス、スイスなど。【東京:表参道】株式会社コークッキングがユースネットワーク東京と共催する東京会場では「グローブキャラバン」代表取締役兼シェフを努める寺脇加恵さんをスペシャルシェフとしてお招きします!また、DJブースや映像の演出も予定してます。日時:2017年4月29日(土・祝)17:00~22:00(17時に調理開始、完成し次第提供開始)会場:Commune 2nd 主催:Slow Food Youth Network Tokyo / 株式会社コークッキング後援:タニコー株式会社イベントページ:【神戸:加納町】スローフードユースネットワーク神戸が主催する神戸会場では、世界のごちそう博物館の本山尚義シェフをリードシェフとしてお迎えします。日時:4月29日(土・祝)11:00 ~ 16:00 (11時調理開始、13時頃より順次提供開始)会場:東遊園地 主催:Slow Food Youth Network Kobe / ぶさべじ / ゆとりの。後援:神戸市 / タニコー株式会社イベントページ: photos by CoCookingText by Jun HirayamaーBe inspired!
2017年04月28日私たちの生活には馴染み深い、軽くて薄いプラスチック。同時にプラスチックごみは、ごみでいっぱいの海岸を生み、野生動物たちをも苦しめている。そんなプラスチックを減らす、ハチの力を借りたデザイン性の高い食品ラップがある。便利で身近なプラスチックの負の側面私たちの身の回りで、ありとあらゆるものに使われているプラスチック。コンビニの袋、ペットボトル、スナックやお弁当の包装、ボールペンや電気製品まで。使い捨てのプラスチックを使わずには私たちの生活は成り立たない。実際に、世界では年間で3億トン近いプラスチックが生産されている。日本では1千万トンが生産され、1人あたり年間で75kgを消費している。つまり最低でも私たちは、毎日200g以上のプラスチックに頼っていることになる。(参照元:日本プラスチック工業連盟の2012年度データ)透明で、軽くて、薄くて、匂いも移りにくくて、いいところばかりのようだけど、深刻な環境汚染を招くという負の側面を持っている。
2017年04月27日こんにちは。僕は東京・池尻大橋の小さな、ALL YOURSというお店で、DEEPER’S WEARという洋服を販売している木村 昌史(きむら まさし)です。Be inspired!での連載も今回で5回目。今回は最近の活動で感じた事を書いてみようと思います!それでは行ってみましょう!過去の連載記事はこちらから。①②③④
2017年04月27日世界初の同性婚が認められた国、オランダ。そのオランダ国内で起こった、手をつないでいた同性愛者の男性カップルが激しい暴行を受けた事件。この事件をキッカケにオランダの男性有名人たちが「男性同士で手をつなぐ」という行動に出たらしい。オランダの野党「民主66」のアレクサンデル・ペヒトルト党首(左)とバウター・コールメース議員(右) Photo by @p3nyheterオランダのアーネムという都市で起きた、手をつないで歩いていた同性愛者の男性2人が襲撃された事件。被害者のうち1人の男性は複数の歯を折るけがをしている。これの事件に対して、オランダの政治家や警察官らが「男性同士」で手をつなぎ、ホモフォビア(同性愛者に対する嫌悪)に対する「連帯」を表した。また、ジャーナリストの呼びかけにより、#allemannenhandinhand(男性たちよ、手をつなげ)というハッシュタグをつけた、手をつなぐ男性らの写真を投稿するハッシュタグ・アクティビズムが世界に広がったのだ。(参照元:BBC News, AFPBB News)Photo by @iamgabrPhoto by @obvioquesiこのムーブメントは、あらゆるセクシュアリティの人々が一同に手をつなぐことで、多くの人々が「アライ」だということ、セクシュアリティの違いに関係なく人々は同じ人間なのだと社会に訴えている。「アライ」とは、セクシュアルマイノリティを支援する意思表示をしているストレート(異性愛者で自分の性別に違和感のない人)の人だ。(参照元:Letibee Life)Photo by @xiaorenmin男性同士で手をつなぐことに気が進まない日本人男性は多いかもしれない。だが、多数派が少数派をサポートするために出さなくてはならない勇気は、あまり大きいものではないはずだ。ホモフォビアをなくすのは簡単ではないが、#allemannenhandinhandのムーブメントのように、あらゆる人が一同に「連帯」できる日が近づくことを願ってならない。Text by Shiori KirigayaーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!7杯目 : 男もネイル。 #PolishedMan |「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会 皆さん、こんにちは!ハッシュタグ・アクティビズムを紹介する連載企画の第7回目です。さて、ファッションとして爪にマニュキュアを塗る男性が増えてきていますが、まだ定着はしてない...
2017年04月26日この国の医療システムは2段階によって成り立つ。「家庭医」と「病院」。緊急の場合を除いて、病気や怪我をすると、まず家庭医に診てもらう。さらなる検査や治療が必要となれば、病院へ引き渡される、というのが大きな流れ。 ただ、家庭医の診断はとても厳しい。なかなか薬を出してくれず、必要最低限の治療しか行わない。場合によっては、「3日寝れば治る」と薬も出してもらえないこともあるんだとか。しかも歯科治療は例外で、全額自己負担。 「医療費無料」と言うが、たしかにデンマークの医療制度に完ぺきではない。しかし、それにはいくつかの理由がある。まず、無料だからと患者が多すぎれば、いくら高税率だろうと財源がもたない。そこで、家庭医は患者の診察時に仕分けをして、財源の無駄遣いの歯止め役となっているのだ。 それだけでなく、患者を効率的に治療するのにも有効である。日本では、重症で緊急事態なのに診察に何時間も待たされることがよくある。それに対して、デンマークの場合、病院には軽い症状の患者は来ないため、迅速に効率よく診療ができるのだ。 軽症の患者にはお金を出さないが、その代わり命に関わるような重症であれば、惜しみなくお金を投じ、国が100%負担する。これがデンマークの方針であり、それを可能にするダブルチェックの仕組みはとても合理的だと言える。出産費無料、育児制度も充実義務療育は10年制。6歳から幼稚園クラスに1年間、その後1年生から9年生まで学校(小学校+中学校)に通うのが一般的である。高校は、普通高校、工業高校、商業高校と大きく3種類あり、ここである程度の進路が決まる。卒業後、大学に入る前にギャップイヤーを使って、旅したり、職業体験を積んでから、大学に入る、あるいは仕事に就く人が多い。だから、大学の学生の年齢は千差万別。しかも、その大半はそのまま大学院に進学するため、卒業して仕事に就くのは20代後半となる。 幼稚園クラスから大学まで、教育費は無料。デンマークでは、選挙権が与えられる18歳から大人とみなされ(子ども手当も17歳まで)、保護者が親から国へとバトンタッチされる。そのため、大学在学中は一人につき毎月91,000円(5,000クローネ)が国から支給される。大学は「お金をもらって行く」がデンマークの常識なのだ。教育費よりも特殊なのが、デンマークの教育制度である。義務教育期間中、小学校、中学校では、どんなことが得意なのか、どんな職業に就きたいかなどを考えさせられる。テストらしいテストもなく、そして、高校からの学校は「資格」となる。日本でも医師や弁護士、会計士の資格はあるが、デンマークの「資格」はまったく異なる。職業の一つひとつに資格が存在するのだ。そして、その資格が高ければ高いほど給料が高かったり、いい役職に就けるような仕組みになっている。ただし、資格を取るための入学試験はなく、授業料もかからないので、どんな人にも平等にチャンスがあるのがこの国の特長である。充実した年金制度と高齢者福祉他にも「失業者保険」「傷害者保険」「生活保護支援」など、様々な福祉サービスがあり、どれもかなり充実している。もちろん、デンマークも自殺や移民問題など様々な問題を抱えている。しかし、デンマークの福祉制度は多くの社会問題を解決し得るヒントになるはずだ。そして何より、この社会システムを実現可能にする、デンマークの人々に根付く「共生」の価値観は、現代の世界に最も欠けていて、未来においてとても大切なものではないだろうか。 ※この記事はウェブメディア「EPOCH MAKERS」の提供記事です。EPOCH MAKERS – デンマークに聞く。未来が変わる。世界の片隅で異彩を放つ、デンマーク。この小さな北欧の国は、情報化がさらに進んだ未来の社会の一つのロールモデルになり得る。EPOCH MAKERSはその可能性を信じて、独自の視点から取材し発信するインタビューメディア。URL: by Taiga Beppu ーBe inspired!
2017年04月25日「爆弾を投げるより、花束を投げ世界を平和に」。そんな反戦のメッセージが込められ、“イスラエルへのテロリストの侵入を防ぐため”にイスラエルとパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区に建てられた分離壁に描かれたこの男性。このグラフィティを描いたのは、紛れもなく作品を通じて社会問題と向き合い、私たちに疑問を投げかけている覆面グラフィティアーティスト、バンクシーだ。Photo by joy garnettこれまでに世代を超えて、世界中の若者を魅了してきたグラフィティやストリートアートだが、「平和のためのグラフィティ」も存在すれば、世の中には見る者を不愉快な思いにする「差別的なグラフィティ」も存在する。例えばドイツには、ヒトラー率いるナチスのシンボル「ハーケンクロイツ」のグラフィティが未だに描かれている。また、難民や移民などの外国人排他や、イスラム教など宗教の排他を訴えたものも存在するのだ。Photo by verdienter KünstlerPhoto by Thomas Hawk景観を汚染・破壊する行為(ヴァンダリズム)であり、器物損壊、迷惑行為でもある絶対的社会問題の「差別的なグラフィティ」と向き合い、社会から無くそうと活動する、72歳のおばあちゃんがドイツのベルリンに存在する。1945年生まれ、72歳。現役バリバリの人権活動家1945年、ドイツ南西部の都市・シュトゥットガルトで生まれたイルメラ・メンザシュラムさん。幼稚園教師、精神障害者の社会適応を助ける治癒教育者としての経験を経た後、現在はベルリンで人権活動家として活躍中だ。一体どのように、差別的なグラフィティと向き合っているのだろうか。彼女は自身を「Polit-Putze(ポリーット プッツェ)」と名乗る。ドイツ語でPolit(Politisch)は“政治的な”、Putze(Putzfrau)は“女性掃除作業員”という意味。要するに「政治的な掃除のおばちゃん」という感じだろう。街中の差別を“大掃除”するため、公園のベンチやバス停に貼り付けられた差別的なステッカーを削ったり、同じく差別的なグラフィティに、スプレーでハートやピースマークなどを描き、上書きしているのだ。Photo by Irmela Mensah-Schrammこの活動を30年間も続けているというイルメラさん。今までに取り除いた差別的なステッカーやグラフィティの数は13万個を超える。きっかけは近所のバス停に、ナチスメンバーのフライヤーが貼られており、それに嫌悪感を覚えた彼女は、家の鍵でそのフライヤーを削ることで、心の中の汚れた部分が取り除かれたような気持ちになったことだ。今日もポリーット プッツェ(政治的女性掃除作業員)として差別と闘い続けるイルメラさんに、Be inspired!は、彼女の信念や「未来を担う世代へのアクション」について伺った。イルメラさんのこれまでを振り返る優しい笑みを浮かべながら待ち合わせ場所のカフェに現れたイルメラさん。アクティブに差別と戦っているなんて信じられないほど大らかな雰囲気だったが、本題に入ると一変。これまで除去したステッカーやグラフィティの写真とともに、自身の思いを真剣な表情で語ってくれた。“これまで「DEMOKRATIE(民主主義)=VOLKSTOD(民族の死)」のグラフィティをハートで塗りつぶしたり、「MULTIKULTI ENDSTATION(マルチカルチャーの終点)」を、「MULTIKULTI EIN DANK(マルチカルチャーへの感謝)」と上書きしてきたわ。そこの住民や警察は、困ったことに誰も差別的なグラフィティを消そうとしないのよ”イルメラさんがハーケンクロイツのシンボルをハートに塗り替えたグラフィティこのようなステッカーやグラフィティを除去する前に、まず写真に収めるというイルメラさん。これまで撮ってきた写真の数は、約2万枚。全て保存してあるという。だが、活動してきた30年間、ずっと順風満帆という訳ではなかった。ベルリン南西に位置するフリーデナウという街で、トルコ人を差別するグラフィティを消そうとしていた時のこと。市の職員が背後から力ずくで彼女のスプレー缶を奪おうとして、イルメラさんは転倒し後頭部を強く打撲。大事には至らなかったが、、病院で外傷性脳損傷と内出血の治療をしなければならなかったという。(参照:HASS VERNICHTET)またイルメラさんの名前を含んだグラフィティで何者かに脅迫されたり、スプレーによる器物損壊の罪で、1800ユーロの罰金を科せられそうになったこともあった。(参照:CNN)“それでもやり続ける意味はある。一度警察に脅迫の件で電話で相談したんだけど、「その行為をやめろ」と逆に言われたの。でも警察は差別的なステッカーやグラフィティに対して、何もアクションを起こさない。彼らはナチスの時代から、何も学んでいないのよ”ナチス率いるドイツが降伏し、第2次世界大戦が終戦を迎えたのが1945年。その年に生まれた彼女の言葉には、重みがあった。平和や差別について”創造的に”教えるワークショップPhoto by Irmela Mensah-Schramm同じ歴史を繰り返さない為、子ども達に平和や差別について教えるワークショップもイルメラさん主導で開催されている。ドイツ国内の学校で、差別的なグラフィティがコピーされたプリントを、子ども達にペンで塗りつぶさせるという斬新なプログラムだ。“ワークショップでは、生徒達が楽しめることが大切。それを考慮して、プログラムを組んでいるの。イスラム教徒の学生が、反イスラムのグラフィティを平和なものに変えていく姿は、見ている私も清々しい気持ちにさせてくれるわ(笑)。生徒達が熱中している姿や、これまでの素晴らしいワークショップの結果はどれも素敵な思い出よ”「差別はいけない」と頭ごなしに教育するのではなく、子ども達に“楽しく、創造的に”平和や差別について教えるイルメラさん。そこでとあるエピソードを語ってくれた。“私の家の壁に、ナチスを支持するグラフィティが描かれるようになった時期があって。それを描いてた男がまたうちに来た時、私は笑顔で「遅すぎるわよ。もう消しちゃったわ」って対応してたのよ。そしたら後日、「僕はもう(ナチスを)支持していないよ」と改心したことをわざわざ言いに来たの!”この経験をしたイルメラさんは「憎しみを負の感情で消すのではなく、笑顔で消していくことが大切なんだって、ワークショップで子ども達に教えていきたい」と考え、今ではベルリン以外にもカールスルーエやミュンヘンで子どものためのワークショップを開催しているという。“差別を社会からなくす為、ワークショップを体験した子ども達は、今後そのようなステッカーやグラフィティに対してアクションを起こせる。若い人達には、「(差別を)見て見ぬ振りをするな。団結し、お互いに支え合うことが大切だ」と伝えたいわね”インタビューの最中、疑問に思ったことがただ1つ。多様性に寛容なイメージのあるベルリンで、果たして本当に差別的なステッカーやグラフィティが存在するのだろうか。そんな筆者に、イルメラさんはこう問いかけた。“もし良かったら、一緒に探しに行ってみる?”イルメラさんと行う街の“政治的な大掃除”今回イルメラさんと探索したのは、ツェーレンドルフというベルリン郊外の街。のどかで静かなエリアだが、外国人排他を主張する右翼の組合や、学生が集まるアパートもあるという。早速発見したのは、「(国の)イスラム化?私たちは反対!」と書かれているイスラム教徒を差別したステッカー。イルメラさんによれば、半年前から見つけていたが、標識に貼り付けられており、手が届かないため、削り落とすことができないままでいるという。ドイツのメルケル首相が大量の難民を受け入れて以来、イスラム反対のステッカーをよく目にするようになったとのこと。パトカーが近くにいたが何も対処しないので、イルメラさんは怒りを示していた。比較的人通りの多いバス停の前や銀行の横に、イスラム排他を唱えるステッカーを発見。ステッカーには、ナチスの重巡洋艦である“PRINZ EUGEN(プリンツ オイゲン)”と、ペルシア軍と戦った人物“LEONIDAS(レオニダス)”、そして過去にイスラム教徒の侵入を防いだ人物“KARL MARTELL(カール・マルテル)”の文字が書かれており、こちらもイスラム教を差別する内容となっている。駅の近くで「MERKEL MUSS WEG(メルケルは出て行け)」と、難民を受け入れる政策をとったドイツのメルケル首相を非難するステッカーを発見した。難民受け入れ以降、このスローガンはメルケル首相反対派のデモによく使用されている。イルメラさんはカメラに収め、いつも持ち歩いている袋からへらを取り出し削る。普段の朗らかな顔とは違う、険しい表情だった。様々な人種が暮らすベルリンにも、外国人排他を訴えるステッカーが未だに多くあったことには驚きを隠せなかった。そしてイルメラさんは、最後にこう語ってくれた。“「戦わない人は、負けたことになる」っていうことわざがドイツにあってね。これは本当よ。私にとってもね。挑戦しないってことは、何にも挑戦されなかったことになるの。まわりを説得させるのも必要だけれど、人は戦い続けなければいけない。そして年齢は関係なく、誰もがやりたいと思えば成し遂げることができる”私たちが目指すべき「平和な社会の作り方」日本では差別的なステッカーやグラフィティを見る機会は少ないが、イルメラさんは私たちに、自身の経験とともに平和な社会の作り方を教えてくれた。「憎しみを制するのは、憎しみではなく、笑顔」。日常に潜む、どんな小さな差別でも見逃してはいけない。私たちにできることは例え小さなことであっても、皆が意識すれば差別が社会からなくなり、世の中がより良くなる日が来るのではないだろうか。***Irmela Mensah-SchrammText and photos by Ruka YamanoーBe inspired!
2017年04月24日牛乳を毎日飲む人は43%(参照元:独立行政法人農畜産業振興機構)、牛乳や乳製品の自給率が62%(参照元:農林水産省)の日本で、「ミルク」といわれたら「牛乳」を浮かべる人が多いだろう。しかし実は、国産の新鮮な「牛のミルク」が気軽に手に入ることは、“当たり前”ではないのだとか。Photo by Karabella実は体にも社会にもグッドな〇〇ミルク東南アジアに位置する島国、フィリピン共和国。この国では消費される98.8%のミルクが輸入商品で、国産の新鮮な牛乳なんて滅多に手に入らない。(参照元:Karabella Dairy)スーパーの棚に並ぶのは、輸入されるのに時間がかかるために、長期保存可能な粉ミルクやロングライフミルクがほとんどである。 しかし最近では、輸入に頼りすぎているフィリピンのミルク消費のスタイルに危機感を抱いたスタートアップが、自国のミルクを消費していこうと“ある動物”のミルクを使用して、フィリピンの生乳産量は増加しているという。Photo by CalaBooその“ある動物”とは水牛。フィリピンの国獣である水牛は、家畜として一般的に飼育されており、少し田舎に行くと、道端で見かけるほど多く生息している。そして、水牛ミルクは、ミルクの中で最も栄養価が高いと言われており、コレステロールは牛乳の半分で、さらにタンパク質が牛乳より30%多く含まれている。気になるお味は牛乳に比べて脂肪分が多いため、よりクリーミーな口当たりだそうだ。Photo by Karabellaそんな水牛ミルクが国内に豊富であるにもかかわらず、輸入税等のコストがかかる輸入のミルクを購入するということは経済発展への妨げ、国内の農家の貧困にもつながる。そんな現状を打破するために立ち上がったフィリピンのミルク自給率の未来を変えていく「水牛ミルクソーシャルビジネス」を2社紹介する。水牛ミルクで”フィリピンブランド”を世界へ「Karabella Dairy」Photo by Karabella「All Local,All Natural(全て地元から、全て自然から)」を掲げる水牛ミルクアイスクリームのソーシャルビジネス「カラベラデイリー(Karabella Dairy)」。 創設者のエリカ・ナン・ウォン氏は、ミルク自給率の問題に加えて、地方の農家が収入を得る機会が少なく、貧困に陥る状況を問題視していた。お金が必要なために大切に飼育していた水牛を売ろうとしていた農民をみて、彼らから水牛ミルクを買い、アイスクリームをつくることを決意したのだ。創設者エリカ・ナン・ウォン氏 Photo by Karabella1カップ約170円。フィリピンの物価では少し高めだが、濃厚な水牛ミルクの味わいとストーリーで着実に人気は伸びている。フレーバーにはフィリピンのストリートフードとして有名なトロン(バナナを春巻きにして揚げたもの)や伝統的なデザートのレチェフラン(卵黄とコンデンスミルクを使ったプリン)などを使用し、フィリピンならではのアイスクリームを生み出した。Photo by Karabellaフィリピンには世界中からのブランドが溢れているが、フィリピンのブランドは世界にまだまだ知られていない。途上国として知られるフィリピンから、フィリピンだから生み出せるアイスクリームを世界に広げていくことをカラベラデイリーは目指している。 更に販売やアイスクリームの生産の仕事が貧困層への雇用創出にもなっている。「水牛ミルクでミルク自給率をあげる」という切り口ではあるものの、目的はそれだけじゃないカラベラデイリーは水牛ミルクでフィリピン社会の色々な側面をを変えようとしているのだ。水牛ミルクが生み出す“恋の味”「CalaBoo」Photo by CalaBoo次に紹介するのは、「恋の味」を味わえるで知られている水牛ミルクを使ったバターやヨーグルトのスタートアップ「カラブー(CalaBoo)」。 筆者もヨーグルトを1瓶頂いたことがあるのだが、水牛ミルクの濃厚さがあるのに、ほんのりと甘酸っぱさも口の中に広がる味わい。濃厚なのに重くない、さっぱりとした口当たりで新感覚のヨーグルトであった。「恋の味」に明確な定義はないが、確かにこれは「恋の味」と呼びたくなる。添加物は無使用で、体にも良い。CalaBooもまた、フィリピンのミルク自給率の低さを問題視し、地産地消は自国を愛することであるという強い思いを持っている。フィリピン産水牛ミルクのプロダクトを選んで欲しいという思いはCalaBoo創設者マリー・カボソラ氏の「ラブストーリー」から生まれた。創業者のマリー・カボソラ氏Photo by CalaBoo20年もの間アメリカや香港の大企業でキャリアを積み、世界中を周っていた純フィリピン人であるマリー氏は帰国後、貧しい人々が彼女をあたたかく迎え入れてくれた経験をきっかけに母国フィリピンと「恋に落ちた」という。これが彼女が「恋の味」を再現したい理由だ。 「恋に落ちた時、その感情をビンに詰め込んで、皆に共有したくならない?」マリー・カボソラ氏は愛情たっぷりの笑顏で言う。Photo by CalaBooフィリピンに恋をした彼女はフィリピン人としてのプライドをフィリピンで貫く選択をした。そして、彼女に自国を愛するきっかけをくれた人々が貧しさで苦しまないよう、ソーシャルビジネス「CalaBoo」を立ち上げたのだ。彼らの目標は、困窮に陥りがちな小規模の水牛農家から水牛ミルクを仕入れたり、雇用創出として貧困層から雇用を受け入れ、貧困を“終わらせる”ことだという。最強のソーシャルビジネス今回紹介した2つのソーシャルビジネスは両者とも「水牛ミルクの自給率の低さ」を解決するだけでなく、「貧困」や「経済発展」にもフォーカスを当て、さらには途上国と言われるフィリピンから世界に通用する高品質な商品を生み出し、フィリピンの魅力を発信している。 どの角度から見ても社会問題を解決できる、最強のソーシャルビジネスが水牛ミルクから生まれた。彼らはミルクの自給率に留まらず、今後のフィリピン社会全体を変えていくに違いない。水牛ミルクを味わいにフィリピンへ行ってみてはどうだろうか?Text by Hinako OhnoーBe inspired!
2017年04月21日環境に良いものって結局自分の体にも気持ちいい。そのことをもっと若い人が気付けば自然とサステイナブルファッションをみんな望むと思うんだそう語るのは、2017-18年秋冬コレクションでデビューしたファッションブランド「Beaugan(ボーガン)」のデザイナー、クリストファー・ハンシー氏。
2017年04月21日古代エジプトで誕生したと言われ、現在では世界中の食文化を支えていると言っても過言ではないパン。しかしそんなパンだからこそ大量の食品廃棄物になってしまっているのも事実。今回はそんな捨てられてしまうパンを使ったアップサイクル・ビジネスに注目してみたい。フードアクティビストであるTristram Stuart(トリストラム・スチュアート)氏がイギリスでは44%ものパンが廃棄されてしまっているという現状を変えるべくはじめたアップサイクル・ビジネスが「Toast Ale(トースト エール)」。彼らは捨てられてしまうパンを使ってビールを作りそれを販売するというサステイナブルなアイデアでイギリスの、そして世界の食品廃棄の問題に立ち向かっている。廃棄される運命にあるパンをアップサイクルしているという時点で食品ロスの削減に貢献していると言えるが、彼らはさらにビールの売り上げをすべてFeedbackという世界の食品廃棄の問題に立ち向かうためにTristram Stuart氏が設立したチャリティー団体に送られている。これは私たちがこのビールを買えば、廃棄される運命にあったパンを救うと同時に世界の食品廃棄の問題にも貢献できるということを示している。実は結構きている?パンからビールへのアップサイクルToast Aleの廃棄のパンでビールを作る試みはイギリスでは初めてだが、世界に目を向けるとベルギーのブリュッセル(参照元:REUTERS)や、アメリカの非営利団体のプロジェクト「Loaf(ローフ)」などによって行われていたりと、食品廃棄の問題解決に向けた動きは確実に高まりつつある。今回紹介したToast Aleのようにビールを買い、飲むだけで食品ロスの削減に貢献できるような動きがさらに増えていけば、私たちもより身をもって食品廃棄の問題に向き合い解決につながっていくのではないか。そうなればTristram Stuart氏の“食品廃棄の問題が解決されToast Aleが必要なくなってほしい”という願いが現実になる日も来るかもしれない。***Toast AleAll photos by Toast AleText by Nozomi Hasegawa ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!カリフォルニアの大学生が考案。環境にいい「食べるビール」ビジネス 「大量生産の安いビールより、少し高いけど生のクラフトビールを飲むほうがいい」。量より質をビールに求める消費者が増えると同時に、世界中で増えているのが都市型の小規模ブルワリー(ビ...
2017年04月21日今年も3月8日のインターナショナルウーマンズデイ(International Women’s Day)には、人々に改めて「女性の権利」を考えさせようとする動きがみられた。それと同時期に、ムスリム女性の権利を考える#MuslimWomensDayというハッシュタグがSNS上で多く使われていたのをご存知だろうか?そんなムスリム女性の苦悩をラップで訴える、ヒジャービー(ヒジャブを被った子)のラッパーが#MuslimWomensDayと同じ今年3月にデビューした。「インターナショナルウーマンズデイ」と「ムスリムウーマンズデイ」インターナショナルウーマンズデイに合わせて#MuslimWomensDay(ムスリムウーマンズデイ)のハッシュタグがSNSのトレンド入りをしていた。これは、ひとくちに「女性の権利」と言ってもその女性が住んでいる国など置かれている環境によって、どの程度の権利を享受できるかが異なることを意味している。例えば多民族国家として知られるアメリカでは、トランプ大統領就任後、人種や宗教間の軋轢が深まった。そして残念なことにイスラム圏の一部に住む人々のアメリカ入国が制限されたり、彼らに対するヘイトクライムの数が増えたりしている。その際にターゲットにされやすいのがヒジャブを被るなどムスリムだと明らかな装いをしているムスリムの女性たちなのだ。彼女たちは、他の宗教を信仰する女性たちと同じ権利を享受できていない。そんなムスリムの女性たちが声をあげたのが#MuslimWomenDayだった。属する人種や宗教グループにより人々はそれぞれ異なる苦悩を抱えているが、彼女たちがそこで訴えたのはヒジャブを被っているから浴びされる暴言など「ムスリム女性特有の苦しみ」である。(参照元:The Huffington Post①, ②)ラップで“ヒジャービー”が声を上げるヒジャービーとは「ヒジャブを被った子」という意味だ。そんなヒジャービーのモナ・ヘイダー(Mona Haydar)は今年3月にラッパーとしてデビューした。彼女は詩人でアクテビィスト、持続型農業の実践者、瞑想者、堆肥愛好者、山好き、ソーラー発電好き、神の熱心な信者というエネルギーに溢れた女性だ。(参照元:M O N A ::: H A Y D A R)ヒジャブを被っているだけでなく、妊娠しながらもラップしているという点で彼女は珍しい存在かもしれない。彼女が発表した楽曲「ヒジャービー」で訴えたのは、ヒジャービーが直面する苦悩やステレオタイプだ。Yo 君はどんな髪してんの、いい髪してるんだろなWhat that hair look likeどんな髪してんのBet that hair look niceいい髪してるんだろなDon’t that make you sweat?汗かかないの?Don’t that feel too tight?きつくないの?Yo what yo hair look likeYo 君はどんな髪してんのBet yo hair look niceいい髪してるんだろなHow long your hair is髪はどのくらい長いの まずはどんな人種や宗教の女性でも受けることのある“キャットコーリング”(男性が女性にやじを飛ばされる嫌がらせ)について歌われているが、ヒジャービーが非ムスリムの男性から受けるものは「性差別的」なだけでなく「宗教差別的」なやじであるのが特徴のようだ。キャットコーリングは女性を蔑んだ行為だが、女性のなかでもマイノリティのヒジャービーたちは自分の信仰する宗教に対するものを合わせた二重の嫌がらせを受けているのだ。彼女たちにやじを飛ばす男性たちには「ヒジャブで隠れた髪」がどんなものか興味本位で聞いているだけだと反論されそうだが、相手の気持ちを考えない言葉をかけること、そしてやじを飛ばすこと自体が嫌がらせである。ムスリムはエジプトからカナダまで世界中にいるムスリムにはどんな人たちがいるのだろうか。モナが次に歌っているのは彼女たちがどれだけクールなのか、そして彼女の同胞であるヒジャービーたちやイスラム教徒が世界中にいるということだ。彼女たちが西洋の国ではマイノリティであっても、彼女たちの仲間はあらゆるところに存在している。そして、ムスリムといえばヒジャービーの女性たちが注目されがちだが、彼女たちがムスリムの全てでないことを訴えているようだ。You’re just jealous of my sistersあなたは私の姉妹たちを羨んでるだけThese Mipsters, These hippiesミップスター(おしゃれなムスリム)たち、ヒッピーたちThese Prissies, These Sufisプリシーたち、スーフィーたちThese Dreddies, These Sunnisドレッドの人たち、スンニ派の人たちThese Shii’s, Yemenisシーア派の人たち、イエメン人たちSomalis, Libnanis, Pakistanisソマリア人、レバノン人、パキスタン人These Soories, Sudanisソーリーたち、スーダン人Iraqis, Punjabies イラク人、パンジャーブ人Afghanis, Yazeedisアフガニスタン人、ヤジディ教徒Khaleejis, Indonesiansカーリージーを被る人、インドネシア人Egyptians, Canadiansエジプト人、カナダ人Algerians, Nigeriansアルジェリア人、ナイジェリア人Americans, Libyansアメリカ人、リビア人Tunisians, Palestiniansチュニジア人、パレスチナ人Hidden beyond the Mekong in Laosラオスのメコン川を越えたところのムスリムたちSenegalese and Burkina Fasoセネガル人とブルキナファソ人 ラップでムスリムを嫌う者を圧倒するという方法モナがこの楽曲に込めた最も強いメッセージは何だろうか。それは、「勝手な偏見を持ってくる他人にとやかく言われてもヒジャブを被り続ける」ということかもしれない。ヒジャービーたちに他の人を気にせずにうろついてと呼びかけているのだ。あなたが嫌ったって私はヒジャブを巻くそれでも私はヒジャブを巻くヒジャブを巻くAll around the world世界はLove women every shading全ての肌の色の女性が好きbe so liberated私たちはとても自由All around the world世界はLove women every shading全ての肌の色の女性が好きpower run deep私たちには大きな力があるSo even if you hate itあなたが嫌ったってI still wrap my hijabそれでも私はヒジャブを巻くWrap my hijabヒジャブを巻くWrap my hijabヒジャブを巻くWrap, wrap my hijab巻くヒジャブを巻くKeep swaggin my hijabis私のヒジャービーたち、ヒジャブでうろつき続けてSwag-Swaggin my hijabis私のヒジャービたち、うろついてSwaggin my hijabis 私のヒジャービーたち、うろついてSwag-swaggin my hijabis私のヒジャービーたち、うろついてフェミニストの星を作る女性を憎む人は追放されるMake a feminist planetフェミニストの星を作るWomen haters get banished女性を憎む人は追放されるCovered up or not don’t ever take us for grantedヒジャブを被っていてもそうでなくても私たちには力がある※動画が見られない方はこちらモナのラップを聞いたり歌詞を読んだりして何を思っただろうか。自分たちを偏見の目で見る社会に対し、力強くてかっこいい音楽で「私たちは屈しない」という声明を出す彼女から学べるのは、相手を圧倒させるという方法だ。彼女のラップのような、自分や自分の属するグループにしかない「かっこよさ」を見せつけるアクティビズムこそ、最もパワフルで人に響かせることができるのかもしれない。そして、これが「ヒジャービー」について何も知らない日本人にとっても、彼女たちの直面する問題を知るきっかけになるといい。Lyrics and photos from Hijabi by MonaText by Shiori KirigayaーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!賛否両論。米プレイボーイの誌面を飾った若きイスラム女性の“攻め”の生き様。 「ムスリム(イスラム教徒)」と聞いて何を想像するだろうか。「ヒジャブ」と呼ばれる頭と首を覆うイスラムの伝統的なスカーフを被る女性たちや、一日に幾度かのお祈りをする姿、はたまた“イ...
2017年04月21日アメリカでは、肥満が社会問題となり、国を挙げて「健康的な食生活」が推奨されている。ところが経済的に貧しい都会の人々は、割高な有機野菜やホールグレインといった食材には未だ縁遠く、健康な食生活へシフトしようという潮流から取り残されているのが現状だ。 そんな食の格差や、さらには地域の貧困や犯罪までを「オーガニックな畑」を軸に解決する団体「ビレッジ・ガーデンズ」をポートランドで見つけた。彼らの取り組みから、「食の格差の拡大」「孤食の増加」「食生活の乱れ」などの日本の食にまつわる問題を解決するためのヒントをもらえたような気がした。警察への通報も減少。コミュニティを育てた野菜畑Photo by Rika Higashiオレゴン州ポートランドは、全米でもグルメタウンとして知られる地産地消ムーブメントの中心地だ。また「全米一住みたい街」に選ばれるほど人気の街でもある。ところが、世界各地から人々が移住してくることで地価や物価が上がり、昔からこの地域に住んでいた人々が、これまでの暮らしを続けられないという弊害も生まれている。いわゆる「ジェントリフィケーション」という現象だ。ポートランドの北部は昔から有色人種の労働者の多い地域だが、彼らは白人富裕層の流入により、市外や市が住宅行政の一環として建設した家賃の安い「アフォーダブル住宅」へと引っ越さざるをえなくなった。 今回取り上げる「ビレッジ・ガーデンズ」は2001年、ポートランド北部のアフォーダブル住宅コミュニティ「セント・ジョーンズ」のニーズを受け、共用の野菜畑を設けたことから始まった。日々の食材を得るために家庭菜園をしたいものの、庭やベランダがなかったり、水の費用を賄えないため諦めていた人たちが、ビレッジ・ガーデンズの畑に集まり、野菜作りを始めたのだ。 住民たちが畑に足繁く通うようになったことで、思いがけないメリットもあった。野菜作りを通して近隣住民がお互いの顔を知り、コミュニティ内の交流が生まれたのだ。これが犯罪抑制にも貢献。セント・ジョーンズは、比較的犯罪率の高い地区だったが、畑ができてからたった半年で警察への通報が減少した。 この成果を受けて、ビレッジ・ガーデンズはプロジェクトを徐々に拡大し、現在はセント・ジョーンズ近隣の2つのアフォーダブル住宅コミュニティにも同様の共用菜園を設置。また、果樹園、養鶏施設、有機農園で若者を雇用するプロジェクト、そしてコミュニティ内にスーパーやファーマーズマーケットも運営している。今回Be inspired!は、これらのプロジェクト全てを統括するビレッジ・ガーデンズのプログラム・ディレクター、クリス・ソエブロトさんに、現在プロジェクトの中心になっているニューコロンビア・コミュニティを案内してもらい、彼女の思想「フードジャスティス」についても教えてもらった。Photo by Rika Higashi野菜が人をつなぐコミュニティのハブニューコロンビア・コミュニティの人口は約3000人。うち、半分が18歳以下という子供や若者の多いエリアだ。また、移民や難民の多い地域で、22の国籍、17言語が存在するという。まず訪ねたのは、夏になるといつもコミュニティのメンバーで賑わっているというコミュニティの共用菜園「シーズ・オブ・ハーモニー」。近隣住人は週に8時間のボランティア作業と引き換えに、家族単位で自分たちの畑を得ることができる。近くの学校の生徒が世話をする子供用のエリアも設けられている。まだ春先だということもあり、雑草が生えたままのロットの中に植え付けを待ち兼ねるように綺麗に手入れされたロットが混じっていた。Photo by Rika HigashiPhoto by Rika Higashiキューバからの移民で耳が聞こえない常連のロドルフォさん。そのため彼は手話でみんなとコミュニケーションを取るのだが、そのジェスチャーは彼が「勝手に作ったユニークな手話」だという。畑づくりに詳しい彼の手助けを得るために、コミュニティの仲間は彼の“言語“を学ばなければいけない。諦めそうな人もいそうだが、英語を母国語としない人たちが多いこの場所では、みんな自然に彼の言葉で”話し合う”ようになり、ジェスチャーこそがお互いを理解し合うための最善の手段だそうだ。Village GardensPhoto by Kris SoebrotoVillage GardensPhoto by Kris Soebroto様々な経済状況、容姿や文化的背景を持つ人が集まる場所では、人々は偏見を抱きがちだ。けれど、この畑で出会い、それぞれの故郷の珍しい野菜を紹介しあったり、家族や文化について教えて、学んだりすることで、色眼鏡で見ずに“普通の仲間”としての意識が育つのだという。そして、強い絆で結ばれたコミュニティの人々が、平和な街を作っていくのだ。Village GardensPhoto by Kris Soebrotoコミュニティの食育にも寄与する「ビレッジ・マーケット」Photo by Rika Higashi次にビレッジ・ガーデンズが経営するスーパーマーケット「ビレッジ・マーケット」を訪ねた。マーケットのスタッフは、全員コミュニティのメンバーだ。このスーパーは、近くに他の店が無いことや、金銭的な理由からジャンクフードに走りがちなコミュニティの住人に健康的な食材を提供する役割を担っている。このマーケットは、普通のスーパーマーケットと異なる点が4つ存在する。まず1つ目は、コミュニティの要望を受けて、本来なら最も利益の上がるアルコール、タバコ、宝くじの3点は扱っていないこと。Photo by Rika HigashiPhoto by Rika Higashiそして2つ目は、食育の観点から消費者ができるだけジャンクフードを選ばないように工夫がされていること。例えば、通常のスーパーにあるようなスナック菓子やキャンディ、ソーダなどを扱っているが、スナック菓子のすぐ横にはドライフルーツやナッツ、シリアルバー、オーガニック野菜チップスといったヘルシースナックが置かれている。しかし、本来割高のヘルシーな食品が、この店では“30%オフ”で買うことができるのだ。また、キャンディはコンビニのタバコのようにレジの奥にあるので、店員に取ってもらわないと買えない、精神的に「買いにくい」と思わせる仕掛けが隠れている。Photo by Rika Higashiそして3つ目は、夏場はビレッジ・ガーデンズが若者を雇用して経営する農園「フードワークス」の有機野菜を販売・提供していること。まさに地産地消だ。店内には敢えて馴染みのない旬の野菜を使ったスープやサンドイッチを販売している。そして、その珍しい野菜を使った食品やレシピを用いてコミュニティに紹介もしている。最後4つ目は、子供たちが通学中や下校時に立ち寄ってフリーで食べることができるりんごやバナナ、オレンジなどの果物が置いてある棚もあること。総じて、近隣住人が互いにヘルシーな選択をするように促すようなコミュニティのハブになっているのだ。Photo by Rika Higashiクリスさんがある日お店を訪れると、学校帰りらしい9歳の男の子たちが、レジで小銭を出し合い数えていたという。「何を買いたいの?」と声をかけると、「ぶどうを一袋」との答え。少しおまけしてぶどうを渡すと、みんなで近くの公園の噴水の前で競うようにぶどうを食べ始めたという。何気ないエピソードのようだが、この地域の子供達が、おやつとして自らスナック菓子やキャンディではなく果物を選んだことは、クリスさんに大きな感動を与えた。9歳児が小銭を出し合って、ぶどうをスナックとして買ったのよ!彼女はビレッジ・ガーデンズが「フード・ジャスティス*1」になってきていると確信した瞬間だったという。(*1)フード・ジャスティスとは、低所得だという理由で健康的な食材を選べないという状況の解決方法若者も育てる農園の雇用プログラムビレッジ・ガーデンズのコミュニティ菜園、マーケットに並ぶもう1つの大きな柱が、「フード・ワークス」という14歳から21歳までの経済的に恵まれないコミュニティの若者を約1ヘクタールの有機農園で雇用するプログラムだ。この農園で作る野菜は、前述のビレッジ・マーケットはもちろん、市内のファーマーズマーケットやオーガニックスーパー、提携者に前払いで作物を定期宅配するCSA(Community Supported Agriculture)などで販売され、ビレッジ・ガーデンズの経費の1/4程度を賄っているという。「フード・ワークス」には学期内の放課後と土曜日、もしくは夏休み期間という2種類の雇用プログラムがあり、毎年30人の若者が参加している。先生が指示を出す学校のような環境とは違い、ここでは若者自らが主となり、農園を運営しなければならない。 例えば畑に何を植えるべきか、ワークショップの開催テーマや運営方法、夏場の共同ランチのメニュー、誰を採用するかなどが若きリーダーを中心に協議決断される。彼らはボランティアではないため、責任を持って職務を全うすることが期待されているのだ。1年ごとの契約だが、複数年に渡って働く若者の多くが、リーダーとしてのプライドを持って自らに高い水準を課すという。そして、ロールモデルとしてコミュニティ、学校や家庭までにもポジティブな影響を与えるようになるそうだ。これまでの参加メンバーの中には、農場で身につけたリーダーシップやスキルが認められて奨学金を取得し、大学に進学していく子も多いという。Village GardensPhoto by Kris Soebrotoお腹も心も満たされるコミュニティ作りのためにクリスさんは、「ビレッジ・ガーデンズが、これからも長く継続するサステナブルなビジネスモデルとして大事なのは、より多くの人が健康的な食材を選ぶようになること」だという。コミュニティで作った食材をみんなが求めるようになれば、農園の利益も上がり、より多くの若者が働けるようになる。また、コミュニティもより強く結ばれ、農園をサポートするようになるだろう。つまり、ビレッジ・ガーデンズがミッションとするフードジャスティスが進めば進むほど、プロジェクト自体もより良く機能していくということだ。日本では、ますます共働きの家庭が増え、孤食や食生活の乱れが指摘されている。また、健康的な食材など選べない子供の貧困も社会的問題になっている。そんな地域に、有機野菜を近隣住人が共に作り、シェアできるコミュニティのハブのような菜園やお店があればどうだろうか。若者たちは、テレビゲームやパソコン、SNSなどから一旦離れて、早朝や放課後、コミュニティの活動を通して農園で土に触れ、汗を流し、自らの食材が育つ過程を知ることができる。独りでテレビの前で食事を取る代わりに、近所の誰かと同じ食材を使って料理をしたり、食事を共にすれば、心も満たされるはず。また、仲間と呼べる相手と出会い、自分が認められる学校以外の居場所を確保できるかもしれない。住民たちは、きっと生活レベルや環境に関わらず、「オーガニックの畑」を通して交流できるはずだ。国籍や人種、言語を超えて交流できる例があるのだから。お腹も心も満たされる場所があれば、きっとお互いを思いやれる子供たちとコミュニティが育っていくに違いない。***Village GardensVillage GardensPhoto by Kris SoebrotoText by Rika Higashi ーBe inspired!
2017年04月19日All photos by Tomofumi UsaーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「ネオ東京・歌謡曲」をSXSWで轟かした。“レトロフューチャー”に魅せられた草野絵美(Satellite Young)のバックボーン。 「音楽がやりたいというよりは、エモーションを作品に昇華したい」。そう語るのは、海外にも根強いファンを持つ“歌謡エレクトロユニット”「Satellite Young」のボーカ...
2017年04月19日インスタグラムで#WhoMadeMyClothes(私の服を作った人は誰?)のハッシュタグを検索すると、10万件以上の投稿が出てくる。この大規模なハッシュタグ・アクティビズムの背景には何があるのだろうか?
2017年04月18日「二度と戻れない“過去の世界”」に憧れを持つようになった幼少期Be inspired!(以下、Bi):幼少期はどんな子供で、どうやって過ごしていましたか?原体験があれば教えてください。草野絵美(以下、Emi):小学生2年生の頃から、曲を借りてはカセットテープに入れ、ウォークマンで聞いていました。CDショップで借りると有料ですが、図書館で借りるとお金はかからない。図書館には70〜80年代の曲がたくさんあり、自分で自然とピンクレディや松田聖子さんのような往年のアイドルの楽曲に惹かれていくようになったんです。作詞作曲も小学生の頃から、すでに少ししていました。楽器はやっていなかったので、曲は基本的に鼻歌で作る。あとは当時、学校と家のパソコンに「Kid Pix」というソフトがあったので、それで動画編集をしていたのが原点にあるかもしれません。Bi:なぜ過去のものに魅力を感じたんでしょう?Emi:まず「二度と戻れない世界だから」という理由があります。そして、自分が幼稚園〜小学校低学年までは「アムラー」や「シノラー」のように時代のアイコンとなるようなファッションのカリスマがいました。ところが、それ以降そうした人は現れなくなりましたよね。そうした世界観やレトロさに昔から憧れを持っています。あとは「レトロフューチャー(懐古的な未来)」のような文脈も好きで、子供の頃は『宇宙家族ジェットソン』というアニメをよく観ていました。ハンナ・バーベラという『トムとジェリー』を描いたクリエイターが作ったもので、一言でいえば「SFのサザエさん」のような作品。流線型の家具も数多く出てきたりして、さながら60sが描く未来といった世界観がありました。Bi:日本のアニメはあまり観ていなかった?Emi:『がんばれ!!ロボコン』、『Dr.スランプ アラレちゃん』、『ひみつのアッコちゃん』の再放送やリメイクはよく観ていました。そのアーカイブを漁るのが大好きな小学生だったので、よくTSUTAYAに行って特撮のアーカイブを探したりしていましたね。Bi:アメリカに留学していた経験は今の活動に影響を与えていますか?Emi:憧れて留学したのに、アメリカはあまりにも自分が描いた場所と違いました。その反動で帰国後は、日本のファッションや若者カルチャーに興味を持つようになったんです。ファッションスナップのカメラマンも一時期やっていました。アメリカに行ったからこそ、外国人が思う「ネオ東京かっこいい」といった感覚が備わったのかもしれません。Satellite Youngも逆輸入っぽいじゃないですか。レトロな世界観を打ち出しても場末感がそれほど出ないのは、このときに覚えた感覚を持っているからともいえると思います。Bi:具体的にはどういったサービスだったんでしょうか?Emi:クリエイターのソーシャルプラットフォーム。今でいう「Behance」に近いですね。ポートフォリオをお客さんがミュージアムのように閲覧でき、クリエイターもそこを起点に発信できて、お客さんとつながることができる。Bi:結果としてうまくいかなかった?Emi:デジタルガレージがやっている「Open Network Lab」というインキュベーションプログラムの4期生として参加していました。自分がCEOだったのですが、当時はまだ20歳だったこともあり、エンジニアやデザイナーを含めたチームをうまくまとめることが難しかったんです。それぞれが進路を決めなくてはいけなくなってしまったときに、チームが空中分解してしまいました。私個人としてもラジオで話したり、アニメの原作を作ったりという面白い仕事がきていたので、やはり自分は「クリエイターに向いているのではないか」と思うようになったんです。起業に関してはまたチャンスがあれば自分で会社を作りたいと思いますが、一度表現活動をやってみることにしました。左:ベルメゾン関根真ん中:草野絵美右:テレ・ヒデオPhoto by Tomofumi Usa実際に関根と会い、「80年代アイドルのシンセサイザーが強めに効いている感じの曲にすごく惹かれている」という話をしたんです。それから半年後、私が妊娠をして時間ができたタイミングのときに『ジャック同士』(今月5日ににリリースしたアルバムの2曲目に収録)が浮かんできて、それを関根に送りました。それから二人でじっくり時間をかけて、曲を完成させていきます。そこから徐々に次の曲にも着手し、3曲ほどできていきました。Bi:ちなみに『ジャック同士』というのは、TwitterのCEOであるジャック・ドーシー(Jack Dorsey)のことですか?Emi:はい。私がシリコンバレーでTwitterのオフィスを訪れたときに、ジャック・ドーシーがFacebookでコメントをくれたんです。でもよくみたら、フェイクアカウントでスパムだったんですけど(笑)そこから着想を得て、作りました。SATELLITE YOUNGの1stアルバムのSatelliteYoung Direction/Photo by Tomofumi UsaGraphic Design by Fusao OkaguchiBi:Satellite Youngの世界観からはレトロであると同時に、現代のテクノロジーの色も垣間みえます。この辺りはどういった考えを持っていますか?Emi:単純にテックが好きだということもありますが、テクノロジーを歌のテーマにしたいんです。ファッションもテクノロジーも同じく流行があるのですが、ファッションにはそれほど技術革新がない。言い換えると、それほど古くならないので、今70年代の服を掘り出してきても、また流行がくれば正しく見えたりする。逆にテクノロジーには技術革新があるので、古くなりやすい。そこに憂いを感じているというのが理由の一つです。あとは自分がスタートアップバブルのときに起業をしたときに、周りに「学校辞めてみんな起業しよう」といった変な空気がありました。そこらじゅうでみんな「ピボット、ピボット」ととりあえずカタカナを叫ぶ。そのときに、「90年代のバブルってこんな感じだったのかな?」と少し体感することができました。ただ、私自身がハードなプログラマーというわけでもないので、あくまでもコンセプチュアルな次元でテクノロジーを取り込もうとしているんです。それに、「音楽がやりたい」、「こういうジャンルがやりたい」というよりは、エモーションを作品に昇華したいという気持ちが強い。それがたまたま今は音楽なだけで、形になるものが作れればいい。それがSatellite Youngとしてやるのかは分かりませんが、メディアアートにも関心がありますね。SXSW 2017でのSatellite Youngのパフォーマンスの様子Bi:そして、今年のSXSWはアーティストとして出演されるわけですよね。これはどういう経緯で決まったんですか?Emi:去年SXSWに行ったときに、「来年はSatellite Youngとして出たいな」とFacebookに書きました。すると、ファンの人がSXSWの日本人の担当者の方に「彼らをSXSWに呼んでくれ」とメンションを飛ばしてくれたんです。そこからすぐに話が進展したわけではないのですが、一年後にその投稿をきっかけとして「出てみない?」とオファーをもらった感じですね。「手探りでもいいから、自分の好きなものを作る」ー草野絵美はどこに向かうのかBi:表現の根底にあるメッセージはなんでしょうか?Emi:おそらくみんなそうだとは思うんですが、やはり自分と近い人生を歩んでいる人ってあまりいないと思うんです。好きなものや趣味が合う人もほとんどいなかったので、学校ではいつも孤独感がありました。大学のときに子供ができて、子育てをしながら大手の会社に入社。傍で音楽活動もやっているので、一昨年から去年にかけては自分のアイデンティティに悩んでいたんです。「自分の肩書きは何だろう?」、「私は何がやりたいんだろう?」と迷った時期もあったのですが、最近は「もういいや、とりあえず目の前にあることを作っていこう」と思えるようになったというか。Bi:そう思えるようになったきっかけ何かあったのですか?Emi:Satellite Youngで音楽を作っていくときに、いろんな人とコラボレーションしながら世界を作り上げてきたということが大きいかもしれません。関根がいなければ今ある曲は作れなかったでしょうし、ディレクションとヴィジュアルを担当してくれた宇佐巴史さんがいなければ、ミュージックビデオの世界観も生まれなかったと思います。『せんぱいクラブ』にしても、会ったことのない海外の人とSkypeでやりとりしながら一つの作品に落とし込んでいった。つまり自分自身の下地や肩書きが定まっていなかったとしても、コラボレーションを通じて作品を作っていけるということに気づいてからは、徐々に受け入れられるようになっていきました。ただ、それでも悩むことはあるし、私は意外と打たれ弱いので…(笑)気圧の変化にもやられるし、すぐに元気がなくなったりもする。それでも子供ができてからは、メンタルが強くなったかもしれません。「自分がしっかりしなきゃ」とも思いますし、自分の気分が落ち込んだり悩んだりするときも理知的に考えられるようになったといいますか。Satellite Young “Dividual Heart”※動画が見られない方はこちらBi:育児と仕事の両立による葛藤はありませんか?Emi:子供ができたからといって、子供のためだけに生きるということではないと思うんです。彼もあくまでも違う一人の人間です。将来的に親しい人間関係を作っていくということが、子育てのゴールだと考えています。あとは会社に入ったことで、タイムマネージメントの能力は身についたと思いますね。広告の仕事をしていることもあり、PRも戦略的に考えられるようになりました。All photos by Tomofumi Usa unless otherwise stated. Text by Ryoh HasegawaEdit by Jun HirayamaーBe inspired!
2017年04月17日スウェーデンではここ10年間でリサイクル革命が行われた。1975年の時点で家庭のゴミの38%しかリサイクルされていなかったのに比べ、現在は約99%がリサイクルされているそうだ。(参照元:sweden.se)これは政府が率先して「ゼロウェイスト」を目標に掲げ、国民の意識を変えたからだろう。さて今回は、そんなリサイクル大国ならではのショッピングモールを紹介したい。
2017年04月17日ニューヨークのブルックリンを拠点にアーティスト、ミュージシャン、俳優として活動するピクシー・リャオ(Pixy Liao)。彼女は2007年から、ボーイフレンドのモロと撮り続けた「伝統的な“性役割”」に挑戦するフォトプロジェクトで注目を浴び、活動するアメリカ国内のみならず、ヨーロッパ各地、そして生まれ育った上海で作品を展示してまわっている。プロジェクト<Experimental Relationship>
2017年04月17日ここで質問です。同い年、同じ職業の男女のあるカップルがいました。彼氏が1年で稼ぐ額を、彼女は1年と4ヶ月かけて稼ぎました。さて、ふたりが同じ額を1年で稼げるような世界になるまで、何年かかるでしょう?正解は「42年」。大学を卒業して22歳で就職したとしたら、定年後の64歳。せめて、定年前までに同じ額を稼げるような状況を作るためには私たちに何ができるのでしょうか。42年かかるという事実社会問題をハッシュタグで訴え、変革をもたらすハッシュタグ・アクティビズム。今回は4月4日の#EqualPayDayについて紹介する。Stephan Geyer男性と女性が同じ仕事をしても、もらえるお給料は女性の方が少ない。女性の社長や育休など、新たな流行がでてきていても、いまだその格差は残ったまま。残念ながら、この賃金格差はまだまだ世界共通。男女の賃金格差に目を向け、声をあげていこうというキャンペーンが、イコールペイデイ。日本BPW連合会によると、日本は4月7日で、ちなみにアメリカは4月4日、スペインは2月22日なんだとか。ここまで国によってイコールペイデイの日に差ができてしまうのは各国が抱えるジェンダー格差ゆえ。このイコールペイデイは、女性が1年とその日まで働いて、やっと男性の1年分の給与と同額を得られる日。言い換えると、日本では男女が2016年1月1日に同時に働きはじめて、男性が1年間で手にした金額を、女性は2017年4月7日まで働いてようやく手に出来るということ。さらにアメリカ議会合同委員会(U.S. Congress Joint Economic Committee)によると、イコールペイデイがなくなる日、要するに男女が1年で同じ分だけ稼げるようになるのは42年後。今の22歳の就活生が、定年後の64歳のときだ。数字にして、日本よりやや格差が小さいアメリカでも、男女の平均年収格差は200万円もあるのだとか。(2016年度報告)でもこの差って当たり前じゃないはず国際的にキャンペーンしなけれなばならないほどに、根付いてしまった男女の賃金格差。しかしこどもの時に、それが当たり前と習っただろうか?思い出すためにオーストラリア・ニュージーランド銀行が作ったビデオを紹介したい。※動画が見られない方はこちらタイトル:#公平な未来女の子A「もし私が総理なら、違法にするけど…」タイトル:子供たちはお手伝いを頼まれた。タイトル:そして女の子たちには、男の子より安いお駄賃が渡された。…まるで今のビジネス界と同じように。女の子B「なんでこの子が5ドルもらえるの?」大人「そういうものだから」女の子C「(10ドルをもらった男のを横目に)…7ドル?」タイトル:でも、これって公平?女の子A「このままでいいわけないと思う、真剣に。変なことを言っているつもりでもないけど」男の子A「男の子と女の子は同じ金額を渡されるべきだと思いました。50:50で…または、60:60。お駄賃が120ドルの場合はね」女の子D「(金額は)どれぐらい頑張って働いたかによるべきだわ」女の子C「同じ仕事をしたなら、同じ金額がもらえるべきだと思う」女の子A「男の子のほうが、女の子よりもたくさんお金をもらえるなんてことは、公平でないと言いたいです」女の子E「男の人も、女性よりも多くの金額をもらっているという事実に気づいているのだとしたら、声を上げるべきだと思います」男の子A「大きくなったら、(この悪習を)変えてみせるつもりです。…もし覚えてたら」女の子A「…あまりにおかしな話で言葉もないです」タイトル:変革のために立ちあがろう。#公平な未来(引用元:切り口いろいろ〜男女の賃金格差を訴えるソーシャルキャンペーン集:Clever ideas to appeal the gender pay gap) 賃金格差を知っていても、また実感していても、男女が揃う時で、話題になることはそう多くない男女の賃金格差の問題。ビデオに出てくるこども達と同じように、なぜ私たちは声をあげないのか、あげられないのか。きっと社会で生活している私達が一番知っているけれど、社会に出てみるとどこかその不平等を納得せざる得ない空気を常に感じてるからではないだろうか。Equal Pay Dayがなくなる日Equal Pay Dayを設けなくても、賃金が当たり前のように平等に払われる日が来るようにするにはどうすればいいのか?賃金格差を改善できるのは、政府や労働組合だけではない。実はテクノロジーも一役買っている。VRを専門とするカルフォルニア生まれのスタートアップ企業のVariable Labsは、独特の空気が生まれやすい賃金交渉に注目し、実際の賃金交渉の場面をシミュレーションできるVRを開発した。狙いとしては、賃金交渉の練習をすることで生まれる自信や、賃金の交渉テクニックの向上が見込める。Photo by HammerandTusk男女の賃金格差を改善する手立ては、私達が思っている以上にたくさんある。いつから人は、男女の賃金が異なること受け入れてしまったのか、そして口に出せなくなってしまったのか。まずはそこから考えて、普段の会話の話題にしてみてほしい。Text by Nanao ImazuーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!16杯目:3月8日は、全世界の人口半分の人々の人生を変えられるかもしれない重要な日。#BeBoldForChange|「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会 おはようございます。さっそくですがみなさん、今日はなんの日かご存知ですか?答えは、インターナショナルウーマンズデイです!1908年にニューヨーク...
2017年04月16日学校や会社の資料をファックスで受け取っていた頃をみなさんは覚えているだろうか?遠い昔のように感じてしまう。インターネットの普及が進み、ファックスを使うことはほとんどなくなった現代…。アメリカにはそんなファックスを使って、自分の信じる正義のために闘うアーティストたちが存在する。
2017年04月16日最近、国王が約半世紀ぶりに来日し日本との関係強化も期待されているサウジアラビア。そんなサウジアラビアの主要都市の1つでありイスラム教の聖地としても知られるメッカに、無人販売スタイルで、どこかユニークなパン屋が存在する。その名も『The Honesty Bakery(正直なパン屋)』。店内にスタッフは一人もいないし、カメラや監視員のような人も配置していないし、パンを製造しているスタッフとお客さんのコミュニケーションも一切ない。そこにあるのは「パン」と「Trust box(信頼の箱)」と呼ばれるレジ代わりの集金箱のみ。The Honesty Bakeryのオーナー、ガジ・ハッサン・タス(Ghazi Hassan Tass)氏によると、多くの人が忘れてしまった「人を信じること」で、パン屋を運営し、貧困を救い、利益も出しているのだとか。Photo by Eric Kornblum先述したように、店内にはTrust boxと呼ばれる集金箱のみが置かれ、お客さんに信頼されるために丁寧な接客をしたり、監視カメラやセキュリティを設置し万引きなどを常に疑ったりしない。なぜなら、まずお店側がお客さんを信用することを意思表示することで、お客さんの信用を得られると考えているからだ。「何もしないこと」が彼らにとっての「極上の接客」と言えるかもしれない。しかし、ここで気になるのが、誰からも監視の目がないため、お金を払わないでパンを持っていくお客さんが来てしまうということ。しかしオーナーのガジ氏は、お金がなくて食べ物に困っている人を助けるために、“あえてスタッフを置かず、あえて監視しない方針”をとっているという。お金を払うか、否かは完全にお客さんの判断に委ねているのだ。Photo by Drriss & Marrionn果たしてこのパン屋は、この方法で収益を上げているのだろうか?全く心配はいらなようで、GOODTHINGSGUY.COMによると、全くマイナスということはなく、むしろ利益を創出しているという。現在、このスタイルで既に1年半もお店を続けているそうだ。 (参照元:GOODTHINGSGUY.COM)一般的に店員とお客さんとの信頼関係がいいお店を作るため、細かくて丁寧な接客や、安全面を配慮したセキュリティを重視しているお店も多いだろう。しかし今回紹介したThe Honesty Bakeryは、は「あえて人と接さないこと」でお客さんからの信頼を得て、利益を生み出しているのだ。人と信頼関係を築きたい時、「まずは自分から人を信じること」が、大事なステップであるとこのパン屋から教わっている気がしてならない。Text by Nozomi Hasegawa ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!収入によって食事の値段が変わる。「差別」で「平等」を生む革命的なレストラン。 米国、カリフォルニアにはチェーン店にも関わらず、店舗の場所によって食事の値段が異なるレストランが存在する。一見、不平等だと感じるのではないだろうか。しかし実はこのチェーン店...
2017年04月14日【Politically Incorrect Dictionary】は、Be inspired!編集部が社会的にNGな言葉/コンセプトを集めて作った辞典だ。「社会的にNG」な言動/コンセプトとは、簡単に言えば、政治的、経済的、文化的背景から「それどうなの?」と思ってしまうもの。欧米では政治の場から日常まで、頻繁に議論されるテーマである。日本でもより良い社会づくりのためにそういった議論の場を生み出すべく、この辞典は生まれた。今回は、【Politically Incorrect Dictionary】の番外編として「肌色」「主人」「家内」といった日本語特有の表現を取り上げる。これらの言葉がこの時代になぜ「社会的にNG」なのか?そして「伝統ある言葉を守ること」と「言葉の使い方を変えていくこと」のどちらを優先すべきなのかを考えたい。
2017年04月14日