チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (134/342)
テレビ東京動画配信サービス「あにてれ」と代々木アニメーション学院×指原莉乃(HKT48)がプロデュースするアイドルグループ「=LOVE(イコールラブ)」とのコラボレーションによるステージプロジェクト第一弾「けものフレンズ」が2月15日(木)に開幕する。舞台「けものフレンズ」チケット情報稽古場にて、リョコウバト役の大谷映美里、ツチノコ 役の齊藤なぎさ、ニホンオオカミ役の高松瞳(※)に話を聞いた。本作は、指原が自身の理想のアイドルをプロデュースするために代々木アニメーション学院とタッグを組み、昨年誕生した「=LOVE」の12人が挑戦するステージプロジェクトの第一弾。「アイドルで舞台に出られる方もいますし、いつかやるかもとは思っていましたが、やっぱり驚きました!」(齊藤)、「指原さんにも『楽しみにしてるね』って言っていただきました!」(大谷)と、デビューしたての初々しさを漂わせながら舞台稽古に奮闘中だ。脚本・演出は、乃木坂46出演の舞台『じょしらく』などを手掛ける川尻恵太。「=LOVEの現状を川尻さんが見て、脚本を書いてくださったんですよ。それぞれのキャラクターが自分自身のようなお話をつくってくださって。自分に当てはめてお芝居ができるし、今の=LOVEを演じているような感じで、すごく嬉しかったです」(高松)。アニメ、ゲーム、コミックとさまざまなカタチで人気を集める「けものフレンズ」が原作であることに高松は「アニメに疎い人でも知っているタイトルだし、声優さんたちがやられた舞台(2017年・2018年上演・舞台「けものフレンズ」)もすごいクオリティだったので…。私たちがこのタイトルを落とすわけにいかないなというプレッシャーはありますが、今の私たちにしかできない『けものフレンズ』になっていると思います」と語り、齊藤も「お芝居も楽しいし、ひとつひとつの演出が面白いんです」と楽しんでいる様子。初舞台の緊張をどう乗り越えるのか聞いてみると、大谷は「ファンの方の声がすごく支えになってます。SNSとかで『楽しみにしてるね』って声をたくさんいただくので」と笑顔を見せた。最後に意気込みを聞くと、大谷は「12人で初めての舞台。自分たちも楽しみつつ、みなさんに素敵な舞台をお届けしたいとがんばっているので。ぜひ観に来てください!」、齊藤は「思い切りを大事に、=LOVEらしさのある素敵な作品にします。もしよかったら…いや絶対、観に来てください!」、高松は「去年の夏にイベントをしたAiiA 2.5 Theater Tokyoに戻ってくることができて嬉しいです。成長した私たちの姿が見せられると思います!」と語った。あにてれ×=LOVE ステージプロジェクト「けものフレンズ」は2月15日(木)から18日(日)まで東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて上演。取材・文:中川實穗※高松瞳の「高」は正しくは「はしごだか」
2018年02月09日すでに世界で280万人以上の観客を熱狂させているシルク・ドゥ・ソレイユ創設30周年記念作『ダイハツ キュリオス』の東京公演が、2月7日、お台場ビッグトップにて開幕。創立以来、世界6大陸450都市以上で1億8千万人超の観衆を魅了してきたエンターテインメント集団が、ふたたび日本を席巻する。『ダイハツ キュリオス』チケット情報産業革命の時代と未来を融合させたようなファンタジーな美術セットとキャラクターたちは、どれもが懐かしさを漂わせるレトロフューチャーな世界。ヴァイオリンやベース、キーボード、バンジョーなどによる生演奏と、歌い手の魅惑的な歌声。アルゼンチン・タンゴ風の軽快な音色に乗って、人間の能力の限界を追求した驚きのパフォーマンスが繰り広げられていった。オルガンや蓄音機、真空管などを繋いでアンティークな家具で作られたへんてこりんな装置。数字の“1”が4つ並ぶ“11:11”のラッキータイムを合図にスイッチが入ると、誰も見たことのない世界がステージに広がっていった。蒸気機関車から降りてくる曲芸師やダンサーら摩訶不思議なパフォーマーたちがステージに溢れかえり、盛大にショーの始まりを告げる。地上4メートルの高所で繰り広げられる人間ブランコや、宙吊りになった自転車で逆さになったり高速回転したり、超人的な演目に大歓声が沸き起こる。ステージ全体を覆うほど巨大なトランポリンを使った「アクロネット」は、天井ギリギリまで飛び上がるたびに拍手喝采。複数名が人間ピラミッドやアクロバットをおこなう「バンキン」は、鬼気迫る生演奏もあって、手に汗握るハラハラドキドキの大技が連なった。驚異のパフォーマンスばかりが見所ではなく、斬新なアイデアが活かされた演目に思わず笑みがこぼれる。次々と登場する透明人間と透明猛獣による“見えない”パフォーマンスの数々や、イスをいくつも積み上げてバランスをとる「バランシング・オン・チェア」は、積み上げた先に予想外の世界が広がる。特に、指だけで表現する新しい演目「シアター・オブ・ハンズ」では、これまでとはまた違った世界観を見せてくれた。パフォーマンスはステージ中央に浮かぶ大きな気球に映し出され、生きているように踊る指に釘付けになる。幻想的なテルミンの音色で紡がれるストーリーは、最後にはほっこりと温かい気持ちにさせてくれた。全体を通して音楽と深く融合した演目ばかりで、演奏者や歌い手からも目が離せない。小気味いい演奏に思わずじっとしてはいられなくなるはずだ。『ダイハツ キュリオス』東京公演は、7月8日(日)まで上演。チケット発売中。その後、大阪、名古屋、福岡、仙台を回る。取材・文:門 宏※都合により公演の内容を一部変更する場合がございます。
2018年02月09日Hi-STANDARDが初の写真集となる「SUNNY DAYS」の刊行を発表。発売を記念して、全国7都市を巡回する写真展“Hi-STANDARD × TEPPEI KISHIDA 写真展 「SUNNY DAYS」”の開催も決まった。写真展では、黎明期からバンドに帯同し撮影を続けてきたライブカメラマン岸田哲平による臨場感あふれる写真の数々で、ハイスタの長い歴史を振りかえることができる。開催は広島・新潟・大阪・宮城・愛知・福岡・東京を予定。会場では写真集の販売が行われるほか、展覧会特製グッズも多数登場する。その他詳細については後日発表になるという。■“SUNNY DAYS” Hi-STANDARDPhotographsof TEPPEI KISHIDA判型:A4(297×210mm)製本:上製本頁数:224P予価:4000円(税別)
2018年02月09日KAAT神奈川芸術劇場と世田谷パブリックシアターが共同制作する舞台『バリーターク』の制作発表が2月7日に行なわれ、出演の草なぎ剛、松尾諭、小林勝也と演出の白井晃が会見に登場した。舞台『バリーターク』チケット情報本作は、アイルランド出身の劇作家エンダ・ウォルシュによるストレートプレイで、2014年7月に初演され、日本での上演は今回が初めて。物語は、“バリーターク”という村の話を語り続けるふたりの男と、彼らの奇妙な生活に第3人の男が関与して……というストーリーで、人生とは何かを考えさせられる大人のファンタジーだ。戯曲を読んだ草なぎは「とても難しかったですけれど、普遍的な“生”や“死”が描かれているんだなと、感覚的に感じました。今まで自分がやったことのない舞台ですが、未知なる自分を追い求めて舞台に立ちたいと思います」と意欲をみせた。その難解さに松尾も「一読目はちんぷんかんぷんで、2回目に読んだらもっと分からなくなって、3回目はまだ読んでないです」と笑わせつつ「個人的には難解な作風は好きなので、観る側と演じる側とで余白を埋めていけるんじゃないかと、そこが楽しみです」と語った。文学座の小林は「長い俳優人生の中で、いろいろと難解で変わっている作品に出会いましたが、その中でも最高位です」とベテラン俳優でさえも作品の手強さを感じているようだ。演出を手掛ける白井は「作者のエンダ・ウォルシュは、同じアイルランド出身のベケットやマクドナーの系譜を踏んでいます。アイルランドという土壌が作る不思議な感覚がこの作品の中にありまして、“なぜ我々は生きているのか”とか、生まれた“生”は一体どこへ行くのか、ということを感じさせてくれる、滑稽でもあり詩情あふれる作品だと思っています」と本作の魅力を語る。また、出演する3人については、企画の段階で最初に思い浮かべた「理想のイメージキャスト」であると明かした。3年ぶりの舞台となる草なぎは、白井の演出を経験したことのある稲垣吾郎からアドバイスがあったかと問われると、「吾郎さんはこの舞台をやること自体知らないので、みなさんのニュースや僕もツイートするので、それで知ると思います」と笑わせた。KAAT神奈川芸術劇場の芸術監督でもある白井は、「公共劇場同士が最初の段階から組んで制作することは、今までなかったケース。世田谷パブリックシアターで様々な作品を上演してきた経験もありましたので、私が橋渡し役となり、共同制作することでより多くの観客との出会いを広げていきたい」と新しい取組みへの意義を語った。公演は4月14日(土)から5月6日(日)まで神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ、5月12日(土)から6月3日(日)まで東京・シアタートラムにて上演後、兵庫を巡演。神奈川・東京公演のチケットは3月4日(日)より発売開始。
2018年02月08日小池徹平と加藤和樹がWキャストで主演をつとめるミュージカル『1789-バスティーユの恋人たち-』の製作発表会見が2月7日、都内ライブハウスで開催された。18世紀のパリを舞台に、フランス革命が勃発する時代を描く作品。演出はヒットメイカー小池修一郎が手がける。ミュージカル『1789-バスティーユの恋人たち-』チケット情報2012年にフランスで初演された作品で、打ち込みなども多用した現代的なロックサウンドと激しいダンス、ファッションショーのような華やかなコスチューム等で世界的な大ヒットとなったフレンチ・ロック・ミュージカル。日本では2015年に宝塚歌劇団月組が初演し、翌2016年には男女混合出演の新たな演出で帝国劇場で上演された。今回はその帝国劇場版の再演だ。会見は、劇中ナンバーの披露からスタート。マリー・アントワネット役の凰稀かなめと龍真咲が『全てを賭けて』をコケティッシュに歌い、主人公のロナンに扮する小池徹平と加藤和樹、その恋人オランプをWキャストで演じる神田沙也加と夢咲ねねがバラードナンバー『この愛の先に』をドラマチックに熱唱。さらに小池、加藤に加え実在した革命家たちを演じる三浦涼介、上原理生、渡辺大輔が人気ナンバー『自由と平等』『サ・イラ・モナムール』をエネルギッシュかつカッコ良く歌い上げた。事前応募総数4000通の中から抽選で選ばれた200名の一般オーディエンスも熱い眼差しをステージに注ぎ、手拍子で会場を盛り上げた。キャストはほぼ前回からの続投になる。小池徹平は「2年ぶりに歌いましたが、改めてパワーのある楽曲だなと感じました。とても仲の良いカンパニーなんです。仲が良いということはみんなが同じ方向を見て作品を作れるということ。この空気感をより一層深め、最高の革命を起こしたい」と意気込みを。加藤も「初演のときに凄まじいエネルギーを持ってみなで作り上げた作品です。再演ではさらにそのエネルギー量を超えていかなければいけないという覚悟が必要。さらにパワーアップした『1789』を劇場で体感していただきたい」と熱く語った。マリー・アントワネット役の龍とロベスピエール役の三浦は初参加となるが、龍は2015年の宝塚版で主人公のロナンを演じており、作品自体には縁が深い。「先ほども皆さんが歌う『自由と平等』を聴いていて(ロナンとして)ノってしまいそうになりました(笑)。でも今回はマリー・アントワネットにちゃんと集中して頑張りたい」と笑顔で話す。三浦は「子どもの頃から母に『帝国劇場に立ってほしい』とずっと言われていた」とあかし、「(初めてその舞台に立つが)しっかり立って、しっかり芝居と歌とダンスを頑張りたい」と気を引き締めていた。公演は4月9日(月)から5月12日(土)まで東京・帝国劇場にて。チケットは発売中。その後6月に大阪・新歌舞伎座、7月に福岡・博多座でも上演。
2018年02月08日発達障害を抱えるピアニスト・野田あすか初の全国ツアー『野田あすかピアノ・リサイタル ~全国ツアー2018~』が3月から開催される。野田あすかピアノ・リサイタル チケット情報昨年、「金スマ」(TBS系)でも紹介され話題を呼んだ野田。22歳で生まれつきの脳の障害・発達障害と診断されるまで、人とコミュニケーションをうまくとれないことに本人も家族も苦しんできた過去を持つ彼女が奏でるピアノは、その温かくやさしい響きで多くの人の心を掴んでいる。初の全国ツアーへの想いを聞いた。ツアーが決定しての感想を尋ねると「全国ツアーってテレビで見るような人がやるものだと思ってた」と笑う野田。「去年は、私がしあわせな気持ちで弾いて、お客さんもしあわせになってくれるといいなと思ってやっていました。だけど最後の浜離宮朝日ホール(東京凱旋公演)では『私がいっぱい希望をもらったリサイタルだったな』と思ったら泣いちゃって。そういう気持ちを東京や大阪の大きな街だけじゃなくて、いろんなところに届けられるのはすごくしあわせだし、楽しみです」リサイタルは第一部はクラシック曲、第二部は自作の曲を披露する二部構成。第一部の曲は「光」をテーマに選んだと言い、「去年、お客さんに希望をもらったから、その希望が出す“光”をテーマにした曲を弾きたくて」と、『月光ソナタ(ピアノソナタ第14番)』全楽章(ベートーヴェン)や『月の光』(ドビュッシー)を披露するという。中でも『月光』への挑戦は野田にとって大きく、「今まで私はソナタ全楽章を人前で弾いたことがなくて。ソナタの全楽章を人前で弾くのはすごく大きなチャレンジなんです。と語り、「だけど温かい気持ちで見守って下さい!」とニコリ。第二部では『心がホッとするCDブック』収録曲のほか新曲『木もれびの記憶』も披露予定。これも「光」にまつわる曲で「小学生の頃、昼休みに先生が『みんな外で遊びなさい』と言うんだけど、私は『遊びなさい』だけじゃ何をしていいかわからなくて。大きな楠の木の下に45分座って、みんなを眺めていました。楠の木に寄りかかっていると、木と話しているような気がして。上を見ると楠の木は緑が薄いから、太陽が当たると緑色の光になって私を照らして。自分を守ってくれてるような気がしていたのを思い出して、タイトルにつけました」。「来たときより少しだけにっこりして帰ってくれるような演奏会になると思います」という全国ツアーは3月21日(水・祝)にスタート。島根、新潟、高知、静岡、愛知、大阪、兵庫、宮崎とまわり、東京では紀尾井ホールにて7月13日(金)に開催。取材・文:中川實穂
2018年02月08日ひぐちアサによる人気高校野球漫画を原作にした舞台「おおきく振りかぶって」が2月2日に開幕、それに先駆け公開ゲネプロと囲み取材が行われ、囲み取材には主演の西銘駿、猪野広樹、久住小春、白又敦、納谷健、脚本・演出の成井豊(キャラメルボックス)が登壇した。舞台「おおきく振りかぶって」チケット情報囲み取材で主人公・三橋廉 投手を演じる西銘は「原作ファンの皆様を絶対にがっかりさせない!という想いでやってきました」と語りつつも、自身としては「舞台2作目で初主演ということで、最初は本当に緊張して。千秋楽までちゃんと主演としてやっていけるのかな、という不安はあった」と明かし、稽古を経て「今は不安はない」と自信の表情を見せた。猪野は「原作の世界観をどう出すかを大事にやってきたのですが、それプラス(出演者)22人の個性をプラスして、舞台だからこそできる『おおきく振りかぶって』をみんなでつくりました」と語り、バッテリーを組む西銘については「しゅんしゅん(西銘)が人懐っこい人なので、そのペースにのみこまれました」と笑顔。男勝りな監督を演じる久住は「稽古場でも最初は『男に見えない』と言われて悩みましたが、みんなが助けてくれて支えてくれてなんとか初日を迎えられました」、白又は好きなシーンを問われ「夏の大会の1回戦の対戦校・桐青高校のバッテリーの語り」と挙げる。主役校・西浦高校にまつわるシーンでは「合宿明けの練習風景。チームが出来上がっていく、高校球児らしさが描かれていると思います」と語った。ぜひ注目を。自身は野球未経験ながら、突出した才能を持つ田島を演じる納谷は「身体の動かし方の効率だったり、どういうところに意識を置けば上手な選手に見えるのか、というのは特に意識して稽古を重ねてきました」と役作りを振り返った。成井は「舞台上で会話して人間ドラマをつくろうと、役者たちにさかんに言いました。ですので、できあがったものはおそらく舞台上に登場した22人、ひとりひとりの人生、ひとりひとりの感情を客席に向かってぶつける、そういう生々しいお芝居になったんじゃないかと思います。ぜひそれを楽しんでいただきたいです」とコメント。弱気で卑屈な性格の主人公・三橋廉が、野球を通じて仲間と共に成長していく姿を描く本作。舞台でも、練習や試合の中の対話で生まれる感情の変化、そこから繋がるパフォーマンスの変化が芝居によって繊細に描かれる。また、セット転換や映像は使わず、音、照明、芝居であらゆるシーンを表現。試合の表現は見どころだ。ダンスシーンなどもあり、生の舞台だからこその『おおきく振りかぶって』が楽しめる作品となっている。公演は2月12日(月・祝)まで東京・サンシャイン劇場にて上演中。取材・文:中川實穗
2018年02月07日東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の、今年4月から始まる2018~19シーズンの定期演奏会ラインナップは、すでに昨秋速報で伝えられていたが、2月5日、東京都内であらためて発表会見が開かれた。東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 チケット情報「飯守泰次郎桂冠名誉指揮者の素晴らしいドイツ・ロマン派の真髄を軸に、それとのバランスを考えながら、私や他の客演指揮者たちが、なるべく多彩な作品を聴いていただけるようにプログラムを組んできた。それは来シーズン以降も変わらない」2015年から常任指揮者を務め、新たに2021年まで契約を延長した常任指揮者の高関健は、年間プログラムの基本的な骨組みをそう説明した。そして、新シーズンの一番の特徴は、東京オペラシティ定期演奏会と、ティアラこうとう定期演奏会の全13公演を全部まとめて一体化したプログラムを組んだことだという。これまでのティアラ定期は、どちらかといえば名曲コンサートが多く、それは幅広い聴衆にオーケストラ音楽に親しんでもらおうという意図からだったが、最近は客層もかなり変わり、入門プログラムだけでは満足してもらえなくなったのだと理由を語った。「とはいっても《新世界》も《田園》もやる。その中で、さらにもうちょっと(クラシック音楽の世界に)入ってほしいという願望です」高関は群馬交響楽団の音楽監督時代、一度演奏した作品は10年間は取り上げないことを自らとオーケストラに課していたそうで、そうすることで一曲一曲と真剣に対峙してきた。その姿勢は今も変わらないという。「東京の複雑なオーケストラ・シーンの中で、どう生き残るか。なんとか這い上がっていきたい」個々のコンサートは、公演ごとに作曲家、国、時代などのテーマで切り取られており、全体で通して見ると、ハイドンから武満まで、有名曲からレアな作品まで、幅広いレパートリーがバランスよく配置されていて、どれもこれも興味を引かれる魅力的なラインナップとなっている。会見ではさらに、2019年4月から新たに藤岡幸夫の首席客演指揮者就任が発表されたのも大きな話題。故渡邉暁雄の最後の愛弟子。慶應大学卒業後、日本フィルの指揮研究員を経て英国王立ノーザン音楽大学指揮科で学び、英国を本拠に活動していた藤岡は、英国音楽のスペシャリスト。現在BS放送で音楽番組の司会を務めるなど華やかな存在だ。この日もさっそく、「こういうのは言ったもん勝ち」と、2019年シーズンの自分の2回のコンサートに、ウォルトンの交響曲第1番と伊福部昭の舞踊曲《サロメ》を振らせてほしいと公開アピールして個性を披露、隣席の高関らを苦笑させた。学究肌の高関と外向的な藤岡、そしてドイツ音楽の重鎮・飯守と、かなりタイプの異なる3人の指揮者が揃った強力かつ強烈な陣容。これまで以上に目が離せない、楽しみなシティ・フィルだ。取材・文:宮本 明
2018年02月07日友近の全国ライブツアー「友近ワイド劇場」が4月から5月にかけて開催されることが発表された。ツアー初開催となる高知を含め全国6か所(7公演)を駆け巡る。友近ワイド劇場 チケット情報今回もロバート秋山や渡辺直美、ゆりやんレトリィバァなど超豪華メンバーが集結。江戸川乱歩の世界を、友近と個性豊かな面々が笑いを通して表現する。新ネタやユニットコントも披露される模様。独特な世界観が繰り広げられる友近ワールドをこの機会にお楽しみあれ。チケットぴあではプレイガイド最速先行を2月6日(火)11:00~2月12日(月・祝)23:59まで受付中。■友近全国ライブツアー「友近ワイド劇場」4月8日(日)東京・有楽町よみうりホール開場/16:00開演/16:30バッファロー吾郎A、ずん飯尾和樹、ロバート秋山竜次、ハリセンボン近藤春菜、渡辺直美4月25日(水)大阪・なんばグランド花月開場/19:00開演/19:30バッファロー吾郎A、ずん飯尾和樹、ロバート秋山竜次、シソンヌじろう、渡辺直美4月29日(日)高知・高知市文化プラザかるぽーと大ホール開場/15:30開演/16:00バッファロー吾郎A、ずん飯尾和樹、ロバート秋山竜次、シソンヌじろう、渡辺直美5月6日(日)名古屋・日本特殊陶業市民会館フォレストホール開場/15:30開演/16:00バッファロー吾郎A、ずん飯尾和樹、ロバート秋山竜次、ハリセンボン近藤春菜、ゆりやんレトリィバァ5月20日(日) 東京・有楽町よみうりホール開場/15:30開演/16:00バッファロー吾郎A、ずん飯尾和樹、ロバート秋山竜次、シソンヌじろう、ゆりやんレトリィバァ5月23日(水)福岡・福岡国際会議場メインホール開場/18:00開演/18:30バッファロー吾郎A、ずん飯尾和樹、ロバート秋山竜次、シソンヌじろう、渡辺直美5月27日(日)仙台・仙台銀行ホール イズミティ21 大ホール開場/15:30開演/16:00バッファロー吾郎A、ずん飯尾和樹、ロバート秋山竜次、ハリセンボン近藤春菜、ゆりやんレトリィバァ※出演者は変更になる可能性あり
2018年02月07日3月17日(土)大阪・阿倍野ROCKTOWNで「ぴあアイドルHappy 1st Anniversary」が開催される。関西に新しいムーブメントを興すべく昨年3月に始まり4回目を迎えるぴあアイドルフェスタも気づけば、早1年。歴代公演の出演者たちが集結する。「ぴあアイドルフェスタ Happy 1st Anniversary」チケット情報まずは、東京から2組!昨年は全国13都市ツアーを開催、今年4月29日にはTSUTAYAO-WESTにてワンマンライブを控え、飛翔し続けることをやめないダンスボーカルグループ「DEARKISS」。加えて、「櫻井・有吉THE夜会」(TBS系)にも出演し話題を呼んだ野球アイドルグループ「絶対直球女子!プレイボールズ」。メジャーリリースシングル『Standing Double/絶対直球少女隊』を引っさげての大阪遠征。大阪にいち早い開幕のサイレンを鳴らしにやってくる。続いて、中四国エリアからも2組。「Yamakatsu」。年明けに山口活性学園から改名し11月には地元山口の県内最大級のホール周南市文化会館(収容人員:1800人)でのワンマンライブを予定している。山口県在住のアーティストでの成功事例はまだない、前人未到の挑戦に挑む彼女たち。限界という壁を蹴り上げていく彼女たちの音楽を是非とも体感してほしい。唯一の初参戦「feelNEO」。岡山の親子情報誌HUGHUGの専属モデルから誕生したアイドルグループ。昨年は世界最大のアイドルフェス『TOKYO IDOL FESTIVAL 2017』出場をかけた全国予選で中四国代表の座を勝ち取り、かつて「Negicco」も優勝したご当地アイドルNO.1決定戦『U.M.U AWARD 2017』では準優勝。「Yamakatsu」と共に会場に中四国の旋風を巻き起こすこと間違いなし。実力派遠征組が揃う中、関西勢も負けてはいない。まずは、「KissBeeWEST」。昨年5月6日に開催した満員御礼のHEPホール(収容人員:400人)ワンマンライブから1年。今年はなんと同じ5月6日(日)に、なんばhatch(収容人員:1300人)でワンマンライブを開催する。3倍の動員を目指す彼女たちのパフォーマンスは必見。続いて、昨年8月には大阪のライブハウスBIGCAT(収容人員:800人)でワンマンライブを開催した「POPUP」。「世界をつなぐアイドル」をコンセプトにスタートした彼女たちは、年明け早々カンボジアへの海外遠征を実施。なんとカンボジアの現地NGO(非政府組織)「Pay it Forward」の親善大使にも就任したグローバルアイドル。そして関西アイドル界のお姉さんこと「Yes Happy!」。見ている人たちをホッとさせる不思議なパワーを持ち合わせた彼女たち。タイトル「Happy 1st Anniversary」に相応しい“HAPPY”を届けてくれること間違いなし!チケットは発売中。3月17日(土)は、阿倍野ROCKTOWNに集結!
2018年02月06日2月3日、ミュージカル『マタ・ハリ』東京公演が開幕した。『ジキル&ハイド』などを手がけるフランク・ワイルドホーンが音楽を担当し、2015年に韓国で初演されたミュージカル。日本初演の今回は、主人公のマタ・ハリを柚希礼音、彼女の運命に深く関るふたりの男性、ラドゥーとアルマンの2役を回替わりで加藤和樹が演じる(初日は加藤がアルマンを、Wキャストの佐藤隆紀がラドゥーを演じた)。演出は石丸さち子。ミュージカル『マタ・ハリ』チケット情報物語は1917年、第一次世界大戦下のヨーロッパが舞台。パリではオリエンタルなダンスで人々を虜にしているダンサーがいた。名はマタ・ハリ。フランス諜報局のラドゥー大佐は、ヨーロッパをまたにかけ活躍するマタに目をつけ、スパイになるよう圧力をかける。同じ頃、マタは戦闘機パイロットの青年アルマンと出会い恋に落ちるが、実はそれもラドゥーが仕掛けた罠で…。舞台には、水墨画にも似た煙のような雲のような背景。モノトーンのシンプルなセットの中、シックな衣裳に身を包んだキャストが、戦争に苦しむ市井の人々の嘆きを叫ぶ。それぞれがワンポイントで赤い何かを手にしているのは、彼らが願う生への渇望か、命そのものか。そして「生きろ」と叫ぶ彼らの中に、誰よりも鮮やかな朱色の衣裳で、マタ・ハリが舞い立つ。柚希は、しなやかかつダイナミックなダンスが美しいだけでなく、女性らしい腰まわり、筋肉、すべてが美しく妖艶。何よりも“生”のエネルギーに溢れている。まさに、この閉塞した時代に舞い降りた女神といったインパクトだ。演出の石丸と柚希はしかし、マタ・ハリをただ“謎めいたカッコいい女スパイ”とは描かない。凄絶な過去を抱え、それでも人生に立ち向かうけなげな女性、必死に生きる普通の女性として、誰もが共感し得る感情を繊細にすくい上げる。マタ・ハリの、アルマンに恋し、普通の暮らしを望むと語る笑顔が柔らかく、可愛らしい。柚希は女性の弱さも強さもとても自然に演じる。彼女だからこそのマタ・ハリを生み出し、彼女にとって本作が女優としてのターニングポイントになるに違いないと確信させた。一方でその恋の相手であるアルマンを演じる加藤も、マタと同じく心に抱えた孤独と傷を丁寧に描く。だからこそ、彼女と自然に心を寄り添わせつつ、最初は策略で彼女に近付いた事実に苦しむのだ。色気と少年の純粋さを同居させた加藤のアルマンは、マタが恋に落ちる説得力が十分だったが、それゆえにもうひと役、マタにスパイ活動を強いるラドゥーを加藤がどう演じるのかも気になるところ。そのラドゥーを初日で演じたのは佐藤隆紀。マタを利用しつつ彼女に溺れていく男という難しい役柄を、その深みのある歌声も上手く使い、好演していた。初日には作曲のフランク・ワイルドホーン、脚本のアイヴァン・メンチェルも来場。ふたりとも笑顔で、特にフランクは「なんて素晴らしいキャスト!」と賛辞を贈っていた。2月18日(日)まで、東京国際フォーラム ホールCにて上演。なお、加藤がラドゥーを演じる日は、アルマンを東啓介が演じる。
2018年02月06日演出・脚本を三浦 香、脚本を伊勢直弘、振付を當間里美、楽曲制作をAsu(BMIInc.)という『Club SLAZY』シリーズの布陣で贈る完全新作オリジナル舞台『Like A(ライカ)』が2月3日に開幕。それに先駆け公開ゲネプロが行われた。舞台『Like A(ライカ)』チケット情報物語の舞台は、海沿いの静かな街High-Tideに立つ高級ホテル『PERMANENT(ペルマネント)』。そこで働くホテルマンたちは、一歩裏に入るとさまざまな想いが渦巻いている。ある日、そんな彼らのもとに、ライバルでもある豪華客船型ホテルROXANEが沈没したというニュースが飛び込んでくる。そしてハイタイドの海辺でボロボロになった男がひとり…。ロクザンのバッチをつけ記憶を失った男との遭遇が、ペルマネントの日常を揺り動かす――。伏線が張り巡らされ、謎が謎を呼ぶ世界。ふたつの板が回転し、座席によって物語の見え方も変わる不思議なセット。ひとりひとりのキャラクターは濃厚だが、観客にとって不思議な状況でも彼らにとっての日常を説明する者はおらず、会話の中でポツリポツリとこぼれる何かのヒントを拾い集めるのが、本シリーズのたのしみ方のひとつだ。そんなミステリアスな世界観をより濃厚に立ち上げるのが歌とダンス。書き下ろされた全14曲は1曲1曲が印象的で、実にさまざまなテイストが揃う。また出演者も、グランドミュージカル作品でも活躍する内藤大希ら俳優陣をはじめ、ダンスボーカルグループBeat Buddy Boiに所属するSHUNや、ソロ・ヴォーカリストコンテスト番組で優勝した中谷優心ら音楽に特化した面々がズラリ。平牧 仁は舞台上でピアノの生演奏も披露するなど、とにかくすべてが濃厚な作品となっている。ゲネプロ後の取材では、辻 凌志朗(「辻」は一点しんにょう)が「僕はホテルの、お客様がいろんな思いを持って来て、素敵な時間を過ごして、帰っていく感じが好き。皆さんにもいろんなものを持って帰ってほしい」、内藤大希が「とにかくパワーがすごいので、それを毎公演お届けできるようにやっていきたい」、平牧 仁が「アーティストが集まるとこんな爆発力があるんだなと、楽しんできました」、石賀和輝が「お客様がどのような反応で、どのような作品だと感じていただけるか楽しみ」、SHUNが「才能あふれる方々と一緒にひとつの作品をつくれました」、高崎俊吾が「素敵な世界観を伝えられるように頑張ります」、岩 義人が「新しいエンターテインメントになれるよう頑張っていきます」、中谷優心が「この場に立ててることが本当にしあわせ」、橋本有一郎が「『Like A』という物語のスタートを無事に迎えられてとても嬉しい」、今井 稜が「楽しんでいただけるように最後まであがき続けます」と述べた。公演は2月12日(月・祝)まで東京・新宿FACEにて上演中。取材・文:中川實穗
2018年02月06日劇団プレステージの猪塚健太が、初の外部主演をつとめる『BLOODY POETRY(ブラディ・ポエトリー)』が2月8日(木)に開幕する。バックグラウンドの異なる俳優6名が、実在したイギリス詩人たちの青春と革命を描いた本作に挑んだ。unrato#1「BLOODY POETRY」チケット情報出演は、4月に映画『娼年』の公開を控える猪塚健太、故・蜷川幸雄の元で経験を積んできた内田健司、ドラマ『ウルトラマンオーブ』で圧倒的な存在感を発揮した青柳尊哉、小劇場で活躍する百花亜希、元宝塚歌劇団雪組男役の蓮城まこと、昨年アイドルグループ「SUPER☆GiRLS」を卒業し本格的に女優活動を始めた前島亜美。全員、初共演である。本作は1984年にロンドンで初演されたのち、オフ・ブロードウェイなど英米各地で上演され続けている。演出家の大河内直子が英国王立演劇学校在学中にこの作品に惚れ込み、今回、日本初演となる。詩人シェリー役の猪塚は共演者について「みんなこれまで積み重ねてきた経験が違うから、慣れた仲間たちとでは手に入れられないものがたくさんある現場。違うからこそ生まれる悩みや深みがあり、それが作品のいい味になっています」と座組みの魅力を語る。シェリーと焼けるような友情を育む詩人バイロンを演じる内田は、「シェリー(猪塚)との関係がこの作品のキモ。初めましてだったけれど、猪塚さんの清潔感とかおおらかさをすぐに好きになった。相手が猪塚さんだったからこそすんなりと役に入り、生き生きとやれるなという安心感があります」と笑顔を見せた。そのふたりの友情を少し離れた位置で見守り、羨望に胸を焦がすポリドーリを演じる青柳。「この作品に出てくる人たちは、苦しみながらも、生きようとしている。自分の足で立って戦う強さをぜひ感じて欲しい」。会話中には登場人物たちの実在の詩も多く引用される。そう聞くと一見難しそうだが、内田は「本当に優れた面白い台本です」と断言。猪塚も「当時のイギリスの詩人たちは頭が良くて、会話の質が高く、真剣に哲学の議論をしたりする。けれどもそれは僕らが演劇について仲間と熱く話すのと同じ。人間関係はシンプルで人間臭くて、夢を語ったり、寂しさを埋め合ったりしている」。青柳は「舞台上に広がる人間関係は、『ああ、こういうこともあるよなあ』と誰もが共感できる光景」と頷いた。日本初演ということもあり、稽古場では翻訳家と演出家が、セリフをより届くものにするため俳優たちと試行錯誤していく。言葉を武器に、世界を変えようとした若き詩人たち。彼らが心に抱いたイメージを表現するような舞台美術も見所だ。猪塚ら3人は彼らの姿に自分自身を重ね合わせる。「当時の詩人たちが想像をふくらませて詩で訴えかけている様子は、今僕たちが演劇で伝えようとしていることと似ています。世間から弾かれても一生懸命に生きた若者たちの青春群像劇です」。公演は2月8日(木)から18日(日)まで東京・赤坂RED/THEATERにて。取材・文:河野桃子
2018年02月05日3月1日(木)から5月13日(日)まで東京スカイツリー(R)にて、宝塚歌劇との限定タイアップ企画「宝塚歌劇 in TOKYO SKYTREE(R)」が開催される。【チケット情報はこちら】100年以上続く華やかな舞台で人々を魅了する「宝塚歌劇」と「東京スカイツリー」による初のタイアップとなる同イベントでは、様々な企画を用意。地上350mにある天望デッキ フロア350の窓ガラスを巨大スクリーンに仕立てた「SKYTREE ROUND THEATER(R)」では、宝塚歌劇団花組「明日海りお」、月組「珠城りょう」、雪組「望海風斗」、星組「紅ゆずる」、宙組「真風涼帆」、5組のトップスターによる限定撮り下ろし映像を上映。天望回廊では、「宝塚歌劇タカラジェンヌ◇輝きの軌跡展」と題した企画展を開催。「タカラジェンヌ」をテーマにした歴代トップスターの軌跡を辿る大年表のほか、トップスターパネルと一緒に撮影できるフォトスポット、娘役の衣装などを展示する。そのほか、特設ショップで限定デザイングッズ、天望デッキ フロア340にある「SKYTREE CAFE」では、宝塚歌劇の世界をイメージした限定カフェメニューを販売。さらに、宝塚歌劇をイメージしたコスチュームをまとった東京スカイツリー公式キャラクター「ソラカラちゃん」の限定グリーティングや、スタンプラリーも実施される。「宝塚歌劇 in TOKYO SKYTREE(R)」の開催にあわせて、天望デッキと天望回廊、それぞれの入場券に特別付録ペーパークラフト付き限定ブックレットがついた特別企画入場券が発売中。■特別企画入場券 「宝塚歌劇 in TOKYO SKYTREE(R)」販売期間:2月1日(木)~5月12日(土)入場期間:3月1日(木)~5月13日(日)商品内容:【1】東京スカイツリー天望デッキ、天望回廊 セット券【2】日付指定列(時間制限なし)より優先入場【3】特別付録ペーパークラフト付き限定ブックレット料金:3900円(税込)※以下の特定日については、東京スカイツリー日時指定券の特定日に準じ、4100円(税込)にて販売します。3月17日(土)・18日(日)・21日(水・祝)・24日(土)・25日(日)・31日(土)・4月1日(日)・28日(土)・29日(日・祝)・30日(月・休)・5月3日(木・祝)・4日(金・祝)・5日(土・祝)・6日(日)
2018年02月05日舞台『熱海殺人事件 CROSS OVER 45』が2月17日(土)、東京・紀伊國屋ホールで開幕する。舞台「熱海殺人事件」CROSS OVER 45」チケット情報つかこうへいの代表作『熱海殺人事件』の45周年を記念した本作は、演出を岡村俊一が手掛け、木村伝兵衛部長刑事を味方良介、水野朋子婦人警官を木崎ゆりあ、犯人・大山金太郎をWキャストでα-X’sの敦貴と匠海、富山から来た新任の刑事・熊田留吉を石田明(NON STYLE)という布陣で上演される。昨年に引き続き、木村伝兵衛を演じる味方に話を聞いた。「今年はより木村伝兵衛という役の重さを感じています」と語る味方。「去年はどこかがむしゃらな部分もあって、『俺が木村伝兵衛をやるんだ』という気持ちが前に出ていたし、『若さで勝負するんだ』という気持ちがあったけど、今年はそれが取り払われて。もっとこの役と向き合っていかなければ、もっと本質で向き合っていかなければ、『熱海殺人事件』という本を僕が理解して、全部を回していかなければって。そう考えると、これほど大変なことはないなと感じますね」と、昨年初めて木村伝兵衛を演じ、その中でただひとり、続投で出演する意味や役割を全身全霊で受け止める。石田や木崎、敦貴、匠海との共演には「異種格闘技戦」的な魅力を感じているという。「まず自分の部下役に石田さんがいるって、これほど怖いことはないです。圧倒的な芝居スキル、心を持ってる人なので。稽古してても泣かされそうになるんですよ。伝兵衛なのに、やばいやばい負ける負ける、みたいな。強力な仲間だけど一番のライバルです。ゆりあちゃんやα-X’sのふたりには、稽古場で『あ、新しい空気が入ってきた』と感じています。初舞台だったりもするので、純粋な部分がやっぱりあって。役者ってどうしても計算でやる部分があるんだけど、そうじゃない生のもの、わからずにやってるからこそ出てくるものがあるんですよね。それに心が動かされる瞬間があります。このカンパニーの新たな『熱海殺人事件』ができると思います」この作品には表面上の物語とその奥にある想いという構造があるが、観るうえで準備は必要か聞いてみると「もちろん本質を知って欲しいという気持ちもあるけども、でも『なんかすげーもん観たな』と思って欲しいんですよね。『すげーことやってんな』『自分たちにはできないな』と思ってもらえればもらえるほど、僕は嬉しい。だから前情報なしでいいと思います。その中で気になったらもう1回足を運んでもらって、誰かひとりだけを観てみたり、人間模様を観察してもらうとまた楽しめると思う。無理に話を理解しよう理解しようと思って観ると、置いてかれちゃいますから!」。公演は2月17日(土)から3月5日(月)まで東京・紀伊國屋ホールにて。取材・文:中川實穗
2018年02月05日TVアニメ/データカードダスで大人気の『アイカツ!』、『アイカツスターズ!』の楽曲を歌唱するために結成されたユニット、STAR☆ANISとAIKATSU☆STARS!が集結する「アイカツ!ミュージックフェスタ in アイカツ武道館!」。この公演を最後にメンバー全員が歌唱担当を卒業するということもあり、見逃せない2日間となるだろう。そんな出演メンバーの中から、わか、るか、せな、ゆな、りすこ、かな、りえの7名に意気込みを聞いた。「アイカツ!ミュージックフェスタ in アイカツ武道館!」チケット情報るか「『アイカツ!』に出会って、私自身も変わることができました。ステージに立つ私たち全員この作品が大好きなので、ファンの皆さんと『アイカツ!』愛を共有できたら嬉しいです。これがSTAR☆ANIS、AIKATSU☆STARS!として歌う最後のステージなので、全力で楽しみたいと思います」わか「最初はこんなに大きな舞台まで辿り着けるとは思っていませんでした。5年間、皆さんの愛に支えられてここまで来ることができたと思うので、感謝の気持ちと『アイカツ!』への思いを武道館にすべて詰め込みたいと思っています」せな「寂しい気持ちはもちろん皆ありますが、またここから……私たちもキャラクターたちも、新しく旅立っていくという意味ではスタートラインに立てる場だと思います。悔いのないように、皆でここまで作り上げてきたものを思う存分発揮したいです」りすこ「この5年でスタッフもメンバーも増えて、こんなにゴージャスになりました。そんな皆の『アイカツ!』熱を最大限にして臨めるのがすごく楽しみです。私が担当する神崎美月はトップアイドルなので、彼女のための最高の舞台がやっと整ったなと(笑)、精一杯送り出したいです」りえ「AIKATSU☆STARS!に加入してからの2年間で学んだことを、すべて武道館で放出したいと思います。私は桜庭ローラちゃん、氷上スミレちゃん、騎咲レイちゃんというクールな3人を担当していますが、今まで磨き上げてきたそれぞれの個性を、武道館でお見せできればと思います」かな「武道館では、私が担当している天羽まどかちゃん、堂島ニーナちゃん、香澄真昼ちゃん、二階堂ゆずちゃんの一番の魅力をお見せできるよう、頑張りたいです。それぞれ大好きなアイドルなので、皆さんの目にも焼き付けていただきたいなと思います」ゆな「各メンバーはもちろん、私たちを支えてくださっている多くのスタッフさんやファンの皆様も全員『アイカツ!』が大好きなので、今までで一番良い、愛が沢山詰まったライブにできたらと思います」5年間の思いが凝縮される武道館。最後にわかが代表して「『今までで一番楽しかった!』と思っていただけるようなライブにします。感極まることもあると思いますが、笑顔で頑張りますので、皆さんも笑顔で……できれば両日お越しいただき、最後まで一緒の時間を過ごしていただきたいです」と語った。本公演は2月27日(火)、28日(水)、東京・日本武道館にて開催。チケット発売中。取材・文:とみたまい
2018年02月05日原作小説は全世界で5千万部以上売り上げ、1995年にはクリント・イーストウッドにより映画化もされた『マディソン郡の橋』のミュージカル版が、山口祐一郎と涼風真世の主演で日本初演される。作品について、ふたりが語った。舞台『マディソン郡の橋』チケット情報アメリカ・アイオワで農家の妻として家族に尽くしてきた主婦フランチェスカが、その地特有の屋根つきの橋を撮影しに来たカメラマン・ロバートと出会ったことから始まる、4日間の恋を描いたラブ・ストーリー。大人の道ならぬ恋……という印象が強い物語だが、フランチェスカを演じる涼風は「これは大人の初恋、純愛。フランチェスカは、この4日間の純愛を大切に、その後の人生を生きていけたのかなと感じています」と、そのピュアさを強調する。ロバートを演じる山口は「ロバートはカメラマンで世界中を歩き回っている。一応、職業があるゆえにギリギリ“社会の範疇”にいますが、家庭もなければ、地域のコミュニティにも属していない。舞台設定は1960年代で、当時は彼のような人は少数派でしたが、共同体や家族関係が薄まっている今、彼の持つ疎外感や孤独は、皆さんにも共感してもらえるんじゃないかな」と、現代の視点からこの物語を語る。さらに山口は「当時の共同体には、女性はこうあるべき、父親は、母親はこうあるべきという無言の圧力があった。映画ではふたりの関係性を肯定するために、その中で孤立しているフランチェスカという面も強調されていた。ただ現代の僕らは、どちらかというとそういうこと(性役割)を批判的な目で見ている。2018年にやる今回の舞台では登場人物ひとりひとりが本当に誠実に生きていて、例えば“女性はこうあるべき”と思っている父親も、その人なりに一生懸命生きている。そこが魅力的です。誠実に生きているんだけれど、ちょっと噛み合わない人間関係。そんな中で(ふたりが出会い)ふと湧き上がってしまった人の思いは止められない……、そんな風になっています」と、今回の舞台版ならではの魅力も語った。ちなみにこれまでも『エリザベート』『貴婦人の訪問』など共演が多いふたり。今回は改めてどっぷりと恋愛関係に陥る関係性になるが……。「(今作の共演が)今で良かった(笑)。もうちょっと前だったら人生をダメにしていたかも(笑)」(山口)、「何作か共演させていただいていますが、こんなに間近に感じることは初めてでドキドキ。今、山口さんの顔を見られません(笑)。これが純愛なのかも」(涼風)と、お互いに照れ笑い。息もピッタリのふたりが、名作にどう息を吹き込むのか。乞うご期待。2月24日(土)開幕の東京・THEATRE1010公演から始まり、3月2日(金)から21日(水・祝)まで東京・シアタークリエ、3月28日(水)から4月1日(日)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演される。チケットは発売中。
2018年02月02日つかこうへいの代表作として上演され続けてきた「熱海殺人事件」の45周年公演『熱海殺人事件 CROSS OVER 45』が2月17日(土)に開幕する。その公開稽古と囲み取材が行われた。舞台『熱海殺人事件 CROSS OVER 45』チケット情報つかこうへいが1973年に文学座に書き下ろし、以降、東京・紀伊國屋ホールを拠点に“春の風物詩”と呼ばれるほど再演を重ねられてきた「熱海殺人事件」。2010年につかが亡くなった後も“つかこうへい復活祭”として紀伊國屋ホールで上演され続ける作品だ。今年はその45周年を記念し“CROSS OVER 45”と銘打ち、演出を岡村俊一、木村伝兵衛部長刑事を味方良介、水野朋子婦人警官を木崎ゆりあ、犯人・大山金太郎をWキャストでα-X’sの敦貴と匠海、富山から来た刑事・熊田留吉を石田明(NON STYLE)というメンバーでつくりあげる。公開稽古では、稽古が白熱しすぎてボロボロ(!)という服装で登場したキャスト陣が冒頭から15分ほどのシーンを披露。木崎は大人の恋心を秘めた婦人警官を体当たりで演じ、石田は未熟な若手刑事を笑いも織り交ぜながら繊細につくりあげ、Wキャストで(公開稽古では途中交代で出演)恋人殺しの犯人を演じた敦貴と匠海は圧倒的な透明感で新たな大山像をみせた。そして昨年、馬場徹と並び史上最年少の24歳で木村伝兵衛を演じた味方は、より圧倒的な存在として場の空気を動かし、“CROSS OVER 45”ならではの『熱海殺人事件』をみせつけた。稽古後の囲み取材では、味方が「新たなメンバーと、45年間の想いを背負いながら僕らの『熱海殺人事件』をつくれたら」、石田は「ひとり、お笑いですけど、この歴史のある作品の名を汚さないようにがんばりたいです」、木﨑は「AKB48を卒業して初の仕事がこの舞台でよかったなとすごく思っています。心強い先輩方もいらっしゃいますし、自分もがんばらなきゃと思うような後輩たち(敦貴・匠海)もいるので。やりがいがあって楽しいです」と笑顔。敦貴は「同じグループのメンバーとWキャストで演じることができて幸せですし、ライバル心を強く持って取り組みたい」、匠海は「僕にとって初舞台ですが、敦貴には負けたくないので精一杯がんばります!」と意気込む。石田が「この舞台は変な人しか無理ですから。ひと癖もふた癖もないと台本に食われちゃう!」と話す本作。コメディタッチな演出に質問が及ぶと味方が「実はその裏に何があるのか、僕らの台詞の裏に何があるのか、ということに気づくと、メッセージがすごく詰まっていて。表だけで探っていくと見つからない部分、この人はなんでこんなこと言うんだろう、こんなことやっているんだろうっていう部分がある」と解説する場面も見られた。公演は2月17日(土)から3月5日(月)まで東京・紀伊國屋ホールにて。撮影・取材・文:中川實穗
2018年02月01日約4年ぶりに全国19都市を回る、劇団四季『ジーザス・クライスト=スーパースター』。1月下旬に公開舞台稽古が行われた。劇団四季「ジーザス・クライスト=スーパースター」エルサレム・バージョン チケット情報稽古場には、荒涼とした砂漠を思わせる八百屋舞台が設置され、本公演とまるで同じ風景に胸が高鳴る。この日は1幕冒頭の「序曲」から「私はイエスがわからない」までを通した。特に音楽は激しいロックからバラードに至るまで彩り豊かで圧巻!天才作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバーはキリストが十字架に掛けられるまでの最後の7日間をこの作品で描いて世に躍り出たが、今もその輝きは色あせることがないと改めて実感した。ジーザスは抑圧されたパレスチナの民に神の子だと崇め熱狂されるが、実は悩み苦しみ、孤独を深める。使徒のひとりであるユダはジーザスを愛してはいるが嫌疑的。唯一彼を理解する娼婦マグダラのマリアは、ジーザスの苦悩を取り除けないことに悩み戸惑う。三者三様の思いに加え、権力者の思惑や人々の業と欲が渦巻く。ダイナミックな音楽とアースカラーに彩られた根源的な世界が、人間の内側をより鮮やかに浮かび上がらせる。多くのシーンで「人間ってこうだよなぁ」と刺さってくるのが面白い。ジーザス・クライスト役の神永東吾は美しく、凛とした存在感。その中に内なる葛藤がこぼれ出て実に魅力的だ。イスカリオテのユダ役、芝清道は1987年以来、この作品で複数の役を演じるベテランで躍動感たっぷり。マグダラのマリア役の山本紗衣は、穏やかでまっすぐ。伸びやかなソプラノが心にしみる。そして、群衆のうねるような激しいダンスと重唱にワクワク!通しが終わると、10分ほど全員で振り返り、細かい部分まで確認。人数が多い分、ステージングも大変だ。「全体を見て自分の位置を把握し、もし空間が空いたところができたらそこに入ってください」「スーパースターの時は、少しでもジーザスに近づきたいという思いを限界まで身体で表現」「シモンのラッパはまず耳で聞く。先に見ない」「ジーザスを触りに行く時、全員がそうっと崇めすぎ。熱烈な人が何人か必要」「群衆のぐるぐる巻きは後半スピードが上がってよかった」など。記者懇談会では、神永「クリスチャンの僕が劇団四季に入りたいと思うきっかけの作品で、この演出は特別。ジーザスに関しては、次元の違う存在感を表現し、周りの人々との交流を大事に演じたい。深いテーマ性のある作品ですが、気軽に観に来ていただきたいです。ジーザスの俳優がイケメン!とか(笑)」山本「歌はクラシックの手法だけでは難しい。でもそこに捉われず、歌で言葉を語りたいです。聖書に書かれていることだけではない部分を演出などで埋めて、マグダラのマリアとして1時間45分を生き切りたい」芝「全編歌でつながっていますが、まるでストレートプレイを演じている感覚。歌と踊りの中にある心理やリアルさを出したいです。年々、劇団員の能力が上がりこのカンパニーもみんな優秀。自分も含めて、この先、生きているエネルギーをもっと注入していきたい」と意気込みを語った。取材・文:三浦真紀
2018年02月01日演劇、ミュージカル、伝統芸能など、舞台に関する最新情報やインタビューをお届けするフリーマガジン「ステージぴあ関西版」。2月1日発行の最新号で表紙を飾るのは、舞台『シャンハイムーン』で主演を務める野村萬斎。インタビューでは、『シャンハイムーン』上演にかける思いを聞いた。今号は、裏表紙も宝塚歌劇月組トップスター・珠城りょうの撮りおろし。ほかにも、ミュージカル『ブロードウェイと銃弾』に挑む城田優に思いを聞いたり、4年ぶりの舞台出演となる石原さとみに『密やかな結晶』にかける意気込みを聞くなど、今号もミュージカルから伝統芸能まで様々なジャンルの俳優・クリエイターにインタビュー。さらに、岸谷五朗、寺脇康文によるユニット地球ゴージャスの最新作や、話題のダンスエンタテインメント集団・梅棒など、注目公演の読者先行予約も実施!この機会にぜひチケット入手を。「ステージぴあ関西版」2+3月号はチケットぴあカウンター、劇場などで配布中。WEB上でも全ページ無料でご覧いただけます。
2018年02月01日5月19日(土)・20日(日)に大阪・METROCK大阪特設会場(大阪府堺市・海とのふれあい広場)、5月26日(土)・27日(日)に東京・新木場・若洲公園で開催される野外フェスティバル「METROCK2018」。同フェスの第3弾出演アーティストと日割りが発表された。【チケット情報はこちら】出演が決定したのは、Nulbarich、MY FIRST STORY、みやかわくん(大阪のみ)、夜の本気ダンス、緑黄色社会(大阪のみ)、レキシ、Official髭男dism(東京のみ)、teto(東京のみ)の8組。チケットの一般発売に先がけて、現在、1日券の先行予約を実施中。■OSAKA METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2018日時:5月19日(土)・20日(日)開場9:00 / 開演 11:00(予定)会場:METROCK大阪特設会場(大阪府堺市・海とのふれあい広場)【5月19日(土)】エレファントカシマシ/キュウソネコカミ/SiM/Nulbarich【NEW!】/back number(大阪のみ)/Fear, and Loathing in Las Vegas/04 Limited Sazabys/THE BAWDIES/MY FIRST STORY【NEW!】/みやかわくん(大阪のみ)【NEW!】/夜の本気ダンス【NEW!】・・・and more !!【5月20日(日)】THE ORAL CIGARETTES/KANA-BOON/KEYTALK/ゲスの極み乙女。/サカナクション/ヤバイTシャツ屋さん/山本彩/緑黄色社会(大阪のみ)【NEW!】/レキシ【NEW!】・・・and more !!■TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2018日時:5月26日(土)・27日(日)開場9:30 / 開演11:30(予定)会場:新木場・若洲公園(東京都)【5月26日(土)】エレファントカシマシ/KEYTALK/キュウソネコカミ/SiM/Fear, and Loathing in Las Vegas/04 Limited Sazabys/THE BAWDIES/MY FIRST STORY【NEW!】/ヤバイTシャツ屋さん/夜の本気ダンス【NEW!】・・・and more !!【5月27日(日)】THE ORAL CIGARETTES/ Official髭男dism(東京のみ)【NEW!】/KANA-BOON/ゲスの極み乙女。/サカナクション/teto(東京のみ)【NEW!】/Nulbarich【NEW!】/MAN WITH A MISSION(東京のみ)/山本彩/レキシ【NEW!】・・・and more !!★★以下のリンクより「METROCK」をお気に入り登録して、情報をゲット!
2018年02月01日「至上の印象派展ビュールレ・コレクション」が2月14日(水)から5月7日(月)まで東京・国立新美術館にて開催される。至上の印象派展 ビュールレ・コレクション チケット情報絵画収集に傑出したコレクターであったスイスの大実業家エミール・ゲオルク・ビュールレ(1890-1956年)のコレクションを紹介する本展。絵画史上、最も有名な少女像ともいわれるルノワールの《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》や、スイス国外に初めて貸し出されることになった4メートルを超えるモネ晩年の睡蓮の大作など、近代美術の精華といえる作品約60点を展示し、その半数は日本初公開となる。そこで自身初の音声ガイドナビゲーターを務める俳優・井上芳雄に、収録を終えての感想を聞いた。「読んでいて楽しかったです。僕が読むからそうしてくださったのかわからないですが、ときどき画家の言葉がセリフのように挟み込まれているので、そこはちょっとお芝居するような感じで読ませてもらったりして」と井上が言うように、音声ガイドで紹介するのはルノワールやセザンヌ、モネ、ファン・ゴッホなど展覧会に揃う作品の画家たちのストーリー。「もちろん主役は絵画なので、僕の個性を出すよりはプロのアナウンサーのようにと思って読みました。だけどその中でも(ガイドで)その世界に入り込めるほうが見やすいんじゃないかなということは、やってて思いましたね。一瞬、描いた人が喋り出したのかなってくらいの…錯覚というかマジックがあったほうがいいのかなって。舞台もそうですけど、いかにその世界に入り込むかが面白みであり楽しさであると思うので」。本展の魅力について「絵画自体と絵画の変遷で、二度楽しめます。(ひとりの画家の作品展ではなく)誰かのコレクションがくるというのは、そういう意味で面白いことだなと思いました」と井上。中でも絵画の変遷は演劇との共通点を感じたといい「最初はきっと物を正確に描くことがメインだったと思うのですが、『それだけじゃ面白くない』と違う形で表現する発想とか、それをやり始めた人の困難もあっただろうし、それが認められるようになったり、ビュールレのような人が買うことでも発展したでしょうし…。表現にはこんなに選択肢があって、いろんなトライをしてきた人がいるんだって思うとすごく面白いことだなって。演劇との共通点も感じました」。「舞台もそうですけど、生の迫力ってやっぱり違うと思うんですよ。特に油絵なんかは『こんなに絵の具を塗ってるんだ』とか、大きさとか、質感とか、生で見ないとわからないし」(井上)。そんな本物ならではの迫力を味わえる展覧会。音声ガイド(一台 520円/税込)と共にぜひ堪能して!取材・文:中川實穂
2018年02月01日ハンブルク・バレエ団2018年日本公演が間もなく開幕する。1月29日に都内ホテルで行われた開幕記者会見には、ジョン・ノイマイヤー芸術監督とふたりのプリンシパルが登場、日本公演への思いを明かした。ハンブルク・バレエ団 チケット情報「あまり長くならないように、と言われています(笑)」と冒頭から穏やかな笑顔のノイマイヤー。「初来日(1986年)のずっと前から、私は日本に大きな影響を受け、ここではいつも特別な時間を過ごします。今回は私たちの、もっとも人気の高い作品を持って来ました。偶然にもひとつは女性が主役、もうひとつは男性のバレエです」と、自作について語り出した。公演期間前半に上演される『椿姫』は、世界各地の劇場で上演されている傑作だが、「どの公演も一度きり、ということを大切に演じてもらいたい。ここにいるアレクサンドル・トルーシュは、今回初めてアルマンを踊ります。パートナーはアリーナ・コジョカル。新たな組み合わせで見るということは、再発見ができるということ。彼らのリハーサルを見て、新たに気づいたり、新しい色付けをしたりしています」。もうひとつの『ニジンスキー』は、ノイマイヤーが「20世紀でもっとも重要なアーティストではないか」と信奉する天才ダンサー、振付家のヴァスラフ・ニジンスキーを題材としたバレエだけに、「話し始めたら朝までかかりますよ」とジョークを放つ。ニジンスキーという人物を描くバレエではあるが、「ドキュメンタリーではありません。彼の劇的な人生の断片を取り上げ、彼がいかに深い思いを持つ人間であったかということを表現したいのです」という。この日登壇したプリンシパルのひとり、アレクサンドル・リアブコは、2000年の初演時からニジンスキー役を踊っているが、「毎回、困難をともない、達成できるかどうか不安になる。全く他では体験したことのない特別な作品。皆さんの前で踊ることができて幸せです」と笑顔を見せる。一方のトルーシュは、「『椿姫』を最初に観たのは12~13歳の時。多分彼(リアブコ)が踊った舞台ですが、その時からこの役を踊ることを夢見ていました」と振り返る。『ニジンスキー』についても、「いろんな側面を持つ人物を表現できるのは、アーティストとして幸せなこと」と語った。期間中にはガラ公演『ジョン・ノイマイヤーの世界』も予定されている。ハンブルクの才能豊かなダンサーたちが総動員で紡ぐ、奇跡の舞台との呼び声も高い。公演は2月2日(金)から12日(月・祝)、東京文化会館にて開催。2月17日(土)にはロームシアター京都にて『ジョン・ノイマイヤーの世界』公演も。チケットは発売中。取材・文:加藤智子
2018年01月31日滝千春が、大好きなプロコフィエフの作品で、デビュー10周年記念リサイタルを行う。滝千春(vl) チケット情報「語り掛けてくる旋律、独創的で誰も思いつかない音楽の展開がとても好き。彼が作るリズムも、私に合っているみたいです」作曲家に向き合うとき、多くの場合は意識して心がけることがあるという滝だが、プロコフィエフに関してはそんな努力を必要とせず、「唯一意識することがあるとすれば、どう弾けば自分が楽しいか、聴く人に楽しく聴こえるか」だと話す。「高校2年生で初めてソナタ第2番に取り組んだときから、自然で何の無理も感じませんでした。近代ロシアの作曲家に親しみを感じることが多いようです。スターリン体制下で思い通りの活動ができない葛藤のなか生まれた、美しいだけでない音楽に共感するのかもしれません」今回は原曲がヴァイオリンの作品と、バレエ音楽の編曲ものなどを取り上げる。「まず、ヴァイオリニストだからこそ表現できるプロコフィエフの魅力を伝える意味で、ふたつのヴァイオリンソナタは欠かせません。加えて、彼が大切にしていた物語というものが存分に表現できる作品を取り上げます。彼は自ら短編小説も書いていて、例えば『ピーターと狼』はそれを音楽に置き換えて表現したものだと思います。ユーモアもあり、小さな作品の中に彼の想いが詰まっていると感じるのです。ピーターのテーマは有名ですし、聴いていて心がウキウキする、楽しい場面をリサイタルの中に盛り込みたいと思いました」物語を創作するような感性の持ち主だったプロコフィエフ。それだけに、「シンデレラ」や「ロミオとジュリエット」というバレエ音楽においても「登場人物のキャラクターを際立たせる旋律を創ることが上手。それにより物語に立体感が生まれる」と滝は話す。共演は、高校時代の同級生でモスクワ音楽院で学んだピアニストの沼沢淑音。「3年間ともに学んだ仲間ですが、卒業後、実は一度も会っていないんです。その後のご活躍は見聞きしているので、共演が楽しみ。お互い遠慮も妥協もない音楽づくりができるのではないかと期待しています」デビューからの10年を振り返ると、自身の中に多くの変化があった。「自分がどこまでこの楽器を弾きこなせるようになるのか、先生を変える経験も経て、上手になりたいという想いで走り続けた10年でした。そんな中、ヴァイオリンを弾くことでその先に何があるのかを考えるようになりました。東日本大震災が起きたこと、ベルリンで難民支援活動に参加した体験などを経て、考えが変化していきました。今は個性あるヴァイオリニストとして存在を確かなものにしたいと同時に、社会のために何かができる人間でありたいと思っています」公演は東京・紀尾井ホールにて3月8日(木)19:00開演。チケットは発売中。取材・文:高坂はる香
2018年01月31日美輪明宏の春の舞台公演に、4年ぶりとなる『愛の讃歌~エディット・ピアフ物語~』の上演が決まった。世界的シャンソン歌手ピアフの一生を描くこの舞台は、美輪が自ら作・演出・美術・衣裳・主演を手がけて作り上げてきたものだ。ピアフの生き方に、そしてピアフの歌に、どんな思いを込めるのか。美輪の慈愛が見えてくる。2018美輪明宏版「愛の讃歌~エディット・ピアフ物語~」チケット情報美輪が描くエディット・ピアフの物語は、劇中で歌われる「愛の讃歌」にその魅力が表れている。2014年の朝ドラ『花子とアン』で流れ、紅白歌合戦でも歌われた、美輪の訳詞によるあの歌だ。「エディット自身が作詞した原詞に書かれているのは、“恋”ではなく“愛”です。その違いは、恋は自分本位で、愛は相手本位であるということです。『あなたのためなら命がなくなったって平気よ』という無私の精神で人を愛することを歌っているのが、『愛の讃歌』なのです。そして、そんな詞が書けたのは、エディット自身がそのように人を愛し、愛されたからだと思います。エディットを通して、人を愛するとはこういうことなのだと、両手でしっかりと受け止めていただけたらと思っています」。美輪版が、ピアフを最後に支えたテオ・サラポという人物に強く光を当てているのはそのためだ。20歳下の男性との互いを与え合うような純粋な愛は、きっと、心救われる思いになるはずである。「水に流して」という歌にも、ピアフの生き方は表れる。貧しい生まれから一躍才能を認められ、幾度も奈落に突き落とされながらも自分を高める努力をして這い上がっていった彼女が、良かったことも悪かったこともすべて水に流して再出発しようと歌うその力強さは、大いに励みとなる。「地獄を見た人は強いわけです。それでも今ここに存在しているということは、生きる力があったという証拠なのです。それは私自身にも言えることです。上京して音楽を始めたものの家が破産してホームレスになったり、『ヨイトマケの唄』で素顔で歌えば商品価値がなくなったと干されたり、死にものぐるいでここまできました。だから、エディットの心象風景が手に取るようにわかります」。美輪が演じるピアフが鬼気迫るのは当然なのである。テオ・サラポに木村彰吾、妹シモーヌにYOUと、前回に続くキャストも揃う。「デジタルにシフトしているこの時代、精神は安らぎを求めています。この『愛の讃歌』がみなさんの心の栄養になればと思っています」とよりよきものを目指す。人が、世界が、混迷を続けている今、愛とは何か、生きるとはどういうことか、美輪ピアフは全身で訴える。公演は3月31日(土)から4月15日(日)まで、東京・新国立劇場 中劇場、4月20日(金)愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホールにて。取材・文:大内弓子
2018年01月31日2001年に日本初演の幕が開き、今回で7度目の上演を数える大ヒットミュージカル『ジキル&ハイド』。その製作発表が1月25日、都内某所で開かれ、主演の石丸幹二ほか計22名のキャストと、演出の山田和也が登壇した。ミュージカル『ジキル&ハイド』チケット情報約200名の一般オーディエンスも見守る中、まずはカンパニーキャスト18名が登場。ミュージカルナンバー「嘘の仮面」が披露されると、会場は一気にダイナミズム溢れる『ジキル&ハイド』の世界に。続いて演出の山田、石丸のほか、メインキャストの笹本玲奈、宮澤エマ、田代万里生、畠中洋、花王おさむ、福井貴一が壇上に現れ、それぞれ舞台にかける抱負を語った。初演から演出を手がける山田は、本作について「やっぱり面白い」と切り出し、「人間のネガティブな部分がとてもドラマティックに描かれた作品です。しかもフランク・ワイルドホーンさんの実に見事で、魅力的な音楽が、作品全体を妖しく、セクシーなものにしている」とその魅力を分析する。今回で3度目のジキルとハイド役に挑む石丸は、「個人的にハイドを演じることが快感になってきました」と笑い、「まだまだいろんなところで工夫出来ると思っていて。ぺろっと剥がれた時にハイドが出てくるような、そんなジキルを今回はつくっていきたいです」と、新たな試みに意欲を燃やした。2012年、2016年とエマを演じてきた笹本は、今回娼婦のルーシー役に初挑戦するということで、「いつかやりたいとずっと思っていた役なので、今回お話をいただいた時は舞い上がってしまって、エマをやっていた自分のことはすっかり忘れました!」ときっぱり。出産を経ての約1年ぶりのミュージカル復帰作で、いかなるルーシーを見せてくれるのか。期待は高まる。またこてこての関西弁とそのマイペースぶりで笑いを誘ったのは、宮澤演じるエマの父、ダンヴァース・カルー卿役の福井貴一。劇中の好きなナンバーを聞かれた福井は、「まだ聞いたことないんやけど、これはええ歌詞やなと。あれなんて曲?」と石丸に質問。「『知りたい』。これから歌うから聞いてください」と石丸が返すと、「あっ、このあと歌うの?結構いい振りになったんちゃう?」と笑い、ドッと会場を沸かせた。その流れでまずはルーシーのソロナンバー「あんなひとが」を笹本が熱唱。さらに福井イチ押しの「知りたい」を石丸が圧巻の歌声で披露すると、会場は大きな拍手に包まれ、オーディエンスの中には目頭をおさえる者までいた。ミュージカル『ジキル&ハイド』は3月3日(土)から18日(日)まで東京・東京国際フォーラム ホールCにて上演。また3月24日(土)・25日(日)愛知・愛知県芸術劇場 大ホール、3月30日(金)から4月1日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。チケットは現在発売中。取材・文:野上瑠美子
2018年01月31日シンガーソングライターのLOVEが主催する毎春恒例のイベント“今日ここにいるという事”のプレイベントが、1月16日に東京・南青山MANDALAにて開催された。【チケット情報はこちら】2012年に始まった通称“今日ここライブ”は、ライブの収益の一部と募金で福島県相馬市の小学校に文房具を毎年贈り、最初の子どもたちが小学6年生になった昨年、一区切りを迎えた。7年目の今年は、4月に相馬市で初開催。ライブ、ワークショップ、マーケット、フードが一度に楽しめる大きなイベントになる。恒例のOP曲『一年生になったら』からイベントはスタート。昨年11月に上京したばかりの大阪出身シンガーソングライター番匠谷紗衣が、LOVEと元気よくセッションし会場を沸かせた。番匠谷のソロステージは、かわいらしいルックスからは想像できない力強い演奏と歌で魅了。人の背中を押したいと思って作った『春風』などを披露し、オープニングアクトを見事に務めた。このイベントから生まれた『今日ここにいるという事』などを歌ったLOVEは、渡辺俊美(TOKYO No.1 SOUL SET/猪苗代湖ズ)を迎え入れ、トーク&セッション。福島第一原発から数キロの双葉郡富岡町出身の渡辺は、現在の福島の状況を説明し、仮設住宅での交流から生まれたエピソードを紹介。「シリアスになりがちだけど、こうやって色んな話をできることがいいこと」と言い、LOVEも「俊美さんの言葉で語られる福島のことを、このライブで共有したかった」と語った。LOVEと渡辺は、THE BLUE HEARTSの『青空』などをセッション。“故郷に帰ったらやること”を即興で歌う曲「予定」ではお客さんをステージに招き入れ、温もりあるステージになった。渡辺のソロステージでは、「おじいさんに感情が入ってないと言われて2度歌った(笑)」という忌野清志郎『500マイル』などを歌った。トリを務めたLOVEは、震災後、半年経ったときに感じた悔しさを歌にした『YES YES YES』や、明るい未来へのたくさんの願いを込めた『74億分の1の願い事』などを披露。また、アメリカの大学の研究で200年ぶりに発見された新しい“青”が色褪せないという特徴を見つけたLOVEは、この青を使った塗料の開発を進めていることを告白。「この塗料を使って絵を描いたら、放射能がなくなる頃にも同じ青」と語り、新曲『SOMA BLUE』でこの青が世界へ届けと歌った。最後はLOVEと番匠谷が渡辺を挟んで、猪苗代湖ズ『I love you & I need you ふくしま』をセッション。大盛況のイベントは幕を閉じた。“LOVEの「今日ここライブ」が相馬に行くという事”は4月28日(土)スポーツアリーナそうまにて開催。LOVE、渡辺俊美をはじめ、coba、音速ライン、スティーヴ エトウらが出演。チケットは発売中。さらに春から東名阪ツアーも実施。3月7日(水)には初のベスト盤『Love rises...2007-2018』をリリース。『SOMA BLUE』『Time Flies』新曲2曲を含む27曲入り。
2018年01月31日レズビアンの主人公とゲイの父親の別れと再生を描き、ブロードウェイで絶賛を浴びたミュージカル『FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』が、2月7日(水)に日本初演を迎える。ミュージカル『FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』チケット情報本作は2013年にオフ・ブロードウェイで初演され、2015年にブロードウェイに進出、同年のトニー賞では5部門を受賞(作品賞、脚本賞、作曲賞、主演男優賞、演出賞)した傑作ミュージカル。今作が日本初演となり、小川絵梨子が初めてミュージカルの演出を手掛ける。主人公・アリソンは現在を瀬奈じゅん、大学時代を大原櫻子、幼少期を笠井日向・龍杏美(Wキャスト)の3人で演じ、父ブルースを吉原光夫、母ヘレンを紺野まひる、ベビーシッター兼庭師のロイを上口耕平、アリソンの大学の友人で恋人のジョーンを横田美紀、弟クリスチャンを楢原嵩琉・若林大空、弟ジョンを阿部稜平・大河原爽介(それぞれWキャスト)が演じる。その稽古場に潜入した。最初に登場するのは、漫画家となった現在のアリソン。父が亡くなった年齢(43歳)に差し掛かった彼女は、自ら命を絶った父と自分、そして家族のことを描き始める。そこに現れる、子供時代のしあわせな家族の姿。“調和が取れていてとてもおだやか”な光景に、現代のアリソンはジッと目を凝らす。時の経過によって変色した記憶の断片を見つめなおすために――。幼少期~学生時代の記憶を、現代のアリソンと共に追体験していく本作。けれどただ再現シーンをつなげていくのではなく、そこには案内人(現代のアリソン)がいて、例えば思わず微笑む家族の団欒シーンも、ふと現代のアリソンに目を向けると観客とは違う顔で見つめている。その表情は別の予感を漂わせ、観客の心をざわつかせ、後の衝撃につながっていくのだ。記憶が明らかになるほど「よくある」とは言い難くなっていく物語にグッと引き込んでくれるのは、瀬奈や吉原、大原、紺野、上口、横田と実力派揃いの俳優陣。ひとつの楽曲の中でもグラグラ上下する想いを繊細に表現する歌唱に加え、歌も台詞もない芝居に心を震わされる瞬間も度々あった。また、子供時代のアリソンをはじめ子役たちののびのびとした演技も魅力。稽古前に大人のキャスト達と楽しそうに遊ぶ姿を見かけたが、その関係性が芝居から伝わってくるようだ。作家アリソン・ベクダルによる自伝的グラフィックノベルをもとにした本作。セクシャルマイノリティの父と娘の物語であるが、“理想的な父親”が最後にみせる姿に、誰かを“思い遣る”ということについて、強く問いかけられたように感じた。舞台は2月7日(水)から26日(月)まで東京・日比谷のシアタークリエにて上演。その後、兵庫、愛知を巡演。稽古場映像は左記リンクからご覧いただけます。取材・文:中川實穂
2018年01月30日中村勘九郎、中村七之助兄弟らによる全国巡業公演が今年も開催される。「春暁特別公演2018」と銘打ち、3月中旬の埼玉を皮切りに全国12か所を巡るふたりに、話を聞いた。春暁特別公演2018 チケット情報普段、歌舞伎の舞台を生で観ることができない全国の人たちに、歌舞伎の楽しさを届けたい、と2005年より毎年開催、兄弟ふたりが中心になってのこの巡業は、「最初の頃は不安でした。が、継続は力なり。この公演を見て歌舞伎を好きになったという方が多く、やってきて良かったなと思います」と話す勘九郎。上演演目も、初めて歌舞伎を観る人も存分に楽しめるものをと工夫を重ねてきた。今回、勘九郎が演じる「浦島」は、かの昔話の主人公の後日談。「海から戻ってきた浦島が、竜宮城での思い出を踊りで見せます。その後玉手箱を開けたらどうなるか──、皆知っていることですが(笑)、これが意外と古風な早変わりで、楽しく観ていただけると思います」(勘九郎)。いっぽう、七之助が踊るのは華やかさに満ち満ちた「枕獅子」。「『鏡獅子』の元となったとても古風な踊りです。僕が演じるのは傾城で、その切ない女心を格式高い曲調で踊ります。『鏡獅子』よりもさらに華やかなところもあり、春にぴったりですね」(七之助)。中村屋門弟らによる「鶴亀」も、春にふさわしい、おめでたい雰囲気に溢れた舞踊だ。この巡業公演ならではのお楽しみ、「芸談」の時間も。「芝居のことも、プライベートのこともざっくばらんに話すトークショーです」と勘九郎。この時間はいつもスーツ姿での登場だが──「いまだに『おおーっ!』と声があがる。あれは絶対、『着物じゃない?スーツだ!』『普通の人だ!』ということでしょう(笑)。生で観る歌舞伎は初めてという人は?と聞くと、半分以上の方が手を上げられる。まだまだ、ですね」と七之助も言葉に力を込める。質疑応答のコーナーでは、「どんなニックネームで呼べばいいか」という斬新な質問も。「屋号以外で?じゃあ何か考えてください、と返すと、『カン』と『シチ』って(笑)──」と七之助。「そんな掛け合いもできるんです」と勘九郎も楽しげだ。都市によってシャイだったり積極的だったりとか客席の雰囲気は様々だが、客席との直接の交流が生まれるかけがえのない時間といえるだろう。2019年の大河ドラマ主演を控える勘九郎だが、これを逃すと勘九郎の生の舞台はしばらくお預けとなるだけに、兄弟揃っての公演は見逃せない。公演は3月17日(土)さいたま市文化センター 大ホールから4月5日(木)鎌倉芸術館 大ホールまで全12か所で開催、チケットは発売中。取材・文加藤智子
2018年01月30日韓国の男性ダンスボーカルグループ・EXO(エクソ)が1月27日と28日、埼玉・さいたまスーパーアリーナにて、4度目となるワールドツアーの日本公演「EXO PLANET #4 -The ElyXiOn- in JAPAN」を開催、2日間で6万人を熱狂させた。【チケット情報はコチラ】ツアータイトルの「ElyXiOn」(エリシオン)は、ギリシア神話に出てくる「Elysion(エリュシオン)」をもじったもの。リーダーのスホは「エリシオンとは“パラダイス”、日本語で“楽園”という意味。言葉通り、ここは皆さんと僕たちの楽園です。そして、皆さんは、この楽園の証人です」と説く。ディオは「この公演の証人として最後まで楽しんでください」と呼びかけ、3時間に渡って、EXOの描く“理想郷”を演じて見せた。同公演のポイントは、「ステージの雰囲気、曲、映像を含め、公演全体の流れがリンクしているところ」(シウミン)だという。韓国アルバム『THE WAR』収録曲『前夜(The Eve)』で幕を開けたステージは、この言葉通り、「扉」をモチーフに映像とリアルなステージを融合させながら、群舞、ソロステージなど多彩に展開、オーディエンスをEXOだけがもつ神秘的な世界観に引き込んでいく。大胆なアレンジを効かせたヒット曲『Growl』や『Power』、そして、今月31日発売の日本初アルバム『COUNT DOWN』収録のリード曲『Electric Kiss』と「EXO-L(EXOのファン)に伝えたい気持ち」(ベクヒョン)という温かいミディアムバラード『Cosmic Railway』も初披露、お楽しみのEDMパーティータイムでは最高潮の盛り上がりをみせた。目まぐるしく展開する舞台、その中でも注目は、クラシカルなジャズバーのセットでのパフォーマンスだ。スリーピースを着こなしたメンバーたちが、ダンサーたちとともに展開するステージはまるで一編のミュージカルを見ているようなワクワク感をくれる。フォーメーションダンスよりももっと、メンバー同士が絡んで――ディオの頭をぐりぐりと触ってみたり、バックハグをしたり――より自由に楽しみながら、ヒット曲や珠玉のバラードを聞かせてくれた。日本初アルバムのリリースもあり、今後も日本での活動に期待がかかるEXO。チャンヨルは勉強中だという日本語で終始ファンとコミュニケーションを取り、最後も「僕は今、体の中の力が全然ありません。エネルギーを全部爆発しました!」とやりきった表情でにっこり指ハート。そしてメンバー口々に何度もファンに感謝を述べつつ、「僕たちを見つめる皆さんの姿が幸せそうで、すごく楽しそうで、感動して温かい気持ちになります。もっと皆さんを幸せにしたいです。皆さんは僕のすべてです」(シウミン)、「皆さんの幸せな顔を見て、力をもらっています。これからもたくんさん会って、もっともっと仲良くなりましょう!」(ベクヒョン)と、日本での活動に期待を寄せた。日本ツアーはこの後、2月23日(金)・24日(土)大阪・京セラドーム大阪でも開催。
2018年01月29日