チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (147/342)
魅せる音楽集団“ブラスト!”とディズニー音楽がコラボした「ブラスト!:ミュージック・オブ・ディズニー」の東京公演が、8月15日に開幕。ステージ上では次から次へと興奮と感動のパフォーマンスが展開され、会場を埋め尽くした観客を熱狂させた。ブラスト!:ミュージック・オブ・ディズニー チケット情報昨年、世界初演として「ブラスト!:ミュージック・オブ・ディズニー」を日本で上演。ブラスト!とディズニーの両方のファンを興奮させた同公演がさらにブラッシュアップし、今年は47都道府県をもれなく巡る全国ツアーを開催中。7月9日に山形公演からスタートし、東京公演はちょうど折り返し地点となる。昨年から大きくグレードアップしたのは、楽曲を魅せる演出。ブラスト!の特色であるホーンやドラムをメインにした楽曲アレンジや、フラッグやサーベルなどを華麗に披露するビジュアル・アンサンブルはもちろんだが、そこにディズニーらしいファンタジーやサプライズの要素が満載だった。石川直をはじめとするパーカッショニストたちの高速ドラムや息の合ったパフォーマンスは、観るたびに驚きが増していくが、「リフレクション」(ムーラン)で本庄千穂が披露したバトンは魔法のよう。命を与えられたように彼女の周りをくるくるとバトンが動くと、観客から大きなため息がもれた。さらに、担当楽器のみならず、様々な楽器を演奏するのもブラスト!の見どころのひとつ。今回は個々が実に多岐にわたる楽器にチャレンジ。しかも演奏だけでなく、全身を使ったパフォーマンスも披露し、パフォーマーを超えて個々がエンターテイナーであるようだった。パフォーマーのステージを盛り上げる鮮やかな映像も見どころだ。今回、日本人キャストは過去最多の5名が参加。和田拓也(ビジュアル・アンサンブル)、米所裕夢(トランペット)に加え、藤井麻由(ビジュアル・アンサンブル/バトン)が加入。そして、この日の東京公演の初日のみ、スペシャルゲストとしてもうひとり日本人キャストが出演した。「アンダー・ザ・シー」(リトル・マーメイド)のトロピカルなサウンドから会場が明るくなると、応援サポーターの島崎遥香がアルトサックスを持って登場。ブラスト!のメンバーとともに笑顔で演奏し、観客を沸かせた。「ミッキーマウス・マーチ」でも再び登場し、一夜限りの演奏を披露した。「ブラスト!:ミュージック・オブ・ディズニー」の東京公演は、8月30日(水)まで東急シアターオーブにて上演。その後は、関西・九州など日本の西を回り、9月30日(土)・10月1日(日)沖縄公演で締めくくる。チケット発売中。取材・文:門 宏
2017年08月16日9月24日(日)神奈川・横浜アリーナで開催されるK-POPライブイベント「10th Anniversary KMF2017」に日韓友情出演枠として、日本人アーティストの出演が決定した。【チケット情報はこちら】出演が決まったのは、PINK CRES.、アップアップガールズ(仮)、チャオベッラチンクエッティの3組。チケットの一般発売に先がけて、先行先着プリセールを8月21日(月)23:59まで受付中。■日韓GFSC Charity Campaign10th Anniversary KMF2017(10th Korean Music Festival)日時: 9月24日(日) 横浜アリーナ(神奈川県)【1部】開場 13:00 / 開演 14:00【2部】開場 18:00 / 開演 19:00出演:[日韓友情枠]PINK CRES. / アップアップガールズ(仮) / チャオベッラチンクエッティ/ CLC[その他出演]VIXX / NCT 127 / NCT DREAM / PENTAGON / TOPSECRET
2017年08月16日当代(二代目)中村吉右衛門が、祖父で養父でもある初代吉右衛門の功績を讃え、その芸を継承すべく始まった“秀山祭”が、今年も開かれる。12年目、10回目の記念すべき公演に先立ち、吉右衛門の取材会が行われた。秀山祭九月大歌舞伎 チケット情報今年の秀山祭九月大歌舞伎では、『極付幡随長兵衛』幡随長兵衛と『ひらかな盛衰記』船頭松右衛門実は樋口次郎兼光を演じる吉右衛門。どちらも先代が演じて大当りし、当代の初舞台とも関わりのある演目だ。『極付幡随長兵衛』を「黙阿弥の名作で、初代の長兵衛を相手に私が長松で初舞台を勤めた演目でもあります。初代が私を見下ろして涙を流す子別れの場面では、本当に涙と唾がかかってきたのを覚えています」と振り返る吉右衛門。『逆櫓』については「木曽義仲の四天王のひとりである樋口が漁師に化け、逆櫓をネタに義経を船に乗せて討とうとする奇想天外な話。実はこちらも初代の樋口で私が槌松を演じて初舞台を踏む予定でしたが、顔(化粧)をすると泣き出すのでとりやめになりまして。初舞台としてふたつの芝居に出るのも珍しいですが、それをやめさせられた役者は前代未聞」と笑いつつ、「子供だったので覚えてはおりませんけれども、『逆櫓』に必要な、世話と時代、漁師と侍の使い分けが、初代は素晴らしかっただろうと思います。その芸を伝えていけたら」と意気込んだ。また、初代と当代の当たり役である『彦山権現誓助剱 毛谷村』六助と、当代が松貫四の名で書き下ろし、二役早替りで演じた『再桜遇清水』清玄と浪平には、染五郎が挑む。初代の芸風を「江戸っ子で、でも体には上方の血が入っており、それらが混じり合って醸し出す役なり役者なりの雰囲気が、お客様にとって心地よく、受けたのではないかと思います。そしてそこには江戸の香りがありました」と分析する吉右衛門。「伝統歌舞伎の使命は、江戸の文化を伝えること」とも語るが、そうした江戸の香りは、若い世代はどう伝承し得るだろうか?「私が若いころにはまだ江戸の匂いをもつ役者さんがいましたから、そういう方達を見て学ぼうとしてきましたし、着物が似合うようにと何年間か着物だけで過ごしたこともあります。今はそうしたものが失われつつありますが、どんな世の中になっても、稽古は一生懸命やって、先人から教わり、人の芝居をよく見て、(出演する芝居の)番数も多くこなすことが大切。演出家がいない歌舞伎では、自分の引き出しから色々なものを出しながら、主役を見て合わせます。芝居をたくさん観たり経験したりしていないと、立ち位置がわからず、全体の構図が崩れてしまいます」。その言葉からは、現代劇とは異なる手法と美学でもって育まれてきた歌舞伎の奥深さもうかがえる。「名優だった初代の型や演出の優れたところをお伝えするため、私は命を懸けてきましたし、これから先もそうしていきたい。それが私の天命だと思っております」と吉右衛門は言う。先人の芸を継承し、次世代へと繋ぐ秀山祭の開幕はまもなくだ。取材・文:高橋彩子
2017年08月16日8月17日(木)に初日を迎える『幽劇』主演のダイに挑む橘ケンチを直撃!果たして、痛快スタイリッシュ“ゴースト”ギャングエンターテイメントとは?舞台『幽劇』チケット情報「描かれているのは人間ドラマで、それぞれが抱える物語がクロスオーバーしてひとつの結末に辿り着きます。アクションもあってエネルギーあふれる作品なので、僕らの乱れ散る姿を観てほしいです」初の殺陣にも挑戦している。「刀をしっかり持って演じることは初めてですが、スタイリッシュな動きを意識しています。でも全員がかっこよく戦うのではなく役に沿った殺陣なので、そういった細かいところまで観てほしいです」また、役作りについても、「舞台は客席の方が観たいところを観るものなのでどこから観られてもいいように、今回、ダイとしての立ち姿や歩き方、その場の居方みたいなものをテーマにしています。なぜ、そう在るのか?を考えることがダイを創ることになると思うから。僕自身がダンサーでパフォーマーでもあるので身体表現から入っていくのがあっているんです」と明かした。ダイは4人のギャングのリーダーで仲間を思い、その背中を押す存在だ。メンバーのイクオ(多和田秀弥)、シン(高橋健介)、メツ(田中涼星)について聞いた。「シンは信頼できる参謀的存在で、それがまた健介に似合ってる。メツはボウ(井阪郁巳)という可愛らしい下っ端がいて掛け合いがおもしろくて、でも熱い。イクオはとにかく弾けてます。秀弥は見た目と中身が全然ちがっていて、僕は最近、ますだおかだの岡田さんだと思ってます(笑)」初の共演者たちから大きな刺激を受けている。「桃仙役の荒木宏文くんは役に対する姿勢とか、すべてが役者として在ることに向かっていて、尊敬できる存在です。僕にとって誰かと出会うことがすべて財産で、互いの価値観を深めあい新しいものを生み出すことが喜びだと思っていて、今回もそういった関係を作ることができています。きっと、この舞台を観た方は全員、出演者のファンになってしまうんじゃないかな。それくらい濃くてすてきな空間を届けます」「日本に続き上海でも上演が決まり、海外進出も意識した新たなオリジナルコンテンツの誕生です。まずは初日に向けてギリギリまで煮詰めて、劇場を幽劇色に染めます」と、橘が意気込む本作は、8月17日(木)から23日(水)まで東京・日本青年館ホール 、9月1日(金)から3日(日)まで上海・虹橋芸術中心にて上演。取材・文:おーちようこ
2017年08月16日10月1日(日)北海道・サッポロファクトリーホールを皮切りに、全国6か所でライブイベント「TOWER RECORDS presents Bowline 2017 curated by Bowline &TOWER RECORDS」が開催される。【チケット情報はこちら】同イベントはタワーレコードが毎回1組のアーティストをキュレーターとし、そのアーティストと共同で出演アーティストの選定や企画を行う。今回はキュレーターにBLUE ENCOUNTを迎え、彼らが敬愛するアーティストとの対バン形式で開催。北海道公演にNICO Touches the Walls、宮城公演に東京スカパラダイスオーケストラ、福岡公演にHEY-SMITH、広島公演にヤバイTシャツ屋さん、東京公演にMONOEYES、沖縄公演にキュウソネコカミを迎えて行われる。チケットの一般発売は9月2日(土)午前10時より。なお、一般発売に先がけて、uP!!!先行を実施中。受付は8月20日(日)午後11時59分まで。■TOWER RECORDS presents Bowline 2017 curated by BLUE ENCOUNT &TOWER RECORDS10月1日(日)サッポロファクトリーホール(北海道)w/NICO Touches the Walls10月11日(水)仙台PIT(宮城県)w/東京スカパラダイスオーケストラ10月23日(月)DRUM LOGOS(福岡県)w/HEY-SMITH10月25日(水)BLUE LIVE 広島(広島県)w/ヤバイTシャツ屋さん11月3日(金・祝)新木場STUDIO COAST(東京都)w/MONOEYES11月10日(金)ミュージックタウン音市場(沖縄県)w/キュウソネコカミ
2017年08月15日ゴダイゴが2018年1月27日(土)に大阪・ザ・シンフォニーホールで「billboard classics GODIEGO with premium strings&choir -THE GREAT JOURNEY 2018-」を開催する事が決定した。【チケット情報はこちら】同公演は、ゴダイゴのフルメンバーと、スペシャルストリングス&クワイヤー(合唱)によるライブ。『モンキー・マジック』、『ガンダーラ』、『銀河鉄道999』、『ビューティフル・ネーム』など、名曲の数々をダイナミックなサウンドで届ける。ゴダイゴは1976年にデビュー。多くのヒット曲を発表するも、1985年にインターミッションと銘打ち活動を休止。その後1999年に多くのファンの期待に答えるべく期間限定の再結成。そして2006年のデビュー30週年に恒久的な再始動を宣言。以降精力的に活動している。ビルボードライブ大阪ゴダイゴ公演(8月15日・16日)開催を記念して来年1月27日(土)公演のチケット特別先行予約(抽選受付)を 8月31日(木)23:59まで受付中。■billboard classicsGODIEGO with premium strings&choir -THE GREAT JOURNEY 2018-日時:2018年1月27日(土)開演15:30会場:ザ・シンフォニーホール(大阪府)料金:全席指定8,800円(税込)出演:ゴダイゴ【ストリングス】billboard classics premium strings【クワイヤー】 THE SOULMATICS※特製プログラム付。※未就学児入場不可。※本公演は、開演中の客席へのご入場を制限させていただきます。予めご了承下さい
2017年08月15日the pillowsの山中さわお(g&vo)、noodlesのyoko(vo&g)、Radio Carolineの楠部真也(ds&vo)が2016年に結成したバンド、Casablanca。2ndアルバム『BREAK AN IMAGE』を携えた初のワンマン・ツアーが8月14日東京・高円寺HIGHよりスタートした。【チケット情報はこちら】キャリアの長い3人だが、昨年8月にリリースされた1stアルバム『Another Story』の全9曲がレパートリーのため、その後のライブやARABAKI ROCK FEST.17に登場した際もステージの尺が短く、ワンマンライブは未経験だった。2017年8月14日から会場・通販限定で発売される2ndアルバム『BREAK AN IMAGE』で曲も豊富になり、ようやくワンマン・ツアーが実現。カントリー、ウエスタン、オルタナティヴ、ロックなど、実に多彩な音楽性を、ベースレスの3ピースで繰り広げる彼らのステージは実に軽快でポップ。結成当初はベース不在に若干の音の薄さを感じる瞬間もあったが、ライブを重ねるたびにyokoと山中のギター・アンサンブルが様々な役割を果たす変化が見られ、リード・ボーカルが多いyokoがギターでボトム・パートを支え、自身のバンドよりギタリストの比重が高い山中が変幻自在なリフやリードやカッティングで全体を彩り、楠部のタイトなドラミングがカントリー、ウエスタン感を増幅させる。昨年までリードボーカル曲がなかった楠部は、これまでのステージでビートルズのカバーなど披露していたが、新作でボーカルを務めた『闇に響く歌声』は名曲。3連のロッカバラードで切なさが胸に沁みた。yokoのコケティッシュなボーカルに山中のコーラスが絡むコンビネーションは本作でより深まり、1stの楽曲と共に繰り広げられる音世界は、聴き手の意識を自在にいろんな国の情景に案内してくれる。「めったにないんですけど」と切り出した山中のMCは、the pillowsのライブではお馴染み、イケてないタクシー運転手とのやりとりが披露されたが、今回の山中のコワさは群を抜いていたのか、山中の想定以上に場内がドン引きして慌てるひと幕も(笑)。アンコールに応えてステージを去る山中が「もう曲ないからね」と笑いを誘った通り、結成1年の新バンドが、1st、2nd収録の全曲に加え、PIXIESや同じレーベルのTHE BOHEMIANSのカバーまで盛り込んで、Casablacaの魅力をたっぷり存分に満喫させてくれた一夜だった。ツアーは8月17日(木)愛知・名古屋CLUB UPSET、18日(金)大阪・心斎橋KING COBRAまで続く。アルバムのリード曲『幌馬車の上の三人』のPVも公開されたので要チェックだ。取材・文:浅野保志(ぴあ)
2017年08月15日9月9日(土)・10日(日)に東京・新木場・若洲公園で開催される、ぴあ株式会社の45周年を記念した野外フェス「PIA 45th ANNIVERSARY MUSIC COMPLEX 2017」。同フェスの最終出演者が発表された。【チケット情報はこちら】出演が決定したのは、初日の9月9日(土)にandrop、the brilliant green。2日目の9月10日(日)にBRADIO。チケットは発売中。■PIA 45th ANNIVERSARY MUSIC COMPLEX 2017日時:9月9日(土)・10日(日)開場 9:30 / 開演 11:30会場:新木場・若洲公園(東京都)料金:【1日券】 8,900円 / 【2日通し券】17,000円出演:【9月9日(土)】androp【NEW!!】 / indigo la End / 押尾コータロー / ゴールデンボンバー / 私立恵比寿中学 / BiSH / フジファブリック / the brilliant green【NEW!!】 / ベッド・イン / THE BAWDIES / THE RAMPAGE from EXILE TRIBE【9月10日(日)】ASIAN KUNG-FU GENERATION / KANA-BOON / キュウソネコカミ / クリープハイプ / GRAPEVINE / ゲスの極み乙女。 / DADARAY / TRICERATOPS / パスピエ / BRADIO【NEW!!】 / BLUE ENCOUNT / 森高千里 / WANIMA
2017年08月15日『ライ王のテラス』以来、1年半ぶりの舞台に出演する鈴木亮平。フランス演劇の巨匠、ジロドゥの傑作『トロイ戦争は起こらない』(10月・新国立劇場)で戦争を止めようと奔走するトロイの英雄、エクトールを演じる。【チケット情報はこちら】「トロイの遺跡は世界遺産ですし、好きなジャンル!と思ったのですが、戯曲を読んだら、全く違っていました」と、歴史好きで世界遺産に詳しい鈴木亮平は笑顔で言う。1935年に初演された『トロイ戦争は起こらない』は、ふたつの世界大戦の間に書かれている。作者のジロドゥはフランス外交官でもあり、情報局長にもなった人物だ。「ジロドゥは当時の世界情勢や、もっと普遍的な戦争について、そして人間について書いているんだと思います。古代のスペクタクルな物語として捉えるのではなく、とても現代的なところが新鮮です。戦争とは何か、なぜ人間は戦争を起こしてしまうのか、人間の愚かさや哀しさを描いているのが面白いですね」トロイの王子・エクトールは人望が熱く、歴戦の戦士だが、戦争の無残さを痛感しているからこそ、平和を願っている。「かっこいいというイメージはなくて、とにかく戦争を止めるために必死になっているひとりの男と感じました。古代の英雄をやるんだ!と思ってはいけないなと(笑)。衣裳は現代になるみたいで、ヴィジュアルで伝わることも多いと思います。」物語のクライマックスとなるのが、ギリシャの知将オデュッセウス(谷田歩)との会談シーンだ。「オデュッセウスも戦争はしたくないと思っているのでは。敵同士なのに、とても穏やかに話し合うんです。一対一なら分かり合えるのに、政治が絡むと戦争になってしまうというのは怖いなと思います。ジロドゥは外交官として、こうした交渉の場を経験してきたはずで、そういう人が書いたと思うと、いろいろな読み方ができて、ワクワクします」“交渉”と言えば、来年のNHK大河ドラマ『西郷どん』で鈴木が演じる西郷隆盛は、勝海舟と会談し江戸城無血開城が決まる役どころだ。歴史の大きな流れを作る役が続く。「僕は会談キャラ?(笑)。自分とは全然違いますけど、エクトールが器の大きな人物に見えたら光栄です。でも、まだ全てはこれから。演出の栗山民也さんに身を捧げるつもりで稽古に臨みます。疑問がまだまだあるので、栗山さんにどんどん聞いていきたいです。分からないまま、演じることは出来ないので」。戯曲の奥深くへ分け入ろうとする姿勢が、豊かな人物像へとつながっていく。公演は10月5日(木)から22日(日)まで東京・新国立劇場中劇場、10月26日(木)・27日(金)に兵庫・兵庫県立芸術文化センター阪急中ホールにて上演。チケットは発売中。取材・文:沢 美也子
2017年08月15日モト冬樹主演のヒーローコメディシリーズ第2弾「昆虫戦士コンチュウジャー2~激突!恐怖の戦士、ネオコンチュウジャー!~」が8月12日(土)に東京・全労済ホール/スペース・ゼロにて開幕した。【チケット情報はこちら】本作は、地球の平和を守る正義のヒーロー・昆虫戦士の中にひとりだけ中年男性(モト冬樹)が紛れている……というシュールな設定の新感覚コメディ。第2弾には、シリーズ第1弾に出演のキャラクターたちに加え、コンチュウジャーの新たなライバルとして、伊勢大貴演じる雷モンをリーダーとするネオコンチュウジャーが登場。その他にも、売れないご当地アイドル星亜斗夢(TAKA〈CUBERS〉)や謎の鳥型生物バード貴族(蔵田尚樹)などの個性的な新キャラクターも加わり、シュールな世界観に磨きをかけている。主演のモトは、本作を「色々な要素が入っていて、インド映画のよう」と例えた。「前回公演とは全くテイストも異なるものになった」(モト)と言うと、万里チョウジ役を演じる海老澤健次は「第1弾を見ていなくても、皆が楽しめる作品になっている」とアピール。第1弾の初演時には昆虫戦士のひとり・多安島ハルオを演じ、今回全く異なる役を任された伊勢は、「ネオコンチュウジャーたちがどのようにコンチュウジャーと爬虫類帝国と立ち向かうのか、楽しみにしてほしい」と、1年ぶりの本シリーズ出演について語った。ストーリー、キャラクターはもちろん、平牧仁が作曲を手がけているという楽曲もパワーアップ。その楽曲をメインとしたシーンも設けられているうえ、ヒーローものには欠かせないあるモノが登場する場面も……真相は、劇場で確かめて欲しい。初見の観客向けに、冒頭では前作のおさらいも。回替わりで、ゲストの出演や、アフタートークショー、携帯・スマホで舞台上の撮影ができるというスペシャルカーテンコールが企画されているため、気になる方はぜひチェックして。「何も考えずに素直に楽しめる作品」(海老澤)というMMJプロデュース公演「昆虫戦士コンチュウジャー2~激突!恐怖の戦士、ネオコンチュウジャー!~」は、8月20日(日)まで東京・全労済ホール/スペース・ゼロにて。
2017年08月14日得意とするスペインものを究めてゆく活動に加え、日本の民謡に基づくピアノ曲を広める活動、手紙の朗読とともに音楽を届ける「作曲家のラブレター」公演など、多彩に活躍する熊本マリ。彼女が毎年秋に開催する「熊本マリの夜会」は、トークを交え、趣向を凝らしたプログラムを披露する演奏会で、幅広い音楽ファンの人気を集めている。【チケット情報はこちら】「堅苦しくない気分で楽しんでほしいという思いから、コンサートではなく“夜会”と呼んでいます。テーマ性のある選曲とあわせて、自分の言葉で作品への想いを語ることにより、みなさんに楽しみながら何かを知り、世界観を共有していただけたら」今年取り上げるのは、J.S.バッハ、リスト、サティ、モンポウという、国も作風も異なる4人の小品の数々。「ピアノが語る4人の哲学者」と題し、天才たちが音楽を通して表現した哲学を届ける。熊本は、この作曲家たちをそれぞれどんな“哲学者”と捉えているのだろうか。「まずサティは、一言で言うなら“変人”(笑)。それを人からどう思われようと気にしないところに、彼の魅力があります。また、私にとって常に傍にいるモンポウは、“陽の中の孤独”。リストは“生命力”。人間、音楽家として、周囲に多くの光を与えた人です。彼が自らのルーツをたどったハンガリー狂詩曲には、音楽的な濃さと生命力を特に感じます」そして、ライフワークとして取り組んでいるというバッハ。「作曲家たちにとっての原点であり、聖書といえる存在です。聖書にはメッセージが込められ、何かを気づかせてくれますが、その意味で、バッハはとても“新しい”存在だと思うのです。今年5月に初めてゴルドベルク変奏曲をステージで演奏し、作品の深さを改めて実感しました。今回は、プログラム中、間奏曲風にいくつかの変奏を弾きます。これによって、バッハのすばらしさ、モダンさをより感じていただけるのではないでしょうか」曲順にもかなりのこだわりがある。特に後半のバッハ以降は、「ト長調とト短調の作品を集め、異なる作曲家の作品でありながら一つの組曲のように」感じられる構成とした。「自分でも、実際にこの流れで演奏することでどんな発見があるのか楽しみ。新しい挑戦です」昨年デビュー30周年という節目を迎え、今、「音づくりには永遠にゴールがないことが歓び」だと語る。「年を重ねることによる技術の衰えは避けられないという方もいますが、私はそうは思いません。私自身、どんどん弾けるようになっているという実感がありますから。経験を重ね、時間をかけて練習しているうち、手も身体も変わり、音楽も磨かれてゆきます。これからも演奏によって音楽のメッセージを伝え、人の気持ちを一瞬でも癒すことができれば嬉しいですね」公演は10月20日(金)東京・東京文化会館小ホールにて。チケット発売中。取材・文:高坂はる香
2017年08月14日ミュージカルの金字塔『レ・ミゼラブル』の日本初演30周年記念公演。東京公演は完売の人気公演が、いよいよ大阪に上陸する。原作はヴィクトル・ユゴーの大河小説。19世紀のフランス動乱期を舞台に、当時の社会情勢や民衆の生活を、圧倒的な歌とドラマチックな物語で描き上げた壮大なミュージカルだ。主人公ジャン・バルジャンの生き様を軸に、彼を執拗に追うジャベールの想い、革命に身を投じるマリウスやアンジョルラスら若者たちの情熱や恋が、深く多彩なテーマの中に描かれる。1985年にロンドンで初演、日本では1987年より上演を重ね、2012年には映画版が大ヒット、翌年より新演出版が登場した。15年から2年を経て、今回はフェスティバルホールでの上演。「民衆の歌」など、劇場に響き渡る美しい音楽と圧倒的な歌声に包み込まれるだろう。新たな出演者も加え、主要登場人物はダブル/トリプルキャストで演じる。前回、バルジャンの養女・コゼットと恋に落ちるマリウス役で初参加した海宝直人は続投だ。20代最後の出演となる彼が来阪、作品の素晴らしさと意気込みを語った。ミュージカル「レ・ミゼラブル」チケット情報7歳から劇団四季のミュージカルに出演し、活躍を続けてきた海宝直人。「子役の時からずっと憧れていた大好きな作品。小学生の時から毎回必ず観に行っていた」という、筋金入りの『レ・ミゼ』好きだ。初参加の前回は継続キャストが多く、緊張しながらもマリウスとして初めて大劇場でソロを歌い、その成果は次に大作ミュージカルの主演へとつながった。「マリウスは、ものすごい濃度で凝縮された経験を経て成長していく。その過程や人間としての面白味は、やりながら改めて魅力的な役だと思いました。今回は作品全体を通してパッションを求められる演出で、キャラクターも前回とは違ったアプローチで臨みました。もっと鮮やかで情熱的な感情表現を求められ、男性的でパワフルな自分なりのマリウスを作ろうと。1から作った感覚が大きくて、また新しいマリウスに出会った感じです。コゼットとのラブ・シーンも、リアルな生身の人間同士に描き、いいかっこしたりコミカルだったり、大幅に変わっています。今回はどのシーンも新鮮に楽しんでいただけるんじゃないかな」。30年を経ても愛される『レ・ミゼ』の魅力とは?「いつの時代にも共通する人間の本質を描き出している作品で、普遍的な魅力がありますね。それに、色あせない音楽の素晴らしさ。プロローグの音楽が鳴った瞬間から、物語にガッと引き込まれるエネルギー。特別な何かが宿った作品だなと思います。『レ・ミゼ』は、決して停滞することなく進化し続けるコンセプトで、毎回が最新の演出版。僕ら俳優も、毎回新鮮に全力で臨んでいます!」。なお、メインキャストはすべてダブルもしくはトリプルキャストで、日によって出演者は異なる。公演は、8月1日(火)から26日(土)まで福岡・博多座、9月2日(土)から15日(金)まで大阪・フェスティバルホール、9月25日(月)から10月16日(月)まで愛知・中日劇場にて上演。取材・文:高橋晴代
2017年08月10日9月16日(土)・17日(日)・18日(月・祝)に東京・TOKYO ODAIBA ULTRA PARKで行われる『ULTRA JAPAN 2017』への出演がアナウンスされたばかりのUnderworld。このたび、大阪のみで行われるスペシャルライブが急遽決定!Underworld チケット情報会場はZepp Namba(OSAKA)という約2500キャパの会場で、毎回革新的なプロダクションで会場を熱狂の渦に巻き込むUnderworldのフルスケールのパフォーマンスが体感できる、まさにプレミアムな一夜!スペシャルゲストも後日発表される予定で、そちらにも期待が高まる。公演は、9月15日(金)大阪・Zepp Namba(OSAKA)にて。チケットは8月19日(土)10:00より一般発売開始。一般発売に先駆け、8月11日(金・祝)昼12:00より先行受付開始。
2017年08月10日原田マハの同名短編集を原作とした朗読劇『独立記念日』が8月12日(土)、13日(日)の2日間上演される。高橋未奈美とW主演を務める石川由依に話を聞いた。【チケット情報はこちら】今作は5篇のショートストーリーで構成され、それぞれの話がリンクしていく。悩みや葛藤を抱えた女性たちが自分なりに一歩踏み出そうとする、小さな独立を描く作品だ。石川、高橋に加え、花江夏樹、石川界人、大谷亮介が出演する。「どの作品も自分が経験をしたことがなくても気持ちがわかる気がします。親など近くにいるからこそ難しい関係性や、お互い思い合っているのにそれぞれが不器用だから上手くいかなかったり、素直な気持ちを伝えられなかったり。そのことに、少し離れてから気付いて、そこからまた一歩踏み出すという作品。この作品を見て、久々に家族と連絡をとろうかな、と思ってもらえたら嬉しいです」と石川。今作で石川は複数役を担当。「朗読劇は声だけで人物を表現するので、少しわかりやすくキャラ付けをしています。バーテンダーの女の子は喋り方もカッコつけた感じで、と演出家さんから言われてやっています。一番最初の主人公は元気な子で、コロコロ気持ちが変わって演じていても楽しいです」。朗読劇ならではの魅力について、「アニメの場合、絵の力は大きくて、演じる上でも絵からの情報を見てどういうキャラを作っていくかを考えたりするんですが、朗読劇の場合は自分の想像の中でキャラクターを作っていくしかない。聞いていただくお客様も目から入る情報が少ないので、より想像力を掻き立てたり、自分の想像力で補って作品を完成させていくものなのかな、と思います」と語る。「今回、稽古の仕方が特殊で、立ち稽古のように実際に動いて喋ってやっています。朗読劇より普通の舞台の稽古をしているような感じです。実際の公演では、お互い目を合わせて喋ることはないと思うのですが、稽古では対話になっているところは目を見て会話しながらできているので、すごく面白いですね。その空気感を実際の本番にもっていけたらいいなと思います」と、稽古も順調のよう。また、石川自身が独立したいことを聞くと、「ひとり暮らしをしたいなと思っています。今は実家で暮らしているので、そろそろひとりで全部できるように、家族からの独立ですかね(笑)」と、独り立ちの意志を覗かせた。「自分の中で絡まった糸が解けていくような、そして最後ポンと背中を押してもらえるような作品だと思います。それを私達の声の力も合わせてお届けすることによって、みなさんが『いろいろあるけど明日も頑張ってみようかな』と思っていただけるように、今稽古を頑張っています。ゆったりのんびりした気持ちで観てもらえると思うので、ふらっと立ち寄っていただけたら嬉しいです」。公演は東京・CARATO71で8月12日(土)、13日(日)の2日間、全5公演を上演。チケットは発売中。取材・文:non
2017年08月10日今年デビュー10周年を迎えたシンガーソングライターLOVEが、「LOVE Live 10th Anniversary 360度ライブ vol.4 ~’Pearl’ TRIOの巻~」と題し、トリオバンドによるライブステージで観客を楽しませた。LOVE ライブ情報観客がステージをぐるりと囲む360度ライブは、自分もステージにいるかのように身近で音楽を楽しめる毎年一度の幸せなライブ。今回は、セッションゲストに、ウッドベース真船勝博(EGO-WRAPPIN’)とドラム佐治宣英(FLOWER FLOWER)を迎え、今年4月にリリースしたニューアルバム『Pearl』の楽曲を中心にセッションを繰り広げた。ステージに登場したLOVEは、アコースティックギターを抱え『Stay Gold』を弾き語りで披露。「FUJI ROCKの裏で、“LOVE ROCK”しようぜ!」と叫ぶと、2曲目の『LOVE CONNECTION』へとなだれ込んだ。浜辺の夕日を思わせるオレンジのライトに照らされて、ゲストのふたりも登場。3人が向かい合う状態でセッティングし、アイコンタクトを合図に競演スタート。今回はオリジナルギターのグレッジも多用し、夏を連想される音色にに魅了された。弾き語りでしかやったことがなかったという『Antidote For Life』をブルースバンドのように、そして数々のアーティストがカバーしている名曲『Can’t Take My Eyes Off You』のローリン・ヒル・バージョンはウッドベースのループからスタートし、リズム隊だけのシンプルアレンジにカズーでのアドリブも混ぜながら歌い上げるなど、ルーツミュージックを感じさせながら観客を魅了した。10周年に感謝し久々に演奏するという『過ちのサニー』から、ラストに向かって3人のソロやアドリブを駆使したセッション「Wonderlove」など、観客とのコール&レスポンスで大盛り上がり。ロックンロールチューンの『Osaka On My Mind』に合わせてLOVEの関西弁トークもヒートアップし、会場は爆笑につぐ爆笑となった。本編最後には人々を鼓舞するように『One More Day』を今回ならではのトリオアレンジにして締めくくった。アンコールには観客からお題をもらい、3人で即興ソングを披露。軽快なビートに合わせLOVEが歌ったのはファンク。アドリブにも関わらず、すべての働く人たちへ送る応援ソングとなった。最後は自身がパーソナリティを務めるラジオ番組「LOVE CONNECTION」のエンディングテーマでもある「Drive」をひとりで、アコギのルーパーを途中からアンプに切り替える二重演奏でしっとりと締めくくった。ライブでは、LOVEのデビュー日であり、誕生日でもある来年3月14日(水)に、渋谷WWWにてワンマンライブを開催することを発表。チケット先行受付を実施中。
2017年08月09日昨年の日本版初演が好評を博した韓国生まれのロマンティック・コメディ・ミュージカル『キム・ジョンウク探し~あなたの初恋探します~』がキャスト、タイトルを一新!『Finding Mr.DESTINY』として東京・DDD AOYAMA CROSS THEATERにて開幕した。ミュージカル『Finding Mr.DESTINY』チケット情報仕事を失い、恋人には逃げられてしまった青年ムン・ミニョクが一念発起して始めたのは“初恋探し株式会社”。そこにかつて運命的な出会いを求めて旅したインドで出会った初恋の人を忘れられない女性アン・リタがやってくる。こうして勝気なアラサー女子と一生懸命が空回りしがちな青年の初恋探しが始まるも、調査は難航。それもそのはず、手掛かりはその名前“キム・ジョンウク”だけ。しかもこの“キム・ジョンウク”は、韓国ではありふれた名前の代名詞になるほどよくある名前なのだ。“初恋を探す男”と“初恋の人”の2役を演じるのは、本作がミュージカル初主演の高田翔(ジャニーズJr.)。頼りないがどこか憎めないミニョクを表情豊かに演じたかと思うと、ジョンウクではその低音ボイスでそっとささやき、ヒロインだけでなく客席の女性の心をも射抜いた。持ち前の演技力に加え、細やかな心情を乗せた歌声もショーアップされたダンスもしっかりとミュージカル仕様に。そんな高田の姿は韓国では本作主演がミュージカルスターへの登竜門と言われていることを思い出させた。リタ役には玉置成実。つい強がってしまう甘え下手な等身大の女性は玉置にとっての新境地だろう。初恋から7年、社会にもまれ頑なになってしまったリタに共感し、それでも彼女の中にある変わらない純粋さに心打たれた。公演後に耳にした「気がついたらリタのことを大好きになっていた」という女性客の言葉がすべてを物語っている。本作の目玉、この物語に登場するその他のキャラクター、父親、母親、カフェ店員、インド人ガイド、タクシー運転手など全24役を担うマルチマンには坂元健児。坂元ならではの某シーンでは劇場全体が大いに沸き、エンターテイナーぶりを見せつけた。また、マルチマンというひとりの俳優がさまざまに姿を変えながら恋を進展させる演劇としての面白さにも改めて唸った。演出は初演に引き続き菅野こうめい。ラブ・コメディの楽しさに加え、主人公たちの成長や人生に大切なものを印象づけ、より多面的な魅力にあふれる作品に深化させた。生バンドの演奏も心地よい。東京公演は8月13日(日)まで。8月17日(木)・18日(金)は大阪・ABCホールにて上演。チケット発売中。取材・文 功刀千曉
2017年08月09日宙組トップスター・朝夏(あさか)まなとが、大劇場公演『神々の土地』『クラシカル ビジュー』で宝塚歌劇団を退団する。稽古に励む今、「最後の作品を最高の舞台にしたい、と没頭しています。芝居とレヴュー、それぞれの世界が濃くて切り替えが大変です」と笑顔で語る。宝塚歌劇宙組 チケット情報ミュージカル・プレイ『神々の土地』は、朝夏の主演作『翼ある人びと ―ブラームスとクララ・シューマン―』を手掛けた演出家・上田久美子の書き下ろし。革命の気運が高まるなか、ロマノフ家の一員として王朝を救う道を模索するドミトリー・パブロヴィチ・ロマノフを演じる。「皇族側と民衆側の両方を客観的に見ながら最良の道を考える人物です。行動力があり、機が熟すまで待つ大人の男性。上田先生には『明るくて聡明な中に少し翳りのあるところが持ち味に合うのでは』と仰っていただきました」。彼の国を想う部分が、組を想うトップという立場と自然に重なると言う。またドミトリーに大きく絡む女性がふたりいることも今作の興味深いところ。伶美(れいみ)うらら演じる大公妃イリナと、星風(ほしかぜ)まどか演じる皇女オリガだ。「愛なのか恋なのか家族愛なのか…はっきり言葉にできない深い想いがイリナに対してあり、オリガにも情愛を抱き、それぞれに軽いうわついたものでない愛情があるところが描かれています」と熱い眼差しで語る。レヴューロマン『クラシカル ビジュー』は、宙組らしく宇宙のプロローグから始まる。「夢の扉が開くようなワクワクする音楽とダンスです」。ダンスの名手でもある朝夏に、黒燕尾でのソロのダンスも用意された。「自分の培ってきたものを下級生に継承する意味でも大切な場面ですし、今できるこれ以上ない表現を追究したいです」。2015年のトップ就任以降、『TOP HAT』『王家に捧ぐ歌』などに主演し様々な魅力を見せてきた。「自分自身ここまで来れると思っていなかった。支えてくれた周りの方々のおかげです。毎公演大きな壁を乗り越える感じでしたが、とても充実していました」。次期宙組トップスターの真風涼帆(まかぜ・すずほ)にも、「彼女がいてくれて作品の幅なども広がり、すごく感謝しています」と言葉を紡ぐ。「今の宙組は一人一人の意識が高く、いい意味でリラックスしていると思う」。そんな宙組での毎日が満たされているからこそ、退団後のことは全く考えが及ばないと明るく言い切る。「今はただ、宝塚で得たものを最後の舞台で表現し尽くしたいという想いです」。公演は兵庫・宝塚大劇場にて8月18日(金)から9月25日(月)まで。チケット発売中。東京宝塚劇場公演は10月13日(金)から11月19日(日)まで。9月10日(日)より一般発売が開始される。取材・文:小野寺亜紀
2017年08月08日町田慎吾主演の戦国御伽絵巻『ヒデヨシ』が8月5日に開幕。それにさきがけ、公開ゲネプロが行われた。戦国御伽絵巻『ヒデヨシ』チケット情報本作は、2016年に上演された「『ソロリ』~妖刀村正の巻~」に続く「戦国御伽絵巻」シリーズ第2弾。戦によってつくられた「表」の歴史ではなく、その「裏」で生きた市井の人々の物語を描くために始まったシリーズで、今回も心情やドラマにこだわったオリジナル脚本で上演される。演出は大岩美智子(劇団ジュークスペース)、脚本は佐々木充郭(バジリコ・F・バジオ)。今作の主人公となるのは、町田慎吾演じる木下秀吉(ヒデヨシ)。前作にも登場した彼は、「人を殺したくない」という強い信念を持ち、刀ではなく“ホラ”を武器に戦っていく人物。信長の天下統一の先に平和な世があると信じ、軍師・竹中半兵衛(藤原祐規)と共に戦を起こさずに物事を解決に導いていくヒデヨシが、「戦の天才」と呼ばれる明智光秀(平野良)と対立しながらも、自らの信念を貫こうと奮闘する姿を描く。物語のベースとなるのは、織田信長と豊臣秀吉と明智光秀…この3人が巻き起こす、教科書でもおなじみの「表」の歴史。史実とシンクロしながら、その裏で、なぜヒデヨシはそのキャラクターとは無縁にも思える“天下”を目指すことにしたのか、なぜ明智は「本能寺の変」を起こしたのか、市井の人々はそのとき何を思ったのかなどを、徳川家康(鍛治本大樹)やオリジナルキャラクター・シャチ(佐藤永典)らも交えた独自のストーリーで展開する。“殺陣中心ではなく物語中心”にこだわり、個性豊かな俳優陣がこの作品ならではの人物像をつくりあげた本作。だからこそ刀の存在が印象的な舞台となっているように思う。幼いときからどう育てられてきたのかを太刀捌きに滲ませた光秀、躊躇なく人を殺める太刀筋の美しさが悲しさを引き立たせるシャチ、そして腰に差した刀を抜こうとしないヒデヨシと、その側でヒデヨシの想いを尊重する半兵衛……。時代劇には必須ともいえる殺陣で、これほどまでに斬られる痛みや斬る重みを感じさせられることは少ないはずだ。物語の始まりでは「この状況からどうやって“本能寺の変”に辿り着くのか」と思うはず。そんな中で、やさしいヒデヨシがなぜ天下を求めたのか、果たして刀は抜かれるのか、野心も陰謀も渦巻く戦乱の世で平和を愛した男の物語をぜひ劇場で目撃してほしい。戦国御伽絵巻『ヒデヨシ』は、8月13日(日)まで東京・紀伊國屋ホールにて上演。取材・文:中川實穗
2017年08月08日新感覚エンターテインメントショー『FUERZA BRUTA(フエルサブルータ)』が、遂に今月1日幕を開け、公演前にはレッドカーペットイベントが開催された。【チケット情報はこちら】『FUERZA BRUTA』は、NYでの約10年間に及ぶロングランを始め、世界30の国と地域で500万人以上を魅了している南米アルゼンチン発の新しい“体験型”エンターテインメントショー。ビヨンセやレオナルド・ディカプリオ、ペネロペ・クルスら錚々たるセレブ達も体験し、人気はさらに加速した。世界初演となる今回の最新作は、日本にインスパイアをされて作られており、タイトルの「WA !」には「和風」、「調和」、「平和」、「輪」、「驚きのWA!」と様々な意味が込められている。そんな世界初披露の「WA!」開幕前のレッドカーペットに現れたのは、アンバサダーをつとめる岸谷五朗、大谷亮平、松井愛莉をはじめ、佐藤健、神木隆之介、仲里依紗、テクノポップユニットのPerfume、八木アリサ、三吉彩花、平岡祐太、小関裕太、Aya Satoら今注目の俳優、モデル、アーティスト。フエルサブルータ体験済みの佐藤健は「初めて見たときの衝撃を今でも覚えているので、今日はどのように僕達を驚かせてくれるのかすごく楽しみです」とコメント。その横にいた神木は「僕は全くの初めて。一体何が起こるのか本当に楽しみでドキドキ、ワクワクしてます!だから前情報は入れないで!」と佐藤をチラリと見ながら話した。熱狂の70分が終わると記者会見が行われ、アンバサダーチームである岸谷五朗、大谷亮平、松井愛莉、サンプラザ中野くんが登場。岸谷は、実際にブエノスアイレスに赴き彼らの体を張った厳しい稽古を見守ってきただけに、無事公演が終了したことに感動もひとしお。「凄すぎて真似ができません。日本の舞台装置にはまだない最新の技術やオリジナルの仕掛けが駆使されていますからね。美術にしびれました。和服や刀とかを使う工夫にもグッときた」と大絶賛。大谷は、「気づくと横にパフォーマーの方がいたり、僕も思わず手が伸びて、知らないうちにフエルサ・ブルータに参加していました!」と興奮気味に語った。松井も「観客とキャスト、スタッフの距離がとても近くて、一体感がたまらなかったです」と目をキラキラさせながら、興奮混じりに話した。開幕初日に追加公演の開催が決定。10月1日(日)から12月10日(日)まで。現在先行先着プリセール実施中。受付は8月25日(金)午後11時59分まで。取材・文:ミカマイコ
2017年08月04日韓国の4人組バンドNELLが11月13日(月)に東京、14日(火)に大阪で2年ぶりの来日公演を開催することが決定した。【チケット情報はこちら】NELLは2001年のデビュー以来、韓国ロックシーンのトップを走り続けているバンド。日本でも単独公演の開催や、フェスに出演するなど人気が高い。チケットの一般発売は9月9日(土)午前10時より。なお、一般発売に先がけて、Live Nation Japan先行を実施。受付は8月5日(土)昼12時から8日(火)午後11時59分まで。■NELL LIVE in JAPAN 201711月13日(月)LIQUIDROOM(東京都)開場 18:00 / 開演 19:0011月14日(火)BIGCAT(大阪府)開場 18:30 / 開演19:00
2017年08月04日中国の伝統舞踊や歌舞、声楽、器楽にクラシックバレエやモダンダンスを融合させた総合芸術団体として、世界中で上演を重ねている上海歌舞団。日本でも2005年に『覇王別姫』、2007年には『WILD ZEBRA』と公演のたびにファンを増やしており、今回は2年前の日本ツアーで絶賛を浴びた『朱鷺』が待望の再来日だ。日中国交正常化45周年を祝う記念公演でもある本作。8月の公演を前に、7月19日、メインダンサーの朱潔静と王佳俊、オフィシャルサポーターを務める草刈民代を迎えて制作発表会が行われた。舞劇『朱鷺』-TOKI- チケット情報本作では『羽衣伝説』や『白鳥の湖』などの異類婚姻譚をモチーフに、村の青年ジュンと朱鷺の精ジエの時空を超えた出会いと別れが描かれる。朱と王の表現力豊かな踊りはもちろん、東洋の切り絵を思わせる舞台美術や、切なくドラマチックな楽曲、美しいグラデーションの衣装、一糸乱れぬアンサンブルなど見どころも満載だ。物語は終盤、自然破壊を繰り返す人類と消えゆく朱鷺の姿も描かれ、現代社会に警鐘を鳴らす作品となっている。上海歌舞団団長・陳飛華は「今年は総勢70名と、2年前より大きな規模で来日いたします。本作のテーマは“地球、生命、人類”。細かいところまで手を加えており、さらに良い舞台になっていると思います」と話した。「セットや衣装など、すべての面でアジアの美学を込めた作品。必要なのは、とても細かい動きや表現です」と言うのは、スラリとした美女の朱だ。「こういう朱鷺の動きを踊りに取り入れています。実際に朱鷺の様子を一日中観察したんですよ」と、立ち上がって腕を背と頭に巻き付けるような動きを披露した。王も「最後のほうの現代の場面では、無機質なセットに、踊りもコンテンポラリーダンスに近いものになります」と、叙情的な古代の場面とは異なる面もあることを解説。「日本のアニメやラーメンが大好き。終演後の楽しみです」と照れ笑いするなど、端正な横顔に若い青年らしい素顔をのぞかせた。オフィシャルサポーターとして登壇した草刈は、上海歌舞団の魅力を「中国文化のテイストが土台にある上で、素晴らしい舞台が展開されているところ。それはこの舞踊団にしか表現できないものです」と語る。「ダンサーも国によって特徴や魅力があるんですよ。王さんは美しくてたくましいですが、けしてマッチョではない。朱さんも優しいたたずまいですが、強さも感じさせるのが魅力です。アンサンブルのフォーメーションがビシッと揃っているところも、東洋のカンパニーならではと感じますね」と、海外での舞台経験も多い元ダンサーならではの視点で話した。草刈も太鼓判を押す、唯一無二の舞台。公演は8月29日(火)・30日(水)東京・Bunkamura オーチャードホール、9月2日(土)・3日(日)愛知県芸術劇場 大ホール、9月6日(水)から10日(日)まで東京国際フォーラム ホールC、9月13日(水)・14日(木)大阪・オリックス劇場にて。取材・文佐藤さくら
2017年08月04日オンチと称されながらも熱狂的に愛された伝説の歌姫の実話を元に描いた舞台『グローリアス!』が、8月18日(金)に開幕する。主演の歌姫フローレンス・フォスター・ジェンキンズを演じる篠井英介と、ピアニストのコズメ・マクムーンを演じる水田航生に稽古場で話を聞いた。【チケット情報はこちら】本作は、1940年代のニューヨークで、驚くほどオンチでありながら、類稀な魅力で人々に愛されたソプラノ歌手・フローレンスの物語。篠井、水田、彩吹真央の三人芝居で、演出は鈴木勝秀が手掛ける。水田が「英介さんと彩吹さんが温かくて。演出のスズカツさんも“稽古場ではなんでもいっぱい試して”と言ってくださるので、恐れずに試行錯誤させていただいています」と語る稽古場。「あまり先輩と思わないでって英介さんも言ってくださる」と水田が笑顔で話す通り、ベテランの篠井も「お客様からすると、キャリア何十年の人も初舞台の人も舞台に立ったら同じ。観たい人を観るだけ」とフラットな空気。さらに「スズカッちゃんは穏やかで、役者の中から出てくるものを一生懸命拾い上げて膨らませてくださるのが他の演出家さんと違うところ。こうしろああしろと言うことはあまりない」(篠井)と、3人の俳優全員が、その力をのびのびと発揮する現場だ。描かれるのは、オンチなソプラノ歌手の少し笑える温かな物語。「これがフィクションだと嘘っぽいんだけど、本当なんだと思うとちょっと面白いですよね」と話す篠井が、主人公の歌手・フローレンスを演じる。女形として「久しぶりにしっかりした女の人の役なので嬉しい」とも語る役柄は、「とにかく音楽が好きで、人前で歌って喜んでいただくことが嬉しくって楽しくってという人。面白がらせようとか笑わせようというのではなくて、音楽を分かち合いたいっていう想いで歌っているので。その純粋さや明るさ、前向きさが大事で、それさえ持っていれば大丈夫なんだろうなと思います」。歌の芝居もチャーミングで、観ていると彼女のファンの気持ちがよくわかる。伴奏のピアニスト・コズメを演じる水田は「コズメは作品の中で唯一、心境が変わっていく人。だからこそ繊細につくっていかなければと思っています。ただ、英介さんがいつも言ってくださるのですが、個人プレーじゃないので。ひとつの役がほかのふたりによってより深まるような、そんな関係がしっかりと築ければ、登場人物それぞれがどんどん魅力的になっていくと思う」。三人芝居の魅力、物語の魅力、俳優それぞれの芝居の魅力が堪能できそうな本作。篠井も「夏のレジャーにぜひ!」と誘う公演は8月18日(金)から9月15日まで東京・DDD青山クロスシアターにて。その後、各地を巡演。取材・文:中川實穗
2017年08月03日劇団プレステージ第12回本公演『URA!URA!Booost』が8月16日(水)に開幕する。久しぶりに所属メンバー全員が出演する本作について、稽古場にて猪塚健太、石原壮馬、太田将熙に話を聞いた。【チケット情報はこちら】2005年にユニットを結成。2010年の劇団結成以来、“赤字を出したら解散”のルールのもと公演を重ねてきた劇団プレステージ。今作は、劇団の“直球ど真ん中”である、笑いあり、涙ありの泥臭くも熱いエンターテインメント作品になるという。「今回は応援団の話です。コメディなんですけど、その中で応援することの意味…なぜ応援しているのか、それは誰のためで、自分は応援することによってどうなるのか、ということを掘り下げていくお話になると思います」(猪塚)。その内容は劇団としての想いにもリンクしているといい「2年前の10周年のときに今作と同じ劇場で『Have a good time?』(再演)という作品をやらせてもらって。そのときは“他力”をテーマとした、“皆さんがいるから僕らがいます”っていうお話だったんです。今作はそのアンサーという感じで。12年目、メンバーの平均年齢も30歳以上になってきて、支えられているだけでは、力をもらっているだけじゃだめなんじゃないか、そろそろ“自力”でやるときがきた、という想いが詰まっています」。そんなある種の節目を迎えた劇団の中で、加入4年目のフレッシュなメンバーである石原と太田。現在、2.5次元アイドル応援プロジェクト「ドリフェス!」でも活躍中のふたりだが、太田は「今までは先輩方を見て、『すげー』とか『あの芝居いいな』とかばっかりだったんですけど、最近はなんか負けたくないというか。自分たちも進化しなきゃって想いが強くなっています」、石原も「ずっと先輩方に甘やかしてもらっていたけど、今は『ドリフェス!』などの経験を劇団に持ち帰って、刺激を与えられるような存在にならないとって。今回メンバー全員が集まることで、刺激し合える期間になれば」と伸び盛りな言葉に、先輩・猪塚も「うかうかしてられない」と笑顔。応援とは何か聞いてみると、石原は「結果的に自分を鼓舞するもの」、太田は「生き甲斐」と熱い回答。猪塚は今まであまり語らなかったという自身の経験を明かす。「高校がサッカーの強豪校で。僕はレギュラーになれず、応援のリーダーをしたんですよ。当時感じた、出場できない悔しさと、マジでがんばれっていう応援の気持ち、その混合した想いがこの作品ではリアルに描かれていて。脚本を読んで思い出して、話したくなりました」。応援団のパフォーマンスにも期待大の本作は、8月16日(水)から27日(日)まで東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて上演。チケットは現在発売中。取材・文:中川實穗
2017年08月03日8月26日(土)・27日(日)に福岡・シーサイドももち海浜公園野外特設ステージで野外フェス「TRIANGLE’17」が開催される。【チケット情報はこちら】初日の8月26日(土)にdustbox、ROTTENGRAFFTY、HAWAIIAN6、2日目の27日(日)にGOOD4NOTHING、coldrain、04 Limited Sazabysなど、両日あわせて26組のアーティストが出演。また、同フェスではMAN WITH A MISSIONのTOKYO TANAKAが九州北部豪雨被災地支援を目的とした企画『九州DJ大作戦』を実施。TOKYO TANAKAやHEY-SMITHの猪狩 秀平によるDJのほか、コラボグッズ販売や募金活動を行う。公式サイトではタイムテーブルを公開中。チケットは発売中。■TRIANGLE’17日時: 8月26日(土)・27日(日)開場9:00 / 開演10:15会場: シーサイドももち海浜公園野外特設ステージ(福岡県)出演:【8月26日(土)】打首獄門同好会 / サンボマスター / SHIMA / SHANK / G-FREAK FACTORY / 四星球 / SUPER BEAVER / dustbox / Dizzy Sunfist / HAWAIIAN6 / Handsome Geek / PAN / ROTTENGRAFFTY【8月27日(日)】S.M.N. / OVER ARM THROW / COUNTRY YARD / Crossfaith / GOOD4NOTHING / coldrain / The BONEZ / SIX LOUNGE / STOMPIN’ BIRD / NAMBA69 / 04 Limited Sazabys / Paledusk / locofrank
2017年08月02日カルト的な人気を誇り、1975年に映画化もされたミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』。2011年にはいのうえひでのり演出、古田新太主演で上演、大きな話題を呼んだ。そして今秋、再び古田が『ロッキー~』に帰ってくる。演出を担うのは、いのうえから直々の指名を受けた河原雅彦。さらに新参加となる小池徹平を加えた3人に話を聞いた。ミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』チケット情報元々『ロッキー~』の大ファンだという河原も、前回のいのうえ版を「完璧」と絶賛。だが映画寄りに作られたいのうえ版に比べ、「僕のロッキー体験としては、作り手側が意図しないところで、お客さんが楽しみ方をどんどん発展させていった印象が強い。例えば雨のシーンでは、客席でも新聞紙を傘代わりにして、水鉄砲の水で雨を降らせたり。そういうものが僕の中のロッキーであり、ロッキーの楽しみ方なんです」。古田演じるフランク・フルターは、服装倒錯バリバリのマッド・サイエンティストで、『ロッキー~』の世界観を具現化したような人物。古田は「作品自体がフランクへのお膳立て。要はただのエゴの強い人なんだけど、つまりはそれって舞台上で問答無用に振る舞える役でもある。そういった役は、やっぱりやっていて楽しいし面白いですよ」と笑う。そんなフランクの城へと迷い込んでしまうのが、小池演じるブラッドとソニン演じるジャネットの新婚カップル。「キャスティングされた理由がわからない」と苦笑いを浮かべる小池だが、「第一印象から本当に好きだなって思える作品。テーマパークのような世界観も好きですし、歌もすごくキャッチーで!今回参加出来るのがすごく楽しみで、お話いただいた時からずっとソワソワしていました」と期待を膨らませる。近年注目を集めているダンスチーム“東京ゲゲゲイ”のリーダーMIKEYが振付を手掛け、メンバーも出演もするなど河原版ならではの趣向は随所に。「やっぱり僕は見世物小屋的な、客席に入った瞬間にワクワク出来るような劇場体験が好きですし、かつてはそのために劇場に通っていた。そういう意味でロッキーって、初期衝動に非常に近いんですよね」と河原。するとすかさず古田が、「ある意味古典ともいえる作品なのに、オイラたちの初期衝動に近いってどんだけ初期なんだよ!(笑)」とツッコミ。「でも僕ら世代にも確実に引っかかりますし」と小池が続くと、河原も「どの時代もみんなはしゃぎたいからね。バカは絶えないってことかな(笑)」。思いっきりバカになれる、誰をも魅了する劇場体験がここにある。公演は11月7日(火)から11月12日(日)まで東京・Zeppブルーシアター六本木、11月16日(木)から12月3日(日)まで東京・サンシャイン劇場で上演。その後、北九州・仙台・松本・大阪と各地を巡る。東京の2会場と仙台公演については現在、先行抽選プレリザーブのエントリーを受付中。取材・文:野上瑠美子
2017年08月02日宝塚歌劇星組『阿弖流為-ATERUI-』東京公演が7月31日に開幕した。この作品は日本青年館ホールのこけら落とし公演。主演は星組の礼真琴が務める。星組の二番手スターとして高い人気を誇る礼は、これまで本拠地・宝塚での主演経験はあるものの、東京の地で主演を務めるのは初。新劇場での東京初主演と“初ものづくし”となった。宝塚歌劇星組公演『阿弖流為-ATERUI-』チケット情報新国立競技場の建設に伴い2015年3月、36年の歴史に幕を下ろした旧・日本青年館。日本青年館ホールはその後継施設で、以前より南に約100メートル場所を移した敷地に立つ。7月にオープンし、記念コンサートなどを行っているものの、一般客を入れた公演は今回が初めてで、この日が本格スタートとなる。宝塚歌劇団は旧・日本青年館も東京の拠点のひとつとし、宝塚ファンの間でもなじみのある劇場だっただけに、そのこけら落とし公演となる本作は大盛況でチケットはすでに完売。特に初日のこの日は、建物の外観やロビーの写真を撮るファンの姿も多く見られた。物語は高橋克彦の小説『火怨』が原作。8世紀、大和朝廷が蝦夷征伐に乗り出す時代を背景に、故郷を守る為に立ち上がった蝦夷の若き指導者・阿弖流為が、大きな歴史の流れの中、仲間たちとともに大和との戦いに挑んでいくさまをスペクタクルに描いていく。巨大な中央政権に挑む地方勢力の悲劇を単なる悲劇ではなく、どこか希望も残るステージに仕立てているのが宝塚らしく爽やか。LEDボードを使った映像や激しい立ち回りも見どころだ。そして何と言っても主演の礼が、力強くも涼やか。もともと歌も芝居もダンスも秀でたスターだが、大きな心を持つ優しく強い阿弖流為に説得力があったのは、この人の持ち前の求心力あってこそだろう。カーテンコールで礼はまず、「日本青年館ホールのこの舞台に一番最初に立たせていただく幸せを感じ、身の引き締まる思いでいっぱいです」と挨拶。「全員が心をひとつに、力をあわせて駆け抜けたい」と公演への意気込みを語ると同時に、「この作品がこけら落とし公演でよかったと思っていただける作品になるよう、全力で頑張ります」と、こけら落とし公演主演という栄誉ある大役への意気込みも。カーテンコールは4度繰り返され、満員の客席は最後にはスタンディングオベーションになるほどの大盛り上がりとなった。星組公演『阿弖流為-ATERUI-』は8月6日(日)まで同劇場で上演。なお、日本青年館ホールではこのあと、9月25日(月)から10月15日(日)まで、元宝塚星組トップスター・北翔海莉主演ミュージカル『パジャマゲーム』の上演などが控えている。
2017年08月02日劇団創立95周年となるOSK日本歌劇団の、約1年ぶりとなる新橋演舞場での8、9月公演『レビュー夏のおどり』。この度記者懇親会が行なわれ、OSK日本歌劇団トップスター 高世 麻央(たかせ まお)、また男役スターの桐生 麻耶(きりゅう あさや)、楊 琳(やん りん)、真麻 里都(まあさ りと)、悠浦 あやと(ゆうら あやと)が出席した。【チケット情報はこちら】『レビュー夏のおどり』は、和物、洋物レビューの豪華2本立てで構成され、第1部の『桜鏡~夢幻義経譚~』は源義経の物語を元にした和物舞踊レビュー。牛若丸から義経へ成長する自身の配役について高世は「知られているからこそイメージを壊さないように、自分らしく演じたいと思います」と話す。また壇ノ浦の合戦の場面についても「舞台機構をふんだんにつかい、自分たちが演じていてもワクワクする演出をいただいているので、緊張感をもって演じられれば」とやる気を見せた。弁慶を演じる桐生は「弁慶を演じるなら桐生さん」と言われることについて苦笑しながらも、「弁慶と義経の絆に、自分と高世さんの関係に重なるところがあるのかな、と思いながら演じています」と語った。第2部の『Brilliant Wave~100年への鼓動~』はラインダンスや黒燕尾の男役と“ダンスのOSK”と呼ばれるその実力を楽しむことができるレビュー。見所を聞かれ、「本当に全部が見所だとおもいます」と答えたのは楊。「演舞場だけ異様に気温が高いぞと思われるくらい、体中からパワーを出してヒートアップしていきたいと思います!」と意気込んだ。真麻が見所にあげたのはフィナーレの黒燕尾。「フィナーレは久々の正式な黒燕尾。階段で男役がずらっと並ぶとゾクゾクしますし、それを皆さんにも感じていただけたら」と話した。悠浦はリフトの多さに注目してほしいと話し「ご覧になったお客様から『女性同士でどうやって?』と聞かれるのですが、それは企業秘密ということで」と茶目っ気たっぷりに会場を笑わせた。トップスター就任3年目となる高世は、本公演について「歴史ある新橋演舞場で今年も公演させていただけること、東京の皆様に観ていただけると思うとワクワクします。OSK日本歌劇団は95周年を迎えさせていただきましたが、これからの100周年に向けて歩んでいっているような躍動的な作品を、ひとりでも多くの方に観ていただければと思います」とコメント。レビューに馴染みがなくとも楽しめる、OSK日本歌劇団のエネルギッシュなパフォーマンスをぜひ劇場で体感してほしい。公演は8月31日(木)から9月3日(日)まで、新橋演舞場にて。チケットは一般発売中。
2017年08月01日グレゴリー・ペックが新聞記者のジョーを、そしてオードリー・ヘプバーンがアン王女を演じた名作『ローマの休日』(1953年)。近年では、当時のアメリカで吹き荒れた“赤狩り”でハリウッドを追われた脚本家ダルトン・トランボが、名前を隠して原作を書いたことでも知られている。この舞台版では、脚本・演出担当のマキノノゾミが、ダルトンが抱えていた背景をジョーに投影。映画版の叙情性にひとさじの社会性を加え、2010年の初演時には見事、菊田一夫演劇賞を受賞した。今回は再々演にして、初演でアン王女を演じた朝海ひかるが復活。7月30日、東京・世田谷パブリックシアターで初日の幕が開いた。【チケット情報はこちら】1950年代のイタリア。新聞のローマ支局に勤めるアメリカ人記者ジョー(吉田栄作)は、ある晩、泥酔した様子の若い娘を部屋に泊めることになる。翌朝彼は、その娘が表敬訪問中の某国のアン王女(朝海)であること、さらに今朝の会見が中止になっていることを知る。早速スクープのネタにしようと、カメラマンのアーヴィング(小倉久寛)を呼び出し、アンを“ローマの休日”に連れ出すジョー。そんな中、アンは、ハリウッドのシナリオライターだったジョーが新聞記者をしている理由を聞かされる。一方のジョーも、次第に無邪気でまっすぐなアンに惹かれてゆき……。吉田は安月給の記者に身をやつしながらも、アンとのやりとりの中に本来の誠実さをのぞかせるジョーを好演。しなやかな立ち姿がオードリーのアン王女そっくりの朝海は、コミカルな序盤から終盤の毅然とした振る舞いまで、生き生きと演じて魅力的だ。生硬さが持ち味のふたりに対し、小太りながら伊達男を気取るアーヴィング役、小倉の軽妙さが効いている。ジョーと自分が巻き込まれた“赤狩り”をアンに語る場面では、小倉の静かな語り口に味わいがある。ヘプバーンやイタリア名所を味わう映画版が水彩画とすれば、本作は、ジョーの物語を鉛筆で丁寧に描いたスケッチのおもむきだ。シンプルだが温かみにあふれた舞台は、物語に潜む普遍性をハッキリと浮き彫りにする。ジョーがふと漏らす“人生は、ままならない”という言葉に、アン王女が“私もそうよ”と返すシーンが、新たな感慨をもって胸に迫る。初日の特別カーテンコールでは、吉田が「ひとつの作品に7年ごしに携われる幸せを感じています。こうして今日、舞台で生きていられることに感謝したい」と想いを込めて挨拶。朝海も「この作品に再び戻れることが出来て、本当に幸せです」と感動しきり。小倉が「今回は3回め(の上演)なので、ひと回りもふた回りも(演技を)大きくして……」と言いながら腹を揺らすと、客席からは大きな笑いが。舞台版ならではの温かさを存分に感じた初日となった。公演は8月6日(日)まで。チケット発売中。取材・文佐藤さくら
2017年08月01日「初めて音を合わせた時にビビビッと電流が走るような快感、直感があった」。そう語るのは、超絶かつ繊細なテクニックで国内外にファンを持つピアニスト、中村天平だ。解体業などを経験しピアニストへという異色の経歴をもち、Tシャツ姿でのプレイや、“平成の寅さんツアー”と称し全国行脚を行なうクラシック界の異端児の心を掴んだのは、フュージョン界の鬼才ドラマー、山本真央樹。このふたりが、白熱した音の会話を繰り広げる新ユニットが、天平&真央樹である。天平&真央樹 チケット情報「元々Neo Resistance Quartettoという弦楽器も入ったバンドを一緒にやっていて。そこでは、クラシックとロックとモダンとを混ぜた、聴きやすい音楽がコンセプトで。作曲時にドラムのフレーズも打ち込みで作って、“こういうイメージで”と伝えていたんです。今回はあえてドラムのフレーズを作っていないんです。真央樹くんの想像力を信頼しているし、面白いものが出てくるんじゃないかなっていう。ピアノもドラムもここでしかできないことで、ひとつの究極を目指していくのが天平&真央樹でのコンセプト」(天平)「天平さんのプレイは、ピアノのソロなのに打楽器的なんです。最初に合わせた楽曲“火の鳥”も、ドラムの音が聞こえてくるからその場でパッとできたんです。僕はドラムというひとつの楽器担当という意識はあまりなく、今作も、ピアノから聞こえてくる音を自分で譜面に昇華していって。ここはこうしたらもっとカッコよくなるんじゃないかってアイディアを出し合いながら、トータルな意味で音楽を完成させるスタンスでした」(真央樹)1stアルバム『kaleidoscope』は、“万華鏡”の意味通りに変幻自在な音の世界が広がる。代表曲「火の鳥」などはプログレッシヴな曲だが、複雑さに重きを置いた曲ではない。どの曲もドラマに満ち、プリミティヴな感動を呼び起こす。「曲を作るときには、心の動きが大事。変かもしれないですけど、僕は、傷ついてなんぼだと思っているんです。傷つくのを恐れて、危険な道を避ける人たちが大多数だと思うんですけど。僕はあえて、挑戦する道を選ぶというか。心の振れ幅も大きなものを得られるし、それが曲の原動力になっていますね」(天平)12月には初のライブツアーを東京・大阪・名古屋で開催する。会場はクラブクアトロ。ふたりの熱と汗を間近で感じられるライブを楽しみにしたい。「アルバム『kaleidoscope』の10曲だけでなくて、新曲も引っさげていきたいので。集中力、爆発力、熱量がトップに上ったツアーになると思います」(天平)取材・文:吉羽さおり
2017年08月01日NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」で、うたのお兄さんを歴代最長の9年間務めた横山だいすけ。そんな彼の念願だったというミュージカル・コンサートツアー『だいすけお兄さんの世界迷作劇場 2017』が、7月25日兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホールでスタート。卒業後初の記念すべきツアー公演、その終演直後に話を聞いた。「だいすけお兄さんの世界迷作劇場2017」チケット情報幼い頃からうたのお兄さんに憧れ、技術を磨くため国立音楽大学音楽学部声楽学科を卒業し劇団四季に入団。その後夢を叶えた“だいすけお兄さん”は、同番組を卒業した4月から活動の幅を広げ、人気が止まらない。ブログ読者は16万人以上。ドラマやバラエティ番組に出演し、8月公開の映画『くまのがっこう&ふうせんいぬティニー』では主題歌を担当する。冒頭で「みんなー!こんにちはー!」と登場すると、子どもも大人も「こんにちはー!」と最高の笑顔で返す。テレビで観ていただいすけお兄さんに、世代を超えて興奮しているのが伝わってくる。物語仕立ての第1部では、ある有名なキャラクターに扮し、歌やダンス、芝居とミュージカル俳優の一面を見せて大活躍。アクションシーンでは子どもたちから「がんばれー!」と掛け声も。「笑顔や掛け声を頂くとエネルギーが湧きます! “迷作劇場”というタイトルの通り、皆さんがよく知る名作にワクワクやドキドキ、面白さを加えたミュージカルになっているのですが、僕たちなりの味付けが皆さまに伝わっているのを感じて嬉しかったです」と明るく話す。演出は元劇団四季の仲間で、ミュージカル『魔女の宅急便』も手掛けた岸本功喜。子どもが大好きな童謡にオリジナル曲(歌詞/岸本功喜・作曲/小島良太)を組み合わせ、親子で自然に盛り上がれる構成になっている。ミュージカルのラストの曲『大人への一歩』は、キャストが横一列に並び観客に真っ直ぐ歌いかけ、その深いメッセージ性が心を打つ。「このオリジナル曲は育児で壁にぶつかる親御さんにも届くような温かい詞になっています。“一歩踏み出せば世界は無限に広がる”というような歌詞に僕自身もグッときます。観て下さる方の希望につながればと思います」。第2部のコンサートでは、人気の『ぼよよん行進曲』などが登場、観客も“ぼよよよ~ん”の歌詞に合わせて体を動かし楽しんでいた。「番組を卒業してから“子どもたちロス”でしたので、子どもたちの目を見ながら歌える環境がとても幸せです。これからもいろんな名作を僕たちの色に変えて届けていきたいです」と先々にまで思いを馳せ、爽やかな笑顔を見せた。8月6日(日)まで関西8か所で全17公演を実施。秋から全国ツアーも開催決定。取材・文:小野寺亜紀
2017年08月01日